ディープ ラーニングとオブジェクト検出の概要

ArcGIS Pro では、統計的オブジェクト検出方法または機械学習オブジェクト検出方法によって、点群からフィーチャを検出することができます。ディープ ラーニングとは機械学習の一種であり、複数レイヤーの非線形処理によって、モデルで説明されるフィーチャの識別やパターン認識を行います。 ディープ ラーニング モデルと ArcGIS Pro を統合して点群からオブジェクトを検出および抽出できます。

ワークフローを次の図に示します。

ディープ ラーニング ワークフローは ArcGIS Pro で実行できます。

ステップ説明

ディープ ラーニング ステップ 1

点群でディープ ラーニングを使用してオブジェクトを検出するには、まず、トレーニング用の点群データを準備します。

ディープ ラーニング ステップ 2

次に、オブジェクト検出のディープ ラーニング モデルをトレーニングします。

ディープ ラーニング ステップ 3

最後に、トレーニング済みモデルを使用して点群からオブジェクトを検出します。

点群データの準備

[点群オブジェクト検出トレーニング データの準備 (Prepare Point Cloud Object Detection Training Data)] ツールは、トレーニングおよび検証のためのデータを生成します。 これが、点群からオブジェクトを検出する最初のステップです。 オブジェクトを表すポイントは、オブジェクト検出のトレーニング データセットで使用するために分類する必要はありません。 入力トレーニング フィーチャと入力検証フィーチャはマルチパッチ バウンディング ボックスです。 点群に存在する各オブジェクト タイプをマルチパッチ バウンディング ボックスに含める必要があります。 トレーニング データまたは検証データ内に不明なオブジェクトがあると、モデルはオブジェクトの識別方法を効果的に学習できなくなります。

オブジェクト検出の点群データのトレーニング

[点群オブジェクト検出モデルのトレーニングを実行 (Train Point Cloud Object Detection Model)] ジオプロセシング ツールを使用して、オブジェクト検出のディープ ラーニング モデルをトレーニングします。 このツールは、入力トレーニング データを使用してモデルを生成します。 トレーニング プロセス中に、モデルがどれだけ適切にオブジェクトを検出しているかを理解するのに役立つ複数の統計情報が報告されます。 検出ステップに進む前に、これらの結果を確認します。

点群からオブジェクトを検出

トレーニング済みモデルを使用して、点群から特定のオブジェクトを検出する [トレーニング済みモデルを使用して点群からオブジェクトを検出 (Detect Objects From Point Cloud Using Training Model)] ツールを実行します。 点群およびオブジェクト検出モデルは、このツールへの入力として使用されます。 バウンディング ボックスを含む出力マルチパッチ フィーチャは、入力点群から検出されたオブジェクトを囲みます。

ディープ ラーニングを開始する

ArcGIS Pro のディープ ラーニング ジオプロセシング ツールではすべて、サポートされているディープ ラーニング フレームワークがインストールされている必要があります。

ディープ ラーニング パッケージをインストールする方法の詳細については、ArcGIS Pro の『Deep Learning Libraries Installer』をご参照ください。

注意:

ArcGIS Pro の各バージョンは、特定のバージョンのディープ ラーニング ライブラリが必要です。 ArcGIS Pro をアップグレードする場合、そのバージョンの ArcGIS Pro に対応するディープ ラーニング ライブラリをインストールする必要があります。 各バージョンで必要なライブラリのリストについては、「ArcGIS Pro のディープ ラーニングに関するよくある質問 ディープ ラーニングに関するよくある質問 PDF」をご参照ください。

要件

  • 前述のディープ ラーニング ライブラリ。
  • GPU: CUDA CC (計算機能) を搭載した NVIDIA GPU。 CC の必須バージョンと推奨バージョンについては、ディープ ラーニング ライブラリのインストーラーに記されています。
  • GPU の最小専用 RAM は 8 GB です。 点群の処理は多くのメモリを必要とするため、イメージベースのディープ ラーニング ツールの最小要件よりも大きくなっています。 GPU 要件の追加情報については、「ディープ ラーニングに関するよくある質問」をご参照ください。
  • ArcGIS 3D Analyst extension ライセンス。