すべてのユーティリティ ネットワークのトレースは、トレースの開始位置を定義するために、1 つ以上の始点を必要とします。バリアはオプションのコンポーネントであり、トレースが越えることができないネットワーク内の位置を表します。詳細については、「ユーティリティ ネットワークのトレース」、「始点」、「バリア」、および「トレース結果」をご参照ください。
[トレース位置] ウィンドウでは、始点とバリアを設定するための 2 つのコマンドを使用できます。[フィーチャの追加] コマンド 
を使用してマップ上のネットワーク フィーチャを手動で選択するか、[選択オブジェクトの追加] コマンド 
をクリックしてマップまたは属性テーブル内の選択済みネットワーク フィーチャを始点またはバリアとして設定することができます。始点およびバリアは、これらのフィーチャをプロジェクトのホーム ジオデータベースに保存するために、[UN_Temp_Starting_Points] または [UN_Temp_Barriers] という名前のテンポラリ フィーチャクラスを使用します。
![[バリア] タブがアクティブな [トレース位置] ウィンドウ](GUID-11F020E8-70B4-4F9D-87A2-00B2718BFE7B-web.png "[バリア] タブがアクティブな [トレース位置] ウィンドウ")
要件
始点およびバリアを設定するには、次の要件が満たされている必要があります。
- 始点およびバリアは、ユーティリティ ネットワーク フィーチャを使用する必要があります。
- ネットワーク トポロジが有効化されている必要があります。
始点とバリアの設定
始点とバリアは、[トレース位置] ウィンドウで、次のいずれかのワークフローを使用して設定できます。
空間ネットワーク フィーチャを使用している場合、始点とバリアは、[トレース位置の追加 (Add Trace Locations)] ツールを使用して設定することもできます。このツールを使用すると、選択したネットワーク フィーチャまたは指定したトレース位置を、スクリプトまたはモデル内で使用できるようにフィーチャクラスに出力できます。これは、モデルを経由して、トレース操作の選択の出力をその後のトレース操作の入力として読み込む場合に便利です。
メモ:
ユーティリティ ネットワーク内のエッジ要素は、1 つの始点およびバリアをサポートします。1 つのネットワーク エッジ要素に対して複数の始点およびバリアが指定された場合、最後の始点およびバリアのみが適用され、他はすべて無視されます。
マップ ビューで手動で選択することでフィーチャを追加する
このワークフローでは、マップ上でネットワーク フィーチャを選択し、それらを始点またはバリアとして設定する方法を示します。トレース位置として設定したいフィーチャがマップ上で未選択の場合には、このワークフローに従います。このワークフローでは、[トレース位置] ウィンドウのデフォルト設定を使用し、[自動的に適用] はオンのままです。
- ユーティリティ ネットワークの [データ] タブの [ツール] グループで、[トレース位置] をクリックして [トレース位置] ウィンドウを開きます。
ウィンドウが開いたときにアクティブなタブは、[始点]
または [バリア] 
のいずれかを選択できます。 - [トレース位置] ウィンドウで、[始点] または [バリア] タブがアクティブであることを確認します。
- [トレース位置] ウィンドウで、[自動的に適用] がオンであることを確認します。
- [フィーチャの追加] コマンド をアクティブにして、マップ上のネットワーク フィーチャをクリックします。始点またはバリアは、任意のネットワーク フィーチャ (ポイント フィーチャ、ポイント フィーチャ上の特定のターミナル、ライン フィーチャに沿った任意の場所、およびポリゴン フィーチャ) に配置できます。
- クリックした位置に、始点であることを表す緑色の円が作成されます。
- クリックした位置に、バリアを表す赤色の x が作成されます。
フィーチャは [トレース位置] ウィンドウに追加され、トレースで使用できるようになります。[バリア] タブに、各バリアに対してオプションの [フィルター バリア] チェックボックスが表示されます。これにより、バリアはフィルター バリアとして振舞うことができます。詳細については、「フィーチャ バリア」をご参照ください。
始点およびバリアの操作の詳細については、「[トレース位置] ウィンドウでのフィーチャの操作」をご参照ください。
マップ ビューまたは属性テーブルから選択オブジェクトを追加する
