ターゲット マーケティング

Business Analyst ライセンスで利用できます。

ターゲット マーケティングでは、セグメントに分割して顧客と市場エリアを理解することが必要です。 具体的には、ターゲット マーケティングでは「Esri のタペストリ セグメンテーション」を使用し、人口統計特性と社会経済特性に基づいて居住地区をセグメントに分類します。 これらのセグメントでは、Urban Chic (都会的で優雅な人々)Laptops and Lattess (ノート パソコンとラテを楽しむ人々) のような説明的な用語で居住地区がラベル付けされます。 たとえば、Urban Chic (都会的で優雅な人々) は、大部分が、古くからある郊外の地区に住む裕福な夫婦世帯から構成される住民を表します。 市場エリアの特性を理解すれば、顧客がどのような層か、効果的に働きかけるにはどうするかなどを的確に理解することができます。 ターゲット マーケティングは、ライフスタイルや消費パターンが似ていて人口統計的に類似した消費者の住民層が住んでいる新しい市場の特定にも役立ちます。

注意:

ターゲット マーケティングは、ローカルにインストールした Business Analyst データ (ArcGIS Business Analyst Professional ライセンスに付属) によってのみサポートされ、セグメンテーション データで構成されます。 Esri はタペストリ セグメンテーションを使用しますが、PRIZM などのセグメンテーション システムもサポートされています。 ターゲット マーケティングは、ArcGIS Online または ArcGIS Enterprise ではサポートされていません。

ターゲット マーケティング ウィザード

ターゲット マーケティング ウィザードは、セグメンテーションによって顧客を解析するガイド付きワークフローを提供します。 ワークフローでは、次の 4 つの主要ステップをガイドします。

  1. 顧客プロファイルの作成
  2. 市場エリア プロファイルの作成
  3. プロファイルの解析とターゲット グループの作成
  4. 結果のマッピング

プロファイルの作成

セグメンテーション プロファイルはターゲット マーケティングにおいて重要です。 セグメンテーション プロファイルは、セグメンテーション データ (Esri タペストリ セグメンテーション データなど) に基づき、人口を特定します。 ターゲット マーケティング ウィザードでは、顧客プロファイルと市場エリア プロファイルの 2 種類のプロファイルが作成されます。 ワークフローでは、新しいプロファイルを作成するか、過去の解析で作成された既存のプロファイルを使用します。

顧客プロファイル (ターゲット プロファイルとも呼ばれる) は、顧客を表すセグメントを特定します。 1 つ以上のセグメントに対し、各ポイント位置 (顧客ポイント) が割り当てられます。

顧客データに、売上や訪問回数などの情報が含まれる場合は、それをボリューム情報として使用できます。 つまり、各セグメントの計算には、合計のみならず合計売上または合計訪問回数も含まれるということです。

市場エリア プロファイル (参照プロファイルとも呼ばれる) は、市場エリアを表すセグメントを特定します。 市場エリアは、顧客プロファイルを比較するための基準として使用されます。 市場エリアは、各セグメントからどれくらい集客しているか解析するために使用されます。 デフォルトでは、市場エリアは現在のマップ範囲によって定義されます。 ただし、ポリゴンを使用して市場エリアを定義することもできます。 市場エリアのサイズは、解析に影響を与えます。

使用されるセグメンテーション システムによっては (Esri タペストリ セグメンテーションなど)、セグメンテーションの数は人口または世帯数のいずれかに基づきます。

プロファイルの解析

セグメンテーション プロファイルを作成したら、次に、4 象限解析チャートを使用してプロファイルを解析します。 4 象限解析チャートは、[インデックス] (Y 軸) と [構成比] (X 軸) 値に基づいてセグメントをグラフ化します。 テキスト ボックスから [インデックス] および [構成比] の値を手動で更新するか、X 軸または Y 軸をクリックしてドラッグすることで、4 つの各象限にどのセグメントを入れるかを調整できます。 このチャートを使用して、Core、Developmental、Monitor、Niche の各顧客を識別できます。 象限とセグメントは、ターゲットおよびターゲット グループの作成に使用されます。

人口統計情報を含む [4 象限解析] ウィンドウ

4 象限解析は、デフォルトの [インデックス] 値 (110) と [構成比] 値 (4 パーセント) を使用して、セグメントを次の 4 つの象限のいずれかに配置します。

  • Core 顧客 - 顧客の 4 パーセント以上を占め、インデックス値が 110 以上のセグメント。
  • Developmental 顧客 - 顧客の 4 パーセント以上を占めるが、インデックス値が 110 未満のセグメント。
  • Niche 顧客 - 顧客の 4 パーセント未満を占め、インデックス値が 110 以上のセグメント。
  • Monitor 顧客 - 顧客の 4 パーセント未満を占め、インデックス値が 110 未満のセグメント。

4 象限解析チャートは、各セグメントに分布される顧客の割合を比較してインデックスを作成することで、顧客セグメンテーション プロファイルを解析します。 各セグメントのインデックスでは、市場エリア内の人のパーセントに対する顧客のパーセントを計測します。 インデックスが 100 を超えると、市場エリア内よりも高い率でそのセグメントから顧客の関心を集めていることになります。 たとえば、ターゲット プロファイルの顧客の 10 パーセントおよび参照プロファイルの世帯の 5 パーセントがセグメント X に割り当てられている場合、インデックスは 200 になります (10 パーセント / 5 パーセント * 100)。 これは、市場エリアの 2 倍の率でそのセグメントから顧客の関心を集めていることを示します。 ほとんどの場合、参照プロファイルは、すべての顧客に接する地理的エリアです。

