CAD 用に定義された有効な投影情報ファイルまたは BIM ファイルが存在することを確認した後に、Revit モデルを再配置する必要がある場合、リボンの [管理] タブにある [ジオプロセシング] ツールバーの [場所検索]、[表示範囲に移動]、[移動]、[回転]、および [地表に一致] ツールを使用して、Revit フィーチャ レイヤーを再配置することができます。以下では、これらのツールのワークフローについて説明します。
Revit ファイルの地理空間位置を整合チェックするシーンの設定
シーンの空間参照の単位は、Revit ファイルの単位と一致する必要があります。Revit ファイルがメートル法の単位 (メートル、センチメートル、またはミリメートル) を使用して作成された場合、シーンの空間参照はメートルの距離単位を使用する必要があります。Revit ファイルがフィートまたはインチを単位として作成された場合も同様です。Revit ファイルの表示単位が米国の計測単位 (フィートまたはインチ) に設定されている場合、空間参照の距離単位はフィートである必要があります。
- ArcGIS Pro でローカルまたはグローバル シーンを開きます。
ローカルまたはグローバル シーンを使用できますが、この例ではローカル シーンを使用します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[シーン] を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
- [一般] タブで、[表示単位] と [高度単位] を Revit ファイルの描画単位と一致するように設定します。
たとえば、描画単位がフィートの場合は、[フィート] を選択します。
- [座標系] タブで、前のステップで選択した単位と一致する単位で、解析領域に適した座標系を選択します。
たとえば、Revit ファイルがフィート単位であり、前のステップでフィートを選択した場合は、フィート単位の米国州平面座標系を選択します。
選択した座標系の単位を決定するには、[詳細] をクリックし、[距離単位] を表示します。
- [OK] をクリックします。
投影法の定義
Revit モデルまたは CAD ファイルの空間参照の存在を定義または確認するには、リボンの [ビルディング] タブの [管理] タブにある [投影法の定義 (Define Projection)] ツールを使用します。BIM ファイルまたは CAD ファイルが、作成時の既知の地理空間座標系に描画された場合、適切な投影法を割り当てます。ファイルは、想定された位置に描画されます。ファイルが Revit または CAD で既知の地理空間座標系を使用して作成されなかった場合、データの距離単位および地理的位置に一致する空間参照のいずれかを選択します。空間参照を定義した後に、BIM または CAD データが正しい位置に再描画された場合、ここで止めることができ、CAD ファイルまたは BIM ファイルをジオリファレンスする必要はありません。
適切な空間参照を定義した後に、データが想定された位置に再描画されない場合、ジオリファレンスのワークフローを続行するには、リボンの [ビルディング] タブの [管理] タブにある [ジオリファレンス] ツールをクリックして、[ジオリファレンス] タブを表示します。
BIM ファイルまたは CAD ファイルのジオリファレンスは、1 つのフィーチャ レイヤーに対して実行されますが、BIM ファイル ワークスペース (Revit ファイル) または CAD データセット (CAD ファイル) のすべてのフィーチャ レイヤーに適用されます。ファイル全体ではなく、Floors や ExteriorShell などの、ファイルを適切に検索するための十分な情報を追加することをお勧めします。これによって処理が高速化され、ジオリファレンスが完了した後に、ファイル全体を追加することができます。このジオリファレンスは、CAD ファイルまたは BIM ファイルのすべてのフィーチャ レイヤーに適用されます。ジオプロセシングで [移動 (Move)] ツールおよび [回転 (Rotate)] ツールを使用して、選択したフィーチャ レイヤーをより正確に配置するために、スナップを有効化することもお勧めします。
場所検索
[場所検索] ツールを使用すると、ビュー内でファイルが表示されるおおよその場所に関するキーワード (建物の住所など) を使用して、エリアを検索できます。対象地域を取得した後に、その場所に戻ることができるように、ブックマークを作成できます。
表示範囲に移動
