タイル キャッシュの管理 (Manage Tile Cache) (データ管理)

サマリー

タイル キャッシュを作成するか、既存のタイル キャッシュ内のタイルを更新します。 このツールを使用して、タイルの作成、欠落したタイルの補充、古くなったタイルの上書き、またはタイルの削除ができます。

使用法

  • このツールを使用してタイル キャッシュを作成するとき、[対象地域 (AOI)] パラメーター値が指定されていない場合、キャッシュは、ソース ラスターまたはモザイク データセットの全範囲、またはマップ ファイルの現在の範囲を使用して作成されます。

  • 生成されるキャッシュの範囲が [対象地域] パラメーター値より大きい場合があります。 この場合、ツールは、データをスーパータイルと呼ばれる大きな領域に分割してから、それを指定されたサイズのタイルに分割します。 [入力データ ソース] パラメーター値がアンチエイリアスを使用している場合、スーパータイルは 2,048 x 2,048 ピクセルです。それ以外の場合は 4,096 x 4,096 です。 指定された [対象地域] のフィーチャがスーパータイルの境界と交差する場合、そのスーパータイル全体が作成されます。 つまり、フィーチャクラスに基づくキャッシュを行って時間やディスク容量の節約効果を得るには、拡大表示する必要がある場合があります。 対象地域が複数あり、[入力データ ソース] パラメーター値のほとんどをカバーしている場合、ほとんどのフィーチャがスーパータイルと交差するため、フィーチャクラスに基づくキャッシュの効果はあまり得られない可能性があります。

  • カスタム タイル スキーマ内にキャッシュを作成するには、ソース データセットのタイル スキーマを定義していることを確認してからこのツールを使用します。 [タイル キャッシュのタイル スキーマの生成 (Generate Tile Cache Tiling Scheme)] ツールを使用してタイル スキーマを作成できます。

  • ArcGIS Online タイル スキーマにキャッシュを作成するには、[入力タイル スキーマ] パラメーターに対して [ArcGIS Online スキーマ] を指定します。

  • このツールは、広大な地理的範囲または非常に大きな縮尺をカバーするキャッシュを作成するために、実行に時間がかかることがあります。 ツールがキャンセルされると、タイルの作成は停止しますが、既存のタイルは削除されません。 このため、ツールはいつでもキャンセルでき、後で [管理モード] パラメーターに [空タイルを再作成] を指定して、同じキャッシュに対してツールを再実行すると、キャンセルした場所からツールの実行が継続されます。

  • このツールは、並列処理環境設定をサポートしています。

  • [すぐに利用できる形式] パラメーターがオンの場合、キャッシュのコンテンツは、オープンなタイル パッケージ仕様を使用して生成されます。 キャッシュの形式は Compact V2 ですが、キャッシュ スキーマは XML ではなく JSON で格納されます。 すぐに学べる形式の詳細については、「キャッシュ データセットからのタイル レイヤーの公開」をご参照ください。

パラメーター

ラベル説明データ タイプ
キャッシュの格納先

キャッシュ データセットが作成されるフォルダー、ラスター レイヤー、または既存のタイル キャッシュへのパス。

Folder; Raster Layer
管理モード

キャッシュの管理に使用されるモードを指定します。

  • すべてのタイルを再作成範囲が変化した場合、またはレイヤーがマルチレイヤー キャッシュに追加された場合には、既存のタイルは置き換えられ、新しいタイルが追加されます。
  • 空タイルを再作成空のタイルだけを作成します。 既存のタイルは未変更のままです。
  • タイルの削除タイルはキャッシュから削除されます。 キャッシュ フォルダー構造は削除されません。
String
キャッシュ名
(オプション)

キャッシュの格納先に作成されるキャッシュ データセットの名前。

String
入力データ ソース
(オプション)

