複素数データ フィルターの適用 (Apply Complex Data Filter) (Image Analyst)

Image Analyst ライセンスで利用できます。

サマリー

複素数入力 SAR (合成開口レーダー) データ用のフェーズ コンポーネントをスムージング処理し、複素数レーダー データを出力します。

使用法

  • 入力は複素数データである必要があります。

  • アルファ値が大きいほど、強力なフィルター処理が適用されます。 強力なフィルターを使用すると位相がより滑らかになりますが、精度が向上するとは限りません。

    使用するアルファ値が大きすぎると、出力レーダー データの解像度が低下することがあります。

    使用するアルファ値が小さすぎると、出力にノイズが多く発生することがあります。

  • [フィルター タイプ] パラメーターの [Goldstein 位相フィルター] オプションは、外側ウィンドウを使用して位相分散を計算します。 位相分散は、コヒーレンス計測値の一種です。 外側ウィンドウの位相値に大きなばらつきが見られる場合、コヒーレンスが低いことを示しており、より小さな内側ウィンドウがフィルター処理に使用されます。

パラメーター

ラベル説明データ タイプ
入力レーダー データ

入力複素数レーダー データ。

Raster Dataset; Raster Layer
出力レーダー データ

位相フィルター処理された複素数レーダー データ。

Raster Dataset
偏波バンド
(オプション)

フィルターを適用する偏波バンドです。

デフォルトでは、最初のバンドが選択されています。

String
フィルター タイプ
(オプション)

適用されるフィルターのタイプ。

  • Goldstein 位相フィルターコヒーレンスを使用してウィンドウ サイズを適応させることで最適なフィルター処理を実現する、非線形適応アルゴリズムが適用されます。 これがデフォルトです。
String
アルファ
(オプション)

適用されるフィルター処理の強度。 値の範囲は 0 ~ 1.0 です。

値が 0 の場合、フィルター処理は適用されません。 値が 0.5 の場合、中程度のフィルターが適用されます。 値が 1 の場合、最大限のフィルター処理が適用されます。

デフォルト値は 0.5 です。

Double
内側ウィンドウ サイズ
(オプション)

内側フィルター ウィンドウ サイズ。 このウィンドウは、高コヒーレンス領域の位相値をフィルターするのに使用されます。 デフォルト値は 8 ピクセルです。

Long
外側ウィンドウ サイズ
(オプション)

外側フィルター ウィンドウ サイズ。 このウィンドウは、低コヒーレンス領域の位相値をフィルターするのに使用されます。 デフォルト値は 64 ピクセルです。

Long

ApplyComplexDataFilter(in_radar_data, out_radar_data, {polarization_bands}, {filter_type}, {alpha}, {inner_window_size}, {outer_window_size})
名前説明データ タイプ
in_radar_data

入力複素数レーダー データ。

Raster Dataset; Raster Layer
out_radar_data

位相フィルター処理された複素数レーダー データ。

Raster Dataset
polarization_bands
[polarization_bands,...]
(オプション)

フィルターを適用する偏波バンドです。

デフォルトでは、最初のバンドが選択されています。

String
filter_type
(オプション)

適用されるフィルターのタイプ。

  • GOLDSTEIN_PHASE_FILTERコヒーレンスを使用してウィンドウ サイズを適応させることで最適なフィルター処理を実現する、非線形適応アルゴリズムが適用されます。 これがデフォルトです。
String
alpha
(オプション)

適用されるフィルター処理の強度。 値の範囲は 0 ~ 1.0 です。

値が 0 の場合、フィルター処理は適用されません。 値が 0.5 の場合、中程度のフィルターが適用されます。 値が 1 の場合、最大限のフィルター処理が適用されます。

デフォルト値は 0.5 です。

Double
inner_window_size
(オプション)

内側フィルター ウィンドウ サイズ。 このウィンドウは、高コヒーレンス領域の位相値をフィルターするのに使用されます。 デフォルト値は 8 ピクセルです。

Long
outer_window_size
(オプション)

外側フィルター ウィンドウ サイズ。 このウィンドウは、低コヒーレンス領域の位相値をフィルターするのに使用されます。 デフォルト値は 64 ピクセルです。

Long

コードのサンプル

ApplyComplexDataFilter の例 1 (Python ウィンドウ)

この例では、ApplyComplexDataFilter 関数が VV 偏波に使用されています。

import arcpy
arcpy.env.workspace = r"C:\Data\SAR"

outRadar = arcpy.ia.ApplyComplexDataFilter("S1B_IW_20181014_20181020_igram_ml.tif", 
    "VV", "GOLDSTEIN_PHASE_FILTERING", 0.5, 8, 64)
outRadar.save("S1B_IW_20181014_20181020_igram_ml _filt.crf")
ApplyComplexDataFilter の例 2 (スタンドアロン スクリプト)

この例では、ApplyComplexDataFilter 関数が VV 偏波に使用されています。

# Import system modules and check out ArcGIS Image Analyst extension license
import arcpy
arcpy.CheckOutExtension("ImageAnalyst")
from arcpy.ia import *

# Set local variables
in_radar=r"C:\Sentinel_1\S1B_IW_20181014_20181020_igram_ml.crf"
out_radar=r"C:\Sentinel_1\S1B_IW_20181014_20181020_igram_ml _filt.crf"
polarization="VV"
filter_type="GOLDSTEIN_PHASE_FILTERING"
alpha=0.5
inner_window=8
outer_window=64

# Execute 
outRadar = arcpy.ia.ApplyComplexDataFilter(in_radar, polarization, filter_type, 
    alpha, inner_window, outer_window)
outRadar.save(out_radar)

ライセンス情報

  • Basic: 次のものが必要 Image Analyst
  • Standard: 次のものが必要 Image Analyst
  • Advanced: 次のものが必要 Image Analyst

関連トピック