Standard または Advancedのライセンスで利用可能。
ArcGIS Reality ライセンスがある ArcGIS 組織で利用できます。
ArcGIS Reality for ArcGIS Pro では、ドローン画像を写真測量的に補正して、センサー、プラットフォーム、地形のずれによる幾何学的な歪みを除去することができます。 これらの歪みを除去した後で、リアリティ マッピング プロダクトを生成することができます。
最初に、ドローン画像コレクションを管理するためのリアリティ マッピング ワークスペースを設定します。 次に、ブロック調整を実行してから、地上コントロール ポイントを使用して微調整します。 最後に、数値表層モデル (DSM)、トゥルー オルソ、および 2D DSM メッシュを生成します。
ArcGIS Reality for ArcGIS Pro では、カメラに関する情報 (焦点距離やセンサー サイズなど) と各画像が撮影された場所に関する情報が必要です。 この情報は、一般的には画像ファイルにメタデータとして格納されています (通常は EXIF ヘッダー)。 これは GPS の精度を把握するのにも役立ちます。 ドローン画像の場合、この情報はドローンの製造元から提供されます。 このチュートリアルで使用するサンプル データセットの GPS 精度は 5 メートル未満です。
ライセンス:
このチュートリアルを実行するには、以下が必要です。
- ArcGIS Reality Studio
- ArcGIS Pro 3.1 以降
- ArcGIS Reality for ArcGIS Pro セットアップ
リアリティ マッピング ワークスペースの作成
リアリティ マッピング ワークスペースは、リアリティ マッピング ワークフロー専用の ArcGIS Pro サブプロジェクトです。 これは、ArcGIS Pro プロジェクト フォルダー内のコンテナーであり、リアリティ マッピング タスク内の 1 つの画像コレクションに属するリソースと派生ファイルが格納されます。
このチュートリアル用に 195 個のドローン画像が提供されています。 GCP フォルダーには、地上コントロール ポイント (GCP) を含む Tut_Ground_Control_UTM11N_EGM96.csv ファイルと、サイトでの GCP 位置を特定する Ground_Control_NAD832011_NAVD88 ポイント フィーチャクラスを含むファイル ジオデータベース (GCP_desc.gdb) が格納されています。
リアリティ マッピング ワークスペースを作成するには、次の手順に従います。
- チュートリアル データセットをダウンロードして解凍し、コンテンツを C:\SampleData\RM_Drone_tutorial に保存します。
- C:\SampleData\Aerial Imagery ディレクトリにパッケージを展開します。
- ArcGIS Pro で、[マップ] テンプレートを使用してプロジェクトを作成し、必要に応じて ArcGIS Online アカウントにサイン インします。
- ブロック調整の処理速度を上げます。
- [解析] タブで、[環境] をクリックします。
- [環境] ウィンドウで [並列処理] パラメーターを見つけてこの値を 90% に変更します。
- [画像] タブの [リアリティ マッピング] グループで、[新しいワークスペース] ドロップダウン メニューをクリックし、[新しいワークスペース] を選択します。
- [ワークスペースの構成] ウィンドウで、ワークスペースの名前を入力します。
- [ワークスペース タイプ] が [リアリティ マッピング] に設定されているか確認します。
- [センサー データ タイプ] ドロップダウン メニューをクリックし、[ドローン] を選択します。
- [ベースマップ] ドロップダウン メニューをクリックし、[地形図] を選択します。
- その他のデフォルト値をそのままにして、[次へ] をクリックします。
[画像コレクション] ウィンドウが表示されます。
- [画像コレクション] ウィンドウで、[センサー タイプ] ドロップダウン メニューをクリックし、[一般] を選択します。
このオプションを使用するのは、画像が RGB カメラで収集されているためです。
- [追加] をクリックし、チュートリアル データの場所を参照して Images フォルダーを選択します。
- [次へ] をクリックします。
