Image Analyst ライセンスで利用できます。
Spatial Analyst のライセンスで利用可能。
画像の分類
[分類 (Classify)] ツールを使用すると、教師なしまたは教師付き分類からいずれかの方法を選択し、ラスター データセットのピクセルまたはオブジェクトを分類することができます。 [分類 (Classify)] ツールを表示するには、分類するラスターを [コンテンツ] ウィンドウで選択し、[画像] タブで [分類ツール] ドロップダウン矢印をクリックします。
教師付き分類については、トレーニング サンプル ファイルを提供する必要があります。 [分類ツール] ドロップダウン リストで [トレーニング サンプル マネージャー] を使用してトレーニング サンプルを作成することができ、または既存のトレーニング サンプル ファイルを指定することができます。 このファイルは、トレーニング サンプルを含んでいる、シェープファイルまたはフィーチャクラスです。 トレーニング サンプル ファイルには、次のフィールド名が必要です。
- classname— クラス カテゴリ名を示すテキスト フィールド
- classvalue— 各クラス カテゴリの整数値を含む long integer フィールド
オブジェクトベースの画像解析の場合、セグメント化された画像を提供する必要があります。 セグメント化された画像は、[分類ツール] ドロップダウン リストの [セグメンテーション (Segmentation)] ツールで作成できます。
データの分類には、次の 5 つの [分類器] を使用できます。
- ISO クラスター - ISO クラスター分類器は教師なし分類を実行します。 この分類器は、属性テーブルが大きくなりがちな非常に大きなセグメント画像を処理することができます。 また、このツールはサードパーティ アプリケーションからのセグメント RGB ラスターを入力として使用することもできます。 このツールは、Esri がサポートしているラスター ファイルで機能するばかりでなく、セグメント ラスター データセットでも機能します。
- 最尤法 - 最尤法による分類器定義は、画像分類を行うための従来の手法です。 これは、多次元空間内の各クラスのサンプルのピクセルが正規分布していること、および Bayes の意思決定法という 2 つの原理に基づいています。
- ランダム ツリー - ランダム ツリーによる分類器定義は、過剰適合を低減し、セグメント化された画像やその他の補助ラスター データセットを操作できる画像分類の強力な手法です。 標準的な画像入力の場合、このツールは任意のビット深度のマルチバンド画像を受け入れ、入力トレーニング フィーチャ ファイルに基づいてピクセル ベースでランダム ツリー分類を実行します。
- SVM (Support Vector Machine) - SVM 分類器は優れた教師付き分類方法であり、セグメント ラスター入力や標準的な画像を処理できます。 これは、ノイズ、相関性のあるバンド、および各クラス内のトレーニング サイトの不釣り合いな数やサイズに左右されません。 これは、研究者の間で広く使用されている分類方法です。
- K 最近隣内挿法のトレーニング - K 最近隣内挿法による分類器は、近傍の多数投票によってピクセルまたはセグメントを分類するノンパラメトリック分類手法です。 K は定義された近傍数で、投票で使用されます。
[画像分類] ツールで利用可能な分類器のタイプは、以下で説明します。
ISO クラスター (ISO Cluster)
ISO クラスター アルゴリズムを使用して教師なし分類を実行します。ISO クラスター アルゴリズムは、多次元属性空間内のセルの自然なグループ化の特性を決定します。
パラメーター名 | 説明 |
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クラスの最大数 | ピクセルまたはセグメントをグループ化するために必要なクラスの最大数です。 これは、凡例内のクラスの数に基づいて設定する必要があります。 このパラメーターで指定した数より、取得するクラスが少ない可能性があります。 クラス数を増やす必要がある場合は、この値を大きくして、トレーニング プロセスの完了後にクラスを集約します。 |
処理の最大反復回数 | 実行するクラスタリング処理の最大反復回数。 推奨される反復の範囲は、10 ~ 20 です。 この値を増やすと、処理時間が線形に増加します。 |
反復ごとのクラスターの最大マージ数 | クラスターをマージできる最大回数 マージ数を大きくすると、作成されるクラス数が減少します。 小さい値を設定すると、クラス数が増加します。 |
マージする最大距離 | 距離を大きくすると、マージするクラスター数を増やして、クラス数を減らすことができます。 小さい値を設定すると、クラス数が増加します。 距離は本質的にスペクトルで、RGB 色に基づいています。 たとえば、RGB 値が (100, 100, 100) のピクセルと、RGB 値が (100, 130, 120) のピクセルの距離は 50 です。 これを任意の値に設定できますが、最良の結果は 0 ~ 5 の値になる傾向があります。 |
クラスターあたりの最小サンプル数 | 有効なクラスターまたはクラス内の最小ピクセル数またはセグメント数。 デフォルト値の 20 は、統計的に有意なクラスを作成するのに有効であることがわかっています。 この数値を大きくするとクラスの有効性が高まりますが、作成されるクラスの総数は制限される可能性があります。 |
スキップ ファクター | ピクセル画像入力のためにスキップするピクセル数。 セグメント画像が入力である場合は、スキップするセグメント数を指定します。 |
