ポリゴンの按分 (Apportion Polygons) (解析)

サマリー

ターゲット ポリゴン レイヤーの空間オーバーレイに基づき、入力ポリゴン レイヤーの属性を集計します。また、ターゲット ポリゴンに属性を割り当てます。 ターゲット ポリゴンは、各ターゲットが重複している入力ポリゴンからの数値属性を集計します。 一般的に、このプロセスは「按分」として知られています。

このツールを使用して、別のフィーチャと重なっているフィーチャの割合に基づき、フィーチャの人口を推定することができます。

注意:

  • [レイヤーへの情報付加] ツールは、集約および割り当ての詳細な設定を使用してデータを集計します。
  • [ポリゴンの按分] ツールは [レイヤーへの情報付加] ツールと似ています。 ただし、[ポリゴンの按分] が指定された按分を使用するのに対して、[レイヤーへの情報付加] は按分に米国国勢調査区ポイントかグローバル居住地ポイントを使用します。 詳細については、「データの割り当て」をご参照ください。

ポリゴンの按分ツールの図
ターゲット内の入力属性の空間合計

使用法

  • デフォルトでは、重なっているエリアの割合により、転送される属性の割合が決定されます。 あるいは、[推定フィーチャ] パラメーターを使用して、ポイントの割合またはラインの長さを使用して割合を作成できます。

  • デフォルトで、按分属性に使用される統計は合計です。 [按分方法] パラメーターが [面積] に設定されている場合、平均統計と中央値統計を使用できます。

    転送される属性の量を調整するには、入力ポリゴンの加重フィールドを正規化して使用します。 加重フィールドが 0 の場合、入力からターゲットに按分される属性が 0 に設定されます。

  • [推定フィーチャ] パラメーター値が指定されている場合、属性が転送される方法を決定するために、その値が面積の代わりに使用されます。 [入力ポリゴン] パラメーター値がカウントされるには、推定フィーチャがその値と交差している必要があります。 推定フィーチャが [ターゲット ポリゴン] パラメーター値とも交差している場合に、属性が入力フィーチャからターゲットに転送されます。

  • ターゲット ジオメトリ、または入力ジオメトリとターゲット ジオメトリの交差部分を出力ジオメトリに含めるには、[ターゲット ジオメトリの維持] パラメーターを使用します。

  • このツールは、並列処理ファクター環境を優先します。 この環境が設定されていない場合 (デフォルト) や 100 に設定されている場合、フル並列処理が有効になり、ツールはコンピューター上のすべての論理コアに作業を分配しようとします。 この環境を 0 に設定すると、並列処理は無効になります。 ファクターを 1 ~ 99 に指定すると、ツールは数式 (並列処理ファクター / 100 * 論理コア) の小数部を切り上げた整数を適用して、使用する論理コアの割合を特定します。 この数式の結果が 0 または 1 の場合、並列処理は有効化されません。

パラメーター

ラベル説明データ タイプ
入力ポリゴン

数値属性を含むポリゴン フィーチャで、ターゲット ポリゴン ジオメトリに集計されます。

Feature Layer
按分フィールド

入力ポリゴンの数値フィールド。各ターゲット ポリゴン別に集計され、出力フィーチャクラスに記録されます。

オプションの統計タイプは次のとおりです。

  • [合計] - 指定したフィールドの値が加算されます。 これがデフォルトです。
  • [平均] - 指定したフィールドの平均が計算されます。 このオプションは、[按分方法] パラメーターが [面積] に設定されている場合にのみ有効です。
  • [中央値] - 指定したフィールドの中央値が計算されます。 このオプションは、[按分方法] パラメーターが [面積] に設定されている場合にのみ有効です。
Value Table
ターゲット ポリゴン

