Business Analyst ライセンスで利用できます。
ArcGIS Business Analyst Pro の適合性解析は、複数の加重条件に基づいて場所をランク付けおよびスコア付けするために使用されます。 まず、適合性解析レイヤーを作成します。 次に、変数に基づく条件、ポイント レイヤーに基づく条件、フィールドに基づく条件などの適合性条件を追加します。 必要に応じて、条件プロパティを設定し、各適合性条件の重み付け、影響度、および閾値を変更します。 最後に、場所の適合性スコアを計算します。
適用例
以下は、適合性解析ワークフローの適用例です。
アプリケーション | 説明 | 使用されるデータの例 |
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ATM ネットワークの設計 | 新しい ATM 機の購入や保守には費用がかかります。 ATM の既存ネットワークに新しい機械を導入する前に、銀行はサービスの重複を最小限にしながらネットワークの効率を最大にしようと考えています。 適合性解析の区画に六角形のグリッドを作成し、顧客に最適な場所を特定するための基準として、顧客および既存 ATM の場所を含むポイント レイヤーを使用します。 |
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ビルボードの設置場所を特定する | あるエンターテイメント会社が、NASCAR および UFC の番組を宣伝するビルボードの設置場所を探しています。 この会社は、適合性解析を使用して、多くの通勤者が通る場所および昼間の人口が多い地域を特定し、ランク付けします。これらの変数は、人々が広告を見る確率がより高いことを示すからです。 |
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新しいテレコム キオスクの場所を計画する | ある電気通信会社が、キオスク型販売店の新たな出店場所計画を立てています。 目標物検索により競合の場所が表示され、ショッピング センターや特定店舗などの最適な場所が明らかになります。 候補地が特定されたら、適合性解析を使用して特定の場所に絞り込みます。 |
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危険に晒されている住民に対応するための緊急対応計画の更新 | 市の消防署は、危険度がより高いコミュニティを特定して、そのコミュニティにサービスを提供したり避難したりする際のニーズにより適切に備えられるよう、緊急対応計画を更新しています。 |
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適合性解析ワークフローの実行
適合性解析を実行するには、次の手順に従います。
- [解析] タブで [ビジネス解析] をクリックしてギャラリーを開き、[適合性解析] ボタン をクリックします。
[適合性解析レイヤーの作成] ツールが [ジオプロセシング] ウィンドウに開きます。 このツールは、[コンテンツ] ウィンドウに、解析を格納するレイヤーを作成します。
- 以下を指定して、適合性解析レイヤーを準備します。
- [入力フィーチャ] で、ランク付けする場所を選択します。 プロジェクトからフィーチャ レイヤーを選択するか、ホスト コンテンツまたは共有コンテンツを参照できます。
- [レイヤー名] パラメーターを使用して、作成される適合性解析レイヤーの名前を設定します。
- [実行] をクリックします。
適合性解析レイヤーが作成され、[コンテンツ] ウィンドウに追加されます。
- 解析を続行するには、新しい適合性解析レイヤーをクリックして [適合性解析] リボンを開き、リボンをクリックしてワークフロー オプションを表示します。
- [条件の追加] ボタン をクリックして、適合性解析レイヤーに条件を追加し、解析内容を定義します。 ドロップダウン メニューが開き、次の適合性条件オプションが表示されます。
- データ ブラウザーから人口統計およびビジネス データ変数を追加するには、[データ ブラウザーから変数を追加] をクリックします。 変数に基づく条件には、人口統計、社会経済、および消費データがあります。
- 入力レイヤーの数値フィールドに基づいて変数を追加するには、[入力レイヤーからフィールドを追加] をクリックします。 フィールドに基づく条件には、売場面積、利用可能な駐車スペース、重要な環境設備の存在などがあります。
