コリドーの作成

ArcGIS Pro 3.4 | | ヘルプのアーカイブ

Spatial Analyst のライセンスで利用可能。

コリドーとは

[コリドー (Corridor)] ツールは、セル位置ごとに、2 つの入力累積コスト ラスターに対してコスト距離 (累積コスト) の合計値が計算されるラスターを返します。 2 つのラスター コストの合計は、セル位置ごとに、あるソースからそのセル位置を通過する別のソースまでの最小コスト パスを特定します。

[コリドー (Corridor)] ツールは、最小コスト パスを持つ出力ラスターだけを返す [コスト パス (Cost Path)] ツールに関連しています。

最小コスト コリドーを見つける理由

[コスト パス (Cost Path)] ツールの代わりに [コリドー (Corridor)] ツールを使用して、保全計画でシカ生息地の 2 つのパッチを接続し、単一パスをバッファー処理する代わりにシカの最適コリドーを保護できます。

コリドーの作成

コリドーを作成するには、コスト距離ツール ([コスト距離 (Cost Distance)][パスの距離 (Path Distance)] など) をソース (または一連のソース) ごとに 1 つ使用して、2 つのコスト累積ラスターを作成する必要があります。 以下の図は、例示する目的で、単一のセル位置から作成されるコスト サーフェスを示しています。 この手順は実際に、入力ラスターのセル位置ごとに発生します。

入力コスト パス
コリドーの例 - コスト サーフェスの作成

[コリドー (Corridor)] ツールは、2 つの累積コスト サーフェスの合計値を計算します。

合算された最小コスト パス ラスター
コリドーの例 - 合算された累積コスト サーフェス

出力ラスターは 2 つのソース間の 1 つの最小コスト パスを特定するわけではなく、ソース間の累積コストの範囲を特定します。 つまり、ソース 1 に到達するための最小累積コストと、ソース 2 に到達するまでの最小累積コストの和は、セルを通過するパスの合計累積コストに等しいということです。 パスがソース 1 からソース 2 までセルを通過する場合は、最小累積コストになります。

最大累積距離 (または閾値) よりも小さい値を持つすべてのセルがコリドー ラスターから選択されている場合、生成される出力ラスターは、指定されたコストを超えない帯状のセル (またはセルのコリドー) に対応します。 生成される閾値出力は、最小コスト パス (単独のライン) ではなく、セルの最小コスト コリドーとして表示できます。

最小コスト コリドー
コリドーの例 - 生成される出力の閾値

代替方法

コリドーを指定した閾値に制限するもう 1 つの方法は、条件付き手順を利用することです。 さまざまなツールを使用してこれを実装する例を以下に示します。

  • [Con] ツール (条件ツールセットの) を次の設定で使用します。

    [入力条件付きラスター]: accum_cor

    [式]: "Value < 100"

    [条件式が TRUE のときの入力ラスター、または定数値] : 100

    [条件式が FALSE のときの入力ラスター、または定数値] : 0

    [出力ラスター] : corr_thresh

  • [属性で抽出 (Extract By Attributes)] ツール (抽出ツールセットの) を次の設定で使用します。

    [入力ラスター] : accum_cor

    [WHERE 句] : "Value < 100"

    [出力ラスター] : corr_thresh

  • [Test] ツール (算術演算 > 論理演算ツールセットの) を次の設定で使用します。

    [入力ラスター] : accum_cor

    [WHERE 句] : "Value < 100"

    [出力ラスター] : corr_thresh

複数のソースをコスト距離ツールに入力して、[コリドー (Corridor)] ツールへの入力累積コスト ラスターを作成した場合、ソース間の累積コスト値および指定された閾値によって、複数のコリドーが作成されることがあります (各ソースに 1 つ)。

関連トピック