ラスター データセット、モザイク データセット、またはマップ ファイル。

[管理モード] パラメーターを [タイルの削除] に設定した場合、このパラメーターは必要がありません。

マップ ファイル (.mapx) には、マップ サービスまたはイメージ サービスを含めることはできません。

Mosaic Layer; Raster Layer; Map
入力タイル スキーマ
(オプション)

使用するタイル スキーマを指定します。

  • ArcGIS Online スキーマデフォルトの ArcGIS Online タイル スキーマが使用されます。
  • スキーマのインポート既存のタイル スキーマがインポートされて使用されます。
  • 標高タイル スキーマ標高サービス タイル スキーマが使用されます。
  • WGS84 バージョン 2 タイル スキーマWGS84 バージョン 2 タイル スキーマが使用されます。
  • WGS84 バージョン 2 標高タイル スキーマ標高データのタイル キャッシュを作成するために WGS84 バージョン 2 タイル スキーマが使用されます。
String
タイル スキーマのインポート
(オプション)

既存のスキーマ ファイル (.xml)、または既存のイメージ サービスかマップ サービスからインポートされたタイル スキーマのパス。

Image Service; Map Server; File
縮尺 [ピクセル サイズ] (推定ディスク使用量)
(オプション)

[管理モード] パラメーターの値に応じてタイルを作成または削除する縮尺レベル。 ピクセル サイズは、タイル スキーマの空間参照に基づきます。

  • デフォルトでは、[最小キャッシュ縮尺][最大キャッシュ縮尺] の値だけが使用されます。
  • [最小キャッシュ縮尺] または [最大キャッシュ縮尺] パラメーターのいずれかの値を変更すると、該当する縮尺レベルのオン/オフが変わります。
  • 縮尺がオンになっていても、[最小キャッシュ縮尺] または [最大キャッシュ縮尺] のパラメーター値の範囲外にある場合、それらの縮尺はキャッシュの生成時に無視されます。
Double
対象エリア
(オプション)

タイルを作成または削除する範囲を制限する対象エリア。

フィーチャクラスを指定するか、対話的に定義するフィーチャを指定できます。

このパラメーターは、不規則な形状のエリアでタイルを管理する場合に便利です。 一部のエリアだけを事前にキャッシュして、表示頻度の低いエリアをキャッシュしない場合にも有効です。

Feature Set
最大ソース セル サイズ
(オプション)

キャッシュが生成されるデータソースの表示設定を定義する値。 デフォルトでは、この値は空です。

値が空の場合は以下が適用されます。

  • キャッシュのレベルがデータ ソースの表示範囲内にある場合、キャッシュはデータ ソースから生成されます。
  • キャッシュのレベルがデータ ソースの表示範囲外にある場合、キャッシュは前のレベルのキャッシュから生成されます。

値が 0 より大きい場合は以下が適用されます。

  • セル サイズがこのパラメーター値以下になるレベルの場合、キャッシュはデータ ソースから生成されます。
  • セル サイズがこのパラメーターを超えるレベルの場合、キャッシュは前のレベルのキャッシュから生成されます。

このパラメーター値の計測単位は、ソース データセットのセル サイズの計測単位と同じである必要があります。

Double
最小キャッシュ縮尺
(オプション)

タイルが作成される最小縮尺。 この値がタイル スキーマ内で最も小さい縮尺とは限りません。 最小キャッシュ縮尺は、キャッシュの生成時に使用する縮尺を決定します。

Double
最大キャッシュ縮尺
(オプション)

タイルが作成される最大縮尺。 タイル スキーマ内で最も大きい縮尺でなくてもかまいません。 最大キャッシュ縮尺は、キャッシュの生成時に使用する縮尺を決定します。

Double
すぐに利用できる形式
(オプション)

キャッシュのコンテンツが、オープンなタイル パッケージ仕様を使用して生成されるかどうか、およびキャッシュ スキーマのファイル形式を指定します。

  • オン - キャッシュのコンテンツは、オープンなタイル パッケージ仕様を使用して生成されます。 タイル パッケージは、オフライン ワークフロー用のタイル パッケージとして ZIP アーカイブにパッケージ化できます。 キャッシュ形式は Compact V2 で、キャッシュ スキーマは JSON 形式で格納されます。
  • オフ - キャッシュ コンテンツは、XML 形式で格納されたスキーマを使用して生成されます。 これがデフォルトです。

