始点

始点は、ネットワーク フィーチャ上で設定され、ネットワーク内のトレースの開始位置を定義します。 ほとんどのトレースでは、1 つ以上の始点が定義されている必要があります。

[トレース] ウィンドウの [始点] タブを使用して、始点を作成および管理すること、ターミナルを指定すること、一致するフィーチャを区別すること、および複数の始点を設定することができます。

始点を操作する際には、以下の点に注意してください。

  • 始点が有効であるためには、配置されるネットワーク フィーチャが、ネットワーク トポロジ内に存在する必要があります。 始点のために使用されるネットワーク フィーチャが、検証されていることを確認してください。
  • マップ上の空間フィーチャを使用する場合、マップ上に一致するポイントが作成され、トレースの開始位置を示します。 非空間エッジおよびジャンクション オブジェクト テーブルからのレコードを選択し、始点として機能するように [トレース] ウィンドウに追加することもできます。
    • ポイントの場合は、複数のターミナルがあるデバイスで、始点として設定するターミナルを指定する必要があります。
    • ラインの場合、ライン フィーチャに沿った任意の場所に始点を配置できます。
    • ポリゴンの場合、開始位置をマークするため、始点が重心に配置されます。
    • ジャンクション オブジェクトの場合、ターミナルを含むフィーチャは、ターミナルを指定して、始点として設定する必要があります。
    • エッジ オブジェクトの場合、開始位置を指定するため、始点がオブジェクトに配置されます。
      • デフォルトで、始点は 0.5 の割合値で配置されます。この値を変更するには、UN_Temp_Starting_Points フィーチャクラスで、始点の PERCENTALONG フィールドを編集します。
  • サブネットワークベースのトレースでは、始点は、入力層に存在する必要があります。
  • サブネットワーク トレースの実行時に、トレース ツールで、[サブネットワーク名] パラメーター値を指定した場合、始点は使用されません。 代わりに、サブネットワーク コントローラーからトレースが開始されます。
  • ライン フィーチャおよびエッジ オブジェクト上の始点を使用している場合、トレース結果には、中間にある始点の部分からだけではなく、ライン フィーチャ全体が含まれます。
    注意:

    デフォルトでは、トレース結果は選択として返され、ライン フィーチャ全体が含まれています。 始点がラインの中間部分に配置されている場合は、結果タイプ パラメーターの [集約されたジオメトリ] オプションを使用して、部分的なフィーチャの結果を出力マルチパート ジオメトリ フィーチャクラスで返すことができます。 始点がラインに沿って配置されている場合は、トレース結果は、始点の位置から始まり、フィーチャの部分的なフィーチャ ジオメトリを返すことができます。 エッジ オブジェクトがライン フィーチャの格納物である場合は、ジオメトリの合成パラメーターを使用して、中間部分に始点が配置されたエッジ オブジェクトの部分的なジオメトリを集約されたジオメトリ結果に表示することもできます。

[トレース] ウィンドウを使用して始点を作成すると、UN_Temp_Starting_Points フィーチャクラスがプロジェクトのデフォルト ジオデータベースに作成されます。 一連の始点がこのクラスに追加されます。 マップからすべての始点を削除するには、[始点] タブの [すべて消去] ボタン 選択解除 を使用します。

始点は、ユーザー定義されたフィーチャクラスで指定するか、[トレース位置の追加 (Add Trace Locations)] ツールを使用して、作成することもできます。 このツールは、UN_Temp_Starting_Points と同じスキーマを使用して、出力フィーチャクラスを作成します。また、このツールを使用すると、選択した空間ネットワーク フィーチャを、スクリプトまたはモデル内で使用できるようにユーザー定義のフィーチャクラスに出力できます。

既存のユーザー定義されたフィーチャクラスまたはテーブルを使用して、[トレース (Trace)] ツールに始点を指定する場合、要件は以下のとおりです。

  • ユーザー定義されたフィーチャクラスまたはテーブルのスキーマは、UN_Temp_Starting_Points フィーチャクラスに存在するフィールドと類似したタイプが guid の FEATUREGLOBALID フィールドを含み、対応するネットワーク フィーチャに始点として適用される値を含む必要があります。
    • このフィールドに値が入力されない場合、対応する値を持たないフィーチャは、始点を配置するために使用されません。
  • ライン フィーチャまたはエッジ オブジェクトに沿って始点を配置するには、ユーザー定義されたフィーチャクラスまたはテーブルのスキーマに、タイプが double の PERCENTALONG フィールドが含まれている必要があります。
    • エッジに沿った始点の位置を示すには、PERCENTALONG フィールドに 0.0 ~ 1.0 の値が含まれている必要があります。
    • PERCENTALONG フィールドが存在しないか、適切な値を含んでいない場合、始点がジャンクション フィーチャ上に配置されると見なされ、エッジに沿った配置は無視されます。
  • ジャンクション フィーチャまたはジャンクション オブジェクト上に始点を配置するには、ユーザー定義されたフィーチャクラスまたはテーブルのスキーマに、タイプが long の TERMINALID フィールドが含まれている必要があります。
    • TERMINALID フィールドが存在しないか、適切な値を含んでいない場合、始点がエッジ フィーチャ上に配置されると見なされ、ジャンクション上の配置は無視されます。
  • ユーティリティ ネットワーク バージョン 7 以降を操作する場合は、ユーザー定義のフィーチャクラスまたはテーブルのスキーマにタイプが Big integer の FEATUREOID フィールドと 64 ビットの OBJECTID フィールドを含める必要があります。 [Object ID を 64 ビットに移行 (Migrate Object ID To 64 Bit)] ツールを使用して、Object ID フィールドを 64 ビットに移行できます。

始点およびバリアの設定方法の詳細