トラバースの入力

ライセンス:

Basic、Standard、または Advanced ライセンスで利用できます。

[トラバース] ツール トラバース は、数値キーパッドを使用した効率的な片手入力をサポートしています。 いくつかのショートカットとオーバーライドも使用できます。

トラバースを入力する前に、距離と方向の単位がプロジェクト用に適切に設定されていることを確認します。 曲線のデフォルト入力パラメーターも、プロジェクトに対して構成して保存することができます。

曲線のデータ入力パラメーターの構成

トラバース グリッドで曲線を入力する場合、曲線方向タイプを接線方向、弦方向、または放射線方向に設定できます。 新しいプロジェクトでは、トラバース グリッドのデフォルトの方向タイプは接線方向に設定されます。 デフォルトの曲線方向タイプを変更するには、[方向] の横にあるドロップダウン矢印をクリックして [弦] または [放射線] を選択します。

ヒント:
曲線のオーバーライドを使用して、デフォルトの曲線方向タイプをオーバーライドできます。たとえば、接線方向を放射線方向でオーバーライドするには、曲線方向に続いて「rb」を入力します (例:「41-56-06rb」)。

プロジェクトには、デフォルトの曲線パラメーターも設定できます。 新しいプロジェクトのデフォルトの曲線パラメーターは、半径と円弧長です。 デフォルトの曲線パラメーターを変更するには、[円弧長] フィールドでドロップダウン矢印をクリックし、[弦の長さ] または [角度] を選択します。

トラバース グリッドの曲線パラメーターは、随時オーバーライドで変更できます。 以下の [データ入力ショートカット] セクションの [曲線のオーバーライド] サブセクションをご参照ください。

ショートカットとオーバーライド

次のトラバースの例は、ショートカットとオーバーライドで数値キーパッドを使用するデータ入力の例を示しています。

四分円方位角とフィートによるトラバース

データは次のとおりです。

  • 直線、N45°59'59'"E、100.00 フィート
  • 正接円弧の左半径 50 フィート、円弧長 60 フィート
  • 出口曲線の正接直線 50 フィート

トラバース グリッドでは、デフォルトの曲線パラメーターは [方向] フィールドでは [正接]、曲線パラメーター フィールドは [円弧長] に設定されています。

四分円方位角、フィート、および左に曲がる曲線を使用してトラバースを入力する場合、数値キーパッドで次のように入力します。

  1. 45.5959-1 ENTER 100 ENTER
  2. ENTER 0 ENTER -50 ENTER 60 ENTER
  3. ENTER 50 ENTER

デフォルトの曲線パラメーターで、曲線方向フィールドが [弦]、曲線パラメーター フィールドが [円弧長] に設定されている場合、同じトラバースは次のように入力されます。

  1. 45.5959-1 ENTER 100 ENTER
  2. * ENTER 0 ENTER -50 ENTER 60 ENTER」(この「*」は、方向が前の方向に接するか、曲線の出口に接するかを意味します。 ここでは、デフォルトの曲線方向が [弦] に設定されていても、曲線は正接であることを意味します)。
  3. ENTER 50 ENTER

北方位角とメートルによるトラバース

データは次のとおりです。

  • 89°15'37'"、40.2 メートル
  • 179°47'46'"、6 メートル
  • 正接円弧の右半径 8.2 メートル、弦の長さ 11.6 メートル
  • 出口曲線の正接直線 32 メートル
  • 359°45'14'"、14.2 メートル、閉じたトラバース

トラバース グリッドでは、デフォルトの曲線パラメーターは [方向] フィールドでは [正接]、曲線パラメーター フィールドは [円弧長] に設定されています。

北方位角、メートル、および右に曲がる曲線を使用してトラバースを入力する場合、数値キーパッドで次のように入力します。

  1. 89.15.37 ENTER 40.2 ENTER
  2. 179.47.46 ENTER 6 ENTER
  3. ENTER 0 ENTER 8.2 ENTER 11.6 ENTER
  4. ENTER 32 ENTER
  5. 359.45.14 ENTER 14.2* ENTER

デフォルトの曲線パラメーターで、曲線方向フィールドが [弦]、曲線パラメーター フィールドが [円弧長] に設定されている場合、同じトラバースは次のように入力されます。

  1. 89.15.37 ENTER 40.2 ENTER
  2. 179.47.46 ENTER 6 ENTER
  3. * ENTER 0 ENTER 8.2 ENTER 11.6 ENTER」(ここで「*」は、方向が前の方向に接するか、曲線の出口に接するかを意味します。 ここでは、デフォルトの曲線方向が [弦] に設定されていても、曲線は正接であることを意味します)。
  4. ENTER 32 ENTER
  5. 359.45.14 ENTER 14.2* ENTER

