コスト属性

Network Analyst のライセンスで利用可能。

移動時間 (道路上を移動する時間) や需要 (道路で収集するゴミの量) などのインピーダンスを計測およびモデリングするには、特定の属性を使用します。 これらの属性は、エッジに沿って割り当てることができます。つまり、エッジの長さに沿って比例分割することができます。 たとえば、移動時間をコスト属性としてモデル化した場合、エッジの半分を通過するのにかかる時間は、エッジ全体の通過にかかる時間の半分になります。エッジの通過にかかる移動時間が 3 分であれば、エッジの半分を通過するのに 1.5 分かかります。 このエッジに沿って 1.5 分間分のルートが必要な場合は、エッジ フィーチャの最初の半分からルート フィーチャが作成されます。

ネットワーク解析では、経路の計算 (最適ルートの検索) 時に、多くの場合はコスト (インピーダンス) の最小化が求められます。 一般的な例としては、最速ルート (移動時間の最小化) や最短ルート (距離の最小化) の検索が挙げられます。 移動時間 (運転時間、歩行時間) と距離 (メートル) もネットワーク データセットのコスト属性です。

プロパティ

[コスト] タブでは、ネットワーク データセットで使用可能なコスト属性と、選択したコストに関連付けられたプロパティが表示されます。

エバリュエーターに警告またはエラーがある場合は、上部と下部のセクションの間に表示されます。たとえば、[これらのエッジ ソースのエバリュエーター タイプは「デフォルトと同じ」です: 道路 (順方向)] などと表示されます。

コスト タブ

[プロパティ] セクションには、選択されたコストの構成方法が表示されます。 コスト属性に関連付けられたメタデータと、パラメーターおよびエバリュエーターの構成方法に関する詳細が表示されます。

以下に、コスト属性プロパティを示します。

  • [名前] - コスト属性の名前。
  • [単位] - コスト属性の単位。 コスト属性は時間ベースまたは距離ベースのいずれかになります。 単位を指定しない場合は、[その他] を選択することもできます。
  • [データ タイプ] - コスト属性のデータ タイプ。 Integer (整数)、Float (浮動小数点)、Double (倍精度) のいずれかを選択できます。
  • [パラメーター] - 特定の解析について変更できる値のプレースホルダーです。 それぞれのパラメーターに意味のあるデフォルト値が設定されていますが、この値は必要に応じて無効にすることができます。

    パラメーターの詳細

  • [エバリュエーター] - ネットワークに定義されている属性ごとに、ネットワークに含まれる各ソースおよび方向 (エッジの場合、順方向と逆方向) の値が指定される必要があります。 エバリュエーターは、各ソースおよび移動方向の属性の値を割り当てます。各エレメントのデフォルトのエバリュエーターは、属性のエバリュエーターが割り当てられていないソースと方向に使用されます。

    エバリュエーターの詳細

注意:

移動モードとすべての属性には先行スペース、後続スペース、空の文字列は使用できませんが、コスト属性ではそれに加えて内部スペースも使用できません。 フィールドは、ネットワーク解析レイヤーが使用するネットワーク データセット名のコスト属性名に基づいて作成されるため、コスト属性に内部スペースを使用すると、コスト属性と関連フィールド名を一致させるのが困難になり、混乱の原因となります。 たとえば、ネットワーク データセットに「My Minutes」という名前のコスト属性を作成すると、ルート解析レイヤーのストップ サブレイヤーに関連付けられたテーブルに、「Attr_My_Minutes」という名前のフィールドが作成されます。

注意:

ネットワーク データセットのネットワーク属性を編集する場合、そのネットワーク データセットを使用するレイヤーに関係しないプロジェクトで編集することがベスト プラクティスです。 そのネットワーク データセットを使用するレイヤーがプロジェクト内に存在する場合は、[ネットワーク データセット プロパティ] ダイアログ ボックスで一部の編集がブロックされることがあります。 空のプロジェクトを作成し、そのネットワーク データセットを含むジオデータベースへの接続を追加してから、そのプロジェクトで編集を行うことをお勧めします。 そのネットワーク データセットを使用するレイヤーが ArcGIS Pro セッションで開かれているときは、コスト属性や規制属性の追加、削除、名前変更を行うことができません。 これは、ネットワーク データセット スキーマの更新が正常に完了すること、およびそのネットワーク データセットを使用するレイヤーが開かれたときに正しく初期化されることを保証するためです。

