境界のディゾルブ (Dissolve Boundaries) (GeoAnalytics)

サマリー

交差するポリゴン、または同じフィールド値を持つポリゴンを検出してマージし、1 つのポリゴンを形成します。

レガシー:

ArcGIS GeoAnalytics Server エクステンションは ArcGIS Enterprise で廃止されます。 GeoAnalytics Server最終リリースArcGIS Enterprise 11.3 に含まれています。 このジオプロセシング ツールは ArcGIS Enterprise 11.3 以前のバージョンで使用できます。

1 つ以上のフィールドを指定して、どの境界線をマージするか設定できます。たとえば、郡のレイヤーがあり、各郡に State_Name フィールドがある場合、State_Name フィールドを使用して境界線をディゾルブできます。隣接する郡は、State_Name の値が同じ場合にマージされます。結果は、州の境界線のレイヤーです。

境界のディゾルブ ツールの図

使用法

  • [入力レイヤー] フィーチャはポリゴン ジオメトリである必要があります。ディゾルブされた出力フィーチャは常にポリゴンになります。

  • 境界をディゾルブするポリゴンのタイプには、交差するポリゴンと、同じフィールド値を持つポリゴンの 2 つがあります。

    デフォルトでは、境界が交差しているポリゴン フィーチャがディゾルブされます。必要に応じて、[ディゾルブ フィールド] パラメーターを使用し、同じフィールド値を 1 つ以上持つ交差するポリゴンをディゾルブできます。

    たとえば、Soil_Type フィールドを持つ分析範囲のレイヤーがある場合は、Soil_Type フィールドの属性に基づいて境界をディゾルブできます。分析範囲は、Soil_Type の値が同じ場合にマージされます。結果として、土壌タイプ別の分析範囲のレイヤーが生成されます。2 つ以上のフィールドを指定した場合、境界線がディゾルブされるには、それぞれのフィールドの値が入力フィーチャ間で同じである必要があります。

  • ディゾルブによって集約されるフィーチャの属性は、[集計フィールド] パラメーターでさまざまな統計情報を使用して、集計したり説明したりできます。属性の集計に使用される統計情報は、「統計タイプ + アンダースコア + 入力フィールド名」という命名規則に従って名前が付けられ、出力フィーチャクラスに単一フィールドとして追加されます。たとえば、POP という名前のフィールドに合計 (SUM) の統計情報が使用されている場合、SUM_POP という名前のフィールドが出力されます。

  • [境界のディゾルブ (Dissolve Boundaries)] ツールの出力には、マルチパート フィーチャとシングルパート フィーチャを含めることができます。マルチパート フィーチャは、隣接しないパーツに分割される 1 つのフィーチャとして定義されます。たとえば、ハワイ州はマルチパート フィーチャとみなされることがあります。これは、個々のジオメトリック パートは 1 つの州として分類されているからです。マルチパートまたはシングルパートの出力を作成する場合、[マルチパート フィーチャの作成] パラメーターの次の 2 つのオプションを利用できます。

    • true (オン) - 該当する場合、出力ではマルチパート フィーチャが作成されます。
    • false (オフ) - 出力ではシングルパート フィーチャのみが作成されます。これがデフォルトです。

  • 次の表に、[マルチパート フィーチャの作成] パラメーターの使用に基づくディゾルブ オプションの概要を示します。

    ディゾルブ方法マルチパートが false (デフォルト)マルチパートが true

    [ディゾルブ フィールド] は指定されていません (デフォルト)。

    マルチパートが false ですべてのフィーチャがディゾルブしている状態

    すべての値がディゾルブされ、マルチパートが false の場場合には、3 つのフィーチャが作成されます。ディゾルブされるのは、重なり合うフィーチャのみです。

    マルチパートが true ですべてのフィーチャがディゾルブしている状態

    すべての値がディゾルブされ、マルチパートが true の場合には、1 つのフィーチャが作成されます。このオプションを選択すると、結果は常に 1 つのフィーチャになります。

    [ディゾルブ フィールド] は指定されています。

    類似した値を持つフィーチャが、マルチパート false でディゾルブされる

    フィールドに基づいて (ここでは、フィールドは入力ポイントの色) ディゾルブが適用される場合には、4 つのフィーチャが作成されます。指定フィールドと同じ値を持つ、重なり合うフィーチャのみがディゾルブします。

    類似した値を持つフィーチャが、マルチパート true でディゾルブされる

    フィールドに基づいて (ここでは、フィールドは入力ポイントの色) ディゾルブが適用され、マルチパートが許可されている場合には、2 つのフィーチャが作成されます。同じフィールド値を持つ値は、常に 1 つのフィーチャになります。

