ArcGIS Pro のジオデータベース レプリケーションを使用している場合、レプリカの作成および同期処理の際に発生する詳細なプロセスについての情報の追跡には、次のタイプのログが使用されます。
- レプリカ アクティビティ ログ
- レプリカが作成または削除された日時を記録します。
- レプリカ間の同期処理についての詳細情報を記録します。
- 記録された情報を使用して、エラーまたはレプリカ作成および同期処理のパフォーマンスのトラブルシューティングを行うことができます。
- レプリカ ログ
- 変更の送受信など、レプリカの同期イベントを記録します。
- レプリカの同期処理中にエラーや競合が発生した場合は、エラーの説明や解決方法が提供されます。
これらのログ タイプについての詳細は、「レプリカ アクティビティ ログ」および「 レプリカ ログ」をご参照ください。
レプリカ アクティビティ ログ
ArcGIS でレプリカ作成や同期処理を実行すると、ArcGIS Pro レプリカ アクティビティ ログに処理の詳細な情報が記録されます。この情報を使用して、エラーまたはレプリカ作成および同期処理のパフォーマンスのトラブルシューティングを行うことができます。
ArcGIS Pro レプリカ アクティビティ ログには、レプリカ ログよりも詳しい情報が記録されており、エラーがあった場合はエラー情報など、操作に関連する情報とともに実行された各操作の記録が含まれています。レプリカ アクティビティ ログの情報の記録場所と詳細のレベルを制御するには、次のセクションで説明するログ プロパティにアクセスする必要があります。
レプリカ ログ プロパティへのアクセス
複数の詳細レベルから記録するレベルを選択したり、コンピューターの ArcGIS Pro レプリカ アクティビティ ログの作成および更新の場所を選択できます。レプリカの [ログ プロパティ] は、ArcGIS Pro プロジェクトの [オプション] ダイアログ ボックスにある [ジオデータベース レプリケーション] タブ、または [レプリカの管理] ウィンドウにある [レプリカの管理] メニューからアクセスできます。以下に、各アクセス方法の手順を説明します。
ジオデータベース レプリケーション タブ
[ジオデータベース レプリケーション] タブからレプリカ ログ プロパティにアクセスし、設定するには、次の手順に従います。
- ArcGIS Pro の [プロジェクト] タブから、[オプション] を選択します。
- [ジオデータベース レプリケーション] タブを選択します。このタブから、デフォルトの [ログ ファイル パス] および [ログ レベル] を設定できます。
メモ:
フィーチャ サービスでの同期機能によりマップをオフラインにするなど、ArcGIS Pro 内のオフライン ワークフローを使用しても、ProReplicaActivityLog に書き込むことができます。この場合は、ArcGIS Pro プロジェクトの [オプション] にある [ジオデータベース レプリケーション] タブを使用して、このログファイルを作成し、管理する場所と、記録の詳細レベルを構成します。詳細については、「オフラインでのフィーチャ レイヤーの利用」をご参照ください。
レプリカの管理メニュー
[レプリカの管理] メニューからレプリカ ログ プロパティにアクセスし、設定するには、次の手順に従います。
- [カタログ] ウィンドウで既存のジオデータベース接続を右クリックし、[分散ジオデータベース] をポイントして [レプリカの管理] をクリックします。
- [レプリカの管理] メニュー をクリックして、[ログ プロパティ] をクリックします。
[レプリカの管理] ウィンドウで使用できるすべてのツールの詳細については、「レプリカの管理の概要」をご参照ください。
レプリカ ログ プロパティの設定
[ログ プロパティ] ダイアログ ボックスで次の値を設定することで、ArcGIS Pro レプリカ アクティビティ ログを格納する場所と記録する情報の詳細レベルを選択できます。
- [ログ ファイル パス] - ArcGIS Pro レプリカ アクティビティ ログ ファイルのデフォルトの場所は、C:\Users\<user_profile>\AppData\Local\ESRI\ProReplicaActivityLog.dat です。この場所は、レプリカ アクティビティ ログ ファイルを保存する別のパスを入力することで変更できます。このパスの場所は、共有ファイル場所にすることもできます。
- [ログ レベル] - ArcGIS Pro レプリカ アクティビティ ログに記録する詳細レベルを選択します。[情報: 単純] は、デフォルトのログ レベルで、ほとんどの場合、レプリカ作成や同期処理での動作を理解するためには十分です。追加情報が必要な場合は、別のログ レベル オプションを選択できます。トラブルシューティングの目的で ArcGIS Pro レプリカ アクティビティ ログ ファイルを解析できるようにするために、Esri テクニカル サポートからログ レベルを [デバッグ] に設定するように依頼される場合があります。