セグメント化された画像 | 必要に応じて、セグメント化された画像を取り込み、オブジェクトに基づく分類を実行します。 |
セグメント属性 | セグメント化された画像を使用するとき、セグメント化された画像から使用する属性を選択できます。
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出力分類データセット | 分類済み出力の名前と出力場所を選択します。 |
出力分類定義ファイル | これは、分類器に必要な属性情報、統計情報、ハイパープレーン ベクトル、およびその他の情報を含んでいる JSON ファイルです。 .ecd 拡張子付きのファイルが作成されます。 |
最尤法
最尤法分類を実行します。最尤法分類は、多次元空間内の各クラスのサンプルのピクセルが正規分布していること、および Bayes の意思決定法という 2 つの原理に基づいています。
パラメーター名 | 説明 |
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トレーニング サンプル | トレーニング サイトを表すトレーニング サンプル ファイルまたはレイヤーを選択します。 これらは、トレーニング サンプルを含んでいる、シェープファイルまたはフィーチャクラスです。 |
セグメント化された画像 | 必要に応じて、セグメント化された画像を取り込み、オブジェクトに基づく分類を実行します。 |
セグメント属性 | セグメント化された画像を使用するとき、セグメント化された画像から使用する属性を選択できます。
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出力分類データセット | 分類済み出力の名前と出力場所を選択します。 |
出力分類定義ファイル | これは、分類器に必要な属性情報、統計情報、ハイパープレーン ベクトル、およびその他の情報を含んでいる JSON ファイルです。 .ecd 拡張子付きのファイルが作成されます。 |
ランダム ツリー
ランダム ツリー分類を実行します。ランダム ツリー分類では、同じトレーニング データのわずかな変化を利用してトレーニングされた複数の決定木を使用します。 サンプルを分類する際に、これらのトレーニングされたツリーの多数決によって出力クラスが決まります。 複数のツリーを使用すると、単一のツリーを使用する場合よりも、過剰適合に対する脆弱性が軽減します。
パラメーター名 | 説明 |
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トレーニング サンプル | トレーニング サイトを表すトレーニング サンプル ファイルまたはレイヤーを選択します。 これらは、トレーニング サンプルを含んでいる、シェープファイルまたはフィーチャクラスです。 |
ツリーの最大数 | フォレスト内のツリーの最大数。 ツリー数を増やすと、精度率が高くなります。ただし、この向上は最終的には一定になります。 ツリー数は、処理時間を線形的に増加させます。 |
最大ツリー階層 | フォレスト内の各ツリーの最大深度。 深度は、各ツリーが意思決定に至るまでに作成できるルールの数を示すもう 1 つの方法です。 ツリーは、この設定を超えた深度には成長しません。 |
クラスあたりの最大サンプル数 | 各クラスを定義するために使用するサンプルの最大数。 入力がセグメント ラスターでない場合は、デフォルトの値 1000 を推奨します。 0 以下の値は、システムが分類器をトレーニングするためにトレーニング サイトのすべてのサンプルを使用することを意味します。 |
セグメント化された画像 | 必要に応じて、セグメント化された画像を取り込み、オブジェクトに基づく分類を実行します。 |
セグメント属性 | セグメント化された画像を使用するとき、セグメント化された画像から使用する属性を選択できます。
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出力分類データセット | 分類済み出力の名前と出力場所を選択します。 |
出力分類定義ファイル | これは、分類器に必要な属性情報、統計情報、ハイパープレーン ベクトル、およびその他の情報を含んでいる JSON ファイルです。 .ecd 拡張子付きのファイルが作成されます。 |
SVM (Support Vector Machine)
SVM (Support Vector Machine) 分類を実行します。SVM は、入力データ ベクターをより高い次元のフィーチャ空間にマップして、データを異なるクラスに最適に分離します。 SVM は非常に大きい画像を処理することができ、ノイズ、相関性のあるバンド、または各クラス内のトレーニング サイトの不均衡な数やサイズの影響をあまり受けません。
パラメーター名 | 説明 |
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トレーニング サンプル | トレーニング サイトを表すトレーニング サンプル ファイルまたはレイヤーを選択します。 これらは、トレーニング サンプルを含んでいる、シェープファイルまたはフィーチャクラスです。 |
クラスあたりの最大サンプル数 | 各クラスを定義するために使用するサンプルの最大数。 入力がセグメント ラスターでない場合は、デフォルトの値 500 を推奨します。 0 以下の値は、システムが分類器をトレーニングするためにトレーニング サイトのすべてのサンプルを使用することを意味します。 |
セグメント化された画像 | 必要に応じて、セグメント化された画像を取り込み、オブジェクトに基づく分類を実行します。 |
