ルートとメジャーによるライン イベントの追加

Pipeline Referencing ライセンスで利用可能です。

ルートの特性は、ルートに沿った開始メジャーと終了メジャーの情報を持つライン イベントとして表すことができます。 [ライン イベントの追加] ツールを使用して、ジオデータにライン イベントを追加します。

ArcGIS Pipeline Referencing では、ライン上の複数のルートにまたがるイベントを追加できます。

ルートとメジャーによるライン イベントの追加

以下の例は、ライン イベントを追加するワークフローです。

イベント作成前

次の表は、LineA に属しているルート (LA_Route1、LA_Route2、および LA_Route3) の属性の詳細を示しています。

ルート ID開始日終了日

LA_Route1

1/1/2000

<NULL>

LA_Route2

1/1/2000

<NULL>

LA_Route3

1/1/2000

<NULL>

ルートとメジャーでライン イベントを追加するには、次の手順を実行します。

  1. ArcGIS Pro でマップを開き、ライン イベントを追加する位置にズームします。
  2. [Location Referencing] タブをクリックし、[イベント] グループで、[追加] > [ライン イベント] 1 つのライン イベントを追加 の順にクリックします。

    [ライン イベントの追加] ウィンドウが開き、[ルートとメジャー] のデフォルト値が [始点方法] および [終点方法] の値として表示されます。

    [ルートとメジャー] 方法を使用し、メジャーの位置は選択したルートのメジャー値に基づきます。

    ライン イベントの追加ウィンドウ
  3. [次へ] をクリックします。

    [始点: ルートとメジャー] セクション、[終点: ルートとメジャー]、および [日付] セクションが [ライン イベントの追加] ウィンドウに表示されます。

    ルートとメジャーおよび日付フィールドが表示されたライン イベントの追加ウィンドウ
  4. [イベント レイヤー] ドロップダウン矢印をクリックし、ライン イベント レイヤーを選択します。

    イベント レイヤーを選択すると、[ネットワーク] レイヤーが自動的に入力されます。 ネットワークは、イベントの入力メジャーを定義するソース リニア リファレンス方法 (LRM) として機能します。

    ネットワークは、フィーチャ サービスにレイヤーとして公開された LRS ネットワークです。

  5. 選択したレイヤーの親ネットワークがライン ネットワークの場合は [マップからラインを選択] マップからラインを選択 をクリックし、値を選択して [ライン名] テキスト ボックスに入力します。

    または、[ライン名] テキスト ボックスにライン名を入力します。

  6. [マップからルートを選択] マップからルートを選択 をクリックしてマップ上のルートをクリックすると、ルート値が入力されます。
    注意:

    ロックの取得やリコンサイルに関するメッセージが表示された場合、「競合の防止」が有効になっています。

  7. [始点: ルートとメジャー] セクションで次のいずれかを実行して、[メジャー] テキスト ボックスに値を入力し、ルートに沿った新しいライン イベントの開始メジャーを指定します。
    • [マップからメジャーを選択] マップからメジャー値を選択 をクリックし、マップ上のルートに沿った開始メジャー値をクリックします。
    • [ルート開始日] チェックボックスをオンにします。
    • [メジャー] テキスト ボックスに開始メジャー値を入力します。
    注意:

    [マップからルートを選択] ボタン マップからルートを選択 または [マップからメジャーを選択] ボタン マップからメジャー値を選択 をクリック後、ルートにポインターを合わせると、ポインターの位置のルートおよびメジャーを確認できます。

    [オプション] ダイアログ ボックスの [Location Referencing] タブで、ルートおよびメジャー値の情報を表示するためのマップ縮尺オプションを設定できます。

    マップ上の選択された位置に、緑のポイントが表示されます。

  8. 必要に応じて、[終点 : ルートとメジャー] セクションで次のいずれかを実行して、[メジャー] テキスト ボックスに値を入力し、ルートに沿った新しいライン イベントの終了メジャーを指定します。
    • [マップからメジャーを選択] マップからメジャー値を選択 をクリックし、マップ上のルートに沿った開始メジャー値を選択します。
    • [ルート終点メジャーを使用] チェックボックスをオンにします。
    • [メジャー] テキスト ボックスに終了メジャー値を入力します。

    マップ上の選択された位置に、赤いポイントが表示されます。 イベントは、緑のポイントと赤のポイントの間に作成されます。

  9. 次のいずれかを実行して、イベントの開始日を指定します。
    • [カレンダー] カレンダー をクリックして開始日を選択します。
    • [開始日] テキスト ボックスに開始日を入力します。
    • [開始日] テキスト ボックスをダブルクリックして、今日の日付を入力します。
    • [ルート開始日] チェックボックスをオンにします。