[ポイント レイヤーの追加] をクリックすると、入力レイヤーと指定したポイント レイヤーの間の空間リレーションシップに基づいて変数が追加されます。 ポイント レイヤーに基づく条件には、競合他社の位置 (候補地に負の影響を与える)、顧客 (近い場合、候補地に正の影響を与える) などがあります。
適合性条件の追加についての詳細手順は、「適合性条件」をご参照ください。
- 条件を追加したら、選択した適合性条件ウィンドウの [実行] をクリックします。
適合性スコアが自動的に計算され、3 か所に表示されます。
- 適合性解析レイヤー ポリゴンがマップで陰影表示され、スコア ランクが示されます。
- [コンテンツ] ウィンドウの適合性解析レイヤーは、値の範囲とともに、マップ結果に対応する階層型の陰影を返します。
- [適合性解析] リボンの [属性テーブル] ボタンをクリックすると、[適合性解析] 結果テーブルが表示されます。このテーブルは、新しいフィールドとして返された個々の条件のスコアと全体のスコアを示します。 テーブルの各行はそれぞれのサイトを表します。
- 必要に応じて、[適合性解析] リボンの [適合性条件] をクリックして、適合性条件を変更できます。
適合性条件の追加についての詳細手順は、「条件の変更」をご参照ください。 適合性条件を追加または変更すると、適合性スコアが自動的に計算されます。
適合性条件
適合性解析レイヤーを作成したら、解析に条件を追加します。これにより、サイトをランク付けできます。 [適合性解析] リボンの [条件の追加] ボタン を使用して、追加する適合性条件のタイプを選択します。条件には、人口密度、世帯収入、年間の 1 日当たりの平均交通量など、データ ブラウザーの変数を使用できます。 各変数を標準化したり、重み付けしたりすることができます。 入力レイヤーのフィールドを条件として使用して、あるいはポイント レイヤーを使用して、空間リレーションシップに基づき、適合性を識別することもできます。
データ ブラウザーから変数を追加
データ ブラウザーから人口統計およびビジネス データ変数を追加するには、[データ ブラウザーから変数を追加] を選択します。 変数に基づく条件には、人口統計、社会経済、および消費データがあります。 次のパラメーターを入力します。
- [入力適合性解析レイヤー] を選択します。この適合性解析レイヤーが解析に使用されます。
- [追加] ボタン をクリックし、データ ブラウザーを使用して変数を追加します。 必要に応じて、[リストの保存] をクリックして変数をカスタム リストとして保存するか、[すべて削除] をクリックして選択した変数をすべて削除します。
入力レイヤーからフィールドを追加
入力レイヤーの数値フィールドに基づいて変数を追加するには、[入力レイヤーからフィールドを追加] を選択します。 フィールドに基づく条件には、売場面積、利用可能な駐車スペース、重要な環境設備の存在などがあります。 次のパラメーターを入力します。
- [入力適合性解析レイヤー] を選択します。この適合性解析レイヤーが解析に使用されます。
- [フィールド] で、条件として使用する適合性解析レイヤーのフィールドを選択します。
ポイント レイヤーの追加
[ポイント レイヤーの追加] を選択すると、入力レイヤーと指定したポイント レイヤーの間の空間リレーションシップに基づいて変数が追加されます。 ポイント レイヤーに基づく条件には、競合他社の位置 (候補地に負の影響を与える)、顧客 (近い場合、候補地に正の影響を与える) などがあります。 次のパラメーターを入力します。
- [入力適合性解析レイヤー] を選択します。この適合性解析レイヤーが解析に使用されます。
- [サイト レイヤー ID] フィールドを選択します。このフィールドによって、適合性解析レイヤーの各サイトに一意の値が割り当てられます。
- [ポイント フィーチャ] で、適合性条件として使用するポイントを含むレイヤーを選択します。
- 条件として使用される空間リレーションシップを定義するには、次のいずれかのオプションを選択します。
- [個数] 条件タイプは、各適合性解析レイヤー候補エリア内の合計ポイント数を返します。
- [ウェイト] 条件タイプは、各適合性解析レイヤー候補エリア内の数値フィールド値 (売上高など) の合計を集計して返します。
- [最小距離] 条件タイプは、各適合性解析レイヤーの候補エリアに最も近い距離を返します。
条件の変更
適合性条件の追加後は、各条件が解析にどのように影響するかを指定するため、加重、影響度、値の範囲を変更できます。
解析の条件を変更するには、次の手順を実行します
- [適合性解析] リボンの [適合性条件] をクリックします。
[適合性解析] ウィンドウが表示されます。
