方向トレンド (Directional Trend) (空間統計)

サマリー

特定の方向へのデータ値のトレンドを表示する散布図チャートをフィーチャ レイヤー上に作成します。

方向トレンド ツールの図
データ値の北東方向のリニア トレンドの散布図が表示されます。

使用法

  • 出力は、入力フィーチャに追加される散布図チャートです。 入力はポイント フィーチャまたはポリゴン フィーチャでなければなりません。 ポリゴンの場合、ポリゴンの重心を使用してチャートが作成されます。 少なくとも 7 個のフィーチャが必要です。 このツールによって入力フィーチャに変更が加えられることはありません。

  • このツールにはアクティブなマップが必要です。 つまり、スタンドアロン Python スクリプトでこのツールを使用することはできません。 アクティブなマップがない場合、エラーが返されます。 アクティブなマップのフィーチャ レイヤーが入力フィーチャである場合、そのフィーチャ レイヤーにチャートが追加されます。 その他の場合は、派生した出力フィーチャ レイヤーが、チャートが含まれているアクティブなマップに追加されます。

  • このツールの適用例を次に示します。

    • 米国南側国境から北に移動するにしたがって移民に対する感情がどのように変化するかを調べる。
    • 海岸線から離れるにしたがって降水量がどのように変化するかを調べる。
    • 地球統計学的内挿 (クリギング) を実行する際に、このツールを使用して、データ値にトレンドがあるかどうかや、トレンド除去を実行する際に使用すべき多項式の次数を調べることができます。

  • トレンドの方向は北から時計回りの度数として提供されます。 たとえば、0 は北、90 は東、180 は南、270 は西に相当します。 方向は、一般に、真の基本方位と一致していません。 たとえば、0 はフィーチャの座標系の y 座標の方向と一致しており、これは一般的には真北ではありません。

  • このツールは、多項式の各次数 (1 ~ 6) の R2 値と AIC 値を示すメッセージを返します。 トレンドの方向を指定した場合、多項式トレンドの次数ごとにその方向での値が計算されます。 最も強いトレンドの方向を調べる場合、多項式の次数ごとに最も強いトレンドの方向が計算され、これは一般に、次数によって異なります。 このメッセージから、使用する多項式の次数を決定し、適切な多項式の次数を使用してこのツールを再実行することも、チャートの [チャート プロパティ] ウィンドウで多項式の次数を変更することもできます。

  • このツールでは 6 次多項式まで使用できますが、3 より大きい次数の使用が適切であることは稀です。

  • 最も強いトレンドの方向を調べる際には、そのトレンドの方向と多項式トレンドの次数の R2 値が最大となる方向が計算されます。 最も強いトレンドの方向は 0 ~ 179 の整数になります。 これは、方向に 180 度を加算すると x 軸が反転するだけで、R2 値は同じになることが理由です。

  • 入力フィーチャに選択セットがある場合、最も強いトレンドの方向と関連メッセージは選択されているフィーチャからのみ計算されます。 ただし、チャートは、選択されているフィーチャだけでなく、フィーチャ レイヤー全体について作成されます。 選択されているフィーチャだけをチャートに表示するには、[チャート] ウィンドウの [選択セットによるフィルター] ボタンをクリックします。

  • 複数の方向のトレンドを探索するには、バッチ ジオプロセシングを使用して、異なる方向で複数のチャートを作成します。

  • 散布図の x 軸は、トレンドの方向に座標系を回転させて、回転した座標系でフィーチャの x 座標を特定することによって作成されます。 x 軸の値は、0 で始まるように縮尺が変更され、回転した x 軸方向の距離として解釈できます。

    座標系の回転

    座標系の回転は、フィーチャの x 座標と y 座標の座標変換 x*cos(direction) + y*sin(direction) を使用して実行されます。 座標変換を適用する前に、東から反時計回りのラジアンに方向が変換されます。

  • アクティブなマップのフィーチャ レイヤーが入力フィーチャである場合、そのフィーチャ レイヤーに方向トレンド チャートが追加されます。 ディスク上のフィーチャクラスが入力である場合、チャートが含まれているアクティブなマップにフィーチャのレイヤーが追加されます。

パラメーター

ラベル説明データ タイプ
入力フィーチャ

方向トレンドの計算に使用される入力フィーチャ レイヤー。 入力はポイント フィーチャまたはポリゴン フィーチャでなければなりません。 ポリゴンの場合、ポリゴンの重心を使用してチャートが作成されます。

