ダイナミック テキストはレイアウト上に配置されたテキストで、プロジェクト、レイアウト、マップ フレーム、などの現在のプロパティに基づいて変化します。 そのプロパティが更新されると、テキストも自動的に更新されます。 ダイナミック テキストは、HTML と同様に、タグの使用によって機能します。 これにより、ダイナミック テキストと静的テキストを 1 つのテキスト エレメント内で組み合わせることができます。 最も一般的なダイナミック テキスト タグは、次に示すようにダイナミック テキスト ギャラリーから選択できますが、その他のタグも使用できます。 ダイナミック テキスト タグの完全なリストと、タグの操作方法の詳細については、「ダイナミック テキストのタグ」をご参照ください。
テーブル ダイナミック テキストは、マップ フレーム内の指定したレイヤーまたはスタンドアロン テーブルから属性値または統計情報を返します。 レイアウト上には複数のマップ フレーム、レイヤー、およびスタンドアロン テーブルがある可能性があるため、テーブル ダイナミック テキストでは追加するデータを選択する必要があり、他のダイナミック テキストとは挿入方法が少し異なります。 ダイナミック テキストとテーブル ダイナミック テキストの追加手順を以下に示します。
注意:
ダイナミック テキスト タグを含むテキスト エレメントをグラフィックスに変換すると、そのタグが、現在ページに表示されているテキストに置き換えられます。
レイアウトにダイナミック テキストを追加する
ダイナミック テキストをレイアウトに追加するには、次の手順に従います。
- アクティブなレイアウト ビューで、[挿入] タブの [グラフィックスとテキスト] グループにある [ダイナミック テキスト] ボタン をクリックします。
ギャラリーが表示され、ダイナミック テキストのタグが表示されます。
注意:
ギャラリーの使用は、ダイナミック テキストを追加する最も一般的な方法ですが、タグを直接入力することで、ダイナミック テキスト エレメントを追加することもできます。
- ギャラリーからダイナミック テキストを選択します。
- レイアウト ビューで、目的の場所にボックスをクリックしてドラッグし、ダイナミック テキスト エレメントを作成します。
ダイナミック テキスト エレメントがレイアウトに追加されます。
- 必要に応じて、テキストを移動、書式設定、編集します。
ダイナミック テキストの編集
ダイナミック テキスト エレメントを修正するには、次の手順を実行します。
- [コンテンツ] ウィンドウでダイナミック テキスト エレメントを右クリックし、[プロパティ] をクリックして [エレメント] ウィンドウを開きます。
- [エレメント] ウィンドウの [オプション] タブで、[テキスト ビュー] または [タグ ビュー] を選択します。 ビュー タイプに従って、テキスト エレメントをテキストやタグで修正します。
ダイナミック テキストは、[タグ ビュー] または [テキスト ビュー] を使用して編集できます。 [タグ ビュー] では、ダイナミック テキストのタグをクリック可能なボタンとして表し、静的テキストは通常のテキスト形式で表示します。 ボタンをクリックするとウィンドウが開くので、そのタグだけを編集できるようになります。 [テキスト ビュー] では、すべてのダイナミック テキスト タグと静的テキストを表示します。
注意:
ダイナミック テキストの [テキスト ビュー] では、タグが常にミススペルと見なされるため、スペルチェックは利用できません。 静的テキストのスペルをチェックするには、[タグ ビュー] に切り替えます。
テーブル ダイナミック テキスト
テーブル ダイナミック テキストの挿入操作は少し異なっています。 テーブル ダイナミック テキストは、マップ フレーム内の指定したレイヤーまたはスタンドアロン テーブルから属性値または統計情報を返します。 レイアウト上には複数のマップ フレーム、レイヤー、およびスタンドアロン テーブルがある可能性があるため、テーブル ダイナミック テキストでは、必要なデータを選択する必要があります。 テーブル ダイナミック テキストは、フィルター処理することもできます。 テーブルまたはサブセット内のすべてのデータを使用できます。 この操作を行うには、[クエリ] パラメーターを設定します。 クエリ オプションは以下のとおりです。