- 各適合性条件は、以下のパラメーターを使用して変更できます。
- [加重] - デフォルトでは、条件は均等に重み付けされますが、手動で条件の加重を調整し、計算方法を変更できます。
- 変数の [加重] 値を変更して、解析における重要度を増減させることができます。 すべての適合性条件の加重を足した合計は 100 になります。
- [ロック] ボタンをクリックして変数の設定をロックするか、ロックされている場合は、[ロックの解除] ボタンをクリックして変数の設定のロックを解除します。
- 適合性条件への変更を元に戻すには、[適合性解析] リボンにある [加重のリセット] ボタン をクリックします。
- [影響度] - 条件の影響度は、条件がスコアにどのように影響するかを定義します。 条件の [影響度] 設定を変更するには、[その他のオプション] をクリックします。 次のオプションから選択します。
- デフォルトでは、影響度は [正] に設定されています。つまり、変数の値が大きいほど、最終スコアへの影響が大きくなります。
- 影響度を [負] に設定します。これにより、変数の値が小さいほど、スコアへの影響が大きくなります。
- 影響度を [目標値] に設定し、変数の目標値を定義します。 変数の値が目標値に近いほど、スコアへの影響が大きくなります。
- [閾値] - 条件の閾値は、その条件の値の範囲を定義します。 [その他のオプション] をクリックして [閾値] の値を変更し、[最小値] と [最大値] の値の間になるよう結果を絞り込むことができます。
- [加重] - デフォルトでは、条件は均等に重み付けされますが、手動で条件の加重を調整し、計算方法を変更できます。
- 解析から適合性条件を削除するには、条件に表示されている [削除] ボタン をクリックするか、[適合性条件の削除 (Remove Suitability Criteria)] ジオプロセシング ツールを使用します。
適合性スコアの計算
適合性スコアは、すべての候補地で条件を比較することで計算します。 各条件がスコアと加重スコアの両方を受け取り、これらが新しい属性として返されます。 最終スコアも返されます。 個々の加重スコアを全体的なランキングにまとめます。
適合性スコアは、[適合性スコアの計算 (Calculate Suitability Score)] ジオプロセシング ツールから返されるか、[適合性スコア] グループの [計算] をクリックすると返されます。
[適合性スコア] タブには、[自動計算] チェックボックスがあります。 これをオンにすると、条件パラメーターの設定が変更されるたびに、スコアが自動的に計算されます。
適合性解析の結果
解析結果は、マップ、[コンテンツ] ウィンドウ、レイヤーの属性テーブルの 3 か所に返されます。
マップ
適合性解析ポリゴンがマップで陰影表示され、それぞれのランクが示されます。
コンテンツ ウィンドウ
[コンテンツ] ウィンドウの適合性解析レイヤーが更新され、代表値とともに、マップ結果と一致する階層型の陰影が返されます。
属性テーブル
結果は、適合性解析レイヤーの属性テーブルにの新しいフィールドとしても返され、以下の情報が含まれます。
- 各位置の変数値、条件スコア、および加重条件スコア
- [最終スコア] 列には、その場所のすべての加重条件スコアの合計として、場所のスコアが表示されます。
- [ランク] 列には、場所のランクが、解析に含まれる他の場所と比較して表示されます。
ジオプロセシング ツール
適合性解析ワークフローでは、次のツールを含む適合性解析ツールセットを使用します。
- 適合性解析レイヤーの作成
- フィールドに基づく適合性条件の追加 (Add Field Based Suitability Criteria)
- ポイント レイヤーに基づく適合性条件の追加 (Add Point Layer Based Suitability Criteria)
- 変数に基づく適合性条件の追加 (Add Variable Based Suitability Criteria)
- 条件プロパティの設定 (Set Criteria Properties)
- 適合性スコアの計算 (Calculate Suitability Score)
- 適合性条件の削除 (Remove Suitability Criteria)
これらのジオプロセシング ツールを直接使用して同じ解析を行い、Python スクリプトまたはモデルを通じてクエリを構築し、実行できます。 適合性解析ワークフローを開始する前に、Business Analyst データ ソースを選択します。 ローカルまたはオンラインのデータセットを使用して、適合性解析を実行できます。