最近隣内挿 3D (Nearest Neighbor 3D) (Geostatistical Analyst)

Geostatistical Analyst のライセンスで利用可能。

サマリー

各ボクセルに 3D の最近隣内挿法のカテゴリを割り当てることで、カテゴリ 3D ポイントからボクセル レイヤーのソース ファイル (netCDF) を作成します。

ボクセル レイヤーの詳細

最近隣内挿 3D (Nearest Neighbor 3D) ツールの図
ボクセル レイヤーには、最も近い 3D ポイントの土質および岩石クラスが表示されます。

使用法

  • 入力フィーチャと同じ水平座標系と鉛直座標系を持つローカル シーンでツールを実行すると、ボクセル レイヤーがシーンに追加され、結果を対話形式で調査できるようになります。 [多次元ボクセル レイヤーの作成 (Make Multidimensional Voxel Layer)] ツールまたは [多次元ボクセル レイヤーの追加 (Add Multidimensional Voxel Layer)] ダイアログ ボックスを使用して、出力 netCDF ファイルをボクセル レイヤーとして追加することもできます。

    [ラスターのコピー (Copy Raster)] ツールを使用して、出力 netCDF ファイルを多次元ラスターに変換できます。 [NetCDF フィーチャ レイヤーの作成 (Make NetCDF Feature Layer)] ツールまたは [NetCDF ラスター レイヤーの作成 (Make NetCDF Raster Layer)] ツールを使用して、それぞれフィーチャ レイヤーまたはラスター レイヤーとしてマップに追加することもできます。

  • 入力フィーチャは、高さが Shape.Z ジオメトリ属性に格納された 3D ポイントである必要があります。 [属性でフィーチャを 3D に変換 (Feature To 3D By Attribute)] ツールを使用して、高さフィールドを含む 2D ポイント フィーチャを 3D ポイント フィーチャに変換できます。

    入力フィーチャには、Z 座標を正確に定義する鉛直座標系を設定することをお勧めします。 [投影法の定義 (Define Projection)] ツールを使用して、ポイントに鉛直座標系を割り当てることができます。

  • [カテゴリ フィールド] パラメーターに複数のフィールドが指定されている場合、出力 netCDF ファイルの各フィールドには個別の変数が含まれます。 各変数には、カテゴリ フィールドと同じ名前が設定されます。 ボクセル レイヤーをシーンに追加する際、シーンに表示する変数を選択できます。

    たとえば、土壌クラス (頁岩、砂、粘土など) を示すフィールドと土色を示す 2 つ目のフィールドを指定すると、出力 netCDF ファイルの各ボクセルには最近傍の土壌クラスと土色が含まれます。

  • [入力分析範囲ポリゴン][最小高さクリップ ラスター]、および [最大高さクリップ ラスター] パラメーターを使用して、特定の分析範囲内および 2 つの高さサーフェス間で解析を制限できます。 これらの境界の外側にあるボクセルには値が存在しないため、表示されません。 たとえば、ポイントが海洋保護区内に存在する場合、保護区のポリゴン内のみ (分析範囲)、海底の上 (最小高さラスター)、および水温躍層の下 (最大高さラスター) を表示するボクセル レイヤーを作成することができます。

    標高サーフェスを最小高さラスターまたは最大高さラスターとして使用する際は、さまざまな考慮事項があります。 イメージ サービス、Web 標高レイヤー、および Web イメージ レイヤーのパフォーマンスは最も遅くなり、大量のクエリでエラーが発生する可能性があります。 ディスク上のローカル ファイルとして保存されたラスターのパフォーマンスは最も速くなるため、大きな空間範囲に高解像度のボクセル レイヤーを作成する際にお勧めします。

  • 各カテゴリのボクセル数とその割合がジオプロセシング メッセージとして返されます。 NULL 値を含むボクセル (入力分析範囲ポリゴンの外側にあるボクセルなど) は、数または割合に含まれません。 複数のカテゴリ フィールドが指定されている場合、各フィールドに個別のメッセージが返されます。

  • 入力フィーチャと最小および最大高さクリップ ラスターは、投影座標系である必要があります。 ポイントまたはラスターが緯度座標と経度座標を含む地理座標系である場合、[投影変換 (Project)] または [ラスターの投影変換 (Project Raster)] ツールを使用して投影座標系に投影変換する必要があります。

