ポータルプロジェクトの保存の失敗の解決—ArcGIS Pro

ポータルプロジェクトを保存したときにプロジェクトのローカルコピーのアイテムがポータルに正常にアップロードされなかったり、ポータルのアイテムがローカルコピーに正常にダウンロードされないことがあります。これらの失敗は、ポータルへの接続が突然失われたか、停電や、他の詳細不明の問題が原因である可能性があります。

次のような問題が発生する可能性があります。

変更内容がポータルにアップロードされたが、ポータルからは正常にダウンロードされない。これを解決するには、更新を取得します。
変更内容がポータルにアップロードされてポータルからダウンロードされたが、ダウンロードされた変更内容がプロジェクトのローカルコピーと正常にマージされない。これを解決するには、プロジェクトのローカルコピーを削除してからプロジェクトを再び開きます。 ArcGIS Pro では、このプロセスが自動的に管理されます。
変更内容がポータルに正常にアップロードされない。この場合、ポータルプロジェクトが不安定な状態である可能性があります。これを解決するには、ポータルプロジェクトをプロジェクトのローカルコピーによって上書きします。
プロジェクトの保存中や競合の解決中に ArcGIS Pro が予期せずシャットダウンする。これを解決するには、ポータルプロジェクトをプロジェクトのローカルコピーによって上書きします。

これらの失敗は、解決する競合がないか、競合を解決した後で発生する可能性があります。

ポータル更新のダウンロードの失敗の解決

プロジェクトのローカルコピーに対する変更内容がポータルに保存された後、共同作業者によるポータル更新が正常にダウンロードされないことがあります。この場合、変更内容はポータルに保存されたが更新が取得されなかったことがメッセージによって通知されます。

この問題を解決するには、次の手順を実行します。

[ポータルプロジェクトの保存] メッセージで、[OK] をクリックします。
ArcGIS Pro タイトルバーで、プロジェクト名ドロップダウン矢印をクリックし、[更新の取得] をクリックします。

[ポータルプロジェクトの更新を取得] 警告メッセージが表示されます。
警告メッセージで [はい] をクリックします。

[更新の取得] 操作が実行されます。プロジェクトのローカルコピーがポータルプロジェクトと同じ状態になり、作業を続行できます。

ポータル更新のマージの失敗の解決

プロジェクトのローカルコピーに対する変更内容がポータルに保存された後、共同作業者によるポータル更新はダウンロードされても、プロジェクトのローカルコピーとマージされないことがあります。この場合、次のメッセージが表示されます。

マージの問題を解決するためにプロジェクトが閉じてから再び開くことを通知するメッセージ。

更新のマージで問題が発生した場合、プロジェクトのローカルコピーが不安定な状態であることを意味しています。コンピューター上の場所から削除し、ポータルから再びダウンロードする必要があります。

この問題を解決するには、[ポータルプロジェクトの保存] メッセージで [OK] をクリックします。

ArcGIS Pro でプロジェクトが閉じ、ローカルコピーがコンピューターから削除され、同じフォルダーにプロジェクトが再作成されます。プロジェクトのローカルコピーがポータルプロジェクトと同じ状態になり、作業を続行できます。

ポータルへのアップロードの失敗の解決

プロジェクトのローカルコピーが保存された後、変更内容がポータルに正常にアップロードされないことがあります。この問題が発生した場合、[保存の中断] ダイアログボックスが表示されます。ポータルプロジェクトを再度保存するか、保存済みローカルコピーのいずれかで上書きすることができます。

保存を再試行

保存の再試行がデフォルトオプションです。変更内容がポータルプロジェクトにマージされる前にアップロードの失敗が発生し、問題の原因 (停電など) が解決された場合、この操作は通常は成功します。

保存を再試行するには、次の手順に従います。

[保存の中断] ダイアログボックスで [保存を再試行] オプションが選択されていることを確認します。
[保存] をクリックします。

保存に成功した場合、作業を続行できます。保存に再び失敗した場合、[保存の中断] ダイアログボックスが再び表示されます。この場合、ポータルプロジェクトが不安定な状態になっているため、上書きする必要があります。