[表示範囲に移動] ツールを使用すると、ターゲットの Revit または CAD フィーチャ レイヤーを現在の表示範囲にシフトして、デフォルトで地表面上に配置できます。場合によっては、含まれたデータのジオメトリに基づいて、ファイルが地表の上に浮くことがあります。このツールは、データを近づけるように設計されているため、他のツールを使用して微調整できます。
移動
[移動] ツールを使用すると、目的の位置の座標または X、Y、Z 値を使用してファイルを移動できます。アンカー位置を別の場所に移動して、より正確に配置することができます。Ctrl キーを押しながらアンカー位置をクリックしてドラッグし、配置を変更します。[移動] ジオリファレンス ツールおよびそのユーザー コントロールは、フィーチャ編集に使用される [移動] ツールをモデルにしています。
ファイルを移動するには、次の手順に従います。
- 再配置するフィーチャのサブセットを選択します。
サブセットの選択は必須ではありませんが、これにより処理時間を短縮できます。
- [ジオリファレンス] タブの [準備] グループで、[移動] をクリックします。
X、Y、Z 方向の移動コントロールが表示され、目的の場所への移動が可能になります。
- 次のいずれかの方法で、選択したフィーチャ レイヤーを移動します。
- ターゲットの Revit または CAD フィーチャ レイヤーにマウス ポインターを合わせます。ポインターが移動シンボル に変化します。フィーチャ レイヤーを新しい位置までドラッグします。異なるアンカー位置を選択するには、Ctrl キーを押します。ポインターがオレンジ色の円錐に変わり、アンカーを新しい場所にドラッグすることができます。
- A キーを押し、目的地の X、Y、Z 座標を入力します。Enter キーを押して変換を適用します。
- 終了したら、Esc キーを押します。
地表に一致
[地表に一致] ツールでは、アンカー ポイントの位置を基準に、シーンの標高サーフェスの上に選択したフィーチャ レイヤーを持ち上げることができます。アンカー位置を別の場所に移動して、より正確に配置することができます。
位置を変更する手順は次のとおりです。
- [コンテンツ] ウィンドウで Revit レイヤーをクリックします。
- [管理] タブをクリックします。
- [ジオリファレンス] ボタン をクリックします。
- [ジオリファレンス] タブの [準備] グループで、[インポート] ボタン をクリックします。
アンカー ポイントの位置がハイライト表示されます。
- Ctrl キーを押しながら、選択アンカーをドラッグします。
- アンカー ポイントの位置が正しければ、[地表に一致] ボタン をクリックします。
回転
[回転] ツールを使用すると、ドラッグするか角度を指定して、Revit または CAD データセットを回転することができます。
回転角度は 0 度を起点に計測されます。正の値を指定すると、反時計回りにデータセットを回転でき、負の値を指定すると、時計回りにデータセットを回転できます。
データセットを回転するには、次の手順に従います。
- [ジオリファレンス] タブの [準備] グループで、[回転] をクリックします。
選択アンカーと回転ディスクがマップ上で有効になります。
- Ctrl キーを押しながら、選択アンカーをドラッグします。
- 次のいずれかを実行して、選択したフィーチャ レイヤーを回転します。
- 回転ディスクにマウス ポインターを合わせます。ポインターが回転シンボルに変化します。回転ディスクをドラッグします。
- A キーを押し、ダイアログ ボックスで角度の値を入力します。Enter キーを押して変換を適用します。
- 完了したら、Esc キーを押します。
保存
[保存] ツールを使用して、オフセット変換の現在の状態を適切な名前のワールド ファイル (*.wld3) に保存することができます。CAD ファイルまたは BIM ファイルの名前にファイル拡張子 .wld3 を付けた名前のワールド ファイルが同じフォルダー内に作成されるか、上書きされます。
必要に応じて、[名前を付けて保存] を使用して、選択した任意の名前でワールド ファイルを保存します。たとえば、まったく同じ変換情報を使用する別の CAD ファイルまたは BIM ファイルが存在することがわかっているなどの場合です。必要に応じて、[ワークスペースに保存] ツールを使用して、ESRI_CAD.wld3 という名前の汎用ワールド ファイルを CAD ファイルまたは BIM ファイルのファイル フォルダー内に作成します。この汎用ワールド ファイルは、複数の CAD ファイルまたは BIM ファイルが同じワールド ファイル情報を使用することがわかっている場合に役立ちます。
ジオリファレンスを終了
[ジオリファレンスを終了] ツールは、[ジオリファレンス] タブを閉じます。保存されていない変換情報がある場合、そのキャンセルを確認するよう求められます。