ターゲットとターゲット グループ

ターゲット グループは、さらなる分析に向けてグループ化されるターゲットのコレクションです。 ターゲット グループの最も効率的な作成方法は、顧客セグメンテーション プロファイルと市場エリア セグメンテーション プロファイルの比較に基づいて、ターゲット セグメントを特定することです。 これら 2 つのプロファイルの作成後、ワークフローを使用して、ターゲット グループを構成する Core、Developmental、Niche ターゲットを定義できます。 これらは、ターゲットとして個別にマッピングすることも、ターゲット グループとしてまとめてマッピングすることもできます。 4 象限解析チャートは、ターゲットおよびターゲット グループを作成する方法の 1 つです。

ターゲットは、顧客基盤における類似特性に基づいてグループ化される 1 つ以上のセグメントのコレクションです。 ターゲットのセットは、ターゲット グループに統合されます。

デフォルトでは、4 象限解析チャートによって作成されるターゲット グループに、Core、Developmental、Niche、Monitor の各ターゲットが含まれます。

  • 顧客基盤の割合が高く、平均以上のインデックスを持つセグメントは、Core ターゲットです。 Core ターゲットを構成するセグメントは、市場エリアよりも高い割合の顧客基盤を含みます。 これらのセグメントはロイヤルティと良い機会を表します。
  • 顧客に対して大きな割合を占めるが、平均以上のインデックスを持たないセグメントは、Developmental ターゲットです。 このようなセグメントは、顧客のかなりの部分を占めるが、市場エリアよりも低い率で製品やサービスを消費しているため、重要となります。 これは、重要な機会を示します。
  • 顧客に対して大きな割合を占めないが、平均以上のインデックスを持つセグメントは、Niche ターゲットを構成します。 このターゲットへの割り当ては、このような少数の世帯から比較的関心を集めていることを示します。 Niche セグメントは、新規市場エリアの拡大および成長を調査する際にその機会を表します。
  • 顧客に対して大きな割合を占めず、平均未満のインデックスを持つセグメントは、Monitor ターゲットを構成します。 このターゲットのセグメントは、あなたの製品やサービスを購入しない顧客を表します。

ターゲット マーケティング解析レイヤーのマッピング

ターゲット マーケティング ウィザードには、5 つのマッピング オプションが含まれており、それぞれが [ターゲット マーケティング] ツールセットのジオプロセシング ツールを活用します。

ターゲット マップ

選択した区画レベルの各ジオメトリの主要セグメントが、ターゲットを構成するセグメント セットの内部と外部のどちらにあるかを示すレイヤーを作成します。 ワークフローでは、既存のターゲット (Core 顧客など) を入力する必要があります。 ジオプロセシング ツールから実行する場合は、既存のターゲット、または選択したセグメント セットを入力として使用できます。

ターゲット グループ レイヤー

ターゲット グループ内の各ターゲットの個々の主題クラスを含むレイヤーを作成します。 主要セグメントがターゲット内のいずれかのセグメントと等しい場合、選択した区画レベルのジオメトリがターゲットの陰影を受け取ります。 たとえば、ワークフローでデフォルトの出力ターゲット グループを使用すると、主題別に色分けされた 4 つのクラス (Core、Developmental、Niche、Monitor) を含むレイヤーが作成されます。

選択したレベルのジオメトリは、主要セグメントが属する個別のターゲットの陰影を受け取ります。

ターゲット占有率マップ

入力ターゲット内のいずれかのセグメントに割り当てられている基盤の割合を示すレイヤーを作成します。 基盤オプションは、使用しているセグメンテーション データセットによって定義されます。 一般的なオプションは、[世帯数] または [成人総数] です。

ワークフローでこのタイプの出力を作成する場合は、既存のターゲットを入力として使用する必要があります。 ジオプロセシング ツールからアクセスする場合は、既存のターゲットまたはカスタム セグメント セットを使用できます。

市場ポテンシャル

選択した区画レベルごとに見込み顧客数を表示するレイヤーを生成します。 出力レイヤーにはインデックスも含まれます。 プロファイルにボリューム情報 (使った金額など) が含まれる場合は、推定ボリュームも計算されます。

市場ポテンシャル出力の詳細

市場エリアとギャップ分析

顧客総数と見込み顧客数のギャップを表示するレイヤーを生成します。 このレイヤーを使用して、ターゲット セグメンテーション顧客 (Core ターゲットや Developmental ターゲットなど) が集中している場所を解析します。 そのため、ギャップ解析レイヤーには、Core ターゲットや Developmental ターゲットを識別するターゲット グループが必要になります。

市場エリアのギャップ出力の詳細

ターゲット マーケティング フォルダー

ターゲット マーケティング アイテムを作成するか、プロジェクトに追加すると、[カタログ] ウィンドウに [ターゲット マーケティング] フォルダーが追加されます。 [カタログ] ウィンドウで [プロジェクト] をクリックし、[Business Analyst] ノードを展開することで、[ターゲット マーケティング] フォルダーにアクセスできます。 このフォルダーには、プロファイル、ターゲット、ターゲット グループが格納されています。 ショートカット メニューからジオプロセシング ツールにアクセスして、新しいアイテムを作成できます。 ショートカット メニューで [追加] コマンドを使用して、既存のアイテムを追加できます。

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