次元変動統計情報 (Dimensional Moving Statistics) (Image Analyst)

Spatial Analyst のライセンスで利用可能。

Image Analyst ライセンスで利用できます。

サマリー

多次元データの変動ウィンドウで指定された次元に沿って統計情報を計算します。

使用法

  • 変動統計は、変動ウィンドウ統計、ローリング統計、または実行統計とも呼ばれます。 各ディメンション値についての事前定義されたウィンドウを使用して、次に移動する前にさまざまな統計情報が計算されます。 [逆方向ウィンドウ][正方向ウィンドウ] のパラメーターを使用するとディメンションの両側のウィンドウ サイズを定義できます。

  • 入力ラスターだけを CRF (Cloud Raster Format) 形式 (*.crf) の多次元ラスターにすることができます。

  • このツールが処理するディメンションは 1 つだけです。 デフォルトでは、X、Y 以外の最初のディメンションが処理ディメンションとして使用されます。

  • [円形平均] 統計の種類は、コンパス方向 (度) など、角度や他の円形数値分類の平均を計算します。 このオプションを選択した場合、[円形折り返し値] パラメーターが使用できるようになります。 このパラメーターを使用して、折り返す値を指定し、円形平均を計算します。 たとえば、角度計算の場合、円形折り返し値は 360 度にする必要があります。つまり、値 360 は 0 で折り返され、値 370 は 10 で折り返されます。 その他、1 年の月の時間計算にも使用されます。この場合、円形折り返し値を 12 にします。 この場合、13 の入力値は 1 で折り返されます。

  • 入力多次元ラスターが整数の場合、[統計の種類] の有効なオプションは、[平均][円形平均][最頻値][最大][中央値][最小][パーセンタイル] です。 入力ラスターが浮動小数点の場合、[最頻値] は使用できません。

  • 入力ラスターが整数の場合、出力ラスターは、[最頻値][最大]、および [最小] の統計で整数になります。 出力値は、[平均][円形平均][中央値]、および [パーセンタイル] の統計で浮動小数になります。

    入力ラスターが浮動小数点タイプの場合、出力は、使用可能なすべての統計情報の種類で浮動小数になります。

  • [統計の種類] パラメーターが [最頻値] 設定のとき、あるセル値が近傍内で最も頻繁に発生する (最も発生頻度が高い単一の値の) 場合、その値が処理セルに対して返されます。 最も頻繁に発生するセル値が複数ある場合 (セル値間のタイ)、単一の最頻値は識別されず、その処理セルの出力は NoData になります。

パラメーター

ラベル説明データ タイプ
入力多次元ラスター

入力ラスターだけを CRF (Cloud Raster Format) 形式 (*.crf) の多次元ラスターにすることができます。

Raster Layer
ディメンション
(オプション)

ウィンドウが移動する際に沿うディメンションの名前。

デフォルト値は、入力多次元ラスターにある X、Y 以外の最初のディメンションです。

String
逆方向ウィンドウ
(オプション)

定義したウィンドウにいくつ前または上のスライスを含めるかを表す値。 値は 1 ~ 100 の正の整数でなくてはいけません。 デフォルト値は 1 です。

このパラメーターの単位はスライスです。

Long
正方向ウィンドウ
(オプション)

定義したウィンドウにいくつ後または下のスライスを含めるかを表す値。 値は 1 ~ 100 の正の整数でなくてはいけません。 デフォルト値は 1 です。

このパラメーターの単位はスライスです。

Long
NoData の処理
(オプション)

統計計算で NoData 値をどう処理するかを指定します。

  • データ入力値内の NoData 値は、属する定義済みウィンドウの結果で無視されます。 これがデフォルトです。
  • NoData定義済みウィンドウ内の入力に NoData 値がある場合、出力値は NoData になります。
  • NoData の入力NoData セル値は、定義済みウィンドウ内の値の選択した統計情報を使用して置き換えられます。
String
統計の種類
(オプション)

計算する統計情報の種類を指定します。

  • 平均定義したウィンドウのセルの平均値が計算されます。 これがデフォルトです。
  • 円形平均ウィンドウのセルの円形平均 (平均値) が計算されます。 この統計の種類を選択した場合、[円形折り返し値] パラメーターが使用できるようになります。 このパラメーターを使用して、使用する折り返す値を指定します。
  • 最頻値定義したウィンドウのセルの最頻値 (最も頻繁に発生する値) が特定されます。
  • 最大定義したウィンドウのセルの最大値が特定されます。
  • 中央値定義したウィンドウのセルの中央値が特定されます。
  • 最小定義したウィンドウのセルの最小値が特定されます。
  • パーセンタイル定義したウィンドウのセルのパーセンタイルが計算されます。 デフォルトで 90 番目のパーセンタイルが計算されます。 この統計の種類を選択した場合、[パーセンタイル値][パーセンタイル内挿タイプ] パラメーターが使用できるようになります。 これらの新しいパラメーターを使用して、計算するパーセンタイルの指定および使用する内挿タイプの選択をそれぞれ行います。
String
パーセンタイル値
(オプション)