- [データ ローダー オプション] ページの [標高ソース] で、ドロップダウン リストから [DEM からの平均標高] を選択します。 標高ソースとして World Elevation Service が使用されます。
- インターネットにアクセスできる場合は、World Elevation サービスから [標高ソース] の値が取得されます。 これにより、各画像のフライト高度の初期推定値が提供されます。
- インターネットや DEM にアクセスできない場合は、[標高ソース] ドロップダウン メニューから [高さを定数で指定] を選択し、標高値として 414 メートルを入力します。
- [テレインより上のフライト高度 (m)] パラメーターでは画像除外高度を指定し、テレインより上のフライト高度がこの値未満である画像はワークスペースに追加されません。
- [データ ローダー オプション] ウィンドウのデフォルト設定をそのままにして、[終了] をクリックします。
ワークスペースが作成されると、画像、ドローン パス、画像フットプリントが表示されます。 [リアリティ] マッピング コンテナーが [コンテンツ] ウィンドウに追加され、ソース画像データと派生リアリティ マッピング プロダクトが格納されます。
ワークスペース内の画像の初期表示で、そのワークスペースを開始するために必要なメタデータとすべての画像が提供されていることを確認します。 画像は調整されていないため、モザイクが正しく表示されないことがあります。
注意:
大半の最新のドローンでは EXIF ヘッダーに GPS 情報が格納されています。 これを使用して、以下に示すテーブルに値が自動的に取り込まれます。 ただし、一部の古いシステムやカスタムビルドのドローンでは GPS データが外部ファイルに格納されるものもあります。 その場合、[ジオロケーション] パラメーターの横にある [インポート] ボタン を使用して外部 GPS ファイルをインポートできます。[空間参照] と [カメラ モデル] の値は自動的に設定されます。 このワークスペースには投影座標系が必要です。 自動生成されたデフォルトのワークスペース空間参照は、画像の対応する WGS84 UTM 座標に基づいています。 この投影法によって ArcGIS Reality for ArcGIS Pro プロダクトの空間参照が決まります。
ブロック調整の実行
リアリティ マッピング ワークスペースを作成したら、次の手順では [調整] および [改善] グループのツールを使用してブロック調整を実行します。 ブロック調整では最初にタイ ポイント (画像が重なり合うエリアで共通するポイント) が計算されます。 この後、タイ ポイントを使用して、各画像の標定 (写真測量では外部標定と呼ぶ) が計算されます。 コンピューターの設定とリソースによっては、ブロック調整プロセスに数時間かかる場合があります。
ブロック調整を実行するには、次の手順に従います。
- [リアリティ マッピング] タブの [調整] グループで、[調整] をクリックします。
- [調整] ウィンドウで、[カメラのキャリブレーションの実行] のすべてのオプションがオンになっていることを確認します。
この設定では、入力の焦点距離は概算値であり、レンズ歪みのパラメーターは調整時に計算されます。 ドローンのカメラの大半はキャリブレーションされていないため、ドローン画像の場合、これらのオプションはデフォルトでオンになっています。 キャリブレーション済みの高品質カメラでは、このオプションをオンにしないでください。
カメラのセルフ キャリブレーションを行うには、画像コレクションに重複率 60% 以上のオーバーラップ、30% 以上のサイドラップが必要です。
- [高度な設定] を展開します。
- [メタデータの方向を使用] オプションがオンになっていることを確認します。
これにより、画像の EXIF 内に埋め込まれている外部標定情報を初期値として使用することで調整時間が短縮されます。
- [高精度 GPS の画像位置の修正] をオフにします。
このオプションは、Real Time Kinematic (RTK) または Post Processing Kinematic (PPK) などのディファレンシャル GPS で取得された画像に対してのみ使用されます。
- 必要に応じて、[画像の事後標準偏差を計算] をオフにします。
- [画像位置の精度] で、ドロップダウン メニューから [高] を選択します。
GPS 位置の精度は、画像と同時に収集された GPS データの精度を示すもので、対応する EXIF データ ファイルに一覧表示されます。 これをタイ ポイント計算アルゴリズムで使用して、使用する近傍内の画像数を決定します。 0 ~ 10 メートルの GPS 精度では [高] が使用されます。
