Spatial Analyst のライセンスで利用可能。
3D Analyst のライセンスで利用可能。
[曲率 (Curvature)] ツールは、入力サーフェスの二次導関数値をセルごとに計算します。
注意:
[曲率 (Curvature)] ツールは平面を 9 個のローカル セルに収めますが、平面は地形の記述子としてあまり役に立たず、対象の自然変動がマスクされたり、強調されたりすることがあります。 [サーフェス パラメーター (Surface Parameters)] ツールは、サーフェスを平面ではなくセルの近傍に収めるため、地形をより自然に適合させることができます。
[曲率 (Curvature)] ツールは、常に 3 x 3 のセル ウィンドウを使用して値を計算するのに対し、[サーフェス パラメーター (Surface Parameters)] ツールは 3 x 3 から 15 x 15 のセルまでのウィンドウ サイズを使用できます。 高解像度の標高データには、大きいウィンドウ サイズが便利です。これにより、地表面の処理を適切な縮尺で捉えられるようになります。 [サーフェス パラメーター (Surface Parameters)] ツールにはアダプティブ ウィンドウ オプションもあります。このオプションは地形のローカル変動を評価し、セルごとに最大の適切な近傍サイズを特定します。 これは、河川、道路、傾斜の急変によって途切れる、緩やかな同種の地形において便利です。
[サーフェス パラメーター (Surface Parameters)] ツールには 3 つの曲率タイプがあり、更新された式を使用するとともに、[曲率 (Curvature)] ツールから異なる結果を生成します。
セルごとに、次の四次多項式
Z = Ax²y² + Bx²y + Cxy² + Dx² + Ey² + Fxy + Gx + Hy + I
が 3 x 3 の枠で構成されるサーフェスに適用されます。 係数の A、B、C などは、このサーフェスから計算されます。図に示した、番号の付いた各セルの 9 個の標高値と係数との関係は次のとおりです。
A = [(Z1 + Z3 + Z7 + Z9) / 4 - (Z2 + Z4 + Z6 + Z8) / 2 + Z5] / L4 B = [(Z1 + Z3 - Z7 - Z9) /4 - (Z2 - Z8) /2] / L3 C = [(-Z1 + Z3 - Z7 + Z9) /4 + (Z4 - Z6)] /2] / L3 D = [(Z4 + Z6) /2 - Z5] / L2 E = [(Z2 + Z8) /2 - Z5] / L2 F = (-Z1 + Z3 + Z7 - Z9) / 4L2 G = (-Z4 + Z6) / 2L H = (Z2 - Z8) / 2L I = Z5
[曲率 (Curvature)] ツールの出力は、サーフェスの二次導関数の合計です。
標準曲率 = -100 * ([d2z/dx2] + [d2z/dy2])
曲率は、サーフェスの二次導関数、または「傾斜角の傾斜角」のように曖昧に説明されることがあります。 この用語は、断面曲率のことを指しています。
断面曲率 = -2(D + E) * 100
応用的視点からは、ツールの出力を使用して、集水域の物理的特徴を説明し、侵食プロセスや流出プロセスの把握に役立てることができます。 傾斜角は、下り斜面の全体的な移動率に影響を与えます。 傾斜方向は、流れの方向を定義します。 断面曲率は、侵食や沈殿につながる流れの加速と減速に影響を与えます。 平面曲率は、流れの収束と分岐に影響を与えます。
曲率 (Curvature) ツールの結果の解釈
ラスターのコンターを表示すると、このツールを実行して作成されたデータの理解と解釈に役立つことがあります。 以下に、ツールの指定と使用する設定を含め、プロセスの例を示します。
- [曲率 (Curvature)] ツールを使用して、サーフェス ラスターから曲率ラスターを作成します。
[入力ラスター]: elev_ras
[出力曲率ラスター]: curv_ras
[Z 係数]: 1
[出力断面曲率ラスター]: profile_ras
[出力平面曲率ラスター]: plan_ras
- [コンター (Contour)] ツールを使用して、サーフェス ラスターのコンターを作成します。
[入力ラスター]: elev_ras
[出力ポリライン フィーチャ]: cont_lines
[コンター間隔]: 100
[ベース コンター]: ""
[Z 係数]: 1
- [傾斜角 (Slope)] ツールを使用して、サーフェス ラスターから傾斜角ラスターを作成します。
[入力ラスター]: elev_ras
[出力ラスター]: slope_ras
[出力単位]: DEGREE
[Z 係数]: 1
- 次に、[コンター (Contour)] ツールを使用して、傾斜角ラスターのコンターを作成します。
[入力ラスター]: slope_ras
[出力ポリライン フィーチャ]: cont_slope
[コンター間隔]: 5
[ベース コンター]: ""
[Z 係数]: 1
マップ表示に曲率ラスターをレイヤーとして追加します。 作成した 2 つのコンター フィーチャ データセットを重ね合わせて、それぞれに異なる色シンボル表示を適用します。
サーフェス パラメーター (Surface Parameter) ツールを使用すべきか
[入力ラスター] パラメーターの値が高解像度でセル サイズが数メートル未満の場合や、特にノイズが多い場合は、このツールの直接 3 × 3 近傍ではなく、[サーフェス パラメーター (Surface Parameters)] ツールとそのユーザー定義の近傍距離オプションを使用することを検討してください。 より大きな近傍を使用することで、ノイズの多いサーフェスの影響を最小限に抑えることができます。 また、高解像度のサーフェスを使用する場合は、より大きな近隣を使用することで、地形やサーフェスの特性をより上手く表現することができます。
参考文献
Moore, I. D., R. B. Grayson, and A. R. Landson. 1991. Digital Terrain Modelling: A Review of Hydrological, Geomorphological, and Biological Applications. Hydrological Processes 5: 3–30.
Zeverbergen, L. W., and C. R. Thorne. 1987. Quantitative Analysis of Land Surface Topography. Earth Surface Processes and Landforms 12: 47–56.