正接でない円弧で開始するトラバース (四分円方位角、フィート)

次の例は、曲線パラメーターの上書き方法を示しています。

  • 弦方位を持ち、半径 50 フィート、弦の長さ 25 フィートの正接でない円弧
  • 直線、S80°25'24'"E、50 フィート
  • 右に曲がる正接円弧、半径 25 フィート、円弧長 50 フィート

トラバース グリッドでは、デフォルトの曲線パラメーターは [方向] フィールドでは [正接]、曲線パラメーター フィールドは [円弧長] に設定されています。

右に曲がる正接でない円弧で開始するトラバースを入力するには、数値キーパッドで次のように入力します。

  1. 41-56-06-1cb (または 41.5606-1cb) ENTER 0 ENTER 25c ENTER
  2. 80.2524-1 ENTER 50 ENTER
  3. ENTER 0 ENTER 25 ENTER 50 ENTER

デフォルトの曲線パラメーターで、曲線方向フィールドが [弦]、曲線パラメーター フィールドが [円弧長] に設定されている場合、同じトラバースは次のように入力されます。

  1. 41-56-06-1 (または 41.5606-1) ENTER 0 ENTER 25c ENTER
  2. 80.2524-1 ENTER 50 ENTER
  3. * ENTER 0 ENTER 25 ENTER 50 ENTER」(この「*」は、方向が前の方向に接するか、曲線の出口に接するかを意味します)。

放射線方位曲線と曲線パラメーターのショートカットによるトラバース

データは次のとおりです。

  • 直線、S80°25'24'"E、50 フィート
  • 直線、前の方位角から時計回りに 20°、45 フィート
  • 右に曲がる放射線方位 S41°26'06'"E の曲線、半径 25、デルタ (中心角) 45
  • 右に曲がる正接円弧、半径 25、デルタ 45
  • 直線、N25°35'05'"E、45 フィート
  • 直線、前の方位角から反時計回りに 80°、45 フィート

トラバース グリッドでは、デフォルトの曲線パラメーターは [方向] フィールドでは [放射線]、曲線パラメーター フィールドは [円弧長] に設定されています。

ショートカットによりトラバースを入力するには、数値キーパッドで次のように入力します。

  1. 80.2524-2 ENTER 50 ENTER
  2. +20 ENTER 45 ENTER
  3. 41.2606-2 ENTER 0 ENTER 25 ENTER 45d ENTER
  4. * ENTER 0 ENTER 25 ENTER 45d ENTER
  5. 25.3505-2 ENTER 45 ENTER
  6. -80 ENTER 45 ENTER

その他のキーパッド情報

数値キーパッド操作する際には、以下の点に注意してください。

  • 四分円方位角を入力するには、ハイフン (-) と四分円の数値を入力します。

    たとえば、「45-59-59-1」または「89-15-37」と入力できます。

  • トラバースの次のコースは、前のコースの出口正接方位角を使用して、自動的に入力されます。

    これにより、入口の正接円弧と出口曲線の正接直線をより簡単に作図できます。

  • 円形曲線を定義するには、[距離] フィールドに「0」を入力して、Enter キーを押します。
  • 負の半径が、左に曲がる曲線に使用されます。 そうでない場合、曲線は右に曲がります。
  • [方向] フィールドのアスタリスク (「*」) は、方向は前の方向に接するか、曲線の出口に接するかを意味します。
  • [方向] または [円弧長] フィールドのアスタリスク (「*」) は、これがトラバースの最後のレグであり、トラバースを閉じることを意味します。
  • 行を挿入するには、既存の行を右クリックして [前に挿入] または [後に挿入] をクリックします。
  • 行を削除するには、行を右クリックして [行の削除] をクリックします。
  • 行を別の場所にドラッグして行の順序を変更します。 トラバースはコースの新しい順序に基づいて再計算されます。
  • 終了位置を追加するには、行を右クリックして [このコースの前に終了位置を設定] または [このコースの後に終了位置を設定] をクリックします。
  • トラバース グリッド内のセル間を移動するには、矢印キーを使用するか、Esc キーを押します。

接触

[方向] フィールドにアスタリスク (「*」) を入力して Enter キーを押すと、トラバース ラインまたは曲線を、前のラインまたは曲線に接した状態にできます。 Enter キーを押すと、[方向] フィールドが更新され、接線方向が表示されます。 前のラインの方向に接していることを示すには、方向値の前にアスタリスクを入力します。

接線

[方向] フィールドの値をアスタリスクにした場合は、前のラインに接した状態を維持します。 つまり、前の方向値が変更されると、アスタリスクが指定された方向は、更新された値に接するよう再計算されます。