- その他のデフォルト設定をそのままにして、[実行] をクリックします。
調整を実行すると、調整の精度を示す平均再投影誤差 (単位: ピクセル)、処理された画像の数、生成されたタイ ポイントの数など、統計情報が Logs ファイルに表示されます。
画像の相対精度も向上し、[プロダクト] カテゴリのオプションを使用して派生プロダクトを生成することができます。 生成されるプロダクトの絶対精度を上げるには、GCP をブロックに追加する必要があります。
GCP の追加
GCP は、既知の X、Y、Z 地表座標を含むポイントであり、多くの場合、地上の調査から取得され、写真測量処理における参照ポイントが必ず地表に設定されるようにするために使用されます。 GCP がなくてもブロック調整を適用でき、相対精度を保証できますが、GCP を追加すると、調整後の画像の絶対精度が向上します。
GCP のインポート
GCP をインポートするには、以下の手順を実行します。
- [リアリティ マッピング] タブにある [改善] グループで、[GCP の管理] をクリックします。
[GCP マネージャー] ウィンドウが表示されます。
- [GCP マネージャー] ウィンドウで、[GCP のインポート] ボタン をクリックします。
- [GCP のインポート] ウィンドウの [GCP ファイル] で、Tut_Ground_Control_UTM11N_EGM96.csv ファイルを参照して選択し、[OK] をクリックします。
- [GCP 空間参照の設定] で、[空間参照] ボタン をクリックし、[空間参照] ウィンドウで次の操作を行います。
- [現在の XY] で、[投影]、[UTM]、[北米]、および [NAD83] を展開して [NAD 1983 UTM Zone 11N] を選択します。
- 鉛直座標系を定義するため、[現在の Z] の下のボックスをクリックし、[鉛直座標系]、[重力関連]、および [ワールド] を展開して [EGM96 Geoid] を選択します。
- [OK] をクリックして変更内容を適用し、[空間参照] ウィンドウを閉じます。
- [地理座標系変換] の下の [水平] タブをクリックし、ドロップダウン リストから [WGS 1984 (ITRF00) to NAD83] を選択します。
- [鉛直] タブをクリックし、ドロップダウン メニューから [なし] を選択します。
- [フィールド マッピング] で、GCP フィールドを適切にマッピングします。
- [OK] をクリックして GCP をインポートします。
インポートされた GCP が [GCP マネージャー] ウィンドウにリストされ、相対位置が 2D マップ ビューに表示されて赤色の位置インジケーター によって示されます。
選択した GCP へのタイ ポイントの追加
タイ ポイントを追加するには、次の手順を実行します。
- チュートリアル データの場所にあるファイル ジオデータベースからコントロール ポイント ファイルを 2D マップ ビューに追加します。
- [カタログ] ウィンドウで、[SampleData] > [RM_Drone_Tutorial] > [GCP] > [GCP_desc.gdb] の順にクリックしてファイルを参照し、Ground_Control_NAD832011_NAVD88 ファイルを右クリックして [現在のマップに追加] を選択します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、Ground_Control_NAD832011_NAVD88 を右クリックして、[ラベル] をクリックします。 ポイントに GCP コントロール ポイント名がラベル付けされていない場合、次の手順を実行します。
- フィーチャクラスが選択された状態で、ArcGIS Pro メイン メニューの [ラベリング] をクリックします。
- [ラベル クラス] カテゴリの [フィールド] で、ドロップダウン リストから [コントロール ポイント名] を選択します。
GCP がインポートされると、[GCP マネージャー] のテーブルに値が取り込まれます。
- [GCP マネージャー] ウィンドウで [BldgE-19] GCP をクリックし、次の手順を実行して GCP の正確な位置を確認します。
- 2D マップ ビューで同じ名前が付いたポイントをクリックし、ポップアップ ウィンドウの一番下までスクロールします。