  • 各カテゴリ フィールドに対して、それぞれの個別値が整数値として出力 netCDF ファイルに保存されます。 個別値を (昇順に) 並べ替えると、最初のカテゴリには整数 0、次のカテゴリには整数 1 (以降も同様) が割り当てられています。 個別値シンボルが不連続ボクセル レイヤーとしてシーンに追加されると、カテゴリ フィールドの元の値をラベルとして整数に適用します。

    カテゴリ フィールドの値が整数の場合、netCDF ファイルのカテゴリを表す整数は、一般的にカテゴリ フィールド内の元の整数とは異なります。 ボクセル レイヤーのシンボル ラベルを使用して、元の整数カテゴリを判断できます。

  • ボクセルを表すポイントの 3D グリッドのレイアウトを作成する際、最初のポイントは出力範囲 (デフォルトでは入力フィーチャの範囲) の最小 X、最小 Y、および最小 Z 座標に作成されます。 残りのポイントは、[X 間隔] パラメーター、[Y 間隔] パラメーター、および [高さ間隔] パラメーターの距離を出力範囲のディメンションで反復処理することで作成されます。 間隔距離で出力範囲の対応するディメンションが均等に分割されない場合、出力範囲を越えて 1 つのポイント行またはポイント列が作成されます。 たとえば、X の出力範囲を 0 〜 10 に指定し、[X 間隔] パラメーターを 3 に指定した場合、出力の X 範囲には 5 つの行 (0、3、6、9、12) が作成されます。 同様に、間隔距離で Y 範囲または Z 範囲が均等に分割されない場合は、追加のポイント行またはポイント列が作成されます。

  • 入力分析範囲ポリゴンが指定されている場合、分析範囲がデフォルトの出力範囲として使用され、[X 間隔] パラメーター値と [Y 間隔] パラメーター値がこの範囲に基づいて再計算されます。 これにより、デフォルトで出力が分析範囲全体に表示されます。

  • 入力フィーチャにカテゴリ フィールドの値が異なるコインシデント ポイント (X、Y、Z 座標が同じポイント) が含まれる場合、その位置で最初の英数字カテゴリが使用されます。

  • 入力フィーチャに選択セットが存在する場合、[X 間隔] パラメーター、[Y 間隔] パラメーター、および [高さ間隔] パラメーターは、ツールの実行中に選択フィーチャの範囲に基づいて再計算されます。 再計算された値は、ツールの完了時に警告メッセージとして出力されます。 間隔パラメーターに手動で値を指定する (または出力範囲を指定する) 場合、値は再計算されません。

パラメーター

ラベル説明データ タイプ
入力フィーチャ

3D で既知のカテゴリの位置を表す入力ポイント。 ポイントは投影座標系を使用し、3 つ以上存在する必要があります。

Feature Layer
カテゴリ フィールド

各ポイントのカテゴリを含む入力フィーチャのフィールド。 各フィールドで、フィールドの個別値はそのフィールドのカテゴリを表します。 各フィールドのタイプは、Text、Short、Long のいずれかである必要があります。

たとえば、土壌クラス (頁岩、砂、粘土など) を示すフィールドと土壌の色 (黄、茶、白など) を示す 2 つ目のフィールドを指定することができます。 出力 netCDF ファイルの各ボクセルには、最近傍の土壌クラスと土色が別々の変数として格納されます。

Field
出力 netCDF ファイル

3D グリッドのカテゴリを含む出力 netCDF ファイル。 3D グリッドの各ポイントには、最も近い入力ポイントのカテゴリが割り当てられます。 このファイルはボクセル レイヤーのデータ ソースとして使用できます。

File
X 間隔
(オプション)

X ディメンションでの各グリッド ポイントの間隔。 デフォルト値を使用した場合、出力の X 範囲に沿って 40 個のポイントが作成されます。

Linear Unit
Y 間隔
(オプション)

Y ディメンションでの各グリッド ポイントの間隔。 デフォルト値を使用した場合、出力の Y 範囲に沿って 40 個のポイントが作成されます。

Linear Unit
高さ間隔
(オプション)

高さ (Z) ディメンションでの各グリッド ポイントの間隔。 デフォルト値を使用した場合、出力の Z 範囲に沿って 40 個のポイントが作成されます。

Linear Unit
高さ拡大係数
(オプション)