このワークフローでは、マップまたは属性テーブルで選択されたネットワーク フィーチャを始点またはバリアとして設定する方法を示します。マップ上で選択済みのネットワーク フィーチャを使用してトレース位置を設定する場合、あるいは始点またはバリアとして機能する、選択された非空間エッジまたはジャンクション オブジェクトを追加する場合は、このワークフローに従います。このワークフローでは、[トレース位置] ウィンドウを使用し、[自動的に適用] をオフにします。
- 始点またはバリアとして使用する、マップまたは属性テーブル上のネットワーク フィーチャを 1 つまたは複数選択します。
- ユーティリティ ネットワークの [データ] タブの [ツール] グループで、[トレース位置] をクリックして [トレース位置] ウィンドウを開きます。
ヒント:
[トレース位置] ドロップダウン矢印
を使用して、ウィンドウが開いたときにアクティブなタブとして、[始点] または [バリア] のいずれかを選択します。 - [トレース位置] ウィンドウで、[始点] または [バリア] タブがアクティブであることを確認します。
- [トレース位置] ウィンドウで、[自動的に適用] チェックボックスがオフになっていることを確認します。
- [トレース位置] ウィンドウで、[選択の追加] をクリックします。
選択したネットワーク フィーチャが、コミットされていないことを示すアスタリスク付きで、[トレース位置] ウィンドウに追加されます。
トレース位置がマップまたは属性テーブル上の選択された空間フィーチャから追加された場合の処理は次のとおりです。- クリックした位置に、始点であることを表すグレーの円が作成されます。
- クリックした位置に、バリアを表すグレーの x が作成されます。
ターミナルがあるデバイスまたはジャンクション オブジェクトを渡す場合は、[ターミナル] ドロップダウン リストを使用して、正しいターミナルを始点またはバリアとして設定します。
- [適用] をクリックします。
マップ内のグレーのアイコンが、始点の場合は緑色、バリアの場合は赤色に変わり、トレースで使用できる状態になったことを示します。テンポラリ フィーチャクラス (始点の場合は [UN_Temp_Starting_Points]、バリアの場合は [UN_Temp_Barriers]) が、プロジェクトのホーム ジオデータベースに作成されます。
フィーチャは [トレース位置] ウィンドウに追加され、トレースで使用できるようになります。
[トレース位置] ウィンドウでのフィーチャの操作
始点およびバリアとして追加されたフィーチャは、[トレース位置] ウィンドウに設定されます。これらのフィーチャを直接操作して、次のタスクを実行できます。
- 追加の始点またはバリアを配置するには、[フィーチャの追加] を使用してマップ内のネットワーク フィーチャを選択するか、[選択の追加] を使用してマップまたは属性テーブル上の選択済みフィーチャを読み込みます。
- 始点またはバリアを削除するには、ウィンドウ内の各ネットワーク フィーチャの横にある削除ボタン
をクリックするか、[すべて消去] 
をクリックして、始点またはバリアとして設定されたすべてのフィーチャを削除します。 - [バリア] タブに、各バリアに対してオプションの [フィルター バリア] チェックボックスが表示されます。これにより、バリアはフィルター バリアとして振舞うことができます。詳細については、「フィーチャ バリア」をご参照ください。
- マップ ビュー内のフィーチャを操作するには、右クリックして、次のショートカット メニュー オプションから選択します。
- フラッシュ
- ズーム
- 画面移動
- ポップアップ
- 選択
- 選択解除
- フラッシュ
- ウィンドウ内の非空間フィーチャを操作するには、右クリックして、次のショートカット メニュー オプションから選択します。
- ポップアップ
- 選択
- 選択解除
- ポップアップ
トレース オプションの表示
トレース位置を [トレース位置] ウィンドウに追加する方法を制御するためのオプションがあります。これらのオプションは、[ネットワーク オプション] ダイアログ ボックスの [トレース] タブで構成できます。これらのオプションにアクセスするには、ユーティリティ ネットワークの [データ] タブの [ツール] グループの右下にある [トレース オプション] ダイアログ ボックス ランチャー 
をクリックします。これによって、[トレース] タブがアクティブな状態で [ネットワーク オプション] ダイアログ ボックスが開きます。
[同時に追加できる始点とバリアの最大数] パラメーターは、プロンプトなしで一度に作成できるトレース位置の数を制御します。このパラメーターのデフォルト設定は 10 です。この値よりも多い位置がマップ上で選択されるか、選択から [トレース位置] ウィンドウに追加された場合、ダイアログ ボックスが表示され、選択した数のトレース位置を使用して作業を進めることの確認が求められます。