ピラミッド構築のバッチ処理 (Batch Build Pyramids) (データ管理)

ArcGIS Pro 3.4 | | ヘルプのアーカイブ

サマリー

複数のラスター データセットのピラミッドを構築します。

使用法

  • ピラミッドを構築すると、ラスター データセットの表示パフォーマンスが向上します。

  • ピラミッド構築のバッチ処理は、ピラミッドのない複数のラスター データセットの大きなディレクトリがある場合に便利です。

  • ECW、JPEG2000、MrSID などのウェーブレット圧縮ラスター データセットは、ピラミッド構築の必要がありません。 そのような形式のものには、エンコーディング時に作成される内部ピラミッドが含まれています。

  • 行内または列内のピクセル数が 1,024 未満のラスター データセットに対しては、ピラミッドが構築されません。 ラスター データセットが十分に小さいため、ピラミッドは不要であり、ピラミッドを構築してもパフォーマンスは向上しません。

  • ラスター格納環境を使用して、ピラミッド ファイルの圧縮タイプを選択することができます。 圧縮を選択すると、.ovr ファイルのサイズが小さくなります。 IMAGINE 形式および古いバージョンの ArcGIS では低解像度データセット ファイル (.rrd) が作成されます。この種類のファイルは圧縮できません。

  • デフォルトのピラミッド圧縮では、データ タイプに応じて、最適な圧縮タイプが使用されます。 [LZ77][JPEG]、または圧縮なしを手動で選択することもできます。

パラメーター

ラベル説明データ タイプ
入力ラスター データセット

ラスター ピラミッドを構築する対象となるラスター データセット。

各入力には、それぞれ 1024 を超えるロウとカラムが必要です。

Raster Dataset
ピラミッド レベル
(オプション)

構築する低解像度データセット レイヤーの数。 デフォルト値は -1 で、完全なピラミッドを構築します。 値を 0 にすると、ピラミッド レベルなしになります。

Long
第 1 レベルをスキップ
(オプション)

最初のピラミッド レベルをスキップするかどうかを指定します。 第 1 レベルをスキップすると使用するディスク スペースが若干少なくなりますが、その縮尺でのパフォーマンスも低下します。

  • オフ - 最初のピラミッド レベルはスキップされず、構築されます。 これがデフォルトです。
  • オン - 最初のピラミッド レベルはスキップされ、構築されません。

Boolean
ピラミッド リサンプリング手法
(オプション)

ピラミッドの構築に使用されるリサンプリング手法を指定します。

  • 最近隣内挿法新しいセルの値は、リサンプリング時の最も近いセルの値に基づきます。 これがデフォルトです。
  • 共一次内挿法セルの新しい値は、4 つの最近隣入力セルの中心の重み付けされた距離に基づきます。
  • 三次たたみ込み内挿法セルの新しい値は、16 の最近隣入力セルの中心を通る滑らかなカーブの適合により算出されます。
String
ピラミッドの圧縮タイプ
(オプション)

ピラミッドを構築するときに使用される圧縮タイプを指定します。

  • デフォルトウェーブレット圧縮を使用してソース データを圧縮した場合は、JPEG 圧縮タイプでピラミッドが構築されます。それ以外の場合は、LZ77 が使用されます。 これがデフォルトです。
  • LZ77 圧縮LZ77 圧縮アルゴリズムがピラミッドの構築に使用されます。 LZ77 はすべてのデータ タイプに使用できます。
  • JPEGJPEG 圧縮アルゴリズムを使用してピラミッドが構築されます。 JPEG 圧縮仕様に準拠したデータだけが、この圧縮タイプを使用できます。 JPEG を選択した場合は、圧縮品質を設定できます。
  • なしピラミッドを構築するときに、圧縮を行いません。
String
圧縮品質
(オプション)

[JPEG] 圧縮タイプでピラミッドを構築するときに使用する圧縮品質。 指定する値は、0 ~ 100 の間の値でなければなりません。 100 に近い数は高品質な画像を生成しますが、圧縮比は低くなります。

Long
既存をスキップ
(オプション)

ピラミッドが存在していない場合にのみピラミッドを構築するか、存在している場合でも構築するかを指定します。

  • オフ - すでに存在している場合でも、ピラミッドを構築します。既存のピラミッドは上書きされます。 これがデフォルトです。
  • オン - 存在していないピラミッドだけを構築します。既存のピラミッドはスキップされます。
Boolean

派生した出力

ラベル説明データ タイプ
ピラミッド構築のバッチ処理が成功しました

ツールが正常に実行されたかどうかを返します。

Boolean

arcpy.management.BatchBuildPyramids(Input_Raster_Datasets, {Pyramid_levels}, {Skip_first_level}, {Pyramid_resampling_technique}, {Pyramid_compression_type}, {Compression_quality}, {Skip_Existing})
名前説明データ タイプ
Input_Raster_Datasets
[Input_Raster_Datasets,...]

