スタイルは、シンボル、色、配色、ラベルの配置、およびレイアウトの各アイテムを格納するコンテナーです。 スタイルは、マップ、シーン、およびレイアウト全体の一貫性と標準化を促進します。 マップ、シーン、およびレイアウトを作成するときに操作するシンボル ギャラリーおよびカラー パレットには、スタイルに格納されたアイテムが表示されます。 スタイルはプロジェクトのアイテムとして管理されます。 スタイルを必要な数だけプロジェクトに追加できます。
構造として、スタイルは、個別のファイルとしてファイル システムまたはポータルに保存されるデータベースです。 以下の表に示すように、スタイルにはさまざまなタイプがあります。
スタイルのタイプ | 説明 |
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ArcGIS Pro スタイル | ArcGIS Pro で使用されるスタイルの総称です。 ローカルまたはポータルに 1 つのファイルとして保存されますが、プロジェクトに追加できます。 ArcGIS Pro スタイルのファイル拡張子は「*.stylx」です。 |
デスクトップ スタイル | ArcMap、ArcScene、および ArcGlobe 内で作成され使用されるスタイルです。 これらのスタイル ファイルの拡張子は「*.style」です。 ArcGIS Pro プロジェクトにインポートできます。 インポートしたら、ArcGIS Pro バージョンのスタイルがプロジェクトのホーム フォルダー (例: [install drive]:\\Users\MyUserName\Documents\ArcGIS\Projects\MyProjectName) に配置され、プロジェクトに追加されます。 他の ArcGIS Pro プロジェクトからそのスタイルをこの場所から参照 (または別の場所にコピー) できます。 デスクトップ スタイルを何度もインポートする必要はありません。 |
プロジェクト スタイル | 現在のプロジェクトに接続されているスタイルです。 シンボル、他のエレメント ギャラリー、カラー パレットにはスタイル アイテムのコンテンツが表示されます。 このため、プロジェクトに追加するスタイルを選択することで、これらのギャラリーに表示される内容を制御できます。 プロジェクト スタイルには、お気に入りのスタイル、システム スタイル、カスタム スタイル、Web スタイル、モバイル スタイル、および辞書スタイルの組み合わせが含まれます。 |
お気に入りスタイル | お気に入りのスタイルは、ユーザー アカウントにリンクされていると、常にプロジェクトで使用できます。 その他すべてのスタイルはプロジェクトに接続されます。 お気に入りのスタイル内のアイテムは常にギャラリーの最上部に表示されます。 プロジェクトをパッケージ化するときに、お気に入りのスタイルは含まれません。 お気に入りのスタイルは、プロジェクトのお気に入りへのプロジェクトの追加と異なります。 |
システム スタイル | Esri によって作成され、ArcGIS Pro インストールに含まれているスタイルです。 システム スタイルのサブセットだけが新しい各プロジェクトにデフォルトで追加されます。 これらのデフォルト システム スタイルを以下に示します。
システム スタイルは読み取り専用ですが、アイテムをシステム スタイルから他のスタイルにコピーして、必要に応じて変更できます。 システム スタイルは、プロジェクトにパッケージ化されません。 |
カスタム スタイル | システム スタイルではないスタイルは、どれもカスタム スタイルです。 カスタム スタイルをプロジェクトに追加することも、新しいスタイルを作成することもできます。 カスタム スタイルはデフォルトで編集できますが、誤って編集されることがないように読み取り専用にすることができます。 |
Web スタイル | Web スタイルは、ArcGIS プラットフォームの Web アプリケーションとモバイル アプリケーションで使用できるようにするために ArcGIS Pro からポータルで共有されるスタイルです。 Web スタイルは、プロジェクト スタイルに追加することにより ArcGIS Pro で利用できます。 これらのアイテムは読み取り専用で、ポータルと共有できません。 |
モバイル スタイル | モバイル スタイルはモバイル アプリでの使用を目的にしています。 サポートされるスタイル アイテム プロパティは ArcGIS Pro のスタイルよりも少なくなります。 |
プロジェクト スタイル