最近傍を求める前に、入力ポイントの高さ (Z 座標) に乗算される定数値。 1 よりも大きい値を指定すると、垂直方向よりも水平方向に長い距離を探索し、最近傍を求めます。 たとえば、値を 10 に指定すると、各ボクセルは垂直方向よりも水平方向に 10 倍長い距離を探索して最近傍を求めます。 デフォルトは 1 で、高さが調整されないことを意味します。 値は 1 ~ 1,000 の間でなければなりません。

高さの拡大は最近傍を求める目的でのみ使用され、すべての高さは出力 netCDF ファイルを作成する前に元の縮尺に戻されます。 土壌クラスや岩種など、入力ポイントのカテゴリが水平方向の階層に沿って類似した傾向にある場合は、高さの拡大をお勧めします。

Double
入力分析範囲
(オプション)

分析範囲を表すポリゴン フィーチャ。 出力 netCDF ファイルには、分析範囲内にあるポイントのみが保存されます。 ボクセル レイヤーとして視覚化すると、分析範囲内のボクセルのみがシーンに表示されます。 X 座標および Y 座標のみを使用して、分析範囲の内側か外側かを判定します。

Feature Layer
最小高さクリップ ラスター
(オプション)

ボクセル レイヤーの底部のクリップに使用される高さラスター。 この高さラスターよりも上のボクセルのみに推定値が割り当てられます。 たとえば、地表標高ラスターを使用する場合、ボクセル レイヤーは地上部分のみ表示されます。 また、岩盤サーフェスまたは頁岩堆積物の底部にも使用できます。

ラスターは投影座標系を使用し、高さ値がラスターの鉛直単位と同じ単位を使用している必要があります。

Raster Layer
最大高さクリップ ラスター
(オプション)

ボクセル レイヤーの上部のクリップに使用される高さラスター。 この高さラスターよりも下のボクセルのみに推定値が割り当てられます。 たとえば、地表標高ラスターを使用する場合、ボクセル レイヤーは地下部分のみ表示されます。 また、制限された空域の上部にボクセルをクリップする際にも使用できます。

ラスターは投影座標系を使用し、高さ値がラスターの鉛直単位と同じ単位を使用している必要があります。

Raster Layer

派生した出力

ラベル説明データ タイプ
出力ボクセル レイヤー

カテゴリのボクセル レイヤー。

Voxel Layer

arcpy.ga.NearestNeighbor3D(in_features, category_field, out_netcdf_file, {x_spacing}, {y_spacing}, {elevation_spacing}, {elev_inflation_factor}, {in_study_area}, {min_elev_raster}, {max_elev_raster})
名前説明データ タイプ
in_features

3D で既知のカテゴリの位置を表す入力ポイント。 ポイントは投影座標系を使用し、3 つ以上存在する必要があります。

Feature Layer
category_field
[category_field,...]

各ポイントのカテゴリを含む入力フィーチャのフィールド。 各フィールドで、フィールドの個別値はそのフィールドのカテゴリを表します。 各フィールドのタイプは、Text、Short、Long のいずれかである必要があります。

たとえば、土壌クラス (頁岩、砂、粘土など) を示すフィールドと土壌の色 (黄、茶、白など) を示す 2 つ目のフィールドを指定することができます。 出力 netCDF ファイルの各ボクセルには、最近傍の土壌クラスと土色が別々の変数として格納されます。

Field
out_netcdf_file

3D グリッドのカテゴリを含む出力 netCDF ファイル。 3D グリッドの各ポイントには、最も近い入力ポイントのカテゴリが割り当てられます。 このファイルはボクセル レイヤーのデータ ソースとして使用できます。

File
x_spacing
(オプション)

X ディメンションでの各グリッド ポイントの間隔。 デフォルト値を使用した場合、出力の X 範囲に沿って 40 個のポイントが作成されます。

Linear Unit
y_spacing
(オプション)

Y ディメンションでの各グリッド ポイントの間隔。 デフォルト値を使用した場合、出力の Y 範囲に沿って 40 個のポイントが作成されます。

Linear Unit
elevation_spacing
(オプション)

高さ (Z) ディメンションでの各グリッド ポイントの間隔。 デフォルト値を使用した場合、出力の Z 範囲に沿って 40 個のポイントが作成されます。

Linear Unit
elev_inflation_factor
(オプション)

最近傍を求める前に、入力ポイントの高さ (Z 座標) に乗算される定数値。 1 よりも大きい値を指定すると、垂直方向よりも水平方向に長い距離を探索し、最近傍を求めます。 たとえば、値を 10 に指定すると、各ボクセルは垂直方向よりも水平方向に 10 倍長い距離を探索して最近傍を求めます。 デフォルトは 1 で、高さが調整されないことを意味します。 値は 1 ~ 1,000 の間でなければなりません。

