ベンチマーク比較のワークフローでは、選択する変数とサイト属性を使用して、商圏などの場所を比較できます。 マップ上でフィーチャを比較するには、比較プロパティを指定します。
- 入力フィーチャ間の比較に関する変数 (人口など) とサイト属性 (売場面積など)
- 平均値や中央値などの統計情報
- 比較方法
- 解析に含める隣接区画
比較は、色分けされたポリゴンでマップに表示されるほか、ウィンドウの下部にある [結果] ウィンドウにも表示されます。
適用例
ベンチマーク比較のワークフローの適用例を次に示します。
アプリケーション | 説明 | 使用されるデータの例 |
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サイトのパフォーマンスの解析 | ある食料品店チェーンは、最近、ある地域で 5 つの店舗を追加することによって事業を拡大しました。 1 年後、それらの店舗のうちの 1 つの業績が他の店舗に比べてかなり悪くなっています。 データ アナリストは、その原因を明らかにしたいと思っています。 データ アナリストは、次のような質問をします。その店舗を業績の最も良い店舗と統計的に比較するとどうでしょうか。 すべての店舗は、人口統計条件の点で比較的同等でしょうか。 その業績不振の店舗は、市場全体の統計的平均からどれくらい離れていますか。 |
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緊急対応リソースの割り当て | 州レベルの支援組織は、自然災害時に最も支援を必要とする郡をよく理解したいと思っています。 組織は、多数の子供と高齢者を示す変数を使用して、州のすべての郡のベンチマークの比較を実行します。 これらの人口統計を理解すると、脆弱な人々のいる地域への支援を組織が優先的に行うのに役立ちます。 |
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ベンチマーク比較のワークフローの実行
ベンチマークの比較を実行するには、マップ上に比較対象の場所が存在する必要があります。 たとえば、ポイントの周囲にリングを生成すること、運転時間エリアや徒歩時間エリアを作成すること、区画の境界を描画することが可能です。 これらの場所がプロジェクトでレイヤーに保存されると、次の手順に従い、ベンチマーク比較のワークフローを使用してこれらの場所を比較できます。
- [解析] タブで、[ビジネス解析] をクリックしてギャラリーを開き、[ベンチマークの比較]
をクリックします。
[ベンチマークの比較プロパティ] ウィンドウが表示されます。
- [入力フィーチャ] ドロップダウン リストを使用して、比較対象の場所を含むレイヤーを選択します。
- [名前フィールド] ドロップダウン リストを使用して、比較場所の名前を選択します。
場所のレイヤーから、比較場所を最適に特定するフィールドを選択します。 たとえば、施設や小売店の名前を含むフィールドを選択できます。
- [サイト] タブ
の [変数] で、[追加]
をクリックしてデータ ブラウザーを開き、比較に使用する変数を追加して、[OK] をクリックします。 必要に応じて、[リストの保存] をクリックして、選択した変数を将来使用するために名前を付けて保存します。
データ ブラウザーで、カスタム データ、保存された変数リスト、お気に入りとして保存したデータから、カテゴリ別にデータを検索および参照できます。 ワークフローが実行されると、選択した変数を使用して入力フィーチャに情報が付加されます。
- 必要に応じて、[サイト属性] フィールドのチェックボックスを使用して、比較に含めるサイト固有の属性 (ポリゴンの面積や他の数値データなど) を選択します。
注意:
サイト属性は、数値フィールドとテキスト フィールドの両方を含むことができます。 サイトの比較とベンチマークの設定には、数値フィールドだけが使用されます。
- [比較方法] タブ
で、以下のパラメーターを設定します。
- [統計] セクションで、チェックボックスを使用して、[平均]、[中央値]、[標準偏差] などの統計指標を有効にします。 平均値と中央値は、[ベンチマークの上下] による比較方法のベンチマーク値として使用できます。
- [方法] セクションで、ドロップダウン メニューを使用して、比較方法を選択します。 詳細については、以降のセクション「比較方法」をご参照ください。