データ入力ショートカット

[トラバース] ツール トラバース では、以下のショートカットとオーバーライドが使用されます。

四分円方位角のショートカット

四分円方位角形式を使用して方位角を入力するときは、必要な文字を入力する代わりに、数字を使用して四分円を指定することができます。 この場合、テンキーだけで作業できるため、データ入力処理が高速化されます。

四分円キー ストロークグリッド フィールドでの使用

北東の四分円 (NE)

-1

方向

45-59-59-1

南東の四分円 (SE)

-2

方向

45-59-59-2

南西の四分円 (SW)

-3

方向

45-59-59-3

北西の四分円 (NW)

-4

方向

45-59-59-4

方向計算のショートカット

方向計算のショートカットは、最初のトラバース レグの入力の完了後に使用できます。 以下の方向計算のショートカットは、前のトラバース レグの方向を使用します。

キー ストロークグリッド フィールドでの使用説明

+<角度>

方向

入力した角度を (時計回りに) 前の方向に加算し、次のコースの方向を取得します。

+20

-<角度>

方向

入力した角度を (反時計回りに) 前の方向から減算し、次のコースの方向を取得します。

-20

+

方向

90° を (時計回りに) 前の方向に加算し、次のコースの方向を取得します。

ディメンションの代わりに「+」を入力します。

-

方向

90° を (反時計回りに) 前の方向から減算し、次のコースの方向を取得します。

ディメンションの代わりに「-」を入力します。

閉合のショートカット

以下のキーストロークを使用してトラバースを閉じます。

キー ストロークグリッド フィールドでの使用説明

*

距離半径円弧長弦の長さ

始点または定義済みの終了位置でトラバースを終了します。

45-20-30-1 ENTER 25*

/

すべてのフィールド

ディメンションを入力する代わりに強制的に閉合します。 COGO 属性は保存されません。

ディメンションの代わりに「/」を入力します。

**

距離半径円弧長弦の長さ

トラバース レグの終点に終了位置を設定します。

45-20-30-1 ENTER 25**

ヒント:

また、[フィーチャの修正] ウィンドウで [閉じる] チェックボックスをオンにして、トラバースを閉じることもできます。

曲線のオーバーライド

測量記録で記述された曲線が、半径と円弧長など、1 組の曲線パラメーターだけでは表現できない場合があります。 以下のショートカットを使用して、[距離][半径][円弧長][弦の長さ][角度] の各フィールドの曲線パラメーターをオーバーライドします。

オーバーライドキー ストロークグリッド フィールドでの使用

接線方位曲線

tb または TB

方向

41-56-06-4tb (四分円方位角を使用)

放射線方位曲線

rb または RB

方向

41-56-06rb (北方位角および度分秒を使用する)

弦方位曲線

cb または CB

方向

41-56-06cb (北方位角および度分秒を使用する)

弦の長さ

c または C

円弧長および角度

25.01c

デルタ (中心角)

d または D

円弧長および弦の長さ

90-59-59d

円弧長

a または A

弦の長さおよび角度

25.01a

ヒント:
左に曲がる曲線に対しては負の半径を入力します。 そうでない場合、曲線は右に曲がります。

演算ショートカット

[距離][半径][円弧長][弦の長さ] フィールドの演算子を使用して、距離をすばやく計算および把握します。

演算子グリッド フィールドでの使用説明

+

距離半径円弧長弦の長さ

2 つの距離を加算します。

既存の半径に ROW 幅を追加して、外径を取得します。 [半径] フィールドに「30+15」と入力します。

-

距離半径円弧長弦の長さ

2 つの距離を減算します。

計画に記載されている長さを減算します (「..北部の 52.8 フィートを除く」など)。 [距離] フィールドに「100-52.8」と入力します。

*

距離半径円弧長弦の長さ

距離を乗算します。

道路の間口を入力し、同じ間口を持つロットの数を掛けて、ROW 間口の長さを取得します。 [距離] フィールドに「40*4」と入力します。

/

距離半径円弧長弦の長さ

距離を除算します。

ラインを分割し、配分された幅を取得します。 [距離] フィールドに「122/3」と入力し、配分された長さ (40.67) を取得します。

距離のオーバーライド

以下のショートカットを使用して、[距離][半径][円弧長][弦の長さ] の各フィールドの距離をオーバーライドします。

オーバーライドキー ストロークグリッド フィールドでの使用

メートル

m または M

距離半径円弧長弦の長さ

25m

キロメートル

km または KM

距離半径円弧長弦の長さ

25km

フィート

ft または FT

距離半径円弧長弦の長さ

25ft

ヤード

yd または YD

距離半径円弧長弦の長さ

25yd

マイル

mi または MI

距離半径円弧長弦の長さ

25mi

ヒント:
距離単位の短縮形を使用し、トラバース グリッドで ArcGIS Pro プロジェクトの一部である距離を上書きできます。

プロジェクトでの単位の追加と設定の詳細