Boolean

派生した出力

ラベル説明データ タイプ
キャッシュ名

出力キャッシュの場所に作成されるキャッシュ データセット。

Raster Dataset

arcpy.management.ManageTileCache(in_cache_location, manage_mode, {in_cache_name}, {in_datasource}, {tiling_scheme}, {import_tiling_scheme}, {scales}, {area_of_interest}, {max_cell_size}, {min_cached_scale}, {max_cached_scale}, {ready_to_serve_format})
名前説明データ タイプ
in_cache_location

キャッシュ データセットが作成されるフォルダー、ラスター レイヤー、または既存のタイル キャッシュへのパス。

Folder; Raster Layer
manage_mode

キャッシュの管理に使用されるモードを指定します。

  • RECREATE_ALL_TILES範囲が変化した場合、またはレイヤーがマルチレイヤー キャッシュに追加された場合には、既存のタイルは置き換えられ、新しいタイルが追加されます。
  • RECREATE_EMPTY_TILES空のタイルだけを作成します。 既存のタイルは未変更のままです。
  • DELETE_TILESタイルはキャッシュから削除されます。 キャッシュ フォルダー構造は削除されません。
String
in_cache_name
(オプション)

キャッシュの格納先に作成されるキャッシュ データセットの名前。

String
in_datasource
(オプション)

ラスター データセット、モザイク データセット、またはマップ ファイル。

このパラメーターは、manage_mode パラメーターが DELETE_TILES に設定されている場合は不要です。

マップ ファイル (.mapx) には、マップ サービスまたはイメージ サービスを含めることはできません。

Mosaic Layer; Raster Layer; Map
tiling_scheme
(オプション)

使用するタイル スキーマを指定します。

  • ARCGISONLINE_SCHEMEデフォルトの ArcGIS Online タイル スキーマが使用されます。
  • IMPORT_SCHEME既存のタイル スキーマがインポートされて使用されます。
  • ARCGISONLINE_ELEVATION_SCHEME標高サービス タイル スキーマが使用されます。
  • WGS84_V2_SCHEMEWGS84 バージョン 2 タイル スキーマが使用されます。
  • WGS84_V2_ELEVATION_SCHEME標高データのタイル キャッシュを作成するために WGS84 バージョン 2 タイル スキーマが使用されます。
String
import_tiling_scheme
(オプション)

既存のスキーマ ファイル (.xml)、または既存のイメージ サービスかマップ サービスからインポートされたタイル スキーマのパス。

Image Service; Map Server; File
scales
[scale,...]
(オプション)

manage_mode パラメーターの値に応じてタイルを作成または削除する縮尺レベル。 ピクセル サイズは、タイル スキーマの空間参照に基づきます。

  • デフォルトでは、キャッシュの生成時に min_cached_scalemax_cached_scale の値のみが使用されます。
  • min_cached_scale または max_cached_scale パラメーターのいずれかの値を変更すると、キャッシュの生成時にどの縮尺を使用するかが変更されます。
  • 存在していても min_cached_scale または max_cached_scale パラメーター値の範囲内にない縮尺は、キャッシュの生成時に無視されます。
Double
area_of_interest
(オプション)

タイルを作成または削除する範囲を制限する対象エリア。

フィーチャクラスを指定するか、対話的に定義するフィーチャを指定できます。

このパラメーターは、不規則な形状のエリアでタイルを管理する場合に便利です。 一部のエリアだけを事前にキャッシュして、表示頻度の低いエリアをキャッシュしない場合にも有効です。

Feature Set
max_cell_size
(オプション)

