ArcGIS Pro の StreetMap Premium でのルート検索

StreetMap Premium データセットは、すぐに使用できるネットワーク データセットで構成されており、ファイル ジオデータベース (*.gdb) 形式でもモバイル マップ パッケージ (*.mmpk) 形式でも、同じネットワークになります。 ネットワーク データセットの地理範囲は、ライセンスを付与するジオグラフィまたはダウンロードするモバイル マップ パッケージによって異なります。 StreetMap Premium の *.gdb 内のネットワーク データセットには Routing_ND という名前が付けられます。 Routing_ND は、[データの追加] ボタンを使用して ArcGIS Pro に追加し、ArcGIS Network Analyst extension と適切な StreetMap Premium ライセンス ファイル (*.sdlic) がインストールされている場合は、ネットワーク解析に使用することができます。 StreetMap Premium モバイル マップ パッケージ形式を ArcGIS Pro にインポートすると、インポートされたマップ (StreetMap Day) には、[コンテンツ] ウィンドウの下部にある Routing_ND ネットワーク データセットがすでに含まれています。 このネットワーク データセットは、ArcGIS Network Analyst extension と適切な地域の StreetMap Premium エクステンションのライセンスがユーザーに付与されている限り、ArcGIS Pro でのルート検索に使用できます。

ArcGIS Pro でのルート検索サービスの使用の詳細については、「ネットワーク解析レイヤー」をご参照ください。

ルート検索サービス

StreetMap Premium に Routing_ND ネットワーク データセットが含まれている場合は、ArcGIS Network Analyst extension を使用して ArcGIS Pro 内にルートを作成できます。

各国のルート検索レベル、トラック輸送規制、履歴およびライブ交通量情報の詳細については、ArcGIS Web サイトの「StreetMap Premium 製品の提供地域」をご参照ください。

ルート検索機能として、履歴交通量データ、ライブ交通量データ、インピーダンス オプション、規制、移動モードが以下のように定義されています。

履歴交通量データ

履歴交通量データは、Network Analyst エクステンションを使用したルートの作成時に開始時間を指定することで使用できます。 履歴交通量データには、交通状況情報が曜日および時刻単位で格納されるため、このデータを使用すると、移動時間をより正確に把握できます。 たとえば、平日の午前 7 時 30 分に市内をルート検索した場合、深夜に市内をルート検索するよりも移動時間が長くなります。 履歴交通量は、過去 2 年間に観察された速度の平均に基づきます。 いくつかの特定の種類のリンクは、通行可能な道路でないため、履歴交通量でカバーされていません (フェリー リンク、鉄道リンク、および緊急車両によって利用可能とマークされていない任意のリンク)。

オンラインの交通量データ

StreetMap PremiumArcGIS Online World Traffic Service を通じてライブ交通量フィードにアクセスできます。 ライブ交通量サービスを ArcGIS StreetMap Premium とともに使用することで、ルート検索などの Network Analyst 機能の結果を向上させることができる、高品質のライブ交通量データにアクセスできます。 サービスとしてのライブ交通量は、ArcGIS StreetMap Premium 製品の一部として、追加料金で使用できます。 Esri カスタマー サービスは、ご購入後に ArcGIS Online アカウントを通じて、ArcGIS Online World Traffic Service へのアクセスをご提供します。

ライブ交通量を構成する方法の詳細については、「ArcGIS StreetMap Premium における ArcGIS Online World Traffic Service のライブ交通量の使用」をご参照ください。 ライブ交通量は、ArcGIS DesktopArcGIS Enterprise を使用して構成できます。 ライブ交通量を組織のユーティリティ サービスとして構成する方法の詳細については、「ユーティリティ サービスについて」の「交通量データの ArcGIS Enterprise ヘルプ トピック」をご参照ください。

インピーダンス オプション

ルート検索に使用できるインピーダンス オプションの一覧を次に示します。

2020 StreetMap Premium リリースと ArcGIS Pro 2.5.2 以降を使用している場合、開始時刻を指定すると、TruckTravelTime インピーダンスは、履歴交通量情報と管轄区域のトラック制限速度を組み合わせて、より現実に即した移動時間を提供します。 開始時刻を指定しないと、TruckTravelTime インピーダンスは TruckMinutes インピーダンス ロジックにフォールバックします。