レプリカ アクティビティ ログの表示
ArcGIS Pro レプリカ アクティビティ ログに保存する情報には、次の情報を含めることができます。
- エラー - プロセスの実行中に発生したエラーの数
- 警告 - プロセスの実行中に発生した警告の数
- 操作名 - 実行したプロセスの名前
- 完了日時 - プロセスが完了した日時
- 操作情報 - プロセスに関する一般情報
テキスト エディターによるレプリカ アクティビティ ログ ファイルの表示
ProReplicaActivityLog ファイルの内容は、直接テキスト エディターで表示できます。
[デバッグ] のログ レベルを使用して、親から子への一方向のレプリカを作成したときの ArcGIS Pro レプリカ アクティビティ ログ ファイルに取得された情報の例を次に示します。
書式設定したビューによるレプリカ アクティビティ ログ ファイルの表示
必要に応じて、[レプリカ ログ ビューアー] (ArcGIS Pro カスタム アドイン) を使用して、レプリカ アクティビティ ログの書式設定したビューを表示できます。[レプリカ ログ ビューアー] では、ArcGIS Pro レプリカ アクティビティ ログを表示する際の次のコマンドが追加提供されています。
- [ログを開く] - ArcGIS Pro レプリカ アクティビティ ログ ファイルの場所を参照します。
- [レプリカ名によるフィルター処理] または [期間によるフィルター] - ログ ファイルで検出されたレプリカ名に基づく、または日付の範囲を使用したレプリカ アクティビティによるフィルター処理。
- [エラーと警告のみを表示] - レプリカ アクティビティ ログ ファイルに取得されたエラーと警告のみを表示します。
次の図は、[デバッグ] のログレベルを使用して、親から子への一方向のレプリカを作成したときに取得した情報を格納している同じ ArcGIS Pro レプリカ アクティビティ ログ ファイルの書式設定したビューです。
このレプリカ ログ ビューアー カスタム アドインにアクセスする手順、および ArcGIS Pro レプリカ アクティビティ ログに格納された情報の書式設定したビューをインストールして表示する手順については、技術資料「レプリカ アクティビティ ログの書式設定したビューを表示する方法」をご参照ください。
レプリカ ログ
[レプリカ ログ] タブの [レプリカ プロパティ] ダイアログ ボックスには、同期イベントについてジオデータベースに格納されている情報と、エラーがあった場合はエラー情報が表示されます。変更が送信および受信された日時と、レプリカ アクティビティ ログと同じように、エラーがあればエラーが表示されます。
メモ:
[レプリカ ログ] タブは、一方向レプリカおよび双方向レプリカの場合のみ使用できます。
レプリカ ログの表示
[レプリカ ログ] タブでは、ログを参照したい日数を選択したり、[すべて表示] オプションをオンにして特定のレプリカのすべてのログを確認したりできます。[すべて表示] をオンにしていると、[以降のメッセージをリスト] テキスト ボックスが使用できません。
また、[レプリカ ログ] タブに表示される結果を、結果タイプによりフィルタリングすることができます。
レプリカ ログには、メッセージごとに [ログの日付]、[イベント]、および [結果] の各アイテムが表示されます。
- [ログの日付] - メッセージが送信または受信された日時。
- [イベント] - このレプリカによってメッセージが送信 ([変更を送信]) または受信 ([変更データを受信]) されたかどうかを表示します。
- [結果] - メッセージが正常に送信または受信されたかどうか、イベントの実行時にレプリカの競合やエラーが発生したかどうかなどを表示します。
[結果] 列に競合やシステム エラーが表示された場合は、その列を右クリックしてエラー レポートにアクセスします。
レプリカ ログのエラー レポートへのアクセス
[結果] 列に競合やシステム エラーが表示された場合は、その列を右クリックして [エラー レポート] にアクセスします。
競合のエラー レポートには、競合の理由と、可能であれば競合状態からレプリカを取り除く解決方法が記述されます。
また、[エラー レポート] には、レプリカに関連付けられた世代番号の情報も表示されます。最初と最後の世代番号は、受信レプリカに送信された編集の範囲を示し、ターゲット世代は、編集を受信したターゲット レプリカの世代番号を示します。
参考情報
詳細については、以下のリソースをご参照ください。