- [GCP マネージャー] ウィンドウがポップアップ ウィンドウに隠れている場合、マップ ウィンドウ内の別の場所にポップアップをドラッグします。
- GCP 画像の縮尺を大きくするには、画像をクリックします。
- 拡大した GCP 画像がウィンドウ全体に表示されている場合、[縮小] ボタンをクリックします。
- [GCP マネージャー] ウィンドウの [GCP またはタイ ポイントを追加] ボタン をクリックし、各画像の画像ビューアーで GCP を正確に計測します。
可能な場合は、他の画像のタイ ポイントが、画像マッチング アルゴリズムにより自動的に計算され、画像 ID の横の青色の十字によって示されます。 各タイ ポイントの精度を確認します。 タイ ポイントが自動的に識別されない場合、画像内で適切な位置を選択することでタイ ポイントを手動で追加します。
- GCP マネージャーの上部パネルにリストされている GCP を 1 つクリックし、以下で説明する計測手順を実行し、すべての GCP についてこのプロセスを繰り返します。
[GCP マネージャー] ウィンドウの下部パネルに、GCP が含まれている画像のリストが表示されます。
- リストされている各画像をクリックし、画像ビューアーに表示されている GCP を、画像に表示されている測量済み画像パネル ターゲットの正確な位置に再配置します。
マウス ホイールをスクロールしながら画像ウィンドウで右クリックすることで、画像ウィンドウをズームおよび画面移動します。
- 各 GCP が追加されてタイ ポイントが計測されたら、[BldgE-19] を選択して右クリックし、チェック ポイントに変更します。
チェック ポイントは調整プロセスで使用されないため、これにより調整の絶対精度の計測値が提供されます。
- GCP とチェック ポイントを追加した後、[調整] をクリックして調整を再び実行することで、これらのポイントを反映します。
調整結果の確認
調整品質の結果は、[GCP マネージャー] ウィンドウで各 GCP の残差を分析することによって確認できます。 残差はポイントの計測された位置と計算された位置の差を表します。 これらはプロジェクトの空間参照系の単位で計測されます。 GCP による調整が完了すると、[dX]、[dY]、[dZ] の 3 つの新しいフィールドが GCP マネージャー テーブルに追加され、各 GCP の残差が表示されます。 これらの値を使用して、調整後のブロックとマップ座標系の間の適合の品質を評価できます。 残差の二乗平均平方根誤差 (RMSE) は、[GCP マネージャー] ウィンドウの [残差の概要] セクションを展開することで確認できます。
その他の調整に関する統計情報は、調整レポートで提供されます。 このレポートを生成するには、[リアリティ マッピング] タブの [確認] グループで、[調整レポート] をクリックします。
リアリティ マッピング プロダクトの生成
ブロック調整が完了したら、[リアリティ マッピング] タブの [プロダクト] グループにあるツールを使用して 2D および 3D 画像プロダクトを生成することができます。 リアリティ マッピング プロダクト ウィザードを使用して複数のプロダクトを同時に生成することも、[プロダクト] グループで該当するプロダクト ツールを選択してプロダクトを個別に生成することもできます。 生成されるプロダクトのタイプは、センサー、データのフライト構成、シナリオ タイプなど、さまざまな要因によって異なります。 サンプル データセットのフライト構成は天底であり、これは DSM、トゥルー オルソ、DSM メッシュなどの 2D プロダクトに理想的です。
注意:
このチュートリアルでは、派生プロダクトを生成する 2 つのアプローチについて以下で説明します。 1 つ目のアプローチでは [複数プロダクト] ウィザードを使用し、2 つ目のアプローチでは [プロダクト] グループにリストされている名前付きの個別のプロダクト ウィザードを使用します。 このチュートリアルでは両方のワークフローを実行する必要はないため、どちらか一方のワークフローに従うことをお勧めします。
リアリティ マッピング プロダクト ウィザードを使用した複数プロダクトの生成
リアリティ マッピング プロダクト ウィザードのワークフローでは、1 つまたは複数のリアリティ マッピング プロダクトを 1 回のプロセスで作成します。 リアリティ マッピング プロダクト ウィザードを使用して生成可能なプロダクトとしては、DSM、トゥルー オルソ、DSM メッシュ、ポイント クラウド、3D メッシュが挙げられます。 生成されたすべてのプロダクトは、[カタログ] ウィンドウ内の [リアリティ マッピング] カテゴリ配下の同じ名前のプロダクト フォルダーに保存されます。
