近接性でグループ化 (Group By Proximity) (GeoAnalytics)

サマリー

空間的または時空間的に相互に近接しているフィーチャをグループ化します。

[近接性でグループ化 (Group By Proximity)] ワークフローによって回答できる質問の例を次に示します。

  • どの道路が接続されていますか?
  • 互いの距離と時間が近い範囲内で発生した犯罪のグループはどこにありますか?
  • 互いに重なり合っているポリゴンのグループがありますか?

近接性でグループ化ツールの図

使用法

  • このジオプロセシング ツールは ArcGIS Enterprise 10.9 1 以降で使用できます。

  • 出力結果は、group_id という名前の新しいフィールドを含む入力のコピーになります。 group_id フィールドはフィーチャのグループ化を表します。 同じ group_id 値を持つフィーチャは、同じグループに属します。 グループ番号は特定のグループ内のメンバーシップを表し、値を示すものではありません。 グループ番号は、連続していない場合や、ツールで同じ番号が繰り返し使用される場合があります。 結果は 8 つのグループでシンボル化されます。 結果に 8 個を超えるグループがある場合、デフォルトでは 8 個の色ですべてのグループがシンボル化されます。 シンボルを変更し、group_id フィールドの一意のシンボルでシンボル化することで一意の各グループを表示できます。

  • ツールは、次のリレーションシップの組み合わせをサポートしています。

    • 空間リレーションシップ
    • 空間リレーションシップと時系列リレーションシップ
    • 空間リレーションシップと属性リレーションシップ
    • 空間リレーションシップ、時系列リレーションシップ、および属性リレーションシップ
    指定したすべてのリレーションシップが満たされると、フィーチャがグループ化されます。

  • サポートされている空間リレーションシップと入力ジオメトリを次の表に示します。

    入力ジオメトリのタイプ交差する接する測地線近接平面近接

    ポイント

    チェック マークチェック マークチェック マーク

    ポリライン

    チェック マークチェック マークチェック マークチェック マーク

    ポリゴン

    チェック マークチェック マークチェック マークチェック マーク

    オーバーレイ方法説明

    交差する

    フィーチャまたはフィーチャの一部が重なり合っている場合、フィーチャは交差しています。 これがデフォルトです。

    接する

    フィーチャが交点を持つが、重なり合っていない場合、フィーチャは別のフィーチャと接しています。

    測地線近接

    頂点またはエッジが別のフィーチャの指定の測地線距離内にある場合、フィーチャは近接しています。

    平面近接

    頂点またはエッジが別のフィーチャの指定の平面距離内にある場合、フィーチャは近接しています。

  • [空間リレーションシップ] パラメーターの [平面近接] オプションを使用するには、[入力レイヤー] パラメーター値が投影変換される必要があります。そうでない場合、出力座標系投影座標系に設定されます。

  • サポートされている時系列リレーションシップと時系列のタイプを次の表に示します。

    入力時系列のタイプ交差する最近接

    なし

    インスタント

    チェック マークチェック マーク

    間隔

    チェック マークチェック マーク

    時系列リレーションシップの方法説明

    交差する

    フィーチャの時間の一部が別のフィーチャの時間と重なり合っている場合、フィーチャは交差しています。

    最近接

    フィーチャの時間が別のフィーチャの指定の時間距離内にある場合、フィーチャは互いに近接しています。

  • 属性式は対称演算です。 ツールは、グループ化する際に、入力レイヤー自体と比較する 1 つの入力レイヤーを使用します。 このため、ArcGIS Arcade 式では、入力レイヤーは a と b の両方で示され、すべての式は a と b の両方を含む必要があります。 たとえば、Amount フィールドの値が同じ場合にすべてのレコードをグループ化するには、次の式を使用します: $a["Amount"] == $b["Amount"]

  • 次の 1 つ以上の操作を実行すると、[近接性でグループ化 (Group By Proximity)] ツールのパフォーマンスを向上させることができます。

    • 対象データのみが解析されるように、範囲環境を設定します。
    • [空間リレーションシップ] パラメーターの [平面近接] または [測地線近接] オプションを使用するときは、使用する [空間的近接距離] パラメーターの値を小さくします。
    • [空間リレーションシップ] パラメーターを使用するときは、[平面近接] オプションを [測地線近接] オプションよりも短い距離に設定します。
    • [時系列リレーションシップ] パラメーターの [近接する] オプションを使用するときは、使用する [時間的近接距離] パラメーターの値を小さくします。
    • 解析が実行されているロケーションに対してローカルなデータを使用します。