Feature Layer
分析フィールド

方向トレンドの計算に使用される入力フィーチャ レイヤーの数値フィールド。

Field
トレンドの方向
(オプション)

トレンドの方向。 北から時計回りの度数で値を指定します。 たとえば、0 は北、90 は東、180 は南、270 は西に相当します。 値は 0 ~ 360 の間でなければなりません。 デフォルトは 0 です。 最も強いトレンドの方向を計算する場合、このパラメーターは適用されません。

方向は、一般に、真の基本方位と一致していません。 たとえば、0 はフィーチャの y 座標の方向と一致しており、これは真北でない場合があります。

Double
最も強いトレンドの方向を計算
(オプション)

最も強いトレンドの方向をこのツールで計算するかどうかを指定します。 最も強いトレンドの方向は、指定した多項式の次数の R2 値が最大となる方向を計算することによって求められます。 このパラメーターをオンにした場合、0 ~ 179 の整数に値が丸められます。

  • オン - 最も強いトレンドの方向がこのツールによって計算されます。
  • オフ - [トレンドの方向] パラメーターで指定した値がトレンドの方向になります。 これがデフォルトです。

Boolean
多項式トレンドの次数
(オプション)

データ値に適合させる多項式の次数を指定します。

  • 11 次多項式が使用されます。
  • 22 次多項式が使用されます。
  • 33 次多項式が使用されます。
  • 44 次多項式が使用されます。
  • 55 次多項式が使用されます。
  • 66 次多項式が使用されます。
Long

派生した出力

ラベル説明データ タイプ
チャートを含む更新された入力フィーチャ

方向トレンド チャートを含むフィーチャ レイヤー。 アクティブなマップのフィーチャ レイヤーが入力フィーチャである場合、この値は空になります。

Feature Layer

arcpy.stats.DirectionalTrend(in_features, analysis_field, {direction}, {determine_direction}, {order})
名前説明データ タイプ
in_features

方向トレンドの計算に使用される入力フィーチャ レイヤー。 入力はポイント フィーチャまたはポリゴン フィーチャでなければなりません。 ポリゴンの場合、ポリゴンの重心を使用してチャートが作成されます。

Feature Layer
analysis_field

方向トレンドの計算に使用される入力フィーチャ レイヤーの数値フィールド。

Field
direction
(オプション)

トレンドの方向。 北から時計回りの度数で値を指定します。 たとえば、0 は北、90 は東、180 は南、270 は西に相当します。 値は 0 ~ 360 の間でなければなりません。 デフォルトは 0 です。 最も強いトレンドの方向を計算する場合、このパラメーターは適用されません。

方向は、一般に、真の基本方位と一致していません。 たとえば、0 はフィーチャの y 座標の方向と一致しており、これは真北でない場合があります。

Double
determine_direction
(オプション)

最も強いトレンドの方向をこのツールで計算するかどうかを指定します。 最も強いトレンドの方向は、指定した多項式の次数の R2 値が最大となる方向を計算することによって求められます。 DETERMINE_DIRECTION を指定した場合、値は整数に丸められます。

  • DETERMINE_DIRECTION最も強いトレンドの方向がこのツールによって計算されます。
  • NO_DETERMINE_DIRECTIONdirection パラメーターの値がトレンドの方向になります。 これがデフォルトです。
Boolean
order
(オプション)

データ値に適合させる多項式の次数を指定します。

  • 11 次多項式が使用されます。
  • 22 次多項式が使用されます。
  • 33 次多項式が使用されます。
  • 44 次多項式が使用されます。
  • 55 次多項式が使用されます。
  • 66 次多項式が使用されます。
Long

派生した出力

名前説明データ タイプ
updated_in_features

方向トレンド チャートを含むフィーチャ レイヤー。 アクティブなマップのフィーチャ レイヤーが入力フィーチャである場合、この値は空になります。

Feature Layer

コードのサンプル

DirectionalTrend の例 1 (Python ウィンドウ)

次の Python スクリプトは、DirectionalTrend 関数の使用方法を示しています。

import arcpy
# Create chart of trend of data values in northeast direction.
arcpy.stats.DirectionalTrend(
    in_features="myFeatureLayer",
    analysis_field="myField",
    direction=45,
    determine_direction="NO_DETERMINE_DIRECTION",
    order=2
)

環境

このツールは、ジオプロセシング環境を使用しません。

ライセンス情報

  • Basic: Yes
  • Standard: Yes
  • Advanced: Yes

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