カメラ テーブルのスキーマ

フレーム カメラ ラスター タイプのカメラ テーブルの説明とサポートされているフィールドのリストを示します。 フレーム カメラとは、ピンホールとしてモデル化できる光レンズを持つ 1 つの透視画像カメラを表します。 フレーム カメラ ラスター タイプにより、モザイク データセットのフレーム カメラ イメージを管理できます。

カメラ テーブル

モザイク データセットのフレーム カメラ イメージを使用するには、画像座標系、カメラ座標系、地上座標系の間の数学的関係を定義する詳細なカメラ パラメーターとフレーム情報を指定する必要があります。

次の図は、座標系間のピクセル変換の仕組みを示しています。

フレーム カメラ イメージの変換

カメラ テーブルには、焦点距離、オートコリメーションの主点、X および Y 座標、オプションのアフィン変換の係数など、それぞれのカメラに固有のパラメーターが含まれています。 これらのパラメーターはカメラの内部標定を定義します。 テーブルの形式には、ジオデータベース テーブル、フィーチャクラス テーブル、または .csv ファイルを使用できます。

また、フレームおよびカメラ テーブルの構築ツールを使用して、ガイドされる手順どおりにカメラ テーブルを作成することもできます。

カメラ テーブルのフィールド

サポートされているカメラ テーブルのフィールドは、次のとおりです。 フレーム テーブル内のパラメーター定義は、カメラ テーブル内にある同じ定義より優先されます。

カメラ テーブルでサポートされているフィールド

フィールド名フィールド タイプデータ タイプ説明ドメイン

ObjectID

必須

数値

カメラごとに一意の数値識別子。

CameraID

必須

String

カメラ パラメーターを識別する主キー。

FocalLength

必須

数値

カメラの焦点距離 (ミクロン単位)。

PrincipalX

オプション

数値

オートコリメーションの主点の X 座標 (ミクロン単位)。 定義されなかった場合のデフォルト値は 0 です。

主点は、基準の中心とオートコリメーションの主点 (PPA) の間のオフセットです。 対称の主点 (PPS) は PPA と同じであると見なされます。

PrincipalY

オプション

数値

オートコリメーションの主点の Y 座標 (ミクロン単位)。 定義されなかった場合のデフォルト値は 0 です。

主点は、基準の中心と PPA の間のオフセットです。 PPS は PPA と同じであると見なされます。

BlockName

オプション

String

画像が含まれるブロック (プロジェクト) の名前。

NRows

オプション

数値

画像内のピクセルのロウ数。

NColumns

オプション

数値

画像内のピクセルのカラム数。

NBands

オプション

数値

画像内のピクセルのバンド数。

PixelType

オプション

数値または文字列

画像のピクセル タイプ。rstPixelType に対応する数値または規定の文字列。

rstPixelType に対応する数値: PT_U1=0、PT_U2=1、PT_U4=2、PT_UCHAR=3、PT_CHAR=4、PT_USHORT=5、PT_SHORT=6、PT_ULONG=7、PT_LONG=8、PT_FLOAT=9、PT_DOUBLE=10、PT_COMPLEX=11、PT_DCOMPLEX=12、PT_CSHORT=12、PT_CLONG=14。

規定する文字列: 8_BIT_UNSIGNED、8_BIT_SIGNED、16_BIT_UNSIGNED、16_BIT_SIGNED、32_BIT_UNSIGNED、32_BIT_SIGNED、32_BIT_FLOAT、1_BIT、2_BIT、4_BIT、64_BIT。

PixelSize

必須

数値

センサーのピクセル サイズ。

ミクロン単位。

FilmCoordinateSystem (FCS)

オプション

Integer

スキャンされた航空写真およびデジタル航空カメラのフィルム座標系を定義します。 これは、指標情報の計算およびアフィン変換の構築に使用されます。

注意:

