ファイル ジオデータベースのライセンス生成

Standard または Advancedのライセンスで利用可能。

ファイル ジオデータベース内のデータを他のユーザーと共有し、それらのユーザーがデータを使用できる期間や、それらのユーザーがフィーチャクラスをジオデータベースからエクスポートできるかどうかを定めるライセンスを適用できます。

たとえば、ある教授が 1 学期の間、生徒にデータを配布する場合、その教授は、その学期の終了時に期限が切れるようにライセンスされたデータを含むファイル ジオデータベースを生徒に提供できます。また、データセットを分析する請負業者を雇う場合、その請負業者にデータをエクスポートさせたくなければ、データのエクスポートが許可されないようにライセンスされたファイル ジオデータベースをその請負業者に提供できます。

ライセンス付きファイル ジオデータベースを作成する、ライセンスを生成する、およびライセンスされたデータにアクセスするために ArcGIS クライアントにライセンスを適用するには、次の手順に従ってください。

  1. ファイル ジオデータベースを作成します
  2. ライセンスを使用して制限するデータを読み込みます
  3. ファイル ジオデータベースをライセンス済みとして指定し、ライセンス定義ファイルを生成します。
  4. ライセンスされたデータにアクセスするために使用するライセンス ファイルを生成します。
  5. ライセンス ファイルを ArcGIS クライアントに適用して、データへのアクセスを許可します。

ファイル ジオデータベースの作成

他のユーザーにファイル ジオデータベースを送信するため、この目的専用のファイル ジオデータベースを作成します。詳細については、「ファイル ジオデータベースの作成」をご参照ください。

ArcGIS Pro は、ArcGIS 10 以降の非圧縮ファイル ジオデータベースまたは ArcGIS 10.1 の圧縮ジオデータベースをライセンスできます。

使用を制限するデータの読み込み

ジオデータベースをライセンスする前に、時間制限またはエクスポート制限を適用するすべてのデータを、ファイル ジオデータベースに読み込みます。後で、他のデータを追加することはできますが、ファイル ジオデータベースをライセンスした後は、読み込んだデータに制限を適用することはできません。後で他のデータに制限を適用するには、新しいファイル ジオデータベースをライセンスする必要があります。

ファイル ジオデータベースのライセンス生成

作成してデータを読み込んだファイル ジオデータベースをライセンスするには、[ライセンス付きファイル ジオデータベースの生成 (Generate Licensed File Geodatabase)] ツールまたはこのツールを呼び出す Python スクリプトを実行します。

[ライセンス付きファイル ジオデータベースの生成 (Generate Licensed File Geodatabase)] ツールは、データのライセンスをサポートするようにファイル ジオデータベースを変更し、ライセンス定義ファイル (**.licdef) を作成します。ライセンス定義ファイルには、データをライセンスして配布するために必要な情報が含まれています。ライセンス ファイルを生成する場合、このファイルが必要になります。

ファイル ジオデータベースをライセンスしたら、そのライセンスを取り消すことはできません。

ライセンス ファイルの生成

ライセンス ファイル (*.sdlic) を定義および生成するには、[ファイル ジオデータベース ライセンスの生成 (Generate File Geodatabase License)] ツールまたはこのツールを呼び出す Python スクリプトを使用します。

ライセンス ファイルを定義するときに、ファイル ジオデータベースからフィーチャクラスをエクスポートすることを許可するかどうかを選択できます。デフォルトでは、ライセンス付きファイル ジオデータベースからフィーチャクラスをエクスポートすることはできません。ライセンス ファイルを定義するときに、ライセンス ファイルの有効期限を設定することもできます。この有効期限が過ぎると、ファイル ジオデータベースのコンテンツは表示できなくなります。これにより、ライセンス付きジオデータベースに期間が設定されます。たとえば、アクセス権限の期限が 4 月 7 日に切れるように設定した場合、4 月 8 日以降、ライセンスされたデータはアクセス不可になります。デフォルトでは、有効期限の値は設定されません。つまり、データ ライセンス ファイルの有効期限は切れません。

メモ:

有効期限を定義するインターフェイスでは、標準の日時ツールが使用されます。このツールを使用して有効期限の時刻を定義できますが、システムはこの時刻を使用しません。データのライセンスの有効期限は、必ず午前零時に切れます。

一度ライセンス ファイル (*.sdlic) が生成されると、それ以降ファイル ジオデータベースに読み込まれる追加データには、ライセンスが付与されません。そのため、ライセンスする必要がないその他のデータを共有する場合は、ライセンスを生成した後でも追加することができます。

各 ArcGIS クライアントへのライセンスの適用

データへのアクセスが必要なユーザーは、ライセンス ファイルを認識するように ArcGIS クライアントを構成する必要があります。

ArcGIS Pro へのライセンスの適用

ファイル ジオデータベースのライセンスを適用して管理するには、[プロジェクト] タブの [ライセンス] セクションにある [データ ライセンスの管理] ダイアログ ボックスを使用します。詳細については、「ファイル ジオデータベースのライセンスの管理」をご参照ください。

ArcGIS Server へのライセンスの適用

ArcGIS Server には、ArcGIS Server サイトにファイル ジオデータベースのライセンスを登録できるライセンス ツールが用意されています。

Microsoft Windows サーバーの場合

コマンド プロンプトを開き、<ArcGIS Server Installation Directory>\Server\bin にある DataLicInstall ツールを実行します。

以下の例では、このツールを実行して、C:\\data にある proj3.sdlic ファイルを適用しています。

datalicinstall c:\\data\proj3.sdlic

Linux サーバーの場合

シェル コマンドを開き、<ArcGIS Server Installation Directory>/arcgis/server/tools にある datalicinstall ツールを実行します。

以下の例では、このツールを実行して、/usr/data にある proj3.sdlic ファイルを適用しています。

./datalicinstall/usr/data/proj3.sdlic