高さの拡大は最近傍を求める目的でのみ使用され、すべての高さは出力 netCDF ファイルを作成する前に元の縮尺に戻されます。 土壌クラスや岩種など、入力ポイントのカテゴリが水平方向の階層に沿って類似した傾向にある場合は、高さの拡大をお勧めします。

Double
in_study_area
(オプション)

分析範囲を表すポリゴン フィーチャ。 出力 netCDF ファイルには、分析範囲内にあるポイントのみが保存されます。 ボクセル レイヤーとして視覚化すると、分析範囲内のボクセルのみがシーンに表示されます。 X 座標および Y 座標のみを使用して、分析範囲の内側か外側かを判定します。

Feature Layer
min_elev_raster
(オプション)

ボクセル レイヤーの底部のクリップに使用される高さラスター。 この高さラスターよりも上のボクセルのみに推定値が割り当てられます。 たとえば、地表標高ラスターを使用する場合、ボクセル レイヤーは地上部分のみ表示されます。 また、岩盤サーフェスまたは頁岩堆積物の底部にも使用できます。

ラスターは投影座標系を使用し、高さ値がラスターの鉛直単位と同じ単位を使用している必要があります。

Raster Layer
max_elev_raster
(オプション)

ボクセル レイヤーの上部のクリップに使用される高さラスター。 この高さラスターよりも下のボクセルのみに推定値が割り当てられます。 たとえば、地表標高ラスターを使用する場合、ボクセル レイヤーは地下部分のみ表示されます。 また、制限された空域の上部にボクセルをクリップする際にも使用できます。

ラスターは投影座標系を使用し、高さ値がラスターの鉛直単位と同じ単位を使用している必要があります。

Raster Layer

派生した出力

名前説明データ タイプ
out_voxel_layer

カテゴリのボクセル レイヤー。

Voxel Layer

コードのサンプル

NearestNeighbor3D の例 1 (Python ウィンドウ)

次の Python スクリプトは、NearestNeighbor3D 関数の使用方法を示しています。

# Create a voxel layer source file of 3D soil class points within a field
# and between a bedrock layer and the ground.
arcpy.ga.NearestNeighbor3D("SoilPoints", "SoilClass","outputNCDF.nc",
                           "50 Meters", "50 Meters", "5 Meters", 1,
                           "MyStudyArea", "Bedrock.tif", "WorldElevation3D")
NearestNeighbor3D の例 2 (スタンドアロン スクリプト)

次の Python スクリプトは、NearestNeighbor3D 関数の使用方法を示しています。

# Name: NearestNeighbor3D_Example_02.py
# Description: Creates a voxel layer source file from 3D categorical points.
# Requirements: Geostatistical Analyst Extension
# Author: Esri


# Create a voxel layer source file of 3D soil class points within a field
# and between a bedrock layer and the ground.



# Import system modules
import arcpy

# Allow overwriting output
arcpy.env.overwriteOutput = True

# Define 3D input points with categories
in3DPoints = "C:/gapydata/inputs.gdb/my3DSoilPoints"
categoryField = "SoilClass"
outNetCDF = "C:/gapydata/outputs/SoilClassVoxel.nc"

# Define voxel dimensions and elevation inflation
xSpacing = "50 Meters"
ySpacing = "50 Meters"
elevSpacing = "5 Meters"
elevInflation = 1

# Define study area, bedrock elevation layer, and ground elevation layer
studyArea = "C:/gapydata/inputs.gdb/StudyAreaPolygon"
minElevRaster = "C:/gapydata/inputs.gdb/BedrockDepth"
maxElevRaster = "C:/gapydata/inputs.gdb/WorldElevationDEM"


# Check out the ArcGIS Geostatistical Analyst extension license
arcpy.CheckOutExtension("GeoStats")

# Execute Nearest Neighbor 3D
arcpy.ga.NearestNeighbor3D(in3DPoints, categoryField,outNetCDF,
                           xSpacing, ySpacing, elevSpacing,
                           elevInflation, studyArea, minElevRaster,
                           maxElevRaster)

ライセンス情報

  • Basic: 次のものが必要 Geostatistical Analyst
  • Standard: 次のものが必要 Geostatistical Analyst
  • Advanced: 次のものが必要 Geostatistical Analyst

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