ポリゴン フィーチャとそれらに按分されたフィールドで、出力フィーチャクラスにコピーされます。

Feature Layer
出力フィーチャクラス

ターゲット ポリゴンの属性とジオメトリ、および入力ポリゴンの指定された割り当てフィールドを含む出力フィーチャクラス

Feature Class
按分方法

入力ポリゴンのフィールドをターゲット ポリゴンに按分するための方法を指定します。

  • 面積各入力ポリゴンが各ターゲット フィーチャの集計値に占める量は、2 つのフィーチャ間の重なるエリアによって決定されます。 入力フィーチャが同量の 2 つのターゲット フィーチャに重なる場合、割り当てられるフィールドは 2 つに分割され、両方のターゲット フィーチャに合計値の半分ずつ貢献します。 これがデフォルトです。
  • 長さ入力フィーチャの属性は、各ターゲット フィーチャに含まれるラインの量の割合に基づいて分割されます。 入力フィーチャに交差しているラインのみが計算に含まれます。 入力フィーチャ外部のラインは除外されます。 たとえば、1 つのターゲット フィーチャが 750 メートルのラインをカバーし、別のターゲット フィーチャが 250 メートルのラインをカバーしている場合は、入力フィーチャの属性値の 75% (750 / 1000) が最初のターゲット フィーチャに集約され、入力フィーチャの属性値の 25% (250 / 1000) が 2 番目のターゲット フィーチャに集約されます。
  • ポイント入力フィーチャの属性は、入力フィーチャと重なっている各ターゲット フィーチャ部分の内部にあるポイント数に基づいて分割されます。 入力フィーチャ外部のポイントは除外されます。 必要に応じて、加重フィールドを指定することで、各ターゲット フィーチャ内部のすべてのポイントの合計加重値を使用して、入力フィーチャの属性値の分割方法を決定できます。 たとえば、2 つのターゲット フィーチャが 1 つの入力フィーチャと重なっている場合に、最初のターゲット フィーチャ内部に 2 つのポイント、2 番目のターゲット フィーチャ内部に 8 つのポイントが存在するとすれば、入力フィーチャの属性値の 20% (2 / 10) が最初のターゲット フィーチャに集約され、入力フィーチャの属性値の 80% (8 / 10) が 2 番目のターゲット フィーチャに集約されます。
String
推定フィーチャ
(オプション)

ターゲット ポリゴンに按分する入力ポリゴンの按分フィールドの割合を推定するために使用される入力ポイント/ポリライン フィーチャ。 これは、割合を作成するために、交差部分内のポイントまたはラインの量を入力フィーチャ内部の量で除算することを示しています。

Feature Layer
加重フィールド
(オプション)

ターゲット ポリゴン レイヤーの数値フィールド。按分する入力ポリゴンのフィールドの割り当て値を、どのターゲット ポリゴンにより多く付与するかを調整するために使用します。 加重の高いターゲットには、高い割合のフィールド値が按分されます。

推定フィーチャが指定されている場合、推定フィーチャと交差するターゲット ポリゴンに按分される値を調整する推定値の数値フィールドが加重フィールドになります。

Field
ターゲット ジオメトリの保持
(オプション)

出力フィーチャクラスがターゲット ポリゴン レイヤーの元のジオメトリを保持するかどうかを指定します。

  • オン - 出力フィーチャクラスがターゲット ポリゴン レイヤーの元のジオメトリを保持します。 これがデフォルトです。
  • オフ - 出力フィーチャクラスは、ターゲット ポリゴンと入力ポリゴンのジオメトリの交差部分になります。 入力ポリゴンに重なるターゲット ポリゴンのエリアのみが、出力に含まれます。

Boolean

arcpy.analysis.ApportionPolygon(in_features, apportion_fields, target_features, out_features, method, {estimation_features}, {weight_field}, {maintain_geometries})
名前説明データ タイプ
in_features

数値属性を含むポリゴン フィーチャで、ターゲット ポリゴン ジオメトリに集計されます。

Feature Layer
apportion_fields
[[field, {statistic_type}],...]

入力ポリゴンの数値フィールド。各ターゲット ポリゴン別に集計され、出力フィーチャクラスに記録されます。

オプションの統計タイプは次のとおりです。

  • SUM - 指定したフィールドの値が合計されます。 これがデフォルトです。
  • MEAN - 指定したフィールドの平均が計算されます。 このオプションは、method パラメーターが AREA に設定されている場合にのみ有効です。
  • MEDIAN - 指定したフィールドの中央値が計算されます。 このオプションは、method パラメーターが AREA に設定されている場合にのみ有効です。
Value Table
target_features

ポリゴン フィーチャとそれらに按分されたフィールドで、出力フィーチャクラスにコピーされます。

Feature Layer
out_features

ターゲット ポリゴンの属性とジオメトリ、および入力ポリゴンの指定された割り当てフィールドを含む出力フィーチャクラス

Feature Class
method

入力ポリゴンのフィールドをターゲット ポリゴンに按分するための方法を指定します。

  • AREA各入力ポリゴンが各ターゲット フィーチャの集計値に占める量は、2 つのフィーチャ間の重なるエリアによって決定されます。 入力フィーチャが同量の 2 つのターゲット フィーチャに重なる場合、割り当てられるフィールドは 2 つに分割され、両方のターゲット フィーチャに合計値の半分ずつ貢献します。 これがデフォルトです。
  • LENGTH入力フィーチャの属性は、各ターゲット フィーチャに含まれるラインの量の割合に基づいて分割されます。 入力フィーチャに交差しているラインのみが計算に含まれます。 入力フィーチャ外部のラインは除外されます。 たとえば、1 つのターゲット フィーチャが 750 メートルのラインをカバーし、別のターゲット フィーチャが 250 メートルのラインをカバーしている場合は、入力フィーチャの属性値の 75% (750 / 1000) が最初のターゲット フィーチャに集約され、入力フィーチャの属性値の 25% (250 / 1000) が 2 番目のターゲット フィーチャに集約されます。
  • POINTS入力フィーチャの属性は、入力フィーチャと重なっている各ターゲット フィーチャ部分の内部にあるポイント数に基づいて分割されます。 入力フィーチャ外部のポイントは除外されます。 必要に応じて、加重フィールドを指定することで、各ターゲット フィーチャ内部のすべてのポイントの合計加重値を使用して、入力フィーチャの属性値の分割方法を決定できます。 たとえば、2 つのターゲット フィーチャが 1 つの入力フィーチャと重なっている場合に、最初のターゲット フィーチャ内部に 2 つのポイント、2 番目のターゲット フィーチャ内部に 8 つのポイントが存在するとすれば、入力フィーチャの属性値の 20% (2 / 10) が最初のターゲット フィーチャに集約され、入力フィーチャの属性値の 80% (8 / 10) が 2 番目のターゲット フィーチャに集約されます。
String
estimation_features
(オプション)

