シーン レイヤーは、大容量の地理空間データを 3D で表現し、対象ユーザーがより写実的な方法で地理情報を理解して操作することを容易にします。 シーン レイヤーはキャッシュされたレイヤーであり、大量の 3D コンテンツの表示に最適です。 シーン レイヤーには、3D ポイント、点群、3D オブジェクト、ビルディング、3D メッシュ、およびボクセルを含めることができます。 シーン レイヤーは I3S (Indexed 3D Scene layer) 仕様に準拠しています。 シーン レイヤーは ArcGIS Online および ArcGIS Enterprise で Web シーン レイヤーとして共有できます。 シーン レイヤーは、このトピックで説明している多くのソースを参照することができます。 
シーン レイヤー パッケージ (.slpk)
シーン レイヤー パッケージは、3D データを単一のファイルとして迅速に転送するように設計されています。 シーン レイヤー パッケージは ArcGIS Pro や ArcGIS Earth などのデスクトップ クライアントで表示したり、ArcGIS Online または ArcGIS Enterprise にアップロードして公開したりできます。
また、[パッケージの共有 (Share Package)] ツールを使用して Web シーン レイヤーを作成し、.slpk ファイルを ArcGIS Enterprise または ArcGIS Online に公開することもできます。 これは、500 GB 未満のシーン レイヤー パッケージを公開する場合に推奨されるワークフローです。 500 GB より大きいシーン レイヤー パッケージの場合、ArcGIS Online への大きなパッケージのマルチパート アップロードをサポートする Web シーン内でシーン レイヤー パッケージを共有できます。
Indexed 3D Scene Layer REST (.i3sREST)
.i3sREST 形式は、JSON、REST、および最新の Web 規格に基づきます。 .i3sREST 形式は、Amazon S3、Azure Blob ストア、Alibaba OSS、Google Cloud などのクラウド ストアに格納されている場合に Web クライアントが処理、解析、レンダリングできるように最適化されています。 .i3sREST 形式は、データ ストアから直接提供され、ArcGIS Enterprise でのスケーラビリティを向上させることができます。
すぐに利用できる .i3sREST 形式は、200 GB を超えるシーン レイヤー コンテンツに最も適しています。 .i3sREST は ArcGIS Pro で作成できます。 シーン レイヤー コンテンツがクラウド ストアで利用可能になったら、[カタログ] ウィンドウでコンテンツを右クリックして [Web レイヤーとして共有] を選択するか、Portal for ArcGIS を使用して、シーン レイヤーとして公開することができます。 シーン レイヤーを Portal for ArcGIS から公開するには、次の手順を実行します。
- Portal for ArcGIS で [コンテンツ] をクリックします。
- [新しいアイテム] をクリックします。
- [シーン レイヤー] をクリックします。
- [データ ストア内のデータセットを選択] をクリックしてから [次へ] をクリックします。
- 目的のクラウド ストアを選択して [次へ] をクリックします。
- シーン レイヤーとして公開する i3sRestCache を選択して [次へ] をクリックします。
- 目的のタイトルとタグを指定して [保存] をクリックします。
シーン レイヤーがクラウド ストアから公開されます。
抽出されたシーン レイヤー パッケージ (.eslpk)
.eslpk 形式は、シーン レイヤー パッケージのアーカイブされていないフォルダー ディレクトリであり、ファイル システムに適しています。 この I3S 形式は、ファイル拡張子を処理するように設計されているタイル ハンドラーを使用して提供できます。 抽出されたシーン レイヤー パッケージは ArcGIS Enterprise で使用するためのものです。
抽出されたシーン レイヤー パッケージは、[パッケージの抽出 (Extract Package)] ツールを使用して作成できます。 シーン レイヤー コンテンツがファイル システム ディレクトリまたはオンプレミスの Amazon S3 対応オブジェクト ストア (MinIO など) で利用可能になったら、[カタログ] ウィンドウでコンテンツを右クリックして [Web レイヤーとして共有] を選択して、シーン レイヤーとして公開することができます。
注意:
.eslpk または .i3sREST 形式のシーン レイヤー コンテンツは ArcGIS Online でサポートされていません。
I3S - インデックス構築済み 3D シーン サービス
.slpk、.i3sREST、および .eslpk に加えて、ArcGIS Enterprise または ArcGIS Online で直接、ArcGIS Pro の個別の Web シーン レイヤーまたは Web シーンを共有することでシーン レイヤーを作成できます。3D ポイント レイヤー、マルチパッチ レイヤー、またはビルディング レイヤーを関連付けられたフィーチャ レイヤーと共に共有できます。 この場合、シーン レイヤー パッケージから公開された Web シーン レイヤーでは使用できない追加の解析および編集機能が得られます。
シーン レイヤー コンテンツを作成するツール
ArcGIS Pro では、次のジオプロセシング ツールを使用した各種形式のシーン レイヤー コンテンツの作成がサポートされています。
| ジオプロセシング ツール | シーン レイヤー コンテンツ |
|---|---|
| 3D オブジェクト シーン レイヤー コンテンツの作成 | .slpk、.i3sREST |
| ビルディング シーン レイヤー コンテンツの作成 | .slpk、.i3sREST |
| 3D メッシュ シーン レイヤー コンテンツの作成 | .slpk、.i3sREST |
| ポイント シーン レイヤー コンテンツの作成 | .slpk、.i3sREST |
| 点群シーン レイヤー コンテンツの作成 | .slpk、.i3sREST |
| ボクセル シーン レイヤー コンテンツの作成 | .slpk |
| パッケージの抽出 | .eslpk、.i3sREST |
| シーン レイヤーのアップグレード | .slpk、.eslpk、.i3sREST |