キャッシュが生成されるデータソースの表示設定を定義する値。 デフォルトでは、この値は空です。

値が空の場合は以下が適用されます。

  • キャッシュのレベルがデータ ソースの表示範囲内にある場合、キャッシュはデータ ソースから生成されます。
  • キャッシュのレベルがデータ ソースの表示範囲外にある場合、キャッシュは前のレベルのキャッシュから生成されます。

値が 0 より大きい場合は以下が適用されます。

  • セル サイズがこのパラメーター値以下になるレベルの場合、キャッシュはデータ ソースから生成されます。
  • セル サイズがこのパラメーターを超えるレベルの場合、キャッシュは前のレベルのキャッシュから生成されます。

このパラメーター値の計測単位は、ソース データセットのセル サイズの計測単位と同じである必要があります。

Double
min_cached_scale
(オプション)

タイルが作成される最小縮尺。 この値がタイル スキーマ内で最も小さい縮尺とは限りません。 最小キャッシュ縮尺は、キャッシュの生成時に使用する縮尺を決定します。

Double
max_cached_scale
(オプション)

タイルが作成される最大縮尺。 タイル スキーマ内で最も大きい縮尺でなくてもかまいません。 最大キャッシュ縮尺は、キャッシュの生成時に使用する縮尺を決定します。

Double
ready_to_serve_format
(オプション)

キャッシュのコンテンツが、オープンなタイル パッケージ仕様を使用して生成されるかどうか、およびキャッシュ スキーマのファイル形式を指定します。

  • READY_TO_SERVE_FORMATキャッシュのコンテンツは、オープンなタイル パッケージ仕様 (https://github.com/Esri/tile-package-spec) を使用して生成されます。 タイル パッケージは、オフライン ワークフロー用のタイル パッケージとして ZIP アーカイブにパッケージ化できます。 キャッシュ形式は Compact V2 で、キャッシュ スキーマは JSON 形式で格納されます。
  • NON_READY_TO_SERVE_FORMATキャッシュ コンテンツは、XML 形式で格納されたスキーマを使用して生成されます。 これがデフォルトです。
Boolean

派生した出力

名前説明データ タイプ
out_cache_location

出力キャッシュの場所に作成されるキャッシュ データセット。

Raster Dataset

コードのサンプル

ManageTileCache の例 1 (Python ウィンドウ)

以下は、ManageTileCache 関数を実行する Python サンプルです。

import arcpy
            
arcpy.ManageTileCache_management(
      "C:/CacheDatasets/Manage", "RECREATE_ALL_TILES", "Test",
      "C:/Data/Cache.gdb/Md", "IMPORT_SCHEME", "C:/Data/Cache.gdb/Md",
      "#", "#", "#", "40000", "2000", "NON_READY_TO_SERVE_FORMAT")
ManageTileCache の例 2 (スタンドアロン スクリプト)

以下は、ManageTileCache 関数を実行する Python スクリプト サンプルです。

#Generate tile cache for 3 out of 5 levels defined in tiling scheme

import arcpy

folder = "C:/Workspace/CacheDatasets/Manage"
mode = "RECREATE_ALL_TILES"
cacheName = "Test"
dataSource = "C:/Workspace/Cache.gdb/md"
method = "IMPORT_SCHEME"
tilingScheme = "C:/Workspace/Schemes/Tilingscheme.xml"
scales = "16000;8000;4000;2000;1000"
areaofinterest = "#"
maxcellsize = "#"
mincachedscale = "8000"
maxcachedscale = "2000"
ready_to_serve_format="NON_READY_TO_SERVE_FORMAT"

arcpy.ManageTileCache_management(
       folder, mode, cacheName, dataSource, method, tilingScheme,
       scales, areaofinterest, maxcellsize, mincachedscale, maxcachedscale, ready_to_serve_format)

環境

特殊なケース

並列処理ファクター

並列処理係数値が空 (空白) の場合、このツールは、利用可能なコアの 50 パーセント (1/2) を使用して実行されます。

ライセンス情報

  • Basic: Yes
  • Standard: Yes
  • Advanced: Yes

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