- [すべての行] - テーブル内のすべての行を使用します。
- [表示行] - マップ範囲に表示されるデータの行をすべて使用します。 マップ範囲内の可視性は、フィーチャ ジオメトリの範囲ではなく、シンボルのグラフィックス範囲によって決まります。 これは、スタンドアロン テーブルのオプションではありません。スタンドアロン テーブルはマップ上に表示されないためです。
- [カスタム クエリ] - 検索条件設定を使用してユーザーが作成したクエリを使用します。 この検索条件設定の条件式はテーブル内のすべての行に適用されますが、マップ範囲に表示される行に限定されません。
- [マップ シリーズの行] - 現在のマップ シリーズのインデックス フィーチャと交差する行のみを使用します。 このオプションは、空間マップ シリーズに対してのみ利用でき、スタンドアロン テーブルには適用されません。
テーブル ダイナミック テキスト内の [テーブル属性] および [表特性] に追加パラメーターも設定できます。
レイアウトにテーブル ダイナミック テキストを追加する
テーブル ダイナミック テキストをレイアウトに追加するには、次の手順に従います。
- アクティブなレイアウト ビューで、[挿入] タブの [テキスト] グループにある [ダイナミック テキスト] をクリックします。
ギャラリーが表示され、ダイナミック テキストのタグが表示されます。
- ギャラリーの [テーブル属性] または [テーブル統計] グループからタグを選択します。
このギャラリーからタグを選択すると、対応する挿入ダイアログ ボックスが開きます。
- 使用するマップ フレーム、レイヤーまたはスタンドアロン テーブル、クエリ、およびフィールドを選択します。 [テーブル属性] タグと [表統計] タグに固有の追加パラメーターを設定することもできます。 [OK] をクリックします。
- レイアウト ビューで、目的の場所にボックスをクリックしてドラッグし、ダイナミック テキスト エレメントを作成します。
ダイナミック テキスト エレメントがレイアウトに追加されます。
- 必要に応じて、テキストを移動、書式設定、編集します。
テーブル属性グループ
[値] は、レイヤーまたはスタンドアロン テーブルの 1 つまたは複数のレコードの値を返します。 [個別値] は、レイヤーまたはスタンドアロン テーブルの一意のレコードから値を返し、テキスト内の重複をなくします。 個別値は、double または float のフィールド タイプでサポートされていません。 [テーブル属性の挿入] ダイアログ ボックスで、[値] または [個別値] に次のパラメーターを設定できます。
テーブル属性
パラメーター | 定義 |
---|---|
マップ フレーム | データを表示するレイヤーまたはスタンドアロン テーブルを含むマップ フレーム。 |
テーブル | データを表示するレイヤーまたはスタンドアロン テーブル。 |
クエリ | 表示するデータのセット: [すべての行]、[表示行]、[カスタム クエリ]、または [マップ シリーズの行]。 |
フィールド | 表示するテーブルのデータの列。 |
個別 | 一意の値のみを返し、重複をなくします。 これは、double または float のフィールド タイプには使用できません。 |
並べ替えフィールド | 表示するデータの並べ替えに使用する、テーブル内のフィールド。 「<None>」を選択した場合、データは作成順に表示されます。 [昇順で並べ替え] をオンにすると、フィールド タイプに応じて、最も小さいものから最も大きいものへ、またはアルファベット順に値が並べ替えられます。 オフにすると、最も大きいものから最も小さいものへ、または逆アルファベット順に値が並べ替えられます。 |
区切り文字 | 各値を区切る文字。 デフォルトは 1 つのスペースです。 新しいラインを含めるには、「\n」を区切り文字として使用します。 |
小数点以下桁数 | 表示する小数点以下の桁数。 デフォルトは 2 です。 このオプションは、数値フィールドでのみ使用できます。 |
桁区切り記号 | 千の位ごとに区切り文字を入れます。 このオプションは、数値フィールドでのみ使用できます。 |
式 | 値の正確な表示を制御するためのオプションの Arcade 式。 |
注意:
また、[クエリ] タイプに [表示行] を使用する場合、マップ範囲内の表示設定は、座標値ではなくシンボルの表示設定によって決まります。