    開始日のデフォルト値は今日の日付ですが、日付ピッカーを使用して別の日付を選択できます。

  10. 必要に応じて、次のいずれかを実行して、イベントの日付を指定します。
    • [カレンダー] カレンダー をクリックして終了日を選択します。
    • [終了日] テキスト ボックスに終了日を入力します。
    • [終了日] テキスト ボックスをダブルクリックして、今日の日付を入力します。

    終了日を入力しないと、イベントはイベントの開始日から将来まで有効になります。

  11. データの検証オプションを選択して、ライン イベントでルートの特徴付ける間の不正な入力を防ぎます。
    • [オーバーラップの廃止] - 新しいライン イベントが作成された後に時間とメジャー値に関するオーバーラップを防ぐために、既存のイベントのメジャー、開始日、終了日が調整されます。 詳細については、「オーバーラップの廃止シナリオ」をご参照ください。
      オーバーラップの廃止シナリオの動作
    • [一致イベントのマージ] - 新しいイベントのすべての属性値が既存のイベントとまったく同じ場合で、新しいイベントが既存のイベントとメジャー値に関して隣接またはオーバーラップしていて、そのタイム スライスが一致またはオーバーラップしている場合、新しいイベントは既存のイベントとマージされ、それに応じてメジャーの範囲が拡張されます。 詳細については、「一致イベントのマージ シナリオ」をご参照ください。
      一致イベントのマージ シナリオ
  12. [次へ] をクリックします。

    選択したイベント レイヤーの属性が、[属性の管理] の下に表示されます。

  13. イベントの属性値情報を入力します。
    属性の管理が表示されたライン イベントの追加ウィンドウ
    注意:

    [マップ上のイベント選択によって属性値をコピー] マップ上のイベント選択によって属性値をコピー をクリックし、同じイベント レイヤーに属するマップ上の既存のライン イベントをクリックして、そのイベントからイベント属性をコピーします。

    注意:

    フィールドを構成する場合、コード値ドメイン範囲ドメインサブタイプ条件値属性ルールがサポートされています。

  14. [実行] をクリックします。

    ライン イベントが追加されてマップに表示されると、確認メッセージが表示されます。

以下の表は、ライン イベントを追加した後のスパニング イベントの詳細を示したものです。

イベント始点ルート ID終点ルート ID開始日終了日始点メジャー終点メジャーロケーション エラーMAOP 設計圧力

Event1

LA_Route1

LA_Route3

1/1/2000

<NULL>

5

35

エラーなし

800

以下の図は、ツール実行後のルートとスパニング イベントを示したものです。

スパニング イベントは LR_Route1 で開始し、LA_Route3 で終了します。

ルートとメジャー法を使用したときの対象オフセット

Pipeline Referencing イベント データ モデルでは、対象イベント フィールドの構成と、[対象フィールドの有効化 (Enable Referent Fields)] ツールを使用した有効化がサポートされています。 レイヤーで対象フィールドが構成され、有効化されると、イベントが追加または編集されたときに対象ロケーションが設定され、そのレイヤーで持続します。

対象対応のレイヤーでルートとメジャーを使用してライン イベントを作成する場合、親 LRS ネットワークがデフォルトで FromRefMethod 値および ToRefMethod 値として使用され、ルートは FromRefLocation 値および ToRefLocation 値として使用されます。 ライン イベントの始点メジャーと終点メジャーは、FromRefOffset 値および ToRefOffset 値として使用されます。

ライン イベントのどちらかのメジャーが更新されると、新しいメジャーを反映するよう、対応するオフセット値が更新されます。

以下の例に、対象値が有効になったライン イベントを追加した場合の影響を示します。

対象とライン イベントを追加する前

次の図に、イベント作成前のルートを示します。

対象を含むイベント作成前

次の表に、ルートの詳細を示します。

ルート ID開始日終了日始点メジャー終点メジャー

R1

1/1/2000

<NULL>

0

5

R2

1/1/2000

<NULL>

7

12

R3

1/1/2000

<NULL>

13

18

次の表に、イベント作成前のイベント対象フィールドの詳細を示します。

FromRefMethodFromRefLocationFromRefOffsetToRefMethodToRefLocationFromRefOffset

<NULL>

<NULL>

<NULL>

<NULL>

<NULL>

<NULL>

対象とライン イベントを追加した後

次の図に、ルートと関連イベントを示します。

対象を含むイベント作成後

次の表に、イベント作成後のイベント対象フィールドの詳細を示します。

FromRefMethodFromRefLocationFromRefOffsetToRefMethodToRefLocationFromRefOffset

PipeSeriesNetwork

R1

0

PipeSeriesNetwork

R3

18

次の表に、イベント作成後のデフォルトのイベント フィールドを示します。

始点ルート ID終点ルート ID開始日終了日始点メジャー終点メジャー

R1

R3

1/1/2000

<NULL>

0

18

デフォルト以外の対象を使用するように、属性テーブルを使用してイベントを編集できます。 後からルート編集を行った場合、RefMethod と RefLocation の値は、それぞれ親 LRS ネットワークとルートに戻ります。