保存済みローカルコピーによるポータルプロジェクトの上書き

ポータルプロジェクトを、プロジェクトのローカルコピーの最新の 3 つの保存済み状態のいずれかによって上書きすることができます。これらの保存済み状態は独立したプロジェクトファイル (<project name>.aprx) としてユーザープロフィールの C:\Users\<username>\AppData\Local\ESRI\ArcGISPro\PublishedProjects に格納されています。これらは、ダウンロード先の現在のローカルコピーが格納されているフォルダーと同じ名前が付いているフォルダーに保存されます。各共同作業者もプロジェクトの最新の 3 つの保存済み状態を保持しています。

プロジェクトの自動保存されるコピーの数とその保存先は、組織管理者がポータルプロジェクトのアプリケーション設定で設定できます。

ポータルプロジェクトを保存済みローカルコピーのいずれかによって上書きするには、次の手順を実行します。

[保存の中断] ダイアログボックスで、[保存済みのローカルコピーのいずれかを選択します] オプションをクリックします。

このダイアログボックスの下部にプロジェクトの保存履歴が表示されます。プロジェクトの最新の 3 つの保存済み状態から選択できます。それより前の保存は表示されますが、選択できません。
利用可能なローカルコピーのいずれかをクリックして選択します。

ユーザー 1 は最後に成功した保存を選択しています。コンピューター名は画像から削除されています。
[開く] をクリックします。

決定を確定するプロンプトが表示されます。
[ポータルプロジェクトの上書き] メッセージの [はい] をクリックします。

選択したオプションに対応するプロジェクトの保存済みローカルコピーによってポータルプロジェクトが上書きされます。プロジェクトの現在開いているローカルコピーもこのコピーに置き換えられます。開いているプロジェクトで保存されていない変更は失われます。ポータルプロジェクトとプロジェクトのローカルコピーが同じ状態になったので、作業を続行できます。

注意:

[保存の中断] ダイアログボックスの [キャンセル] をクリックした場合、そのプロジェクトが保存されなかった旨のメッセージが表示されます。同様に、[ポータルプロジェクトの上書き] プロンプトの [いいえ] をクリックした場合、何の処理も行われません。ローカルプロジェクトのコピーは開いたままとなり、不完全な状態のままとなる可能性があります。

プロジェクトを上書きする際の共同作業者への連絡

共同作業者のうちの誰かが、プロジェクトのあなたのコピーより新しい保存済みコピーを所有していることがあります。この場合、[保存の中断] ダイアログボックスの下部に黄色のバナー警告が表示されます。

黄色の警告バナーが表示された [保存の中断] ダイアログボックス — 現在のユーザーが行った保存が最新ではないことを知らせる警告がダイアログボックスに表示されています。コンピューター名は画像から削除されています。

上記の画像では、ユーザー 1 が所有している保存内容 (保存 ID 118、117、114) は、ユーザー 2 が最後に行った保存 (保存 ID 119) より古い状態になっています。ユーザー 1 はユーザー 2 が保存したコピーにアクセスできません。プロジェクトを上書きする前に、ユーザー 1 はユーザー 2 に連絡して進め方について相談する必要があります。

共同作業者に連絡する必要がある場合に [保存の中断] ダイアログボックスをキャンセルするには、次の手順を実行します。

[保存の中断] ダイアログボックスで、[キャンセル] をクリックします。

プロジェクトのローカルコピーが保存されていないことを通知するメッセージが表示されます。
[プロジェクトの保存] メッセージで、[OK] をクリックします。

プロジェクトのローカルコピーは未保存のままとなります。

共同作業者の保存済みコピーでポータルプロジェクトを上書きすることを決定した場合、共同作業者は ArcGIS Pro 設定の [情報] ページからプロジェクトを上書きします。

アプリケーションのシャットダウンによるプロジェクトのロックを解決する

プロジェクトの保存中や競合の解決中に ArcGIS Pro が予期せずシャットダウンすると、プロジェクトがロックされたままになります。ユーザーは変更をローカルに保存できますが、ポータルに保存することができなくなります。 [情報] ページの [上書き] コマンドを使用して保存済みのローカルコピーをプロジェクトに上書きする必要があります。

この場合は、アプリケーションがシャットダウンしたユーザー、プロジェクト所有者、または組織管理者がプロジェクトを上書きする必要があります。