プロジェクト内のすべてのスタイルは、総称してプロジェクト スタイルと呼ばれます。 マップおよびレイアウトを作成するときのギャラリーに表示されるものがプロジェクト スタイルのコンテンツです。 ギャラリーの表示内容をカスタマイズするには、プロジェクトにスタイルを追加および削除します。
シンボルまたは他のスタイル アイテムがプロジェクト内のどこか (マップやレイアウトなど) で使用されている場合、そのスタイルへの参照が維持されることはありません。 その代わり、シンボルまたはスタイル アイテムのコピーが適用されます。 そのシンボル (またはスタイル アイテム) に加えられた変更はスタイルに反映されず、そのスタイルに加えられた変更はそのシンボル (またはスタイル アイテム) に反映されません。 したがって、元のスタイルを開いてマップを再描画する必要はありません。 いつでもスタイルを追加したりプロジェクトから削除したりできます。 スタイルを削除しても、そのスタイルはファイルの場所から削除されません。
お気に入りスタイル
お気に入りのスタイル は、常にプロジェクトで使用できます。これは削除できません。 お気に入りのスタイルは、プロジェクト自体ではなく、ArcGIS ユーザー アカウントにリンクされているため、お気に入りのスタイルに格納されたアイテムはプロジェクト間で利用できます。 お気に入りは、使用頻度の高いスタイル アイテムを格納したり、新しいスタイル アイテムを構築するためのテスト領域として使用したりすることができます。 プロジェクトをパッケージ化または共有するときに、お気に入りのスタイルはプロジェクト スタイルとして含まれません。
レガシー:
お気に入りのスタイルは、ArcMap などの ArcGIS Desktop アプリケーションのユーザー用スタイルに似ています。
システム スタイル
システム スタイルは、ArcGIS Pro とともにインストールされるスタイルです。 Esri で作成され、読み取り専用ですが、アイテムをカスタム スタイルまたはお気に入りのスタイルにコピーして変更することができます。 一部のシステム スタイル (ArcGIS 2D、ArcGIS 3D、ArcGIS カラー、およびカラーパレット スキーマ (RGB)) は、デフォルトで新しいプロジェクトに追加されます。 その他のシステム スタイルは使用可能ですが、そのコンテンツをギャラリーに表示するには明示的にプロジェクトに追加する必要があります。 ギャラリー内のシンボルやその他のスタイル アイテムを検索する際に、検索結果をプロジェクト スタイルに限定したり、ArcGIS Pro に含まれるプロジェクト スタイルとすべてのシステム スタイルの中から検索したりすることができます。
この PDF ドキュメントを参照して、ArcGIS Pro のシステム スタイルに含まれているすべてのシンボルとスタイル アイテムのサムネイル画像を表示します。 個々のスタイルに関する詳細な PDF ドキュメントについては、「Esri スタイル組織」をご参照ください。
レガシー:
ArcGIS 2D と ArcGIS 3D は、ArcGIS Pro 専用に作成されたスタイルです。 これらは、ArcMap、ArcScene、および ArcGlobe で、それぞれデフォルトで参照されていた Esri、ArcSceneBasic、および 3D Billboards スタイルの代替として使用できます。 これらのスタイルに含まれていた色は削除され、ArcGIS Colors という別のデフォルト スタイルに配置されています。
カスタム スタイル
システム スタイルではないスタイルは、どれもカスタム スタイルです。 カスタム スタイルは誰でも作成でき、デフォルトで編集可能です。 ファイル システムまたはポータルからプロジェクトに、カスタム スタイルを追加できます。 新しいカスタム スタイルを作成することもできます。 プロジェクトをパッケージ化または共有する場合、カスタム プロジェクト スタイルのみがパッケージ化されます。 システム スタイルおよびユーザーのお気に入りのスタイルは含まれません。
Web スタイル
ArcGIS Online または ArcGIS Enterprise で Web スタイルとして ArcGIS Pro プロジェクト内のカスタム スタイルを共有できます。3D Web スタイルは Scene Viewer シンボル ギャラリーの Web シーンで使用されます。 2D スタイルまたは辞書シンボルを備えたスタイルを ArcGIS Online および ArcGIS Enterprise で共有して、ArcGIS API for JavaScript で使用することもできます。