徒歩時間をモデル化するには、WalkTime を使用します。 デフォルトの速度は時速 5 キロメートルに設定されます。 [レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスの [移動モード] > [コスト] > [コスト パラメーター] セクションの順に選択して WalkTime 速度を調整します。 TimeAt1KPH インピーダンスは、時速 1 キロメートルの一定速度での移動をモデル化します。 この属性は、WalkTime インピーダンスのサポートを主な目的とし、単独での使用は想定されていません。一般的に、徒歩速度はこれほど遅くはならないためです。

Minutes インピーダンスを使用した場合、開始時間を指定するかどうかにかかわらず、履歴交通量データから以前に計算された平均速度値が使用されます。 この場合は、時刻に基づく実際の履歴交通量データを使用する TravelTime インピーダンスを選択した場合よりもパフォーマンスが高速化します。

使用可能なインピーダンス オプション説明

キロメートル

距離的な最短ルート (キロメートル単位) を検索します。

マイル

距離的な最短ルート (マイル単位) を検索します。

履歴交通量データから以前に計算された平均速度値を使用して、時間的な最短ルートを検索します。この結果、パフォーマンスが高速化します。

TimeAt1KPH

一定速度 (時速 1 キロメートル) を使用して、最短ルートを検索します。

TravelTime

特定の時刻の履歴交通量データから得られた自動車の速度値を使用して、最短ルートを検索します。

TruckMinutes

履歴交通量データから計算されるトラックの制限速度と平均速度のうち、どちらか小さい方の速度値を使用して、時間的な最短ルートを検索します。

TruckTravelTime

特定の時刻の履歴交通量データから得られたトラックの制限速度と速度値の組み合わせを使用して、最短ルートを検索します。

WalkTime

調整可能な徒歩速度を使用して、時間的な最短ルートを検索します。

制限

Routing_ND ネットワーク データセットで使用できるすべての規制の詳細な一覧を次に示します。

注意:

トラックには 2 つのソフトな規制を使用できます。ソフトな規制は、名前の後の + で示されています。

名前有効化された (オンになっている) ときの動作

Any Hazmat Prohibited (すべての危険物を禁止)

特定の種類の危険物の輸送が禁止されているすべての道路およびターンを回避します。

Avoid Carpool Roads (カープール道路を回避)

カープール レーンのあるすべての道路を回避します。

Avoid Express Lanes (高速走行用レーンを回避)

高速走行用レーンのあるすべての道路を回避します。

Avoid Ferries (フェリーを回避)

すべてのフェリーを回避します。

Avoid Gates (ゲートを回避)

ゲートのある道路に入るすべてのターンを回避します。

Avoid Limited Access Roads (出入口が制限されている道路を回避)

出入口が制限されている高速道路に該当するすべての道路を回避します。

Avoid Private Roads (私道を回避)

公的に所有および保守されていないすべての道路を回避します。

Avoid Roads Unsuitable for Pedestrians (歩行者に不向きな道路を回避)

歩行者に不向きなすべての道路を回避します。

Avoid Stairways (階段を回避)

歩行者に適したルート上のすべての階段を回避します。

Avoid Toll Roads (有料道路を回避)

自動車用のすべての有料道路を回避します。

Avoid Toll Roads for Trucks (トラック用の有料道路を回避)

トラック用のすべての有料道路を回避します。

Avoid Truck Restricted Roads (トラック規制道路を回避)

地域の配達を行う場合を除き、トラックが禁止されているすべての道路を回避します。

Avoid Unpaved Roads (舗装されていない道路を回避)

舗装されていないすべての道路 (砂利道、泥道など) を回避します。

Axle Count Restriction (車軸数規制)

道路で許可されている最大車軸数が、車両の車軸数より少ないすべての道路およびターンを回避します。

Driving a Bus (バスの通行)

バスが禁止されているすべての道路およびターンを回避します。

Driving a Taxi (タクシーの通行)

タクシーが禁止されているすべての道路およびターンを回避します。

Driving a Truck (トラックの通行)

トラックが禁止されているすべての道路およびターンを回避します。

Driving an Automobile (自動車の通行)

自動車が禁止されているすべての道路およびターンを回避します。

Driving an Emergency Vehicle (緊急車両の通行)

緊急車両が禁止されているすべての道路およびターンを回避します。

Height Restriction (meters) (高さ規制 (メートル))

道路に対する最大高さ制限が、車高より低いすべての道路およびターンを回避します。

Kingpin to Rear Axle Length Restriction (meters) (キングピンから後車軸までの長さ規制 (メートル))

道路に対するキングピンから後車軸までの最大長さ制限が、車両のキングピンから後車軸までの長さよりも短いすべての道路およびターンを回避します。

Length Restriction (meters) (長さ規制 (メートル))

