Spatial Analyst のライセンスで利用可能。
Spatial Analyst ツールボックスは、ラスター (セルベース) とフィーチャ (ベクター) データに対応した空間解析とモデリングのツール群を提供します。
Spatial Analyst の機能は、関連機能のカテゴリまたはグループに分類できます。 カテゴリを知ることで、使用すべき特定のツールを識別できるようになります。 このセクションの最後にある表では、利用できるすべてのツールセットと、各ツールの機能の説明についてまとめています。
Spatial Analyst 機能にアクセスするには、いくつかの方法があります。 ジオプロセシングでは、Spatial Analyst ツールボックスの操作は、ツール ダイアログ ボックス、Python (対話型のコマンド ライン インターフェイスまたはスクリプト)、またはモデルから実行できます。 マップ代数演算を使用した従来の操作およびワークフローも Python 環境で実行できます。 また、出力ラスターを生成するシンプルなマップ代数演算の式の入力には、ラスター演算が使用できます。
ほとんどのツールでは、出力がラスターの場合、出力ラスター用に指定した場所と名前に基づいて、作成される形式が決定されます。 ジオデータベースに保存しない場合、TIFF ファイル形式には .tif、CRF ファイル形式には .crf、ERDAS IMAGINE ファイル形式には .img を指定します。Esri Grid ラスター形式には拡張子を指定しません。 詳細については、「出力ラスターの形式および名前」をご参照ください。
Spatial Analyst エクステンションの製品、機能、および解析の実行方法の詳細については、同製品のヘルプをご参照ください。
Spatial Analyst ツールセット
Spatial Analyst の機能的カテゴリを次に示します。
| ツールセット | 説明 |
|---|---|
条件ツールを使用すると、入力値に設定された条件に基づいて、出力値を制御することができます。 適用できる条件には、属性検索とリスト内の条件ステートメントの位置に基づく条件の 2 種類があります。 | |
密度ツールセットには、各出力ラスター セルの近傍内にある入力フィーチャの密度を計算するツールが含まれています。 | |
距離ツールを使用すると、直線距離 (ユークリッド) または加重距離のいずれかを考慮した解析を実行できます。 距離は、シンプル コスト (摩擦) サーフェスによって、または垂直および水平方向の移動制限に対応する方法で、重み付けできます。 | |
抽出ツールでは、セルの属性またはセルの空間的位置関係のいずれかを指定して、セルのサブセットを抽出できます。 また、特定の位置にあるセル値を、ポイント フィーチャクラスの属性またはテーブルとして取得することもできます。 | |
ジェネラライズ解析ツールは、ラスター内の小さいエラー データを除去したり、一般的な解析を行う目的で不要な詳細を取り除いてデータを一般化したりするために使用します。 | |
地下水解析ツールを使用すると、地下水を構成する物質の基本的な移流と分散をモデリングできます。 以下のトピックは、ツールの論理的側面に関する背景情報と、その実装例を説明しています。 地下水解析ツールは、個別または順番に使用して、地下水流をモデリングおよび解析することができます。 | |
水文解析ツールは、サーフェス上の水の流れをモデリングするために使用します。 水文解析ツールは個別または順番に使用して、河川ネットワークを作成したり、集水域を特定したりできます。 | |
[内挿] ツールは、サンプリングしたポイント値から連続 (推定) サーフェスを作成します。 ラスター データセットの連続サーフェス表現は、高さ、濃さ、または大きさなどの計測値 (標高、酸性度、騒音など) を表現します。サーフェス内挿ツールでは、該当する地点で計測が実施済みかどうかを問わず、サンプルの計測結果から出力ラスター データセット内のすべての地点に関して値を予測します。 | |
ローカル ツールは、出力ラスターでの各セルの値が、それぞれのセルの位置にあるすべての入力値の関数となるツールです。 ローカル ツールを使用すると、複数の入力ラスターの各セルの値に基づいて、入力ラスターの結合、統計情報の計算、出力ラスター上の各セルに対する評価を実行できます。 | |
マップ代数演算は、代数演算の式を作成することで空間解析を実行する方法です。 [ラスター演算] ツールを使用すると、ラスター データセットを出力するマップ代数演算の式を作成および実行することができます。 | |
一般的な演算ツールは、数学関数を入力値に適用します。 これらのツールは、いくつかのカテゴリに分類されます。 算術ツールは、加算や乗算などの基本的な数学演算を実行します。 また、基本的な乗数演算に加えて、指数や対数など、さまざまな種類の指数演算を実行するツールがあります。 他には、符号変換や、整数と浮動小数点のデータ タイプ間の変換に使用するツールがあります。 | |
ビット演算ツールは、入力値のバイナリ表現を算出します。 | |
論理演算ツールは、入力値を評価し、ブール型ロジックに基づいて出力値を決定します。 ツールは次の 4 つの主なカテゴリに分類されています。ブール、結合、論理、関係です。 | |
三角関数演算ツールは、入力ラスターの値に対して各種の三角関数計算を実行します。 | |
多次元解析ツールセット内のツールを使用して、科学的ラスター データに対して、複数の変数およびディメンションにわたって解析を実行できます。 | |
多変量統計解析ツールでは、多種多様な属性間の関係を細かく調べることができます。 分類 (教師付き分類と教師なし分類) と主成分分析 (PCA) の 2 種類の多変量解析を利用することができます。 | |
近傍解析ツールでは、指定されている近傍内での特定の位置と値に基づいて、セル位置ごとの出力値を作成できます。 近傍タイプは、移動と検索範囲のどちらかです。 | |
オーバーレイ解析ツールを使用すると、複数の入力にウェイト (重み) を適用し、それらを 1 つの出力値として結合して、指定されている分布や形状に従って、その結果内で優先される場所を識別できます。これらのツールは、一般的に適合性モデリングに使用されます。 | |
[ラスター作成] ツールでは、定数や統計的分布に基づいた出力値を持つ、新しいラスターを作成できます。 | |
再分類ツールは、さまざまな方法を使用して、入力セルの値を再分類したり代替値に変更したりできます。 | |
セグメンテーションと分類 ツールを使用すると、分類されたラスター データセットの作成時に使用するセグメント ラスターを準備することができます。 | |
日射量解析ツールを使用すると、指定期間の地理的エリアにおける太陽の影響をマッピングしたり解析したりできます。 | |
サーフェス ツールを使用すると、デジタル標高モデルで表現されているテレインの地形を数量化し、視覚化することができます。 | |
ゾーン ツールを使用すると、各入力ゾーンに属するすべてのセルに対して計算を実行して、結果を出力する解析を実行できます。 ゾーンは、特定の値からなる単一のエリアと定義できますが、これは同じ値を持つ隣接していない複数のエレメントやリージョンから構成される場合もあります。 ゾーンはラスター データまたはフィーチャ データによって定義できます。 ラスターは整数タイプ、フィーチャでは整数または文字列の属性フィールドを使用する必要があります。 |