スタイルを Web スタイルに共有するには、2D スタイルまたは 3D スタイルを共有するかどうかを選択します。 3D スタイルとして共有する際、1 つの 3D モデル マーカー シンボル レイヤーで構成されるポイント シンボルのみが Web スタイルに含まれます。 その他すべてのスタイル アイテムは破棄されます。 2D スタイルを共有するには、スタイル内のシンボルに 3D モデル マーカー シンボル レイヤーを含めることはできず、辞書スタイルのバージョンが 3.0.0 以降である必要があります (辞書バージョンの詳細については、「辞書ツールキット」をご参照ください)。特定の要件については、「Web スタイルの共有」をご参照ください。
Web スタイルを ArcGIS Online または ArcGIS Enterprise から ArcGIS Pro にコピーして、シンボルを ArcGIS Pro プロジェクトで使用できます。 ArcGIS Pro の Web スタイルは常に読み取り専用です。
モバイル スタイル
モバイル スタイルは、モバイル アプリでの使用を目的にしていますが、ArcGIS Pro で使用することもできます。 モバイル アプリで共有されるマップおよびシーンを作成する場合は、モバイル スタイルを使用します。
モバイル スタイルには、標準のスタイルにはない制限がいくつかあります。 モバイル スタイルをモバイル アプリで使用した場合、ポイント シンボル、ライン シンボル、ポリゴン シンボル、および テキスト シンボル以外のスタイル アイテムはすべて無視されます。 シンボルは、RGB 色 のみを参照します。 フォントのグリフから構築されたすべての図形マーカー シンボル レイヤーはベクター変換され、フォントへの参照は削除されます。 同様に、図形マーカー レイヤー内に存在するすべてのトゥルー カーブは、単純な頂点および直線セグメントに高密度化されます。
プロジェクトでモバイル スタイルを作成して、それにシンボルを作成したり、他の ArcGIS Pro スタイルからシンボルをコピーしたりできます。 モバイル スタイルにコピーされる複雑なシンボルは、モバイル スタイルの要件に合わせてダウングレードされます。
スタイルのインポート
デスクトップ スタイル (ArcMap、ArcGlobe、または ArcScene で使用されるスタイル) は、基礎になるデータベース構造が異なるため、ArcGIS Pro で直接使用することはできません。 ただし、ArcGIS Pro プロジェクトにスタイルをインポートすることはできます。
デスクトップ スタイルをインポートすると、ArcGIS Pro バージョンのスタイルがプロジェクトのホーム フォルダー (例: [install drive]:\\Users\MyUserName\Documents\ArcGIS\Projects\MyProjectName) に作成され、プロジェクトに追加されます。 他の ArcGIS Pro プロジェクトからそのスタイルをこの場所から参照 (または別の場所にコピー) できます。 デスクトップ スタイルを何度もインポートする必要はありません。
レガシー:
一部のデスクトップ スタイルは ArcGIS Pro 形式に変換され、システム スタイルとしてインストールに含まれています。 その他のスタイルは廃止されましたが、Esri Styles 組織の ArcGIS Online から ArcGIS Pro バージョンのスタイルにアクセスできます。 [カタログ] ウィンドウの [ポータル] タブで [すべてのポータル] をクリックし、「stylx」を検索して使用可能なすべてのスタイルを検索します。
または、ArcMap がインストールされている場合は、そのインストールに含まれているスタイルを ArcGIS Pro 形式にインポートできます。 [挿入] タブの [スタイル] グループで [インポート] をクリックして、[install drive]:\Program Files (x86)\ArcGIS\Desktop<version#>\Styles を参照します。 スタイル を選択して、[OK] をクリックします。 ArcGIS Pro の *.stylx バージョンのスタイルがプロジェクトのホーム フォルダー内に作成されて、プロジェクトに追加されます。
レガシー:
ArcGIS Pro スタイル (*.stylx) は、下位互換性がないため、ArcMap にインポートすることができません。