  • ジオプロセシング ツールは、ArcGIS GeoAnalytics Server を活用しています。 解析は GeoAnalytics Server で実行され、結果が ArcGIS Enterprise のコンテンツに保存されます。

  • GeoAnalytics Server ツールを実行する場合、解析は GeoAnalytics Server で実行されます。 最適なパフォーマンスを得るためには、GeoAnalytics Server ポータルでホストされているフィーチャ レイヤーかビッグ データ ファイル共有を通じて、ArcGIS Enterprise にデータを提供する必要があります。 GeoAnalytics Server のローカルにないデータは、解析が開始する前に GeoAnalytics Server に移動されます。 つまり、ツールを実行する時間が長くなり、場合によっては ArcGIS Pro から GeoAnalytics Server にデータを移動できないこともあります。 エラーの閾値はネットワークの速度や、データのサイズや複雑さに左右されます。 データを必ず共有するか、ビッグ データ ファイル共有を作成することをお勧めします。

    データをポータルで共有する方法の詳細

    ArcGIS Server Manager を使用してビッグ データ ファイル共有を作成する方法の詳細

パラメーター

ラベル説明データ タイプ
入力レイヤー

グループ化されるポイント、ライン、またはポリゴン フィーチャ。

Feature Set
出力名

出力フィーチャ サービスの名前。

という名前の新しいフィールドで表されるグループ フィーチャを含む出力フィーチャ サービスの名前 group_id

String
空間リレーションシップ

フィーチャのグループ化の基準となるリレーションシップのタイプを指定します。

  • 交差するフィーチャまたはフィーチャの一部が重なり合っている場合に、フィーチャがグループ化されます。 これがデフォルトです。
  • 接するフィーチャが交点を持つが、重なり合っていない場合に、フィーチャが別のフィーチャと一緒にグループ化されます。
  • 平面近接頂点またはエッジが別のフィーチャの指定の平面距離内にある場合に、フィーチャがグループ化されます。
  • 測地線近接頂点またはエッジが別のフィーチャの指定の測地線距離内にある場合に、フィーチャがグループ化されます。
String
空間的近接距離
(オプション)

近接フィーチャのグループ化に使用される距離。 このパラメーターは、[空間リレーションシップ] パラメーター値が [平面近接] または [測地線近接] の場合のみ使用されます。

Linear Unit
時系列リレーションシップ
(オプション)

フィーチャの一致に使用する時間条件を指定します。 このパラメーターが [交差する] または [近接する] に設定されると、空間条件と時間条件の両方が満たされている場合にフィーチャがグループ化されます。 このオプションをサポートするには、入力で時間が有効化されている必要があります。

  • 交差するフィーチャの時間のある部分が別のフィーチャの時間と重なり合っている場合に、フィーチャがグループ化されます。 これがデフォルトです。
  • 最近接フィーチャの時間が別のフィーチャの時間範囲内にある場合に、フィーチャがグループ化されます。
  • なし時間はフィーチャのグループ化に使用されません。
String
時間的近接距離
(オプション)

近接フィーチャのグループ化に使用される時間的距離。 このパラメーターは、[時系列リレーションシップ] パラメーター値が [近接する] の場合のみ使用されます。

Time Unit
データ ストア
(オプション)

出力の保存先の ArcGIS Data Store を指定します。 デフォルトは、[ビッグ データ ストア] です。 ビッグ データ ストアに格納されたすべての結果は、WGS84 で保存されます。 リレーショナル データ ストアに格納された結果は、それらの座標系を維持します。

  • ビッグ データ ストア出力がビッグ データ ストアに格納されます。 これがデフォルトです。
  • リレーショナル データ ストア出力がリレーショナル データ ストアに格納されます。
String
属性リレーションシップ
(オプション)

フィーチャのグループ化に使用される ArcGIS Arcade 式。 たとえば、$a["Amount"] == $b["Amount"]Amount フィールドの値が同じ場合にフィーチャをグループ化します。

String

派生した出力

ラベル説明データ タイプ
出力フィーチャ レイヤー

group_id という名前の新しいフィールドで表されるグループ フィーチャを含む新しいフィーチャクラス。

Feature Set

arcpy.geoanalytics.GroupByProximity(input_layer, output_name, spatial_relationship, {spatial_near_distance}, {temporal_relationship}, {temporal_near_distance}, {data_store}, {attribute_relationship})
名前説明データ タイプ
input_layer