ラスター ピラミッドを構築する対象となるラスター データセット。

各入力には、それぞれ 1024 を超えるロウとカラムが必要です。

Raster Dataset
Pyramid_levels
(オプション)

構築する低解像度データセット レイヤーの数。 デフォルト値は -1 で、完全なピラミッドを構築します。 値を 0 にすると、ピラミッド レベルなしになります。

Long
Skip_first_level
(オプション)

最初のピラミッド レベルをスキップするかどうかを指定します。 第 1 レベルをスキップすると使用するディスク スペースが若干少なくなりますが、その縮尺でのパフォーマンスも低下します。

  • NONE最初のピラミッド レベルはスキップされず、構築されます。 これがデフォルトです。
  • SKIP_FIRST最初のピラミッド レベルはスキップされ、構築されません。
Boolean
Pyramid_resampling_technique
(オプション)

ピラミッドの構築に使用されるリサンプリング手法を指定します。

  • NEAREST新しいセルの値は、リサンプリング時の最も近いセルの値に基づきます。 これがデフォルトです。
  • BILINEARセルの新しい値は、4 つの最近隣入力セルの中心の重み付けされた距離に基づきます。
  • CUBICセルの新しい値は、16 の最近隣入力セルの中心を通る滑らかなカーブの適合により算出されます。
String
Pyramid_compression_type
(オプション)

ピラミッドを構築するときに使用される圧縮タイプを指定します。

  • DEFAULTウェーブレット圧縮を使用してソース データを圧縮した場合は、JPEG 圧縮タイプでピラミッドが構築されます。それ以外の場合は、LZ77 が使用されます。 これがデフォルトです。
  • LZ77LZ77 圧縮アルゴリズムがピラミッドの構築に使用されます。 LZ77 はすべてのデータ タイプに使用できます。
  • JPEGJPEG 圧縮アルゴリズムを使用してピラミッドが構築されます。 JPEG 圧縮仕様に準拠したデータだけが、この圧縮タイプを使用できます。 JPEG を選択した場合は、圧縮品質を設定できます。
  • NONEピラミッドを構築するときに、圧縮を行いません。
String
Compression_quality
(オプション)

[JPEG] 圧縮タイプでピラミッドを構築するときに使用する圧縮品質。 指定する値は、0 ~ 100 の間の値でなければなりません。 100 に近い数は高品質な画像を生成しますが、圧縮比は低くなります。

Long
Skip_Existing
(オプション)

ピラミッドが存在していない場合にのみピラミッドを構築するか、存在している場合でも構築するかを指定します。

  • OVERWRITEすでに存在している場合でも、ピラミッドを構築します。既存のピラミッドは上書きされます。 これがデフォルトです。
  • SKIP_EXISTING存在していないピラミッドだけを構築します。既存のピラミッドはスキップされます。
Boolean

派生した出力

名前説明データ タイプ
Batch_Build_Pyramids_Succeeded

ツールが正常に実行されたかどうかを返します。

Boolean

コードのサンプル

BatchBuildPyramids (ピラミッド構築のバッチ処理) の例 1 (Python ウィンドウ)

以下は、BatchBuildPyramids 関数を実行する Python サンプルです。

import arcpy
arcpy.BatchBuildPyramids_management(
     "C:/data/img1.tif;C:/data/img2.img", "6", "SKIP_FIRST",
      "BILINEAR", "JPEG", "50", "SKIP_EXISTING")
BatchBuildPyramids (ピラミッド構築のバッチ処理) の例 2 (スタンドアロン スクリプト)

以下は、BatchBuildPyramids 関数を実行する Python スクリプト サンプルです。

#Build Pyramids for multiple raster datasets in the workspace
#Skip the dataset that already has pyramid
#Build pyramids with compression and level setting

import arcpy
arcpy.env.workspace = "C:/Workspace"

    
inras = "image1.tif;image2.img;fgdb.gdb/image3"
pylevels = "6"
skipfirst = "SKIP_FIRST"
resample = "BILINEAR"
compress = "JPEG"
quality = "80"
skipexist = "SKIP_EXISTING"

arcpy.BatchBuildPyramids_management(
     inras, pylevels, skipfirst, resample, compress,
     quality, skipexist)

環境

特殊なケース

ピラミッド

ピラミッド レベル、ピラミッド圧縮、リサンプリング方法は、IMG 形式には適用されません。

ライセンス情報

  • Basic: Yes
  • Standard: Yes
  • Advanced: Yes

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