リアリティ マッピング プロダクト ウィザードを使用してプロダクトを生成するには、以下の手順に従います。
- [リアリティ マッピング] タブで、[プロダクト] グループの [複数プロダクト] ボタンをクリックします。
[リアリティ マッピング プロダクト ウィザード] ウィンドウが表示されます。
- [プロダクト生成の設定] ウィンドウで、[3D] チェックボックスをオフにします。
このチュートリアルでは、2D プロダクトのみを生成します。
- [2D プロダクト] カテゴリで、[数値地形モデル (DTM)] をオフにしてから、[数値表層モデル (DSM)] をオンにします。
- [共有された高度な設定] ボタンをクリックします。
[高度なプロダクト設定] ダイアログ ボックスが表示され、ここで、生成するリアリティ マッピング プロダクトを制御するパラメーターを定義できます。 高度なプロダクト設定の詳細については、ウィザードの [リアリティの高度な設定] をご覧ください。
[品質] の値は自動的に設定され、最適なパフォーマンスとプロダクト品質を確保するためにはこの設定を変更してはなりません。
- ソース画像の解像度でプロダクトを生成するため、[ピクセル サイズ] はデフォルト設定のままにします。
- [プロダクト境界] で、[ブラウズ] ボタン をクリックし、チュートリアル データの場所にあるファイル ジオデータベースを参照して [Project_bdry] を選択し、[OK] をクリックします。
以下の理由から、プロダクトの境界を指定することをお勧めします。
- 適切な出力範囲を定義する - プロダクトの境界を定義しない場合、アプリケーションが、プロジェクトの範囲に適合しない可能性のあるさまざまなデータセット パラメーターに基づき自動的に範囲を定義してしまいます。
- 処理時間を短縮する - 求められるプロダクト範囲が画像収集範囲より小さい場合、プロダクト境界を定義することで、処理時間を短縮し、出力を境界範囲に合わせて自動的にクリップできます。
- [処理フォルダー] で、参照ボタン をクリックし、処理する画像の合計サイズの 10 倍以上の空き容量があるディスク上の場所に移動します。 この場合、11 GB 以上の空き容量が必要です。
処理フォルダーには、リアリティ処理中に生成された一時ファイルが格納されます。 処理フォルダーは大容量の記憶領域を備えた高速ドライブに配置することをおすすめします。
- その他はすべてデフォルト値のままにし、[OK] をクリックします。
[高度なプロダクト設定] ダイアログ ボックスが閉じ、リアリティ マッピング プロダクト ウィザードの [プロダクト生成の設定] ページに戻ります。
- [次へ] をクリックして [DSM 設定] ウィンドウに移動し、各パラメーターの値が次のように設定されていることを確認します。
- [出力タイプ] - [モザイク]
- [形式] - [Cloud Raster Format]
- [圧縮] - [なし]
- [リサンプリング] - [共一次内挿法]
- [次へ] をクリックして [トゥルー オルソ設定] ウィンドウに移動し、各パラメーターの値が次のように設定されていることを確認します。
- [出力タイプ] - [モザイク]
- [形式] - [Cloud Raster Format]
- [圧縮] - [なし]
- [リサンプリング] - [共一次内挿法]
- [次へ] をクリックして [DSM メッシュ設定] ウィンドウに移動し、各パラメーターの値が次のように設定されていることを確認します。
- [形式] - [SLPK]
- [終了] をクリックすると、プロダクト生成プロセスが開始します。
プロダクトの生成が完了すると、DSM プロダクトとトゥルー オルソ プロダクトが 2D マップ ビューに自動的に追加されます。 [カタログ] ウィンドウで、[リアリティ マッピング] コンテナー内の DSM フォルダーに DSM が追加され、メッシュ フォルダーに DSM メッシュ プロダクトが追加され、オルソ フォルダーにトゥルー オルソ プロダクトが追加されます。
複数プロダクト ウィザードを使用した 2D プロダクト (DSM、トゥルー オルソ、DSM メッシュ) の生成が完了しました。 これらの 2D プロダクトは、以下で説明するように、各プロダクト専用のウィザードを使用して生成することもできます。