デジタル航空カメラの場合、カメラの X を飛行方向に揃える (デフォルトのオプション 1 (X_RIGHT_Y_UP)) のが一般的です。 FCS は、標準ケースに対応する場合に使用されます。

  • [1] - X_RIGHT_Y_UP。スキャン写真の座標系の原点が中心となり、正の X 点が右、正の Y 点が上になります。 これがデフォルトです。
  • [2] - X_UP_Y_LEFT。スキャン写真の座標系の原点が中心となり、正の X 点が上、正の Y 点が左になります。
  • [3] - X_LEFT_Y_DOWN。スキャン写真の座標系の原点が中心となり、正の X 点が左、正の Y 点が下になります。
  • [4] - X_DOWN_Y_RIGHT。スキャン写真の座標系の原点が中心となり、正の X 点が下、正の Y 点が右になります。

SRS

オプション

String

投影中心に対応付ける座標系をファイル パスまたは WKID (EPSG コード) として指定。 EPSG コードの場合、XYZ の座標系はセミコロンによって区切られます (例: 26918;5773)。 定義されていない場合、ユーザーが指定した座標系またはモザイク データの空間参照で定義された座標系にデフォルト設定されます。 モザイク データセット内の各イメージ アイテムに対して空間参照も定義できます。 [SRS] パラメーターが、カメラ テーブルおよびフレーム テーブルの両方で定義されている場合、フレーム テーブルの値が優先されます。

OrientationType

オプション

String

外部標定 (EO) の回転パラメーターの記述方法を指定します。 デフォルトは OPK です。

OPK - EO の回転パラメーターは、Omega、Phi、Kappa フィールドの角度と、Angle Direction、および Polarity フィールドにより定義されます。

Matrix - EO 回転パラメーターは、Matrix フィールドの 9 つの係数の行列により定義されます。

AverageZ

オプション

数値

地表の平均的な高さ。 デフォルトは、ラスター タイプのオルソ幾何補正プロパティに指定されている値です。指定されていない場合はゼロです。

ApplyECC

オプション

Boolean

地上座標に関する変換を適用するときに、地球の曲率を考慮するかどうかを示します。 デフォルトは FALSE です。

True - 地上座標に関する変換を適用するときに、地球の曲率を考慮します。

False - 地球が平面であると仮定します。

EarthRadius

オプション

数値

地球の曲率の調整に使用する地球半径の代替値。 デフォルト値は 6378137.0 メートルです。

単位はメートルです。

AngleDirection

オプション

String

EO の角度の方向を指定します。 デフォルト値は -1 です。

-1: EO の角度が時計回りであることを示します。

+1: EO の角度が反時計回りであることを示します。

Polarity

オプション

数値

画像面が、投影中心に対してオブジェクト面または地表面と同じ側に仮定されているか反対側に仮定されているかを示します。 デフォルトは反対側の -1 です。

-1: 画像面の反対側であることを示します。

+1: 画像面の同じ側であることを示します。

DistortionType

オプション

String

レンズ歪みの記述方法を指定します。 オプションは DistortionModelDistortionTable です。

デフォルトは [Distortion Model] です。

[Distortion Model] - 歪み補正が Radial および Tangential フィールドで定義された係数で記述されることを示します。

[Distortion Table] - 歪みは、半径距離とそれに対応する歪み値を示す値ペア (r,v) のセットとして定義されます。 [RadialDistances] および [RadialDistortions]. フィールドが設定される必要があります。

半径

[Distortion Type] = [DistortionModel] の場合

String

半径方向の歪みを表す、スペースまたはセミコロンで区切った 4 つの係数のセットを指定します。たとえば、K0;K1;K2;K3 として「0;0;0;0」を指定します。

結合単位はミリメートル (mm) です。

半径方向の歪みパラメーターを 3 つ指定する場合、k0 はゼロのままにし、k1、k2、k3 の値を入力します。

結合単位なしでパラメーターを指定する場合 (コンピューター ビジョン アプリケーションでは一般的)、次の式を使用してパラメーターを変換します (ここで、f はミリメートル単位の焦点距離、K1_cv は結合単位なしのコンピューター ビジョン パラメーター):