セグメント属性 | セグメント化された画像を使用するとき、セグメント化された画像から使用する属性を選択できます。
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出力分類データセット | 分類済み出力の名前と出力場所を選択します。 |
出力分類定義ファイル | これは、分類器に必要な属性情報、統計情報、ハイパープレーン ベクトル、およびその他の情報を含んでいる JSON ファイルです。 .ecd 拡張子付きのファイルが作成されます。 |
K 最近隣内挿法
近傍の多数投票によってピクセルまたはセグメントを分類するノンパラメトリック分類手法を実行します。 K は定義された近傍数で、投票で使用されます。
パラメーター名 | 説明 |
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トレーニング サンプル | トレーニング サイトを表すトレーニング サンプル ファイルまたはレイヤーを選択します。 これらは、トレーニング サンプルを含んでいる、シェープファイルまたはフィーチャクラスです。 |
ディメンション値フィールド | 入力トレーニング サンプル フィーチャクラスのディメンション値が含まれます。 このパラメーターは、[CCDC を使用した変化の解析 (Analyze Changes Using CCDC)] ツールから出力された変化解析ラスターを使用して時系列のラスター データを分類する際に必要となります。 |
K 最近隣内挿法 | 各入力ピクセルまたはセグメントを検索する際に使用する近傍の数。 近傍の数を増やすと、個別の近傍が分類結果に与える影響が少なくなります。 デフォルト値は 1 です。 |
クラスあたりの最大サンプル数 | 各クラスに使用されるトレーニング サンプルの最大数。 入力がセグメント ラスターでない場合は、デフォルトの値 1000 を推奨します。 0 以下の値は、システムが分類器をトレーニングするためにトレーニング サイトのすべてのサンプルを使用することを意味します。 |
セグメント化された画像 | 必要に応じて、セグメント化された画像を取り込み、オブジェクトに基づく分類を実行します。 |
セグメント属性 | セグメント化された画像を使用するとき、セグメント化された画像から使用する属性を選択できます。
|
出力分類データセット | 分類済み出力の名前と出力場所を選択します。 |
出力分類定義ファイル | これは、分類器に必要な属性情報、統計情報、ハイパープレーン ベクトル、およびその他の情報を含んでいる JSON ファイルです。 .ecd 拡張子付きのファイルが作成されます。 |
その他の分類とパターン認識手法
その他の分類とパターン認識手法は Image Analyst ツールボックスに含まれており、以下に説明します。
- スペクトルを使用してラスターを分類 (Classify Raster Using Spectra) - 入力画像と参照スペクトル プロファイル間のベクトル角度またはスペクトル情報発散に基づき、スペクトル マッチング技術を使用してマルチバンド ラスター データセットを分類します。 出力には、出力分類ラスター、出力分類器定義ファイル (.ecd)、および出力スコア ラスターが含まれます。 [出力スコア ラスター] は、各エンド メンバーのマッチング結果を格納するマルチバンド ラスターです。
- ランダム ツリーによる回帰モデル定義ファイルの作成 - 説明変数 (独立変数) とターゲット データセット (従属変数) の関係をモデル化します。 このツールを使用して、さまざまなデータ タイプでトレーニングできます。 入力ラスター (説明変数) は、1 つのラスターまたはラスターのリスト、シングル バンドまたは各バンドが説明変数であるマルチバンド、ラスター内の変数が説明変数である多次元ラスター、またはデータ タイプの組み合わせです。
出力は次のとおりです。
- モデルで使用されている説明変数ごとの重要度を示す情報を含むテーブル
- トレーニング データ、テスト データ、位置情報テスト データの散布図
- 分類器の属性情報、統計情報、その他の情報を含んでいる回帰定義 (.ecd)
- 回帰モデルを使用した予測 - [ランダム ツリーによる回帰モデル定義ファイルの作成 (Train Random Trees Regression Model)] ツールからの出力を使用して、データ値を予測します。 予測値のラスターが出力されます。
関連トピック
- 分類関数
- ラスターの分類 (Classify Raster)
- ISO クラスターによる分類器定義ファイルの作成 (Train ISO Cluster Classifier)
- 最尤法による分類器定義ファイルの作成 (Train Maximum Likelihood Classifier)
- ランダム ツリーによる分類器定義ファイルの作成 (Train Random Trees Classifier)
- SVM による分類器定義ファイルの作成 (Train Support Vector Machine Classifier)
- シード ポイントからトレーニング サンプルを作成 (Generate Training Samples From Seed Points)
- トレーニング サンプルの検査 (Inspect Training Samples)
- セグメント平均シフト関数
- 最尤法分類関数
- セグメンテーションと分類の概要
- ランダム ツリーによる回帰モデル定義ファイルの作成 (Train Random Trees Regression Model)
- 回帰モデルを使用した予測 (Predict Using Regression Model)