フォーカル統計関数

Image Analyst ライセンスで利用できます。

Spatial Analyst のライセンスで利用可能。

概要

入力ラスターの各セルの近傍内にあるセルの統計を計算します。 複数の形状の近傍を利用できます。

備考

入力ラスターのタイプが浮動小数点数の場合、使用できる統計情報は、[平均]、[最大]、[中央値]、[最小]、[パーセンタイル]、[範囲]、[標準偏差]、および [合計] のみです。

円形、ドーナツ形、または扇形の近傍が指定された場合、セルの中心は近傍に囲まれている必要があるため一部の外側の対角セルは、計算に考慮されない場合があります。

近傍内のセルのうち最低 1 つが有効な値を持つ場合、[計算時に NoData を除外] オプションをオンにすると、入力 NoData セルは、出力に値を受け取る場合があります。

この関数の詳細については、「フォーカル統計 (Focal Statistics) の仕組み」のトピックをご参照ください。

パラメーター

パラメーター名説明

ラスター

(必須)

入力ラスター。

近傍

統計情報の計算に使用する各セル周辺のエリアの形状。

各近傍には、形状を定義するための追加のパラメーターがあります。

  • 四角形高さ

    幅と高さで定義される長方形の近傍。 デフォルトは、幅と高さが 3 x 3 セルの正方形です。

  • 半径

    指定した半径の円形の近傍。 デフォルトの半径は 3 セルです。

  • ドーナツ型内部半径外部半径

    内径および外径で定義される円環 (ドーナツ形状) の近傍。 デフォルトのドーナツ形は、内径が 1 セル、外径が 3 セルです。

  • 扇形半径開始角度終了角度

    扇形の近傍は、半径、開始角度、終了角度によって定義されます。 扇形の角度は、反時計回りです。 角度は度で指定し、0 または 360 が東を表します。 負の角度も使用できます。 デフォルトの扇形は 0 ~ 90 度で半径は 3 セルです。

  • 不規則高さ近傍値

    不規則な近傍により、処理セルを囲む不規則な形状の近傍またはカーネルを指定できます。 近傍値のテーブルを使用して、近傍カーネルの形状を定義します。 値が 1 であれば、それに対応するセル (および値) は近傍に含められます。 値が 0 であれば、そのセルは近傍に含められないことを示します。

  • 加重高さ近傍値

    不規則な近傍のタイプと同様に、重み付けされた近傍は処理セルの周囲に不規則な近傍を定義できますが、それに加えて、入力値を重み付けできます。 重みを定義するカーネルの値で、近傍に含めるセルの位置とそれらを乗算する重みを指定します。 値 0 を使用して、セルを処理から除外します。 10 進数値を重みの値として使用できます。

注意:

重み付けされた近傍タイプの場合、サポートされている統計情報は、平均、標準偏差、合計のみです。

統計の種類

計算する統計の種類を指定します。

  • [平均] - 近傍のセルの平均値を計算します。
  • [最頻値] - 近傍のセルの最頻値 (最も頻繁に発生する値) を特定します。
  • [最大] - 近傍のセルの最大値を特定します。
  • [中央値] - 近傍のセルの中央値を計算します。 中央値は 50 番目のパーセンタイルと同じです。
  • [最小] - 近傍のセルの最小値を特定します。
  • [最少頻値] - 近傍のセルの最小頻値 (発生数が最も少ない値) を特定します。
  • [パーセンタイル] - 近傍のセルのパーセンタイルを計算します。 この統計情報の種類を選択すると、新しいパラメーター [パーセンタイル値] が使用可能になります。これを使用して、計算するパーセンタイルを決定できます。
  • [範囲] - 近傍のセルの範囲 (最大値と最小値の差) を特定します。
  • [標準偏差] - 近傍のセルの標準偏差を計算します。
  • [合計] - 近傍のセルの合計値 (すべての値の合計) を計算します。
  • [種類] - 近傍のセルの種類 (個別値の数) を特定します。

デフォルトの統計情報タイプは平均です。

入力ラスターが浮動小数点数の場合、使用できる統計情報は、平均、最大、中央値、最小、パーセンタイル、範囲、標準偏差、および 合計のみです。

平均、中央値、パーセンタイル、および標準偏差の出力は常に浮動小数点数です。

最頻値と最少頻値の計算では、最も頻度の高い値 (最頻値) または最も頻度の低い値 (最少頻値) の間に同一頻度の値が複数ある場合、処理セルの位置には、それらの値の中で最も低い値が生成されます。 処理セル自体にそれらの値のいずれかが設定されている場合は、代わりにその値が返されます。

計算時に NoData を除外

統計計算で NoData 値を無視するかどうかを指定します。

  • オン - 近傍内に NoData 値が存在する場合、NoData 値は無視されます。 出力値の計算には、近傍内のデータ値を持つセルだけが使用されます。 これがデフォルトです。
  • オフ - 近傍内に NoData 値のセルが存在する場合、処理セルの出力は NoData になります。

パーセンタイル値

統計情報の種類として [パーセンタイル] が選択されている場合に、計算するパーセンタイルを指定します。 デフォルトは 90 です。これは、90 番目のパーセンタイルです。

値の範囲は 0 ~ 100 です。 結果が浮動小数点数になる点を除き、0 番目のパーセンタイルは、基本的に最小統計情報と同じであり、100 番目のパーセンタイルは最大と同じです。 値が 50 の場合、基本的に中央の統計情報と同じ結果になります。

カーネル ファイル

近傍が [不規則] および [加重] の場合、後で使用できるようにカスタム カーネルをテキスト ファイルとして保存できます。

幅と高さを指定して近傍の値を入力したら、[名前を付けて保存] ボタンを使用して、[近傍解析カーネル ファイルの保存] ダイアログ ボックスで ASCII テキスト ファイルにエクスポートします。 [参照] ボタンを使用して [近傍解析カーネル ファイルの入力] ダイアログ ボックスを開き、読み込む既存のカーネル ファイルを参照して指定します。

カーネル ファイルの最初の行には、カーネル近傍の幅と高さがセル数で記録されます。 次の行は、カーネル内でその位置に対応する入力値の処理方法を示しています。

不規則な近傍または重み付けされた近傍のカーネル ファイルの値が 0 の場合、対応する位置が計算に含まれないことを示しています。 不規則な近傍のカーネル ファイルの値が 1 の場合、対応する入力セルが演算に含まれることを示しています。 重み付けされた近傍の各位置の値は、対応する入力セル値に乗算する数値を示しています。 正の値、負の値、および 10 進数値を有効な重みの値として使用できます。

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