単調性

ArcGIS Pro Standard ライセンスと Data Reviewer ライセンスで利用できます。

サマリー

[単調性] チェックは、標高値または計測値 (z 値または m 値) に単調エラーを含むポリライン フィーチャを検出します。

サポートされているワークフロー

ArcGIS Data Reviewer のチェックは、データの自動レビューを実装するための複数の方法をサポートしています。 次の表に、このチェックでサポートされている実装方法を示します。

検証属性ルール制約属性ルール

はい

(ArcGIS Pro 2.5 および ArcGIS Enterprise 10.8 以降)

はい

(ArcGIS Pro 2.4 以降)

レガシー:

マップベースのレビューアー ルールは、廃止予定のため使用できません。 属性ルールで利用できる Data Reviewer 機能に自動レビュー ワークフローを移行することをお勧めします。 ArcGIS Pro 3.0 以降でマップ ドキュメント (.aprx ファイル) を開くか保存すると、ドキュメントから既存のマップ ルールがすべて削除されます。

概要

[単調性] チェックは、狭義単調増加でも狭義単調減少でもない z 値または m 値を含むフィーチャを識別します。 非単調値を含むフィーチャは、解析やモデルの結果に影響を及ぼす可能性があります。

フィーチャを評価して、特定の挙動の傾向があるかどうか決定することもできます。 期待される傾向がないノード値を含むフィーチャは、解析の結果に影響を及ぼす可能性があります。

連続するパートの m 値が等しいマルチパートのフィーチャは単調と見なされ、このチェックで無視されます。 ただし、リニア リファレンス システム (LRS) ルートで設定されるキャリブレーション方法は、ルート フィーチャが単調または非単調のいずれであるかに影響を与えます。

制約ルールとして構成した場合は、ルールのパラメーターで定義された条件に基づいて、フィーチャが作成または変更されたときにエラー通知が返されます。

このチェックが検証ルールとして構成されている場合、フィーチャに非単調な頂点が含まれているか、ルールに指定されている他の条件をフィーチャが満たす場合、検証中にエラーが生成されます。 m 値の制約では、メジャー値を含まない頂点 (NaN) もエラーとして返されます。

業界シナリオ

このチェックは次のようなシナリオで使用できます。

  • 水資源管理では、流線型フィーチャに保存される標高値を使用して、デジタル標高モデルに詳細を追加し (水文学的 DEM 調整)、既知の排水パターンを適用します。
  • 道路管理では、同じ計測値を持つ複数の連続する頂点がある道路ルートは、長さの計算に悪影響を及ぼします (米国運輸省のマイレージ レポートなど)。

非単調 - 次の図は、狭義単調増加でも狭義単調減少でもない z 値と m 値を含む 2 本のライン フィーチャを示しています。

単調性 z 値および m 値

次の図はギャップのあるルートを示しています。 ギャップ キャリブレーション方法が、ステップ = 0 または追加 = 0 である場合、このルートは単調です。 この同じルートは、ギャップ キャリブレーション方法がユークリッドの場合、またはステップ > 0 または追加 > 0 の場合、非単調になります。

ギャップのある LRS ルート

構文

パラメーター必須説明ワークフロー

サブタイプ

いいえ

ルールが適用されるサブタイプ。

制約

検証

属性

いいえ

ルールの適用先となるフィーチャを特定するクエリ。

検証

評価

はい

評価されるプロパティ。

評価のための z 値または m 値を選択します。

制約

検証

検索目標

はい

ルールによって評価されるエラー条件。 ルールに定義された値と一致する値を持つすべてのフィーチャがエラーとして返されます。

  • [非単調フィーチャ] - 頂点の値が狭義単調増加でも狭義単調減少でもない場合、フィーチャの頂点が返されます。
  • [レベル値 (始点 = 終点)] - 始点ノードが終点ノードと等しい場合、フィーチャが返されます。
  • [減少値 (始点 > 終点)] - 始点ノードが終点ノードより大きい場合、フィーチャが返されます。
  • [増加値 (始点 < 終点)] - 始点ノードが終点ノードより小さい場合、フィーチャが返されます。
  • [パーツ間の重複メジャーを無視] - 連続するパート間に重複メジャー値が存在するマルチパート フィーチャが無視されます。

制約

注意:

[パーツ間の重複メジャーを無視] パラメーターは、制約属性ルール ワークフローでは使用できません。

検証

トリガー

はい

ルールの有効化をトリガーする編集イベント。

  • [挿入] - 新しいフィーチャが追加された時点でルールをトリガーします。
  • [更新] - 新しいフィーチャが更新された時点でルールをトリガーします。
  • [削除] - 新しいフィーチャが削除された時点でルールをトリガーします。

制約

名前

はい

ルールの一意の名前。

この情報は、データ品質要件のトレーサビリティ、自動レポート、および修正ワークフローのサポートに使用されます。

制約

検証

説明

いいえ

非準拠フィーチャが検出されたときに定義するエラーの説明。

この情報は、修正ワークフローのガイダンスを提供するために使用されます。

制約

検証

重要度

いいえ

非準拠フィーチャが検出された時点で割り当てられるエラーの重要度。

この値は、他の結果に対するレビューアー結果の重要度を示します。 値の範囲は 1 ~ 5 で、1 は最高優先順位を示し、5 は最低優先順位を示します。

検証

タグ

いいえ

レビューアー ルールのタグ プロパティ。

この情報は、データ品質要件のトレーサビリティとレポートをサポートするためのルール作成および管理ワークフローで使用されます。

制約

検証

備考

次の点に注意してください。

  • このチェックでは、z 対応または m 対応のポリライン フィーチャを使用する必要があります。
  • 隣接する頂点間の、それぞれの許容値の範囲内にある z 値または m 値の差については、単調性の評価が行われません。
  • このチェックで z 値を評価するには、ポリライン フィーチャに鉛直座標系が定義されている必要があります。
  • フィーチャの始点ノードと終点ノードは、単調性の評価の際に、z 値または m 値が狭義単調増加または狭義単調減少のどちらになるかを決定するために使用されます。
  • 単調性の評価の際、マルチパート フィーチャはパート順に (パート 0、パート 1 のような順序で) 評価されます。
  • このチェックが属性 (検証) ルールとして作成され、フィーチャで複数のエラー状態が検出された場合 (たとえば、非単調と増加)、1 つのエラー フィーチャが作成されます。 このチェックがレビューアー バッチ ジョブに含まれている場合、エラー結果は条件ごとに作成されます。
  • [属性] フィルター パラメーターには、比較演算子 (=<>><>=<=) および論理演算子 (AND/ORIN/NOT INLIKE/NOT LIKEIS NULL) のみを使用できます。
  • [パーツ間の重複メジャーを無視] チェックボックスはオプションであり、m 値の [評価] オプションがオンの場合のみ有効になります。 このオプションは Z 値に対して使用できません。
  • [属性] フィルター パラメーターでは、フィールド タイプとして、Big IntegerDate OnlyTime OnlyTimestamp Offset を使用できません。 これらのタイプが選択されると、行ヘッダーが赤色で示され、ルールを保存できなくなります。

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