  • ジオプロセシング ツールは、ArcGIS GeoAnalytics Server を活用しています。 解析は GeoAnalytics Server で実行され、結果は ArcGIS Enterprise のコンテンツに保存されます。

  • GeoAnalytics Server ツールを実行する場合、解析は GeoAnalytics Server で実行されます。 最適なパフォーマンスを得るためには、ArcGIS Enterprise ポータルでホストされているフィーチャ レイヤーかビッグ データ ファイル共有を通じて、GeoAnalytics Server にデータを提供する必要があります。 GeoAnalytics Server のローカルにないデータは、解析が開始する前に GeoAnalytics Server に移動されます。 つまり、ツールを実行する時間が長くなり、場合によっては ArcGIS Pro から GeoAnalytics Server にデータを移動できないこともあります。 エラーの閾値はネットワークの速度や、データのサイズや複雑さに左右されます。 データを必ず共有するか、ビッグ データ ファイル共有を作成することをおすすめします。

パラメーター

ラベル説明データ タイプ
入力フィーチャ

ディゾルブするポリゴン フィーチャを含むレイヤー。

Feature Set
出力名

出力フィーチャ サービスの名前。

String
マルチパート フィーチャの作成
(オプション)

出力フィーチャクラスでマルチパート フィーチャを作成するかどうかを指定します。

  • オン - マルチパート フィーチャが作成されます。
  • オフ - マルチパート フィーチャは作成されません。パートごとに個々のフィーチャが作成されます。これがデフォルトです。
Boolean
フィールド値に基づくディゾルブ
(オプション)

同じフィールド値を持つフィーチャがディゾルブされるかどうかを指定します。

  • オフ - 共通の境界を共有する (つまり、隣接する) ポリゴンまたは重複するポリゴンが 1 つのポリゴンにディゾルブされます。これがデフォルトです。
  • オン - 同じフィールド値を 1 つまたは複数持つポリゴンがディゾルブされます。

Boolean
ディゾルブ フィールド

フィーチャなどディゾルブに使用するフィールド。それぞれのフィールドの値が同じフィーチャがディゾルブされます。

Field
サマリー フィールド

指定されたフィールドに関して計算される統計情報。

  • [個数] - NULL 値でない値の数。 数値フィールドまたは文字列に使用できます。 [null, 0, 2] の個数は 2 です。
  • [合計] - フィールド内の数値の合計。 [null, null, 3] の合計は 3 です。
  • [平均] - 数値の平均。 [0, 2, null] の平均は 1 です。
  • [最小] - 数値フィールドの最小値。 [0, 2, null] の最小は 0 です。
  • [最大] - 数値フィールドの最大値。 [0, 2, null] の最大値は 2 です。
  • [標準偏差] - 数値フィールドの標準偏差。 [1] の標準偏差は null です。 [null, 1,1,1] の標準偏差は null です。
  • [分散] - トラッキング内の数値フィールドの分散。 [1] の分散は null です。 [null, 1, 1, 1] の分散は null です。
  • [範囲] - 数値フィールドの範囲。 これは、最大値から最小値を減算して計算されます。 [0, null, 1] の範囲は 1 です。 [null, 4] の範囲は 0 です。
  • [任意] - 文字列型のフィールドのサンプル文字列。

Value Table
データ ストア
(オプション)

出力が格納される ArcGIS Data Store を指定します。 ビッグ データ ストアに格納されたすべての結果は、WGS84 で保存されます。 リレーショナル データ ストアに格納された結果は、それらの座標系を維持します。

  • ビッグ データ ストア出力がビッグ データ ストアに格納されます。 これがデフォルトです。
  • リレーショナル データ ストア出力がリレーショナル データ ストアに格納されます。
String

派生した出力

ラベル説明データ タイプ
出力

ディゾルブされた出力。

Record Set

arcpy.geoanalytics.DissolveBoundaries(input_layer, output_name, {multipart}, {dissolve_fields}, fields, summary_fields, {data_store})
名前説明データ タイプ
input_layer

ディゾルブするポリゴン フィーチャを含むレイヤー。

Feature Set
output_name

出力フィーチャ サービスの名前。

String
multipart
(オプション)

出力フィーチャクラスでマルチパート フィーチャを作成するかどうかを指定します。

  • MULTI_PARTマルチパート フィーチャが作成されます。
  • SINGLE_PARTマルチパート フィーチャは作成されません。パートごとに個々のフィーチャが作成されます。これがデフォルトです。
Boolean
dissolve_fields
(オプション)

同じフィールド値を持つフィーチャがディゾルブされるかどうかを指定します。

  • NO_DISSOLVE_FIELDS共通の境界を共有する (つまり、隣接する) ポリゴンまたは重複するポリゴンが 1 つのポリゴンにディゾルブされます。 これがデフォルトです。
  • DISSOLVE_FIELDS同じフィールド値を 1 つまたは複数持つポリゴンがディゾルブされます。
Boolean
fields
[fields,...]