- [スタイル] セクションで、シンボル設定を調整します。 詳細については、以降のセクション「スタイル オプション」をご参照ください。
- [隣接区画] セクションを展開し、レイヤー内の場所とともに含める追加の比較区画 (場所を含む州など) を選択します。 [フィルター] メニュー
を使用して、隣接区画を含むか除外するか、使用するサイトを絞り込みます。
入力フィーチャの重心と交差する標準区画ポリゴンが [結果] ウィンドウに含まれ、選択した変数で情報が付加されます。
- [適用] をクリックします。
比較は変更できないようロックされている入力フィーチャで実行されます。 結果は以下の場所に表示されます。
位置 説明 [コンテンツ] ウィンドウ
- プロジェクトにレイヤーが作成されます。これは、名前に _ComparisonsLayer が付加された境界レイヤーのコピーです。 新しいレイヤーの区画には追加した変数が含まれており、それらは属性テーブルに表示されます。
- 結果は比較レイヤーの下にリストされます。 [コンテンツ] ウィンドウで比較レイヤーの下にある結果を右クリックし、[開く]
をクリックして、結果を開くことができます。
マップ上
選択した比較方法とスタイル オプションに従ってシンボル設定された比較レイヤーがマップ上に表示されます。
[結果] ウィンドウ
[結果] ウィンドウに、結果のサマリー、ヒストグラム、散布図、テーブル ビューが表示されます。
注意:
[リセット] をクリックすると、前回 [適用] ボタンをクリックした後に行われたすべてのパラメーター変更が破棄されます。比較方法
[方法] ドロップダウン メニューでは、解析の値の色分けやグループ化するオプションを提供します。 以下に、比較方法について説明します。
比較方法 | 説明 |
---|---|
高から低 | このオプションでは、選択した変数または属性の、最高値から最低値までの値の範囲を表示します。 |
上下 | このオプションでは、上位ランクの値と下位ランクの値をハイライト表示します。 [ランク] または [パーセンタイル] を使用でき、[上位] および [下位] の値を定義できます。 |
ベンチマークの上下 | このオプションでは、各フィーチャの値が選択した変数のベンチマークの上にあるか下にあるかを示します。 ベンチマークを選択し、差分タイプを [パーセンテージ] か [生の値] として設定します。 |
スタイル オプション
解析で選択した比較方法に応じたスタイル オプションを使用できます。 これらのオプションは、マップ上のポリゴンと [結果] ウィンドウのインジケーターの両方に、対応するシンボルの変更を適用します。 シンボルを調整するには、以下のいずれかのオプションを使用します。
- [配色] - 結果を表示するグラデーションを選択します。 このオプションは、[高から低] および [ベンチマークの上下] 方法で使用できます。
- [上位][下位]の色 - 結果の最高値と最低値の表示に使用する色を選択します。 このオプションは、[上下] 方法で使用できます。
- [上位][下位]の数 - 区画で表示する最高数と最低数を選択します。 このオプションは、[上下] 方法で使用できます。
- [アウトライン] - ポリゴンのアウトラインの色と幅を選択します。
- [マップ変数] - マップに表示する変数を選択します。
結果についての調査
ベンチマーク比較の結果が、[結果] ウィンドウに表示されます。 このウィンドウで使用できる計算方法の詳細については、「結果ウィンドウの参照」をご参照ください。
注意:
[プロパティ] をクリックして、[結果] ウィンドウ テーブルからベンチマーク比較ワークフロー ウィンドウを再度開くことができます。
次のいずれかを実行して、[結果] ウィンドウを探索します。
- [サマリー]
をクリックし、結果のサマリーを表示します。
マッピングした変数の数とタイプによって、サマリーには、エリアの数とデータ分布の記述統計が含まれます。 マップまたはテーブルでフィーチャを選択すると、[統計] カードが更新され、選択したフィーチャとデータセット全体の記述統計が表示されます。 [結果設定]
をクリックして、サマリーに使用される変数を変更します。
- [ヒストグラム]
をクリックして、結果をヒストグラムに表示します。 ヒストグラムを探索するには、以下のいずれかを行います。