ターゲット ポリゴンに按分する入力ポリゴンの按分フィールドの割合を推定するために使用される入力ポイント/ポリライン フィーチャ。 これは、割合を作成するために、交差部分内のポイントまたはラインの量を入力フィーチャ内部の量で除算することを示しています。

Feature Layer
weight_field
(オプション)

ターゲット ポリゴン レイヤーの数値フィールド。按分する入力ポリゴンのフィールドの割り当て値を、どのターゲット ポリゴンにより多く付与するかを調整するために使用します。 加重の高いターゲットには、高い割合のフィールド値が按分されます。

推定フィーチャが指定されている場合、推定フィーチャと交差するターゲット ポリゴンに按分される値を調整する推定値の数値フィールドが加重フィールドになります。

Field
maintain_geometries
(オプション)

出力フィーチャクラスがターゲット ポリゴン レイヤーの元のジオメトリを保持するかどうかを指定します。

  • MAINTAIN_GEOMETRIES出力フィーチャクラスがターゲット ポリゴン レイヤーの元のジオメトリを保持します。 これがデフォルトです。
  • INTERSECT_GEOMETRIES出力フィーチャクラスは、ターゲット ポリゴンと入力ポリゴンのジオメトリの交差部分になります。 入力ポリゴンに重なるターゲット ポリゴンのエリアのみが、出力に含まれます。
Boolean

コードのサンプル

ApportionPolygon の例 1 (Python ウィンドウ)

次の Python ウィンドウ スクリプトは、ApportionPolygon 関数の使用方法を示しています。

import arcpy
arcpy.env.workspace = "C:/data/MyAnalysis.gdb"
arcpy.analysis.ApportionPolygon(
        "CensusBlockGroups", "Pop2020", "StoreServiceArea", 
        "StoreServiceArea_w_Population", "AREA", "", "", "MAINTAIN_GEOMETRIES")
ApportionPolygon の例 2 (スタンドアロン スクリプト)

次のスタンドアロン スクリプトは、エリアで加重された人口を国勢調査区グループ レイヤーから店舗のサービス エリア ポリゴンに送ります。

# Import system modules 
import arcpy

# Set environment settings
arcpy.env.workspace = "C:/data/MyAnalysis.gdb"

# Perform apportionment
inputDataWithPop = "CensusBlockGroups"
popField = "Pop2020"
targetServiceAreas = "Store_ServiceAreas"
outputApp = "Store_ServiceAreas_w_Population"
apportionMethod = "AREA"
keepTargetGeom = "MAINTAIN_GEOMETRIES"

arcpy.analysis.ApportionPolygon(inputDataWithPop, popField, targetServiceAreas, 
                                outputApp, apportionMethod, "", "", 
                                keepTargetGeom)

# Summarize store service area populations by store admin region
outStats = "PopulationPerSalesRegion_tlb"
statsFields = [["Pop2020", "SUM"]]
regionField = "SalesRegion"  # Values such as North, North-East, etc.

arcpy.analysis.Statistics(outputApp, outStats, statsFields, regionField)
ApportionPolygon の例 3 (スタンドアロン スクリプト)

次のスタンドアロン スクリプトは、平均と中間値を使用して、按分されたフィールドを推定する例を示しています。

# Import system modules 
import arcpy

# Set environment settings
arcpy.env.workspace = "C:/data/MyAnalysis.gdb"

# Perform apportionment
inputDataWithPop = "CensusBlockGroups"
popField = [["POP2000", "MEAN"], ["SUM_Incide", "MEDIAN"]]
targetServiceAreas = "Store_ServiceAreas"
outputApp = "Store_ServiceAreas_w_Population"
apportionMethod = "AREA"
keepTargetGeom = "MAINTAIN_GEOMETRIES"

arcpy.analysis.ApportionPolygon(inputDataWithPop, popField, targetServiceAreas, 
                                outputApp, apportionMethod, "", "", 
                                keepTargetGeom))

ライセンス情報

  • Basic: Yes
  • Standard: Yes
  • Advanced: Yes

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