計算されるパーセンタイル値。 デフォルトは 90 です。これは、90 番目のパーセンタイルです。

値の範囲は 0 〜 100 です。 0 番目のパーセンタイルは、基本的に最小値の統計情報と同じであり、100 番目のパーセンタイルは最大値の統計情報と同じです。 値が 50 の場合、基本的に中央値の統計情報と同じ結果になります。

このパラメーターは、[統計情報の種類] パラメーターが [パーセンタイル] に設定されている場合にのみサポートされます。

Double
パーセンタイル内挿タイプ
(オプション)

パーセンタイル値が 2 つの入力セル値の間にある場合に使用される内挿の方法を指定します。

このパラメーターは、[統計情報の種類] パラメーターが [中央値] または [パーセンタイル] に設定されている場合にのみサポートされます。

  • 自動検出入力ラスターが整数ピクセル タイプである場合は、[最近隣内挿法] が使用されます。 入力ラスターが浮動小数点ピクセル タイプである場合は、[リニア] 内挿法が使用されます。
  • 最近隣内挿法パーセンタイルに使用できる最近隣の値が使用されます。 この場合、出力のピクセル タイプは、入力ラスターと同じになります。
  • リニアパーセンタイルからの 2 つの周囲値の加重平均が使用されます。 この場合、出力のピクセル タイプは浮動小数点になります。
String
円形折り返し値
(オプション)

特定の円形平均の範囲にリニア値を四捨五入するために使用される値。 値は正でなければなりません。 デフォルト値は 360 度です。

このパラメーターは、[統計情報の種類] パラメーターが [円形平均] に設定されている場合にのみサポートされます。

Double

派生した出力

ラベル説明データ タイプ
ラスター関数の引数 JSON

関数の引数。 この出力は内部的な目的のみで使用されます。

String

戻り値

ラベル説明データ タイプ
出力多次元ラスター

出力ラスターだけを CRF (Cloud Raster Format) 形式 (*.crf) の多次元ラスターにすることができます。

Raster

DimensionalMovingStatistics(in_raster, {dimension}, {backward_window}, {forward_window}, {nodata_handling}, {statistics_type}, {percentile_value}, {percentile_interpolation_type}, {circular_wrap_value})
名前説明データ タイプ
in_raster

入力ラスターだけを CRF (Cloud Raster Format) 形式 (*.crf) の多次元ラスターにすることができます。

Raster Layer
dimension
(オプション)

ウィンドウが移動する際に沿うディメンションの名前。

デフォルト値は、入力多次元ラスターにある X、Y 以外の最初のディメンションです。

String
backward_window
(オプション)

定義したウィンドウにいくつ前または上のスライスを含めるかを表す値。 値は 1 ~ 100 の正の整数でなくてはいけません。 デフォルト値は 1 です。

このパラメーターの単位はスライスです。

Long
forward_window
(オプション)

定義したウィンドウにいくつ後または下のスライスを含めるかを表す値。 値は 1 ~ 100 の正の整数でなくてはいけません。 デフォルト値は 1 です。

このパラメーターの単位はスライスです。

Long
nodata_handling
(オプション)

統計計算で NoData 値をどう処理するかを指定します。

  • DATA入力値内の NoData 値は、属する定義済みウィンドウの結果で無視されます。 これがデフォルトです。
  • NODATA定義済みウィンドウ内の入力に NoData 値がある場合、出力値は NoData になります。
  • FILL_NODATANoData セル値は、定義済みウィンドウ内の値の選択した統計情報を使用して置き換えられます。
String
statistics_type
(オプション)

計算する統計情報の種類を指定します。

  • MEAN定義したウィンドウのセルの平均値が計算されます。 これがデフォルトです。
  • CIRCULAR_MEANウィンドウのセルの円形平均 (平均値) が計算されます。 この統計の種類を選択した場合、circular_wrap_value パラメーターを使用して、使用する折り返す値を指定します。
  • MAJORITY定義したウィンドウのセルの最頻値 (最も頻繁に発生する値) が特定されます。
  • MAXIMUM定義したウィンドウのセルの最大値が特定されます。
  • MEDIAN定義したウィンドウのセルの中央値が特定されます。
  • MINIMUM定義したウィンドウのセルの最小値が特定されます。
  • PERCENTILE定義したウィンドウのセルのパーセンタイルが計算されます。 デフォルトで 90 番目のパーセンタイルが計算されます。 この統計の種類を選択した場合、percentile_valuepercentile_interpolation_type パラメーターを使用して、計算するパーセンタイルの指定および使用する内挿タイプの選択をそれぞれ行います。
String
percentile_value
(オプション)

