特定の縮尺でレイヤーを表示

通常、[コンテンツ] ウィンドウでレイヤーをオンにすると、そのレイヤーがマップまたはシーンに描画されます。 ただし、縮小により詳細な情報が見えにくくなったり、拡大によって情報が非常に粗くなる場合があります。 レイヤーのオン/オフを手動で切り替えることもできますが、特にマップまたはシーンに複数のレイヤーが含まれていたり、作業中に頻繁に縮尺を変更するような場合、この方法は不便で時間がかかります。 表示縮尺範囲の設定は、縮尺依存の描画とも呼ばれ、さまざまな縮尺においてレイヤーがマップ内でどのように機能するかを管理するのに役立ちます。

マップおよびシーン内のレイヤーの表示縮尺範囲を設定するには、[フィーチャ レイヤー] > [表示設定] > [表示縮尺範囲] の順にクリックします。

ヒント:
マップまたはシーンの [コンテンツ] ウィンドウでレイヤーのリストをフィルタリングして、表示範囲が設定されたレイヤーだけを表示できます。

マップ内のレイヤーの表示縮尺範囲の設定

マップの縮尺は、表示比率で表されます。 縮尺 1:25,000 は、マップ内で測定された距離の 1 単位が現実世界の地上でのその距離の単位数 25,000 に相当することを意味します。 この比率は分数であり、常に分子が 1 になります。 分母の値が大きいほど、縮尺が小さくなります。 たとえば、縮尺 1:25,000 (小さな町の一般道路や建物を示す) は、1:2,500,000 (小国の幹線道路や行政区分を示す) よりもはるかに大きい縮尺です。 大縮尺では、ごく少量の地面が 1 つのマップ単位で表示されます。 小縮尺では、同じ 1 つのマップ単位でも、表示される地面の量がはるかに多くなります。

[表示縮尺の下限] 最大縮尺 の縮尺範囲を設定すると、レイヤーを表示できる最小のマップ縮尺が適用されます。 反対に、[表示縮尺の上限] 最小縮尺 では、表示可能な最大のマップ縮尺が適用されます。 [表示縮尺の下限] のマップ縮尺値は、[表示縮尺の上限] のマップ縮尺値よりも大きい値でなければなりません。ただし、レイヤーを 1 つの縮尺のみで表示したい場合は、2 つの値を同じにすることができます。

これらのコントロールで提供される縮尺リストを制御できます。 縮尺リストにある [カスタマイズ] をクリックして、[縮尺プロパティ] ダイアログ ボックスを開きます。 各マップ縮尺で表示される内容を明確にするために、縮尺エイリアスを追加して表示することを検討してください。

表示マップ縮尺の範囲を設定すると、マップの縮尺がレイヤーの表示縮尺範囲外にあるときには、レイヤーは描画されなくなります。 コンテンツ ウィンドウのチェックボックスがグレー表示になります。

レガシー:

表示可能な縮尺範囲は、多くの場合、同じテーマでデータ ソースを変更するときに使用されます。たとえば、大きな縮尺で描画される詳細な道路フィーチャクラスを参照してから、それより小さな縮尺のジェネラライズされたデータ ソースを参照する別のレイヤーを使用します。 これらの縮尺範囲の境界でマップを表示する場合に、両方のレイヤーからフィーチャが表示されないようにするために、より詳細なレイヤーの [表示縮尺の下限] 縮尺範囲プロパティを、よりジェネラライズされたレイヤーの [表示縮尺の上限] 縮尺範囲プロパティよりも 1 縮尺単位だけ小さく設定することが一般的な方法となっています。 この方法のマイナス面は、その中間の縮尺でデータがまったく描画されないという状況が発生する可能性があることです。 これは、マップからベクター タイル パッケージを作成する場合に特に問題となります。

これより優れた解決策は、このような場合に小さい縮尺レイヤーの [表示縮尺の上限] と大きい縮尺レイヤーの [表示縮尺の下限] の両方の縮尺範囲プロパティに同じ縮尺を設定して、マップが縮尺範囲の最大縮尺まで (最大縮尺を含む) 描画されるように設定することです。 [コンテンツ] ウィンドウでマップを右クリックし、[プロパティ] をクリックして [マップ プロパティ] ダイアログ ボックスを開きます。 [一般] タブで、[縮尺範囲の最大縮尺まで (最大縮尺を含む) 描画] がオフになっていることを確認します。 このプロパティは、マップ内のすべてのレイヤーおよびシンボル クラスに適用されます。 *.mxd ファイルをインポートして作成されたマップでは、このプロパティがデフォルトでオンになります。それ以外の場合は、デフォルトでオフになります。

シーンの表示距離範囲の設定

3D シーンでの操作でも、表示縮尺範囲に似た概念に従いますが、表示縮尺範囲ではなく距離の計測値を使用します。 表示する距離範囲によって、レイヤーを表示できる範囲を設定できます。 たとえば、狭い地域の距離範囲を狭い範囲に設定すると、レイヤーは至近距離までズームした場合にのみ表示されます。

表示距離はウィンドウ サイズと観測点の距離の組み合わせとして計算されるので、同じブックマークであっても、表示ウィンドウのサイズを変更すると、異なる値が返されます。 距離の単位は、シーン ビューの単位を使用して計測されます。

[表示縮尺の下限] 最大縮尺 の距離を設定すると、レイヤーのフィーチャを表示できる、カメラと地面の間の最大距離が適用されます。 [表示縮尺の上限] 最小縮尺 では、レイヤーのフィーチャを表示できる最小表示距離が適用されます。

シーンでレイヤーの表示距離範囲を設定すると、カメラとシーン ビュー間の距離が指定の距離範囲外にあるときには、レイヤーは描画されなくなります。 コンテンツ ウィンドウのチェックボックスがグレー表示になります。

マップからシーンへ、またはシーンからマップへの変換

2D マップを 3D シーンに変換すると、レイヤーの表示縮尺範囲は概算された距離範囲に変換されます。 たとえば、2D マップの 1:24,000 の縮尺は、3D シーンのカメラとコンテンツ間の距離が 2 キロメートルに変換されます。 逆に、3D マップを 2D シーンに変換すると、定義されている距離範囲は概算された縮尺範囲に変換されます。

注意:

表示縮尺範囲が設定されている (Z 値を含まない) レイヤーがマップから 3D シーンにコピーされた場合、そのレイヤーはシーンの 2D レイヤー カテゴリに配置されます。 同等の 3D 表示縮尺範囲設定が作成されますが、この時点ではシーンで適用されません。 レイヤーを 3D レイヤー カテゴリに移動すると、その表示縮尺範囲設定が適用されます。

シーン内のレイヤーを [コンテンツ] ウィンドウの [2D レイヤー] カテゴリから [3D レイヤー] に移動する場合、およびその逆に移動する場合は、レイヤーに設定された縮尺範囲と距離範囲を確認することをお勧めします。 これを確認することで、シーンの拡大/縮小を行ったときに、レイヤーが正しく描画されるようになります。 3D では距離の表示設定がフィーチャごとに機能するために、一部のズーム レベルまたは表示の透視投影では、一部のフィーチャが表示されない場合があります。

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