オーバーラップの廃止シナリオ

以下の例では、[オーバーラップの廃止] チェックボックスをオンにしたときにオーバーラップするライン イベントを追加する様子を説明します。

この例では、Route1 には、日付が 1/1/2000 ~ <NULL> の既存の DOT クラス イベントがあります。 メジャーが共通している 2 番目の DOT クラス イベントを追加したときの影響を示します。

次の図に、ルートと既存イベントを示します。

Route1 には、5 ~ 7 に既存のイベントがあります。

次の表に、編集前の EventA のカスタム値の詳細を示します。

イベント IDイベント レイヤークラス タイプ

EventA

DOT クラス

クラス 1

次の表に、編集前の EventA のデフォルト フィールド値の詳細を示します。

イベント IDルート名始点メジャー終点メジャー開始日終了日

EventA

Route1

3

7

1/1/2000

<NULL>

次の図に、ルートと、1/1/2005 ~ <Null> の日付で追加される 2 番目のイベントを示します。

2 番目のオーバーラップするイベントが追加されます。

次の表に、EventB のカスタム値の詳細を示します。

イベント IDイベント レイヤークラス タイプ

EventB

DOT クラス

クラス 2

次の表に、編集後の EventB のデフォルト フィールド値の詳細を示します。

イベント IDルート名始点メジャー終点メジャー開始日終了日

EventB

Route1

5

7

1/1/2005

<NULL>

次の図に、ルートと両方のイベントで [オーバーラップの廃止] チェックボックスをオンにしたときの影響を示します。

2 番目のオーバーラップするイベントが追加されます。

次の表に、イベント作成後の両方のイベントのカスタム値の詳細を示します。

イベント IDイベント レイヤークラス タイプ

EventA

DOT クラス

クラス 1

EventB

DOT クラス

クラス 2

ヒント:

EventA には、日付が異なる (および始点メジャーと終点メジャーが異なる)、同一のカスタム値を持つ 2 つのイベント レコードがあります。

次の表に、オーバーラップの廃止を適用した後のデフォルト値の詳細を示します。

イベント IDルート名始点メジャー終点メジャー開始日終了日

EventA

Route1

3

7

1/1/2000

1/1/2005

EventA

Route1

3

5

1/1/2005

<NULL>

EventB

Route1

5

7

1/1/2005

<NULL>

一致イベントのマージ シナリオ

以下の例では、[一致イベントのマージ] チェックボックスをオンにしたときに、メジャーが一致するライン イベントを追加する様子を説明します。

この例では、Route1 には、日付が 1/1/2000 ~ <NULL> の既存の DOT クラス イベントがあります。 [一致イベントのマージ] がオンの場合に、メジャーが一致する DOT クラス イベントを追加したときの影響を示します。

次の図に、ルートと既存イベントを示します。

Route1 には、0 ~ 4 に既存のイベントがあります。

次の表に、EventA のカスタム値の詳細を示します。

イベント IDイベント レイヤークラス タイプ

EventA

DOT クラス

クラス 1

次の表に、編集前の EventA のデフォルト フィールド値の詳細を示します。

イベント IDルート名始点メジャー終点メジャー開始日終了日

EventA

Route1

0

4

1/1/2000

<NULL>

次の図に、ルートと、1/1/2000 ~ <Null> の日付で追加される 2 番目のイベントを示します。

メジャーが一致するイベントが追加されます。

次の表に、新しい入力のカスタム値の詳細を示します。

イベント IDイベント レイヤークラス タイプ

[NewEvent 入力]

DOT クラス

クラス 1

次の表に、新しい入力のデフォルト フィールド値の詳細を示します。

イベント IDルート名始点メジャー終点メジャー開始日終了日

NewEvent 入力

Route1

4

8

1/1/2000

<NULL>

次の図に、新しいイベントを追加するときに [一致イベントのマージ] チェックボックスをオンにしたときの影響を示します。

新しいイベントがマージされた後の EventA

次の表に、イベント作成後のイベントのカスタム値の詳細を示します。

イベント IDイベント レイヤークラス タイプ

EventA

DOT クラス

クラス 1

次の表に、新しいイベント メジャーが EventA とマージした後のデフォルト値の詳細を示します。

イベント IDルート名始点メジャー終点メジャー開始日終了日

EventA

Route1

0

8

1/1/2000

<NULL>