地理データの編集は、マップ内のレイヤーのフィーチャおよび関連データを作成、変更、または削除するプロセスです。各レイヤーは、フィーチャを定義し格納するデータ ソースに接続されます。データ ソースは通常、ジオデータベース フィーチャクラスまたはフィーチャ サービスです。
フィーチャは、2 次元 (2D) または 3 次元 (3D) で、自然界または構築された環境内の、実際の物理的オブジェクトまたはデータ ポイントを表すことができます。開発者は、ArcGIS Pro SDK for Microsoft .NET を使用して、ArcGIS Pro 編集環境を拡張できます。詳細については、ArcGIS Pro SDK の Web サイトをご参照ください。
このトピックでは、標準の ArcGIS Pro 編集ツールを使用して行えることをまとめています。リボンの [編集] タブ、編集ウィンドウ、ショートカット メニュー、およびツールバーのツールのクイック ツアーについては、「編集のクイック ツアー」をご参照ください。
特定のツールを使用する詳細な手順については、編集に関する目次を参照するか、キーワードまたは文字列を使用してヘルプを検索してください。
編集可能なデータ
編集ツールは、一般的なマッピング アプリケーションから公共事業、地籍、天然資源、施設管理などの、さまざまなワークフローおよび産業をサポートしています。ジオデータベース、フィーチャ サービス、GeoPackage、SQLite データベースのデータ、シェープファイルのデータ、およびモバイル デバイス上の Collector アプリからのデータを編集することができます。
実行できる編集のタイプには、次のワークフローがあります。
- 2D および 3D フィーチャの作成または変更。
- アノテーション フィーチャ、フォント タイプ、スタイル、およびテキストのサイズの作成または変更。
- フィーチャの属性と関連レコードの編集およびファイル アタッチメントの追加または削除。
- 3D フィーチャの最初からの作成または 3D モデルのインポート。
- 2D フィーチャの立ち上げまたは 3D フィーチャとしてのシンボル表示。
- CAD ドローイングなどの読み取り専用データセットを含むフィーチャの再配置および変換。
- 既存の属性を維持したままでのフィーチャ ジオメトリの形状変更、置換、または編集。
編集できるその他のデータ タイプの詳細については、「サポートされているデータ タイプおよびデータ アイテム」をご参照ください。
自動編集セッション
既存のデータを変更したり、新しいデータを作成したりすると、ArcGIS Pro が自動的に編集セッションを開始します。表示と編集の権限が付与されたデータ ソースであれば、どれでも編集できます。編集内容を保存または破棄すると、自動的に編集セッションが停止します。それ以降に編集を行うと編集セッションが再開し、編集内容を保存するか破棄するまで実行されます。
デフォルトでは、編集セッションには開始ボタンも停止ボタンもありません。ただし、次の方法のいずれかまたは両方を使用して、アプリケーション レベルで誤って編集しないように保護できます。
[編集] タブで編集を有効/無効にできます。
[編集] タブで編集を無効にすると、編集ツールとフィーチャ テンプレートが無効になります。デフォルトでは、この設定は非表示になっています。
このボタンを表示するには、「編集の有効化および無効化」をご参照ください。
レイヤー別の編集のオン/オフ
レイヤー別に編集をオフにすると、編集できるレイヤーを指定できます。これらの設定は、現在のマップまたはシーンに適用され、付与されているデータ ソースに対するアクセス権限を変更しません。
詳細については、「編集可能なレイヤーの指定」をご参照ください。
マップとシーン
マップまたはシーンのいずれかの 2D および 3D データを表示し編集することも、両方のデータを同時に表示し編集することもできます。操作時にマップとシーンを切り替えて、リンクさせることで、アクティブなビューで画面移動やズームをしたときに、操作中の範囲の中心と縮尺が同じになるように、同期的に表示することができます。
作業に必要な表示または解析のタイプに応じて、シーンをローカル ビューまたはグローバル ビューとして構成できます。距離、方向、縮尺、または面積の測定値の歪みを最小にする必要がある場合は、投影座標系を持つローカル シーンを選択するのが最適です。
詳細については、「3D 編集のためのシーンの構成」をご参照ください。
カタログ ウィンドウ
プロジェクトには、データ、レイアウト、ツールボックス、プロジェクトの完了に必要なその他のリソースへの接続が含まれています。特定のデータを使用してプロジェクトを作成し、オンラインで共有したり、編集シナリオのテンプレートとして保存し、組織内で共有したりできます。
プロジェクトのリソースは、[カタログ] ウィンドウ で表示および管理します。ローカル データおよびオンライン データへの接続の追加および削除、新しいフィーチャクラス、マップ、シーン、その他のプロジェクト アイテムの作成ができます。このウィンドウには、ポータルのコンテンツにアクセスしたり、お気に入りのリストを作成したりするためのタブがあります。
詳細については、「カタログ ウィンドウ、カタログ ビュー、参照ダイアログ ボックス」をご参照ください。
2D および 3D フィーチャ
フィーチャ テンプレートは、それらが参照しているレイヤーに応じて、2D フィーチャまたは 3D フィーチャを作成できます。2D フィーチャまたは 3D フィーチャを作成する手順は基本的に同じですが、3D フィーチャの場合は Z 値を指定する点が異なります。3 次元フィーチャは、そのジオメトリに Z 値を格納します。
2 次元フィーチャは Z 値を格納しませんが、2 次元フィーチャの Z 値は、テーブル内の属性フィールドから、または 3D シーン内の標高サーフェスから得ることができます。場合によっては、属性フィールドを使用して標高値を既存の 2D フィーチャに追加するか、立ち上げた方が簡単であることがあります。
詳細については、「2D および 3D フィーチャの作成の概要」をご参照ください。
バージョン対応登録されたデータ
バージョン対応登録済みのデータを編集すると、他のユーザーが編集している可能性がある同一データの別バージョンを修正することになります。編集内容は、システム テーブルで追跡され、変更を保存するときにリコンサイルされてポストされます。
オプションの設定を使用して、編集を保存するときに競合がどのように定義されリコンサイルされるかを指定できます。[競合マネージャー] を表示して、競合を対話的に確認したり、これを非表示にして、競合を自動的にリコンサイルしたりできます。
詳細については、「バージョンの編集の設定」をご参照ください。
トポロジ
フィーチャを編集する場合、マップ トポロジはアクティブなマップで常に使用可能です。トポロジを有効にして、フィーチャを自動的に編集すると、トポロジ的に接続している他の表示フィーチャも編集されます。たとえば、ポイント フィーチャを移動すると、接続しているすべてのポリライン フィーチャがストレッチされます。
マップ トポロジでアクティブな編集ができるだけでなく、ジオデータベース トポロジを使用して、データセット レベルで空間リレーションシップを定義することもできます。ルールを定義したら、マップの作業内容を整合チェックし、事前定義された修正または編集ツールを使用して必要な修正を行うことができます。
詳細については、「トポロジの編集の概要」をご参照ください。