- ヒストグラムでアイテムを選択することで、マップ上で場所を選択します。 [操作モードの選択]
をクリックして、選択に使用する形状 (四角形、ポリゴン、なげなわによる形状) を選択します。
- [結果設定]
をクリックします。 ヒストグラム設定を変更するには、以下のいずれかを行います。
- 複数の変数を含むマップでは、[フィールド] ドロップダウン リストを使用してヒストグラムに表示する変数または計測値を選択します。
- [サブセット選択モード] メニューのオプションを使用して、ヒストグラム内でサブセットを選択する方法を変更します。
- [パーセンテージ] - 指定した上位および下位のパーセント値でラインを設定します。 たとえば、このオプションを上位 10 パーセントと下位 10 パーセントに設定できます。これは、10 番目および 90 番目のパーセンタイルと同じです。
- [標準偏差] - 指定した標準偏差でラインを設定します。 たとえば、このオプションを平均より 1 標準偏差上と、平均より 1 標準偏差下に設定できます。
- [外れ値] - 四分位範囲 (IQR) の 1.5 倍を表す値にラインを設定します。 たとえば、Q3 の値が 10 で、Q1 の値が 4 の場合、IQR は 6 です。 ラインは、Q1 より 9 下、Q3 より 9 上に設定されます。 これらのラインの外側にある値はいずれも、その値が外れ値であることを示します。
- [ビン] セクションで、[色] メニューと [数] メニューを使用して、ヒストグラム内のデータ グループの色と数を定義します。
- 次のオプションを使用して、マップ上でフィーチャのサブセットを選択します。
- [下位サブセットの選択]
- 下位サブセットのフィーチャが選択されます。
- [上位サブセットの選択]
- 上位サブセットのフィーチャが選択されます。
- [外部サブセットの選択]
- 下位サブセットと上位サブセットの両方のフィーチャが選択されます。
- [中間サブセットの選択]
- 下位サブセットと上位サブセットの中間にあるフィーチャが選択されます。
- [下位サブセットの選択]
- ヒストグラムでアイテムを選択することで、マップ上で場所を選択します。 [操作モードの選択]
- [散布図]
をクリックすると、結果が散布図で表示されます。 散布図を調査するには、以下のいずれかを行います。
- 散布図でアイテムを選択することで、マップ上で場所を選択します。 [操作モードの選択]
をクリックして、選択に使用する形状 (四角形、ポリゴン、なげなわによる形状) を選択します。
- [ズーム モード]
をクリックして散布図を拡大または縮小します。 [ナビゲーションのリセット]
をクリックすると、デフォルトの散布図ビューに戻ります。
- [結果設定] ボタン
をクリックして、次のいずれかを実行します。
- [バブル チャート] または [散布図] をクリックして、チャートのスタイルを切り替えます。
- [X 軸]、[Y 軸]、[ドット サイズ] ドロップダウン リストを使用し、チャートで使用する変数を選択します。
- [回帰直線を表示] 切り替えボタンをクリックして、回帰直線のオン/オフを切り替えます。
- 散布図でアイテムを選択することで、マップ上で場所を選択します。 [操作モードの選択]
- [テーブル]
をクリックして、結果をテーブルで表示します。 テーブルを探索するには、以下のいずれかを行います。
- テーブル内のアイテムをクリックすると、マップの対応するエリアがハイライト表示されます。 [選択の解除] をクリックしてハイライトを削除します。
- 各フィーチャの変数値および計測値と、フィーチャの比較インジケーターを表示します。
- [高から低] 方法の場合、インジケーターが各変数および計測値に対する各フィーチャのランクを示します。
- [上下] 方法の場合、インジケーターが上位および下位のフィーチャのランクを示します。 たとえば、[65/66] はフィーチャが指定されている変数の最後から 2 番目のフィーチャであることを示します。
- [ベンチマークの上下] 方法の場合、インジケーターはベンチマーク値からの差分と、差異の度合いを示します。
- [テーブルの入れ替え]
をクリックして、テーブルの列と行を入れ替えます。
- [Excel にエクスポート]
をクリックすると、データを適合性解析から Excel ワークシートにエクスポートできます。