  • K1_mm = K1_cv / (f * f)
  • K2_mm = K2_cv / (f * f * f * f)
  • K3_mm = K3_cv / (f * f * f * f * f * f)

Tangential

[Distortion Type] = [DistortionModel] の場合

String

スペースまたはセミコロンで区切った 2 つの接線方向の歪み係数のセットを指定します。たとえば、P1;P2 として「0;0」を指定します。

結合単位はミリメートル (mm) です。

結合単位なしでパラメーターを指定する場合、次の式を使用してパラメーターを変換します (ここで、f はミリメートル単位の焦点距離、p1_cv は結合単位なしのコンピューター ビジョン パラメーター):

  • P1_mm = -p1_cv/f
  • P2_mm = -p2_cv/f

RadialDistances

オプション

String

スペースまたはセミコロンで区切った半径距離は、N 個の値 <r[i]> の順序付きセットで示されます。 それぞれの距離値 r[i] には、それに対応する歪み値 d[i] が RadialDistortions フィールドに存在します。

単位はマイクロメートルです。

RadialDistortions

オプション

String

スペースまたはセミコロンで区切った歪み値は、N 個の値 <d[i]> の順序付きセットで示されます。 それぞれの歪み値 d[i] には、それに対応する距離値 r[i] が RadialDistance フィールドに存在します。

単位はマイクロメートルです。

FilmFiducials

オプション

数値

カメラの指標座標 (ミクロン単位) を格納します。

値ペアをセミコロンで区切った形式で指定します。たとえば、「106003.0 -106000.0;-105997.0 -106001.0;-106002.0 105998.0;105999.0 106000.0」のように指定します。

この例では 4 つのコーナー指標について説明しますが、カメラによって、4 つのエッジ指標があるものや 8 つの指標位置があるものがあります。

AffineDirection

オプション

String

IO のアフィン変換の方向を指定します。 指定しない場合、デフォルトは画像からフィルムの方向 (+1) になります。

+1: 画像からフィルムの方向。

-1: フィルムから画像の方向。

A0、A1、A2、および B0、B1、B2 フィールド

オプション。 ピクセル サイズと FCS が定義されている場合は不要です。

数値

画像空間とフィルム空間の関係を設定するアフィン変換の係数。 この変換の方向は、AffineDirection フィールドで示されます。 このフィールドが存在しない場合、デフォルトは画像空間からフィルム空間です。 単位はミクロンです。

A0, A1, A2 は X 方向の移動を表します。

B0, B1, B2 は Y 方向の移動を表します。

注意:

A0、A1、A2、および B0、B1、B2 を計算する代わりに、アフィン パラメーターを自動的に決定するために使用されるカメラのピクセル サイズを定義することをおすすめします。 カメラのピクセル サイズは、通常、カメラのキャリブレーション情報と共に提供されます。 カメラのピクセル サイズが提供されない場合、下の式を使用してピクセル サイズを計算できます。

ピクセル サイズ = CCD 対角線/画像対角線 (ピクセル単位)

それぞれの意味は次のとおりです。

CCD 対角線 = 2 * (焦点距離 * 正接 (FOV/2))
注意:

半径方向の歪みと接線方向の歪みの補正を計算するための方程式。

カメラ テーブルの例

ジオデータベース テーブルとして格納されたカメラ テーブルの例を以下に示します。 このテーブルは、上記のうちの一部のフィールドを使用して作成されています。 この例では、使用されたカメラが 1 つだけなので、1 つの行だけが含まれています。

カメラ テーブルの例

OBJECTIDCameraID焦点距離 (µm)主点 X (μm)主点 Y (μm)ピクセル サイズ (μm)

1

UltraCamXp_Pan

100500

-120

0

6

2

UltraCamXp_MS

100500

0

0

18

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