以下に、[値] で使用できる Arcade 式の例を示します。
複数のフィールドを連結します。 この例では、3 つのフィールドを使用して日付を作成します。
$feature.Day + " " + $feature.Month + ", " + $feature.Year
NULL 値の表示を防ぎます。 この条件式が正しく機能するために、区切り文字セットは必要ありません。
if (isEmpty($feature.CROP_ACR97)){}
else($feature.CROP_ACR97 + ", ")
注意:
Arcade 式は ArcGIS 全体で使用されます。 ダイナミック テキストの式には、レイアウト プロファイルが使用されます。
表統計グループ
フィールドで計算できる統計情報は、次のように 15 種類あります。
- [数] - NULL 値でない行の数を返します
- [重複を除いたカウント] - 個別値の行の数を返します。 これは、double または float のフィールド タイプには使用できません。
- [NULL カウント] - NULL 値の行の数を返します
- [最小値] - 最小値を返します
- [最大値] - 最大値を返します
- [平均値] - 平均値を返します
- [中央値] - 中央値を返します
- [範囲値] - 最大値と最小値の差を返します
- [合計値] - 加算されたすべての値の合計値を返します
- [標準偏差] データ偏差の尺度である値の標準偏差を返します
- [尖度] - 分布の裾の重さを示す尺度である値の尖度を返します
- [歪度] - 分布の尺度である値の歪度を返します
- [下の四分位] - 順序付けられたデータ値の 25% がこの値よりも小さくなる値を返します
- [上の四分位] - 順序付けられたデータ値の 75% がこの値よりも大きくなる値を返します
- [分散] - 標準偏差まわりの分散の尺度である値の分散を返します
注意:
[数] と [NULL カウント] はどのフィールドでも実行できますが、その他の統計情報は数値フィールドでのみ実行できます。 数値フィールドのないテーブルにこれらの統計情報を挿入すると、エラー メッセージが表示されます。
[テーブルの統計情報の挿入] ダイアログ ボックスの [表統計] 計算に次のパラメーターを設定できます。
パラメーター | 定義 |
---|---|
マップ フレーム | 表示するレイヤーまたはスタンドアロン テーブルを含むマップ フレーム。 |
テーブル | 表示するレイヤーまたはスタンドアロン テーブル。 |
クエリ | 表示するデータのセット: [すべての行]、[表示行]、[カスタム クエリ]、または [マップ シリーズの行]。 |
統計 | 計算される統計情報。 |
フィールド | 表示するテーブルのデータの列。 |
小数点以下桁数 | 表示する小数点以下の桁数。 デフォルトは 2 です。 |
桁区切り記号 | 千の位ごとに区切り文字を入れます。 |
テーブル ダイナミック テキストの編集
テーブル ダイナミック テキストはレイアウトに追加した後も変更できます。 テーブル属性とテーブルの統計情報ダイナミック テキストは、指定レイヤーまたはマップ フレームのスタンドアロン テーブルからプロパティを返します。 そのため、他のダイナミック テキスト タイプにはない編集可能パラメーターがあります。 これらのパラメーターは、[テーブル属性の挿入] または [テーブルの統計情報の挿入] ダイアログ ボックスで編集されます。
テーブル ダイナミック テキストを修正するには、次の手順を実行します。
- [コンテンツ] ウィンドウまたはページでテーブル ダイナミック テキスト エレメントを右クリックして、[プロパティ] をクリックします。
- [エレメント] ウィンドウの [オプション] タブで、[タグ ビュー] をクリックします。 既存の静的テキストを追加または編集するか、ダイナミック テキスト ボタンをクリックすると、適切な編集ダイアログ ボックスが開きます。
- ダイアログ ボックスでテーブル属性パラメーターまたはテーブルの統計情報パラメーターを編集し、[OK] をクリックします。
ヒント:
変更できるプロパティの数の関係で、テーブル ダイナミック テキストは [タグ ビュー] でのみ編集することをお勧めします。