DSM の生成
リアリティ マッピング プロダクト ウィザードを使用して DSM を生成するには、以下の手順に従います。
注意:
標高値は、画像コレクションにステレオ ペアを形成するのに十分なオーバーラップがある場合に取得できます。 点群の生成に必要な通常の画像オーバーラップは、フライト ラインに沿って 80%、フライト ライン間は 60% です。- [リアリティ マッピング] タブで、[プロダクト] グループの [DSM] ボタン をクリックします。
[リアリティ マッピング プロダクト ウィザード] ウィンドウが表示されます。
- [共有された高度な設定] をクリックします。
[高度なプロダクト設定] ダイアログ ボックスが表示され、ここで、生成するリアリティ マッピング プロダクトを制御するパラメーターを定義できます。 高度なプロダクト設定の詳細については、ウィザードの共有された高度な設定をご覧ください。
[品質] の値は自動的に設定され、最適なパフォーマンスとプロダクト品質を確保するためにはこの設定を変更してはなりません。 ただし、低解像度のプロダクトを生成したい場合は、[品質] の値を下げることができます。 さまざまな品質設定がプロダクトの生成に与える影響については、共有された高度な設定 をご覧ください。
- ソース画像の解像度でプロダクトを生成するため、[ピクセル サイズ] はデフォルト値のままにします。
- [プロダクト境界] で、ドロップダウン リストから、出力プロダクトの範囲を特定するフィーチャクラスを選択するか、[参照] ボタン をクリックしてチュートリアル データの場所にあるファイル ジオデータベースを参照して [Project_bdry] を選択し、[OK] をクリックします。
以下の理由から、プロダクトの境界を指定することをお勧めします。
- 適切な出力範囲を定義する - プロダクトの境界を定義しない場合、アプリケーションが、プロジェクトの範囲に適合しない可能性のあるさまざまなデータセット パラメーターに基づき自動的に範囲を定義してしまいます。
- 処理時間を短縮する - 求められるプロダクト範囲が画像収集範囲より小さい場合、プロダクト境界を定義することで、処理時間を短縮し、出力を境界範囲に合わせて自動的にクリップできます。
- [処理フォルダー] で、参照ボタンをクリックし、処理する画像の合計サイズの 10 倍以上の空き容量があるディスク上の場所に移動します。 この場合、11 GB 以上の空き容量が必要です。
- その他はすべてデフォルト値のままにし、[OK] をクリックします。
[高度なプロダクト設定] ダイアログ ボックスが閉じ、リアリティ マッピング プロダクト ウィザードの [プロダクト生成の設定] ページに戻ります。
- [次へ] をクリックして [DSM 設定] ウィンドウに移動し、各パラメーターの値が次のように設定されていることを確認します。
- [出力タイプ] - [モザイク]
- [形式] - [Cloud Raster Format]
- [圧縮] - [なし]
- [リサンプリング] - [共一次内挿法]
- [終了] をクリックすると、プロダクト生成プロセスが開始します。
処理が完了すると、[コンテンツ] ウィンドウの [データ プロダクト] カテゴリ内と 2D マップ ビューに DSM プロダクトが追加されます。 これは [カタログ] ウィンドウのリアリティ マッピング コンテナー内の DEM フォルダーにも追加されます。
トゥルー オルソの生成
リアリティ マッピングの [プロダクト] グループのオプションの 1 つに [トゥルー オルソ] があります。 トゥルー オルソは、透視投影歪みがないため、地上フィーチャが傾斜せず、他のフィーチャを覆わないオルソ補正画像です。 トゥルー オルソを作成するには、ブロック調整済みのオーバーラップ画像から導き出される DSM が必要です。 そのため、DSM は、プロダクトとして選択済みかどうかにかかわらず、トゥルー オルソ プロセスの一環として生成されます。 生成されたトゥルー オルソ画像は、[カタログ] ウィンドウの [リアリティ マッピング] カテゴリのオルソ フォルダーに格納されます。
リアリティ マッピング プロダクト ウィザードを使用してトゥルー オルソを生成するには、以下の手順に従います。
- [リアリティ マッピング] タブで、[プロダクト] グループの [トゥルー オルソ] ボタン をクリックします。
[リアリティ マッピング プロダクト ウィザード] ウィンドウが表示されます。
- [共有された高度な設定] をクリックします。