注意:

いずれかのネットワーク属性を変更した場合は、接続性を再構築し、対象の属性を再計算して、ネットワーク エレメントを更新するためにネットワーク データセットを構築する必要があります。

再構築が必要な場合の詳細

コスト属性の作成

時間ベースまたは距離ベースのコスト属性を作成するには、次の手順を実行します。

  1. [ネットワーク データセット プロパティ] ダイアログ ボックスでネットワーク属性にアクセスします。
  2. [コスト] タブをクリックします。
  3. ダイアログ ボックスの右上隅にある [オプション] ボタンメニュー をクリックします。
  4. メニューの [新規] ボタン 加算 をクリックするか、Ctrl + N キーを押します。

    [コスト] セクションに新しい行が追加されます。

  5. [プロパティ] セクションの [名前] フィールドに新しいコスト属性の名前を入力します。
  6. [単位] ドロップダウン リストから単位を選択します。 コスト属性が時間ベースの場合は、利用可能な時間単位のいずれかを選択します。 コスト属性が距離ベースの場合は、距離ベースの単位を選択します。 それ以外の場合は、[その他] を選択します。
  7. 必要に応じて、[パラメーター] セクションを展開して新しいパラメーターを追加します。
  8. [エバリュエーター] セクションで、エバリュエーターをソース フィーチャに割り当てます。
  9. [移動モード] タブをクリックします。
  10. 必要に応じて [コスト] セクションを展開します。
  11. [インピーダンス] ドロップダウン リストをクリックします。

    これまでの手順で作成したコスト属性がリストに追加されます。 この新しい属性にパラメーターを関連付けた場合は、そのパラメーターが [コスト パラメーター] の下に表示されます。

  12. [OK] をクリックします。

    コスト属性はネットワーク データセットに保存されます。

コスト属性のコピー

選択したコスト属性のコピーを作成するには、次の手順を実行します。

  1. [ネットワーク データセット プロパティ] ダイアログ ボックスでネットワーク属性にアクセスします。
  2. [コスト] タブをクリックします。
  3. コピーするコスト属性を選択します。
  4. ダイアログ ボックスの右上隅にある [オプション] ボタンメニュー をクリックします。
  5. [コピー] ボタン コピー をクリックするか、Ctrl + Shift + N キーを押します。

    選択したコスト属性のコピーが作成され、類似のコスト名を持つ新しい行が追加されます (たとえば、Minutes という名前のコスト属性を作成した場合は、Minutes2 という名前を持つ新しいコスト属性が追加されます)。この新しいコスト属性のプロパティはすべて、コピー元の属性から継承されます。

  6. 新規に作成されたコスト属性に必要な編集を加えるには、以下の「コスト属性の編集」セクションをご参照ください。
  7. [OK] をクリックして、ネットワーク データセットに対する変更を保存します。

コスト属性の削除

コスト属性を削除するには、次の手順を実行します。

  1. [ネットワーク データセット プロパティ] ダイアログ ボックスでネットワーク属性にアクセスします。
  2. [コスト] タブで、削除するコスト属性を選択します。
  3. ダイアログ ボックスの右上隅にある [オプション] ボタンメニュー をクリックします。
  4. [削除] ボタン 削除 をクリックするか、Ctrl + D キーを押します。

    選択したコスト属性が削除されます。

  5. 注意:
    コスト属性が他の移動モードまたは属性で使用されている場合、[削除] オプションは利用不可になります。 [削除] ボタンにアクセスするには、選択したコスト属性をすべての移動モードおよび属性から削除します。

コスト属性の編集

コスト属性に関連するプロパティまたは他の属性を変更するには、次の手順を実行します。

  1. [ネットワーク データセット プロパティ] ダイアログ ボックスでネットワーク属性にアクセスします。
  2. [コスト] タブをクリックします。
  3. 編集するコスト属性を選択します。
  4. [プロパティ] セクションで、[名前][単位]、および [データ タイプ] プロパティを必要に応じて編集します。
  5. 必要に応じて、コスト属性に関連付けられたパラメーターを編集します。
  6. 必要に応じて、コスト属性のエバリュエーターを編集します。
  7. [移動モード] タブをクリックします。
  8. コスト属性に加えられた変更は、[コスト] セクションに反映されます。