フィーチャなどディゾルブに使用するフィールド。それぞれのフィールドの値が同じフィーチャがディゾルブされます。

Field
summary_fields
[summary_fields,...]

指定されたフィールドに関して計算される統計情報。

  • [個数] - NULL 値でない値の数。 数値フィールドまたは文字列に使用できます。 [null, 0, 2] の個数は 2 です。
  • [合計] - フィールド内の数値の合計。 [null, null, 3] の合計は 3 です。
  • [平均] - 数値の平均。 [0, 2, null] の平均は 1 です。
  • [最小] - 数値フィールドの最小値。 [0, 2, null] の最小は 0 です。
  • [最大] - 数値フィールドの最大値。 [0, 2, null] の最大値は 2 です。
  • [標準偏差] - 数値フィールドの標準偏差。 [1] の標準偏差は null です。 [null, 1,1,1] の標準偏差は null です。
  • [分散] - トラッキング内の数値フィールドの分散。 [1] の分散は null です。 [null, 1, 1, 1] の分散は null です。
  • [範囲] - 数値フィールドの範囲。 これは、最大値から最小値を減算して計算されます。 [0, null, 1] の範囲は 1 です。 [null, 4] の範囲は 0 です。
  • [任意] - 文字列型のフィールドのサンプル文字列。

指定されたフィールドに関して計算される統計情報。

  • COUNT - NULL 値でない値の数。 数値フィールドまたは文字列に使用できます。 [null, 0, 2] の個数は 2 です。
  • SUM - フィールド内の数値の合計。 [null, null, 3] の合計は 3 です。
  • MEAN - 数値の平均。 [0,2, null] の平均は 1 です。
  • MIN - 数値フィールドの最小値。 [0, 2, null] の最小は 0 です。
  • MAX - 数値フィールドの最大値。 [0, 2, null] の最大値は 2 です。
  • STDDEV - 数値フィールドの標準偏差。 [1] の標準偏差は null です。 [null, 1,1,1] の標準偏差は null です。
  • VAR - トラッキング内の数値フィールドの分散。 [1] の分散は null です。 [null, 1,1,1] の分散は null です。
  • RANGE - 数値フィールドの範囲。 これは、最大値から最小値を減算して計算されます。 [0, null, 1] の範囲は 1 です。 [null, 4] の範囲は 0 です。
  • ANY - 文字列型のフィールドのサンプル文字列。

Value Table
data_store
(オプション)

出力が格納される ArcGIS Data Store を指定します。 ビッグ データ ストアに格納されたすべての結果は、WGS84 で保存されます。 リレーショナル データ ストアに格納された結果は、それらの座標系を維持します。

  • SPATIOTEMPORAL_DATA_STORE出力がビッグ データ ストアに格納されます。 これがデフォルトです。
  • RELATIONAL_DATA_STORE出力がリレーショナル データ ストアに格納されます。
String

派生した出力

名前説明データ タイプ
output

ディゾルブされた出力。

Record Set

コードのサンプル

DissolveBoundaries (境界のディゾルブ) の例 (スタンドアロン スクリプト)

次のスタンドアロン スクリプトで、この DissolveBoundaries ツールの使用方法を示します。

# Name: Dissolve_County_Boundaries.py
# Description: Dissolve county features based on common state name attributes
# Requirements: ArcGIS GeoAnalytics Server
 
# Import system modules
import arcpy
 
# Set local variables
inputLayer = "https://sampleserver6.arcgisonline.com/arcgis/rest/services/USA_counties/FeatureServer/0"
outputName = "USA_State_Boundaries"
statistics = [["population", "SUM"]]
dataStore = "RELATIONAL_DATA_STORE"
  
# Execute DissolveBoundaries using "STATE" as the Dissolve Field
arcpy.geoanalytics.DissolveBoundaries(inputLayer, outputName, "SINGLE_PART",
                                      "DISSOLVE_FIELDS", "STATE", statistics, dataStore)

環境

特殊なケース

出力座標系

解析で使用される座標系。 このパラメーターで指定されない限り、入力の座標系で解析が行われます。 GeoAnalytics Tools の場合、最終結果は WGS84 のビッグ データ ストアに保存されます。

ライセンス情報

  • Basic: 次のものが必要 ArcGIS GeoAnalytics Server
  • Standard: 次のものが必要 ArcGIS GeoAnalytics Server
  • Advanced: 次のものが必要 ArcGIS GeoAnalytics Server

関連トピック