カタログ レイヤー

カタログ レイヤーは、さまざまな作業環境を越えるローカルおよび共有のデータセット、レイヤー、サービス、ワークスペースのアイテム参照のコレクションです。 データセットにアイテムとして分類および追加されるこれらの参照は、マップおよびシーン内で動的に可視化、フィルター、クエリができます。

入力ワークスペースと出力カタログ レイヤーの図

レイヤーは、カタログのように、レイヤーとして描画されるアイテム、サービス レイヤー、パッケージの大規模なコレクションとポータル アイテムの参照を管理するため、カタログ レイヤーと呼ばれています。 十分に地理データを表示し、直感的にデータ ソースを整理できます。

カタログ レイヤーは、細分化されることの多い大規模なレイヤーのコレクション、または別々の機会に取得したレイヤーのコレクションがマップまたはシーンのコンテンツに含まれる場合に最適です。 こういった場合には、所有しているデータの追跡が困難なことがあります。 カタログ レイヤーは、複数のデータセットを整理し、プレビューするための一元管理環境として機能します。 単一または複数の組織と連携してカタログ データセットを十分に維持管理することで、コンテンツをすばやく発見、探索し、特定の時間、範囲、またはその他の属性に対する視覚的変化を確認できます。

カタログ データセット

カタログ レイヤーとカタログ データセットの違いを把握することが重要です。 ジオデータベースでカタログ データセットを作成、管理し、カタログ レイヤーに追加して、マップとシーンでカタログ レイヤーを視覚化できます。 同じカタログ レイヤーのコピーが複数存在する場合がありますが、カタログ レイヤーの各コピーは、1 つのデータセットを参照します。

カタログ データセットは、カタログ データセット アイテムと呼ばれるアイテム参照のコンテナーです。 カタログ データセットは、「ジオプロセシング ツール」で作成され、ジオデータベースに保存されます。

カタログ データセットの機能は、「ポリゴン フィーチャクラス」と似ていますが、大きく異なる点がいくつかあります。 データセットの属性テーブルを表示すると、各レコードがデータ パスの参照を含むカタログ データセット内のアイテムであることがわかります。 Shape フィールドには、各アイテムのフットプリント ジオメトリが含まれます。 つまり、すべてのカタログ データセット アイテムには空間ジオメトリを持たせる必要があります。テーブルまたはテーブル Web レイヤーをカタログ データセットに追加することはできません。

各カタログ データセットには、「フットプリント」があります。 フットプリントとは、アイテムのすべてのフィーチャ、ラスターなどを包含するシンボル表示フィーチャをいいます。 各フットプリント フィーチャの属性は、各データセット アイテムの目的、適用範囲、検証ステータスに固有のプロパティです。 データセットの属性テーブルに独自のフィールドと値を追加し、これらを更新および維持管理できますが、フットプリント レイヤーの属性テーブルにアクセスしたり、これを編集したりすることはできません。

カタログ データセット アイテム

カタログ データセット アイテムは、カタログ レイヤーの属性テーブルに行として格納されるアイテム参照です。

[コンテンツ] ウィンドウで、カタログ データセット アイテム (アクティブなビュー内に表示されている場合) が [ビュー内のレイヤー] コンポジット レイヤーの下に一覧表示されます。 データセット アイテムは、位置、時間、およびその他の属性に基づきフィルターできるため、データセット内に存在するデータセット アイテムは、必ずしもリストに表示されるとは限りません。

カタログ レイヤー アプリケーション

ArcGIS Pro でマップまたはシーンを見て回ると、カタログ レイヤーが、現在のビューの範囲とスケール内のデータセット アイテムのみを読み込みます。

注意:

パフォーマンス確保のため、描画可能なレイヤーの上限数を設定できます。 上限数を設定する方法については、「カタログ レイヤーの操作」をご参照ください。

関連のないデータを単一のカタログ データセットに追加して、このデータセットを任意のプロジェクトのいずれかのマップまたはシーンに追加できます。 カタログ レイヤーは、優先属性 (プロジェクト ステータス、権限、部門など) を基にフィルターすることもできます。 この方法により、カタログ レイヤーの属性テーブルにフィールドを作成して、そこで各データセット アイテムが作成された年を指定できます。 その後、指定した年のデータのみを表示するための定義クエリを設定できます。 または、「時間フィルターを使用する」ようカタログ レイヤーを設定して、複数の時間対応データセットを 1 つずつ繰り返しフィルターするのではなく、すべて同時にフィルターすることもできます。

ビュー内のレイヤーは参照であるため、メモリ内にのみ存在し、プロジェクトとともに保存されません。 シンボルは変更できず、他のプロパティの変更はプロジェクトとともに保存されません。

カタログ データセットの作成

カタログ レイヤーは、[カタログ データセットの作成 (Create Catalog Dataset)] ジオプロセシング ツールを使用して作成されます。 または、[カタログ] ビューで、カタログ データセットを作成したいジオデータベースを右クリックして、[新規] > [カタログ データセット] を選択してもかまいません。 カタログ データセットを作成するときは、カタログ データセットの空間参照と環境を定義します。 カタログ データセットを作成したら、[カタログ データセットにアイテムを追加 (Add Items To Catalog Dataset)] ツールを実行して、データセット アイテムを追加します。

注意:

カタログ データセットにアイテムを追加ツールは、ローカルに保存されたデータを使用するために設計されたツールです。 ArcGIS Enterprise ポータルまたは ArcGIS Online 環境に保存されたアイテムについては、[カタログ データセットにポータル アイテムを追加 (Add Portal Items To Catalog Datase)] ツールを使用します。 これらのアイテムは、Enterprise 11.1 以降のポータルに保存する必要があります。

さらに、カタログ レイヤーを使用できる場所に制限があります。 たとえば、マップ シリーズは、カタログ レイヤーの描画をサポートしていません。

カタログ データセットを作成する前に、追加するアイテムのフォルダー構造を特定するか、確認または整理することをお勧めします。

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