計算されるパーセンタイル値。 デフォルトは 90 です。これは、90 番目のパーセンタイルです。

値の範囲は 0 〜 100 です。 0 番目のパーセンタイルは、基本的に最小値の統計情報と同じであり、100 番目のパーセンタイルは最大値の統計情報と同じです。 値が 50 の場合、基本的に中央値の統計情報と同じ結果になります。

このパラメーターは、statistics_type パラメーターが PERCENTILE に設定されている場合のみサポートされます。 その他の統計情報の種類が指定されている場合、このパラメーターは無視されます。

Double
percentile_interpolation_type
(オプション)

パーセンタイル値が 2 つの入力セル値の間にある場合に使用される内挿の方法を指定します。

このパラメーターは、statistics_type パラメーターが MEDIAN または PERCENTILE に設定されている場合のみサポートされます。 その他の統計情報の種類が指定されている場合、このパラメーターは無視されます。

  • AUTO_DETECT入力ラスターが整数ピクセル タイプである場合は、NEAREST が使用されます。 入力ラスターが浮動小数点ピクセル タイプである場合は、LINEAR 内挿法が使用されます。
  • NEARESTパーセンタイルに使用できる最近隣の値が使用されます。 この場合、出力のピクセル タイプは、入力ラスターと同じになります。
  • LINEARパーセンタイルからの 2 つの周囲値の加重平均が使用されます。 この場合、出力のピクセル タイプは浮動小数点になります。
String
circular_wrap_value
(オプション)

特定の円形平均の範囲にリニア値を四捨五入するために使用される値。 値は正でなければなりません。 デフォルト値は 360 度です。

このパラメーターは、statistics_type パラメーターが CIRCULAR_MEAN に設定されている場合のみサポートされます。 その他の統計情報の種類が指定されている場合、このパラメーターは無視されます。

Double

戻り値

名前説明データ タイプ
out_raster

出力ラスターだけを CRF (Cloud Raster Format) 形式 (*.crf) の多次元ラスターにすることができます。

Raster

派生した出力

名前説明データ タイプ
raster_function_arguments_json

関数の引数。 この出力は内部的な目的のみで使用されます。

String

コードのサンプル

DimensionalMovingStatistics の例 1 (Python ウィンドウ)

次の例では、入力多次元ラスターの各セルについて、3 スライスのウィンドウ内の平均値を計算しています。

import arcpy
from arcpy import env
from arcpy.ia import *
env.workspace = "C:/iapyexamples/data"
out_dimstats = DimensionalMovingStatistics("md_raster.crf", "StdTime",
                                           1, 1, "NODATA", "MEAN")
out_dimstats.save("C:/iapyexamples/output/DMS01.crf")
DimensionalMovingStatistics の例 2 (スタンドアロン スクリプト)

次の例では、入力多次元ラスターの各セルについて、5 スライスの変動ウィンドウ内の最も頻繁に出現する値を判定しています。

# Name: DimensionalMovingStatistics_standalone.py
# Description: Calculates majority on a multidimensional raster 
#                along its time dimension.
# Requirements: Image Analyst Extension

# Import system modules
import arcpy
from arcpy import env
from arcpy.ia import *

# Check out the ArcGIS Image Analyst extension license
arcpy.CheckOutExtension("ImageAnalyst")

# Set the analysis environment
env.workspace = "C:/iapyexamples/data"

# Set local variables
in_raster = "mining_location.crf"
dimension = "StdTime"
backward_window = 2
forward_window = 2
nodata_handling = "FILL_NODATA"
statistics_type = "MAJORITY"

# Execute DimensionalMovingStatistics
out_dimstats = DimensionalMovingStatistics(in_raster, dimension, 
                 backward_window, forward_window, nodata_handling, 
                 statistics_type)

# Save the output
out_dimstats.save("C:/iapyexamples/output/mining_location_out.crf")

ライセンス情報

  • Basic: 次のものが必要 Image Analyst または Spatial Analyst
  • Standard: 次のものが必要 Image Analyst または Spatial Analyst
  • Advanced: 次のものが必要 Image Analyst または Spatial Analyst

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