ポータル プロジェクトは ArcGIS Pro の 1 つのバージョンでのみ使用できます。 たとえば、ポータル プロジェクトが ArcGIS Pro 3.6 で作成された場合、すべての共同作業者は ArcGIS Pro 3.6 を使用してプロジェクトを開き、変更を保存する必要があります。
以前の ArcGIS Pro バージョンで作成されたポータル プロジェクトは、新しいバージョンにアップグレードできます。 次の条件が適用されます。
- ポータル プロジェクトをアップグレードできるのは、そのプロジェクトの所有者または組織管理者だけです。
- ポータル プロジェクトは、一度アップグレードすると、プロジェクト所有者や管理者を含むどのユーザーも以前のバージョンにダウングレードすることはできません。 これに伴って以下が適用されます。
- どのユーザーも以前の ArcGIS Pro バージョンでポータル プロジェクトを開くことができなくなります。
- どのユーザーも、以前の ArcGIS Pro バージョンから保存済みローカル コピーによるポータル プロジェクトの上書きができなくなります。
以前の ArcGIS Pro バージョンで作成されたポータル プロジェクトは、新しいローカル プロジェクトまたはポータル プロジェクトとして新しいバージョンに保存することもできます。 これによってポータル プロジェクトがアップグレードされることはありません。 ポータル プロジェクトを共有しているユーザーは誰でも、そのプロジェクトを新しいプロジェクトとして保存できます (プロジェクトを新しいポータル プロジェクトとして保存するには、ポータルにコンテンツを作成する権限が必要です)。
詳細:
ポータル プロジェクトの共同作業者が同じバージョンの ArcGIS Pro を使用する必要があるのは、プロジェクトの整合性を確保するためです。 ポータル プロジェクトは、Esri Cartographic Information Model (CIM) に従ってプロジェクト コンテンツ (マップ、レイアウト、レイヤー、スタイルなど) を表す JSON アイテムとしてポータルに保存されます。 プロジェクト アイテムの CIM は、アイテムの構造と外観を定義するプロパティと値のコレクションです。
新しいバージョンの ArcGIS Pro がリリースされると、マップやレイアウトなどの特定のオブジェクトの CIM 定義が、以前の定義と完全には互換性がない方法で変更される可能性があります。 ユーザーが新しいバージョンでローカル プロジェクトを開くと、すべてのプロジェクト アイテムの CIM 定義が一緒に更新されるため、これは問題にはなりません。 ただし、ユーザーがポータル プロジェクトを保存すると、そのユーザーの変更のみがポータルにアップロードされます。 異なる ArcGIS Pro バージョンが使用されている場合、たとえば、あるユーザーのマップを定義するプロパティが、別のユーザーのマップを定義するプロパティと異なるような状況になる可能性があります。 アイテムの CIM 定義の違いにより、情報の損失やデータの破損が発生する可能性があります。
新しいソフトウェア バージョンへのポータル プロジェクトのアップグレード
このワークフローは、プロジェクト所有者または組織管理者が利用できます。 プロジェクトが新しい ArcGIS Pro バージョンにアップグレードされると、以前のバージョンを使用している共同作業者はそのプロジェクトを開けなくなります。 ユーザーが 1 人しかいない場合、そのユーザーは新しい ArcGIS Pro バージョンがインストールされているコンピューターでのみプロジェクトを開くことができます。
ポータル プロジェクトをアップグレードするタイミングの決定は、共同作業者が使用しているソフトウェア バージョンによって異なります。 ご自身が新しいバージョンにアップグレードしたものの、ほとんどの共同作業者がアップグレードしていない場合は、アップグレードを延期し、代わりにプロジェクトを新しいポータルまたはローカル プロジェクトとして保存することをおすすめします。 操作をキャンセルすることもできます。
ポータル プロジェクトをアップグレードするには、プロジェクトが保存されているバージョンよりも新しい ArcGIS Pro バージョンを使用してプロジェクトを開きます。
プロジェクト所有者または管理者としてポータル プロジェクトをアップグレードするには、次の手順に従います。
- プロジェクトを開きます。

ダイアログ ボックスには、プロジェクトが保存されている ArcGIS Pro バージョンとプロジェクト所有者が表示されます。 ポータル プロジェクトをアップグレードするオプションがある [プロジェクトをソフトウェアのバージョンで保存] ダイアログ ボックスが表示されます。
- [プロジェクトをソフトウェアのバージョンで保存] ダイアログ ボックスで、[ポータルでプロジェクトをアップグレード]、[開く] の順にクリックします。
または、[名前を付けてプロジェクトを保存] をクリックして、プロジェクトを新しいプロジェクトとして保存します。
- メッセージが表示されたら、必要に応じてデフォルトのプロジェクト アイテムを修復し、[プロジェクト アイテムの修復] ダイアログ ボックスで [OK] をクリックします。
ポータル プロジェクトが開きます。 ポータルでは、新しいソフトウェア バージョンにアップグレードされ、以前のバージョンでは開けなくなります。
注意:
ユーザーが以前の ArcGIS Pro バージョンでプロジェクトを開こうとすると、エラー メッセージが表示され、プロジェクトを開くために使用する必要があるバージョンが示されます。
ポータル プロジェクトを新しいプロジェクトとして新しいソフトウェア バージョンに保存する
このワークフローは、プロジェクトを共有しているすべてのユーザー、およびプロジェクト所有者と組織管理者が利用できます。 ポータルにコンテンツを保存する権限がある場合は、プロジェクトを新しい ArcGIS Pro バージョンで新しいポータル プロジェクトとして保存できます。 あるいは、プロジェクトを新しいローカル プロジェクトとして保存することもできます。
ポータル プロジェクトを新しいプロジェクトとして新しいソフトウェア バージョンに保存するには、次の手順を実行します。
- ポータル プロジェクトを開きます。

メッセージ ボックスには、プロジェクトが保存されている ArcGIS Pro バージョンとプロジェクト所有者が表示されます。 [プロジェクトをソフトウェアのバージョンで保存] メッセージ ボックスが表示されます。
- [プロジェクトをソフトウェアのバージョンで保存] メッセージ ボックスで [名前を付けて保存] をクリックし、次のいずれかを実行します。
- [名前を付けてプロジェクトを保存] ダイアログ ボックスで [マイ コンテンツ] に移動します。 プロジェクトの名前を入力して [OK] をクリックします。
- [名前を付けてプロジェクトを保存] ダイアログ ボックスで、コンピューターまたはネットワーク共有上のフォルダーを参照します。 プロジェクトの名前を入力して [OK] をクリックします。
または、ポータル プロジェクトを新しいプロジェクトとして保存しない場合は、[キャンセル] をクリックします。
- メッセージが表示されたら、必要に応じてデフォルトのプロジェクト アイテムを修復し、[プロジェクト アイテムの修復] ダイアログ ボックスで [OK] をクリックします。
新しいプロジェクトが開きます。
注意:
新しいプロジェクトでは、ポータル プロジェクトのデフォルトのプロジェクト アイテムを継承します。 新しいポータル プロジェクトの場合、この動作は、同じソフトウェア バージョンにポータル プロジェクトを新しいポータル プロジェクトとして保存する場合とは異なります。 このような状況では、デフォルトのプロジェクト アイテム設定を構成するように求められます。 新しいローカル プロジェクトの場合、この動作は、同じソフトウェア バージョンにポータル プロジェクトをローカル プロジェクトとして保存する場合と同じです。