概要
標準偏差楕円または楕円体を作成して、中心傾向、分散、指向性傾向といった、地理フィーチャの空間特性をまとめます。
[分布指向性分析 (Directional Distribution (Standard Deviational Ellipse))] の詳細
図
使用法
[分布指向性分析 (Directional Distribution (Standard Deviational Ellipse))] ツールを実行すると、[ケース フィールド] パラメーターを使用した場合は各ケースについて、楕円ポリゴンまたは 3D 楕円体マルチパッチを格納した新しい出力楕円フィーチャクラスが作成されます。これらの楕円ポリゴンの属性値には、平均中心の X 座標と Y 座標、2 つの標準距離 (長軸と短軸)、楕円の方向などがあります。Z 対応のポイント データを使用する場合、属性値には、楕円体の平均中心の Z 座標、3 番目の標準距離 (高さ)、および方位測定も含まれます。入力フィーチャが 2D である場合、フィールド名は、CenterX、CenterY、XStdDist、YStdDist、Rotation です。入力フィーチャが 3D ポイントである場合、次のフィールドが出力楕円フィーチャクラスに追加されます。CenterZ、ZStdDist、AngleZ、TiltX、RollY、Volume。[ケース フィールド] が提供されている場合は、このフィールドが出力フィーチャクラスにも追加されます。
このツールはポイント データの 3D の性質を認識し、Z 値が使用できる場合は、計算で X、Y、Z の値を使用します。それらの結果は本質的に 3D であるため、[シーン] で視覚化する必要があります。解析結果を正しく視覚化するには、必ず解析を [シーン] で実行するか、結果レイヤーを [シーン] にコピーしてください。
距離を正確に測定するには、計算に投影データが必要です。
フィーチャの空間パターンが中心に向かって集中しており、周囲に近づくにつれてフィーチャが少なくなる場合 (レーリー分布) は、1 標準偏差楕円ポリゴンでフィーチャの約 63 パーセントがカバーされ、2 標準偏差でフィーチャの約 98 パーセントがカバーされ、3 標準偏差でクラスター内のフィーチャの約 99 パーセントがカバーされます。3 次元では、結果は 61-99-100 パーセント ルールに従います。
データが Z 対応である場合、出力される AngleZ、TiltX、RollY フィールドの値はオイラー角で、3D 空間における楕円体の方向を記述します。データが Z 対応でない場合、出力される Rotation フィールドの値は、12 時から時計回りで計測された長軸の回転を表します。
データが Z 対応である場合、[ジオメトリ属性の追加 (Add Geometry Attributes)] ツールを使用して、データの X、Y、Z 座標を表示できます。
分析に先立って、[ケース フィールド] パラメーターを使用してフィーチャをグループ化します。[ケース フィールド] を指定した場合、ケース フィールドの値に基づいて、まず入力ライン フィーチャがグループ化されます。次に、そのグループごとに標準偏差楕円または楕円体が算出されます。ケース フィールドは、整数型、日付型、または文字列型です。[ケース フィールド] に NULL 値を持つレコードは、分析から除外されます。
標準偏差楕円または楕円体の計算は、(たとえば、交通事故の重大性で加重した楕円を取得する場合など) オプションの [加重フィールド] パラメーターを使用することもできます。加重フィールドの値は数値でなければなりません。
-
ライン フィーチャとポリゴン フィーチャの場合は、距離の計算にフィーチャの重心が使用されます。マルチポイント、ポリライン、または複数のパートを持つポリゴンの場合は、すべてのフィーチャ パートの加重平均中心を使用して重心が計算されます。加重は、ポイント フィーチャの場合は 1、ライン フィーチャの場合は長さ、ポリゴン フィーチャの場合は面積です。
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マップ レイヤーを使用して、入力フィーチャクラスを指定できます。解析対象として指定したレイヤーの中で何らかのフィーチャが選択されている場合、選択されているフィーチャだけが解析の対象となります。
注意:
シェープファイルを使用するときは、NULL 値を格納できないため、注意が必要です。シェープファイル以外の入力からシェープファイルを作成するツールまたはその他の方法では、NULL 値がゼロとして格納または解釈される場合があります。場合によっては、NULL 値はシェープファイルに非常に大きな負の値として格納されます。この場合、予期せぬ結果に至ることがあります。詳細については、「ジオプロセシングでのシェープファイル出力の注意事項」をご参照ください。
構文
DirectionalDistribution(Input_Feature_Class, Output_Ellipse_Feature_Class, Ellipse_Size, {Weight_Field}, {Case_Field})
パラメーター | 説明 | データ タイプ |
Input_Feature_Class | 標準偏差楕円または楕円体の計算対象となるフィーチャの分布を示すフィーチャクラス。 | Feature Layer |
Output_Ellipse_Feature_Class | 出力楕円フィーチャが格納されるポリゴン フィーチャクラス。 | Feature Class |
Ellipse_Size | 標準偏差における出力楕円のサイズ。デフォルトの楕円サイズは 1 であり、標準偏差として選択できる有効な値は 1、2、または 3 です。
| String |
Weight_Field (オプション) | 相対的重要性に応じて位置にウェイトを付けるために使用される数値フィールドです。 | Field |
Case_Field (オプション) | 個々の分布指向性分析の計算式のためのフィーチャのグループ化に使用するフィールド。ケース フィールドは、整数型、日付型、または文字列型です。 | Field |
コードのサンプル
次の Python ウィンドウ スクリプトは、DirectionalDistribution ツールの使用方法を示しています。
import arcpy
arcpy.env.workspace = r"C:\data"
arcpy.DirectionalDistribution_stats("AutoTheft.shp", "auto_theft_SE.shp", "1_STANDARD_DEVIATION")
次のスタンドアロン Python スクリプトは、DirectionalDistribution ツールの使用方法を示しています。
# Measure the geographic distribution of auto thefts
# Import system modules
import arcpy
# Local variables...
workspace = "C:/data"
locations = "AutoTheft.shp"
links = "AutoTheft_links.shp"
standardDistance = "auto_theft_SD.shp"
stardardEllipse = "auto_theft_SE.shp"
linearDirectMean = "auto_theft_LDM.shp"
# Set the workspace (to avoid having to type in the full path to the data every time)
arcpy.env.workspace = workspace
# Process: Standard Distance of auto theft locations...
arcpy.StandardDistance_stats(locations, standardDistance, "1_STANDARD_DEVIATION", "#", "#")
# Process: Directional Distribution (Standard Deviational Ellipse) of auto theft locations...
arcpy.DirectionalDistribution_stats(locations, standardEllipse, "1_STANDARD_DEVIATION", "#", "#")
# Process: Linear Directional Mean of auto thefts...
arcpy.DirectionalMean_stats(links, linearDirectMean, "DIRECTION", "#")
環境
- 出力座標系
フィーチャ ジオメトリは分析に先立って出力座標系に投影されます。すべての数学的演算は、出力座標系の空間参照に基づいて実行されます。
ライセンス情報
- Basic: はい
- Standard: はい
- Advanced: はい