[高度なプロダクト設定] ダイアログ ボックスが表示され、ここで、生成するリアリティ マッピング プロダクトを制御するパラメーターを定義できます。 高度なプロダクト設定の詳細については、ウィザードの 共有された高度な設定 をご覧ください。
- 上記の「DSM の生成」セクションの手順 4 ~ 6 を実行します。
- [次へ] をクリックして [トゥルー オルソ設定] ウィンドウに移動し、各パラメーターの値が次のように設定されていることを確認します。
- [出力タイプ] - [モザイク]
- [形式] - [Cloud Raster Format]
- [圧縮] - [なし]
- [リサンプリング] - [共一次内挿法]
- [終了] をクリックすると、プロダクト生成プロセスが開始します。
処理が完了すると、[コンテンツ] ウィンドウの [データ プロダクト] カテゴリ内と 2D マップ ビューにトゥルー オルソ プロダクトが追加されます。 これは [カタログ] ウィンドウのリアリティ マッピング コンテナー内のオルソ フォルダーにも追加されます。
DSM メッシュの生成
DSM メッシュは、ブロック調整済みのオーバーラップ画像から抽出された DSM の不規則三角形網 (TIN) バージョンに調整済み画像がドレープされる、プロジェクト エリアの 2.5D テクスチャ モデルです。 リアリティ マッピング プロダクト ウィザードを使用すると、事前構成済みパラメーターを使用した最適化済みワークフローを指定することで、DSM メッシュ プロダクトを簡単に作成できます。 DSM メッシュ プロダクトを作成するには、オーバーラップ画像のブロック調整から導き出される DSM が必要です。 そのため、DSM は、別個のプロダクトとして選択されたかどうかにかかわらず、DSM メッシュ生成プロセスの一環として生成されます。
リアリティ マッピング プロダクト ウィザードを使用して DSM メッシュを生成するには、以下の手順に従います。
- [リアリティ マッピング] タブで、[プロダクト] グループの [DSM メッシュ] ボタン をクリックします。
[リアリティ マッピング プロダクト ウィザード] ウィンドウが表示されます。
- [共有された高度な設定] をクリックします。
[高度なプロダクト設定] ダイアログ ボックスが表示され、ここで、生成するリアリティ マッピング プロダクトを制御するパラメーターを定義できます。 高度なプロダクト設定の詳細については、ウィザードの 共有された高度な設定 をご覧ください。
- 上記の「DSM の生成」セクションの手順 4 ~ 7 を実行します。
- [次へ] をクリックして [DSM メッシュ設定] ウィンドウに移動し、各パラメーターの値が次のように設定されていることを確認します。
- [形式] - [SLPK]
- [終了] をクリックすると、プロダクト生成プロセスが開始します。
処理が完了すると、[カタログ] ウィンドウのリアリティ マッピング コンテナー内のメッシュ フォルダーに DSM メッシュ プロダクトが追加されます。
- 生成された DSM メッシュ プロダクトを視覚化するには、メッシュ フォルダー内の 3D_Mesh.slpk ファイルを右クリックし、ドロップダウン メニューから、[新規に追加] > [ローカル シーン] の順にクリックします。
サマリー
このチュートリアルでは、ドローン画像のリアリティ マッピング ワークスペースを作成し、[リアリティ マッピング] タブのツールを使用して地上コントロール ポイントに対し写真測量調整を行いました。 そのあと、[プロダクト] グループのツールを使用して、DSM プロダクト、トゥルー オルソ プロダクト、および DSM メッシュ プロダクトを生成しました。 リアリティ マッピングの詳細については、次のトピックをご参照ください。
- ArcGIS Pro のリアリティ マッピング
- ドローン画像用リアリティ マッピング ワークスペースの作成
- ドローン画像のリアリティ マッピングの調整オプション
- リアリティ マッピング ワークスペースへの地上コントロール ポイントの追加
- ArcGIS Reality for ArcGIS Pro を使用した DSM の生成
- ArcGIS Reality for ArcGIS Pro を使用したトゥルー オルソの生成
- ArcGIS Reality for ArcGIS Pro を使用した DSM メッシュの生成
このチュートリアルで使用されている画像は Esri, Inc. が取得および提供しています。