道路に対する車両の最大長さ制限が、車両の長さより短いすべての道路およびターンを回避します。

Preferred for Pedestrians (歩行者用に優先)

歩行ナビゲーションに適した優先ルートを使用します。

Riding a Motorcycle (オートバイの通行)

オートバイが禁止されているすべての道路およびターンを回避します。

Roads Under Construction Prohibited (工事中の道路を禁止)

工事中のすべての道路を回避します。

Semi or Tractor with One or More Trailers Restriction (セミトレーラーまたは 1 台以上のトレーラーを連結しているトラクターの規制)

セミトレーラーまたは 1 台以上のトレーラーを連結しているトラクターが規制されているすべての道路およびターンを回避します。

Single-Axle Vehicles Prohibited (単軸車両を禁止)

単軸車両が禁止されているすべての道路およびターンを回避します。

Tandem-Axle Vehicles Prohibited (タンデム軸車両を禁止)

タンデム軸車両が禁止されているすべての道路およびターンを回避します。

Through Traffic Prohibited (通過交通を禁止)

自動車通過交通 (非局所的) が禁止されているすべての道路およびターンを回避します。

Truck with Trailers Restriction (トレーラーが連結されているトラックの規制)

道路でトラックへの連結が許可されている最大トレーラー数が、トラックに連結されているトレーラー数以下であるすべての道路およびターンを回避します。

Use Preferred Hazmat Routes (危険物用の優先道路を使用)+

危険物の輸送用の優先道路を使用します (ソフトな制限)。

Use Preferred Truck Routes (優先されるトラック ルートを使用)+

優先されるトラック ルートを使用します (ソフトな制限)。

Walking (徒歩)

歩行者が禁止されているすべての道路およびターンを回避します。

Weight per Axle Restriction (kilograms) (車軸あたりの重量規制 (キログラム))

道路に対する車両の車軸あたりの最大重量制限が、車両の車軸あたりの重量より軽いすべての道路およびターンを回避します。

Weight Restriction (kilograms) (重量規制 (キログラム))

道路に対する車両の最大重量制限が、車両の重量より軽いすべての道路およびターンを回避します。

Width Restriction (meters) (幅規制 (メートル))

道路に対する車両の最大幅制限が、車幅より狭いすべての道路およびターンを回避します。

移動モード

移動モードは、事前に選択された規制のセットです。 ルート検索に使用できる移動モードの一覧を次に示します。

移動モード説明

運転時間

自動車およびピックアップ トラックやその他類似する小さな自動車の動きをモデル化して、移動時間を最適化する方法を見つけます。 移動は、一方通行や転回禁止など、自動車の特有のルールに従います。 交通量を使用できる場合、出発時刻を指定すると、交通量に応じた動的な移動速度が使用されます。

運転距離

自動車およびピックアップ トラックやその他類似する小さな自動車の動きをモデル化して、移動距離を最適化する方法を見つけます。 移動は、一方通行や転回禁止など、自動車の特有のルールに従います。

運転時間 (未舗装道路使用)

自動車およびピックアップ トラックやその他類似する小さな自動車の動きをモデル化して、移動時間を最適化する方法を見つけます。 移動は、一方通行や転回禁止など、自動車に特有のルールに従いますが、未舗装道路の移動については従いません。 交通量を使用できる場合、出発時刻を指定すると、交通量に応じた動的な移動速度が使用されます。

運転距離 (未舗装道路使用)

自動車およびピックアップ トラックやその他類似する小さな自動車の動きをモデル化して、移動距離を最適化する方法を見つけます。 移動は、一方通行や転回禁止など、自動車に特有のルールに従いますが、未舗装道路の移動については従いません。

トラック輸送時間

指定されたトラック ルートを優先して使用することで、基本的なトラック移動をモデル化し、移動時間を最適化する方法を見つけます。 ルートは、一方通行や転回禁止などに従う必要があります。 開始時刻を指定する際、交通量を使用できる場合は、法律の制限範囲内で、それに基づく動的な移動速度が使用されます。

トラック輸送距離

指定されたトラック ルートを優先して使用することで、基本的なトラック移動をモデル化し、移動距離を最適化する方法を見つけます。 ルートは、一方通行や転回禁止などに従う必要があります。

徒歩時間

歩行者の通行を許可する通路および道路に従い、移動時間を最適化する方法を見つけます。 歩行速度は、時速 5 キロに設定されます。

徒歩距離

歩行者の通行を許可する通路および道路に従い、移動距離を最適化する方法を見つけます。


このトピックの内容
  1. ルート検索サービス