グループ化されるポイント、ライン、またはポリゴン フィーチャ。

Feature Set
output_name

出力フィーチャ サービスの名前。

という名前の新しいフィールドで表されるグループ フィーチャを含む出力フィーチャ サービスの名前 group_id

String
spatial_relationship

フィーチャのグループ化の基準となるリレーションシップのタイプを指定します。

  • INTERSECTSフィーチャまたはフィーチャの一部が重なり合っている場合に、フィーチャがグループ化されます。 これがデフォルトです。
  • TOUCHESフィーチャが交点を持つが、重なり合っていない場合に、フィーチャが別のフィーチャと一緒にグループ化されます。
  • NEAR_PLANAR頂点またはエッジが別のフィーチャの指定の平面距離内にある場合に、フィーチャがグループ化されます。
  • NEAR_GEODESIC頂点またはエッジが別のフィーチャの指定の測地線距離内にある場合に、フィーチャがグループ化されます。
String
spatial_near_distance
(オプション)

近接フィーチャのグループ化に使用される距離。 このパラメーターは、spatial_relationship パラメーター値が NEAR_PLANAR または NEAR_GEODESIC の場合のみ使用されます。

Linear Unit
temporal_relationship
(オプション)

フィーチャの一致に使用する時間条件を指定します。 このパラメーターが INTERSECTS または NEAR に設定されると、空間条件と時間条件の両方が満たされている場合に、フィーチャがグループ化されます。 このオプションをサポートするには、入力で時間が有効化されている必要があります。

  • INTERSECTSフィーチャの時間のある部分が別のフィーチャの時間と重なり合っている場合に、フィーチャがグループ化されます。 これがデフォルトです。
  • NEARフィーチャの時間が別のフィーチャの時間範囲内にある場合に、フィーチャがグループ化されます。
  • NONE時間はフィーチャのグループ化に使用されません。
String
temporal_near_distance
(オプション)

近接フィーチャのグループ化に使用される時間的距離。 このパラメーターは、temporal_relationship パラメーター値が Near の場合のみ使用されます。

Time Unit
data_store
(オプション)

出力の保存先の ArcGIS Data Store を指定します。 デフォルトは、SPATIOTEMPORAL_DATA_STORE です。 ビッグ データ ストアに格納されたすべての結果は、WGS84 で保存されます。 リレーショナル データ ストアに格納された結果は、それらの座標系を維持します。

  • SPATIOTEMPORAL_DATA_STORE出力がビッグ データ ストアに格納されます。 これがデフォルトです。
  • RELATIONAL_DATA_STORE出力がリレーショナル データ ストアに格納されます。
String
attribute_relationship
(オプション)

フィーチャのグループ化に使用される ArcGIS Arcade 式。 たとえば、$a["Amount"] == $b["Amount"]Amount フィールドの値が同じ場合にフィーチャをグループ化します。

String

派生した出力

名前説明データ タイプ
output

group_id という名前の新しいフィールドで表されるグループ フィーチャを含む新しいフィーチャクラス。

Feature Set

コードのサンプル

GroupByProximity の例 (スタンドアロン スクリプト)

次の Python ウィンドウ スクリプトは、GroupByProximity 関数の使用方法を示しています。

# Name: GroupByProximity.py
# Description: Group roads together that touch
#
# Requirements: ArcGIS GeoAnalytics Server

# Import system modules
import arcpy

# Set local variables
inFeatures = "https://myGeoAnalyticsMachine.domain.com/geoanalytics/rest/services/DataStoreCatalogs/bigDataFileShares_cityData/BigDataCatalogServer/roads"
outFS = "groupedRoads"
overlayType = "TOUCHES"
dataStore = "SPATIOTEMPORAL_DATA_STORE"

# Run Group By Proximity
result = arcpy.geoanalytics.GroupByProximity(inFeatures, outFS, 
                                 overlayType, data_store=dataStore)

環境

特殊なケース

出力座標系

解析で使用される座標系。 このパラメーターで指定されない限り、入力の座標系で解析が行われます。 GeoAnalytics Tools の場合、最終結果は WGS84 のビッグ データ ストアに保存されます。

ライセンス情報

  • Basic: 次のものが必要 ArcGIS GeoAnalytics Server
  • Standard: 次のものが必要 ArcGIS GeoAnalytics Server
  • Advanced: 次のものが必要 ArcGIS GeoAnalytics Server

関連トピック