編集セッションで入力データを変更するいくつかのジオプロセシング ツールを実行して、フィーチャのジオメトリまたは属性に加えた変更を取り消すことができます。 ジオプロセシング ツールの [元に戻すの有効化] 切り替えボタンは、編集セッションを開始し、アクティブのままにしておくために使用される、データを変更するジオプロセシング ツールでの使用のみを目的としたショートカットです。
元に戻すの有効化
[フィールド演算 (Calculate Field)]、[インテグレート (Integrate)]、[アペンド (Append)]、[スナップ (Snap)]、[トレース形状に一致 (Align Features)] など、いくつかのツールには、ツール ダイアログ ボックスの [実行] ボタンの横に [元に戻すの有効化] 切り替えボタンがあります。 [元に戻すの有効化] オプションがオンの場合、[実行] ボタンをクリックすると、ツールは編集セッションを使用します。 ツールが完了した後、編集セッションは開いたままになり、変更内容を元に戻すことができます。
ArcGIS Pro では、マップでフィーチャを作成/変更したり、属性ウィンドウで属性を入力/変更すると、自動的に編集が開始されます。 あるいは、編集ツールを有効にするように編集セッション オプションを設定することで、編集オプションを開始することもできます。
注意:
フィールドを追加/削除するジオプロセシング ツールや他のスキーマ変更を実行するジオプロセシング ツールは、編集セッションで実行できません。 [最近接 (Near)] など、[元に戻すの有効化] 切り替えボタンをサポートする一部のツールは、フィールドを追加したり、新しいフィールドに値を計算したりできます。 このツールを元に戻してもフィールドはデータから削除されませんが、フィールドのコンテンツが削除され、<NULL> に設定されます。
注意:
デフォルトで元に戻すを有効化ジオプロセシング オプションを使用すると、[元に戻すの有効化] 切り替えボタンのデフォルトの状態を設定できます。
元に戻すおよびやり直し
[元に戻すの有効化] オプションをオンにしてツールを実行したら、ツールの結果を評価して、データに加えた変更を維持するかどうかを決定します。 ツール ダイアログ ボックスの上部付近にあるバナーは、保留中の編集があることを示します。
データに加えられた変更を効率的に評価し、可視化するために、バナーには [元に戻す] ボタン と [やり直し] ボタン があります。
変更を保存または破棄
ツールでデータに加えた変更を維持する場合は、[編集の保存] ボタン をクリックして、編集を確定します。 変更を維持しない場合は、[編集内容の破棄] ボタン をクリックして、ツールで加えた変更を取り消します。
編集の保存も破棄も行わないと、開いている編集セッションで他のジオプロセシング ツールが実行されます。この場合には、パフォーマンスとアプリケーションの動作に予期しない影響が及ぶことがあります。 詳細については、下記の「検討事項」をご参照ください。
注意:
編集を保存または破棄すると、ジオプロセシング ツールを実行して開始された編集セッションが閉じます。 編集を保存または破棄した後は、操作を元に戻したりやり直したりすることはできません。
手動の編集セッション
編集タブで編集を有効/無効にする編集オプションがオンの場合、リボンの [編集] タブにある [編集] ボタンを使用して、編集を有効/無効にすることができます。 このオプションは、ジオプロセシング編集バナーと [元に戻すの有効化] 切り替えボタンに次の影響があります。
- 編集セッションはリボンの [編集] ボタンで制御されているため、[編集] タブで編集を有効にすると、[元に戻すの有効化] 切り替えボタンはオンになりますが無効です。 ツールは編集セッションで実行され、ツールでデータに加えた変更を取り消すことができます。 ツールの上部にあるバナーは、保留中の編集があることを示します。
- [編集] タブで編集を無効にすると、[元に戻すの有効化] 切り替えボタンはオフになり無効です。 ツールは引き続き実行可能ですが、編集セッションでは実行されず、元に戻す機能は使用できなくなります。 ツール ダイアログ ボックスの上部にあるバナーがこれを示し、元に戻す機能を使用できるように、編集を有効にしてツールを編集セッションで実行するショートカットが表示されます。
検討事項
[元に戻すの有効化] がオンの状態でジオプロセシング ツールを実行する場合は、次の点を考慮する必要があります。
スレッド
ジオプロセシング ツールを編集セッションで実行する場合、これらのツールはメイン アプリケーション スレッドで実行されます。 これは、ツールの実行中に、アプリケーションで他のタスクが実行できなくなることを意味します。
パフォーマンスと拡張性
ジオプロセシング ツールを編集セッションで実行すると、同じツールを編集セッション以外で実行する場合と比べて、パフォーマンスが低下します。 同様に、編集セッションで処理できるフィーチャの数は、編集セッション以外と比べて少ないので、拡張性も低下します。
スキーマ ツール
[フィールドの追加 (Add Field)]、[フィールドの変更 (Alter Field)]、[フィールドの削除 (Delete Field)] など、フィールドを追加/削除するジオプロセシング ツールは、編集セッションで実行できません。
データセットの削除または上書き
データセットを削除/上書きするジオプロセシング ツールは、編集セッションで実行できません。 [カタログ] ウィンドウで [削除] コマンドを右クリックして、これらの場所からデータセットを削除することもできません。