パーセル ファブリックは、ファイル ジオデータベースまたはエンタープライズ ジオデータベース内に作成されます。 エンタープライズ ジオデータベースはブランチ バージョンニングをサポートする必要があり、またサポートされている DBMS (SQL Server、Oracle、または PostgreSQL) 内になければなりません。
既存のパーセル ファブリックを操作している場合、リリースされた最新の機能に維持するには、パーセル ファブリックの最新バージョンへのアップグレードが必要な場合があります。
[データセットのアップグレード (Upgrade Dataset)] ジオプロセシング ツールを使用して、パーセル ファブリックをアップグレードします。 アップグレードでは、パーセル ファブリック データセット、パーセル フィーチャクラス、およびその他の関連するジオプロセシング オブジェクトに対してのスキーマの変更が適用されます。
通常、パーセル ファブリック データセットのアップグレードは、情報モデル内でスキーマが変更された場合に必要となります。 ArcGIS Pro クライアントのリリース番号によって、パーセル ファブリック データセットのアップグレードが必要かどうかを判断します。 アップグレード処理を実行すると、[パーセル ファブリック バージョン] 番号が増加します。
現在のパーセル ファブリックのリリース番号を表示するには、[カタログ] ウィンドウでパーセル ファブリックを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。 [パーセル ファブリック プロパティ] ダイアログ ボックスで、[パーセル ファブリック] を展開します。 パーセル ファブリックのリリース番号が、[パーセル ファブリック バージョン] の横に表示されます。
ただし、すべての ArcGIS Pro リリースでパーセル ファブリックのアップグレードが必要なわけではありません。
注意:
[データセットのアップグレード (Upgrade Dataset)] ツールを使用してエンタープライズ環境でパーセル ファブリックをアップグレードする場合、ジオデータベース接続をブランチ バージョンニング タイプに設定する必要があります。次のテーブルを使用して、ArcGIS Pro および ArcGIS Enterprise のどのバージョンがパーセル ファブリック バージョンで必要であるかを決定します。
パーセル ファブリック バージョン | ArcGIS Pro リリース | ArcGIS Enterprise リリース |
---|---|---|
1 | 2.4 | 10.7.1 |
2 | 2.5 | 10.8 |
3 | 2.6 | 10.8.1 |
4 | 2.7、2.8 | 10.9 |
注意:
パーセル ファブリック バージョンには後方互換性がありません。 たとえば、バージョン 2 のパーセル ファブリックは ArcGIS Enterprise 10.7.1 との互換性を持ちません。 最小 ArcGIS Pro リリース要件、パーセル ファブリック バージョン、最小 ArcGIS Enterprise リリース番号は、上の表の番号と一致する必要があります。
パーセル ファブリック バージョン 2 へのアップグレード
パーセル ファブリック バージョン 2 へのアップグレードでは、パーセル ファブリックの情報モデルに対して次の更新が追加されています。
- パーセル タイプは、管理パーセルをサポートします。 管理パーセルのパーセル タイプを作成するには、[パーセル タイプの追加 (Add Parcel Type)] ジオプロセシング ツールを使用します。
- 新しい ParcelCount フィールドが [レコード] フィーチャクラスに追加されます。 ParcelCount フィールドには、各レコードに関連付けられているパーセルの数が格納されます。
- PF_COGOType ドメイン情報が、From Measurements から Entered に変更されています。
- 組み込みおよび整合チェックが可能なパーセルの最大数は、[パーセル ファブリック プロパティ] ダイアログ ボックスから使用できます。 この数を表示するときは、[カタログ] ウィンドウ内のパーセル ファブリックを右クリックして、[パーセル ファブリック プロパティ] ダイアログ ボックスを開きます。 [一般] タブの下の [パーセル ファブリック] 見出しを展開します。
パーセル ファブリック バージョン 3 へのアップグレード
パーセル ファブリック バージョン 3 へのアップグレードでは、パーセル ファブリックの情報モデルに対して次の更新が追加されています。
- パーセル タイプ ポリゴン フィーチャクラスの Parcel Subtype フィールドが必須フィールドではなくなり、削除可能になりました。
- パーセル ファブリックに 3 つの新しい調整フィーチャクラスが追加されています。 調整フィーチャクラスには最小二乗調整解析の結果が保存されます。
注意:
調整フィーチャクラスはバージョン非対応として作成され、エンタープライズ環境でパーセル ファブリックを操作する場合、バージョン対応登録する必要があります。 - レコード フィーチャクラス、接続線フィーチャクラス、パーセル タイプ ライン フィーチャクラス、ポリゴン フィーチャクラスの COGO Accuracy フィールドが必須フィールドではなくなり、削除可能になりました。
注意:
ArcMap パーセル ファブリックをアップグレードした場合、パーセル ライン、ポリゴン、プランの Accuracy フィールドの値が、ArcGIS Pro パーセル ファブリック上の対応する COGO Accuracy フィールドに割り当てられます。
- 新しい Direction Accuracy フィールドと Distance Accuracy フィールドが、接続線フィーチャクラスおよびパーセル タイプ ライン フィーチャクラスに追加されます。 これらのフィールドには、最小二乗調整解析におけるラインのディメンションのアプリオリな精度が保存されます。
- Preserve という名前の新しいフィールドが、パーセル ファブリックのポイント フィーチャクラスに追加されます。 このフィールドは、接続されたパーセルが削除されたときにポイントを削除できるかどうかを示します。
- パーセル ファブリックのポイント フィーチャクラスの Is Fixed フィールドのエイリアスが、Fixed Shape という名前に変更されます。
- 新しい Adjustment Constraint フィールド、XY Uncertainty フィールド、Error Ellipse Semi Major フィールド、Error Ellipse Semi Minor フィールド、および Error Ellipse Direction フィールドが、最小二乗調整解析のために、パーセル ファブリックのポイント フィーチャクラスに追加されます。
パーセル ファブリック バージョン 4 へのアップグレード
パーセル ファブリック バージョン 4 へのアップグレードでは、パーセル ファブリックの情報モデルに対して次の更新が追加されています。
- MUST HAVE A RECORD パーセル ファブリックの、パーセル ライン、パーセル ポリゴン、および接続線のデフォルトの属性ルールが作成されます。
- [レコードを持つ] のパーセル ルールは削除されます。
- パーセル ファブリックのオプションの属性ルールは使用できます。
- 4 つの属性ルールのエラーのデータセットがジオデータベースのルート レベルで作成されます。 属性ルール エラー データセットは、ルールの評価中に発生した属性ルール エラーを格納するために作成されます。 属性ルールのエラーのデータセット名の末尾には _ValidationLineErrors、_ValidationPointErrors、_ValidationPolygonErrors および _ValidationObjectErrors が付加され、属性ルール評価のためには、これらがマップ内にあることが必要です。
注意:
属性ルールのエラーのデータセットはバージョン非対応として作成され、エンタープライズ環境でパーセル ファブリックを操作する場合、バージョン対応登録する必要があります。