説明
Krovak 図法 (S-JTSK 図法としても知られる) は、ランベルト正角円錐図法の斜軸法です。1 本の標準緯線を基準にしています。方位角パラメーターによって円錐の頂点を北極から傾けます。標準緯線は、擬標準緯線と呼ばれ、円錐の形状を定義します。正割法となるように、この緯線に縮尺係数を設定します。
この図法はチェコ共和国とスロバキア共和国で使用され、1922 年に Josef Krovak によって考案されました。ArcGIS Pro 1.0 以降と ArcGIS Desktop 8.1.0 以降で使用できます。
投影のプロパティ
次のサブセクションでは、Krovak 図法のプロパティについて説明します。
経緯線
Krovak 図法は斜軸円錐図法です。一般的に、子午線と緯線が複素曲線として投影されます。中心経度の子午線のみが直線として投影されます。円錐の頂点に最も近い極が分割され、扇形の 2 つの直線エッジに沿って投影されます。反対側の極は、中心経度線に沿ったポイントとして表示されます。通常、座標系は南と西方向に正となります。経緯線は中心経度線に対して対称的です。
歪み
Krovak 図法は正角図法です。この図法の方向は正確ではありませんが、角度と形状は無限小スケールで維持されます。縮尺係数が 1.0 の場合、擬標準緯線上の縮尺と距離は正確です。縮尺係数が 1.0 未満の場合、擬標準緯線に対して平行かつ縮尺が正確な 2 本の複素曲線があります。面積、距離、および縮尺の歪みは、複素曲線から離れるにつれて急速に大きくなります。
使用法
Krovak 図法の使用は、南北または東西に広がっていない斜め方向の大縮尺マップの作成に限定されます。Krovak 図法は、主にチェコ共和国およびスロバキア共和国の地形図およびその他のマップ作成に使用されます。
制限事項
ArcGIS での Krovak 図法の実装では、世界の全範囲は表示されません。円錐の頂点の対蹠点は投影できません。擬標準緯線は、任意の緯度に設定できますが、反対側の擬極に設定することはできません。
パラメーター
次に、Krovak 図法のパラメーターを示します。
- 東距
- 北距
- 擬標準緯線 1
- 縮尺係数
- 方位角
- 中心の経度
- 中心の緯度
- X スケール
- Y スケール
- XY 平面回転
ソース
Kostelecký, J., Kostelecký, J., and Pešek, I. (2010). Metodika převodu mezi ETRF2000 a S-JTSK varianta 2. Prague: Stavební fakulta ČVUT v Praze, Výzkumný ústav geodetický, topografický a kartografický.
Kostelecký, J., Cimbálník, M., Provázek, J. and Zajíček, L. (1998). "Reference Coordinate System S-JTSK/95: Its Establishment in the Czech Republic." Proceedings of Research Works 1998. - Roč.44. - Zdiby: VÚGTK, 1998. - S.55-63. - ISBN 80-85881-10-1.
Talhofer, V. (2007). Základy matematické kartografie. Brno: Univerzita Obrany, Fakulta vojenských technologií.