地理座標系変換は、異なる地理座標系や鉛直座標系 (測地基準系) 間のデータを投影する際に使用します。 [地理座標系変換] コントロールは、データを投影する際にソース座標系とターゲット座標系の間の有効な座標変換パスを選択するためのインターフェイスを提供します。
座標変換は、さまざまなツールの入力パラメーターや環境設定として指定できます。 たとえば、[地理座標系変換] パラメーターを指定して [投影変換 (Project)] ツールを使用し、[WGS 1984 (ITRF08) → NAD 1983 2011] の地理座標系変換によって WGS 1984 から NAD 1983 (2011) にデータを投影します。
ヒント:
地理座標系変換は、ソース座標系とターゲット座標系で異なる測地基準系が使用されている場合のみ使用します。 たとえば、入力座標系と出力座標系の両方が NAD 1983 (2011) 測地基準系であるため、NAD 1983 (2011) StatePlane Connecticut FIPS 0600 から NAD 1983 (2011) UTM Zone 18N に投影する地理座標系変換は指定しません。
座標変換の設定
複数のツールの [地理座標系変換] パラメーターは、デフォルトで、入力データおよび出力データの座標系に基づいてデフォルト座標変換パスを指定できますが、異なるパスも指定できます。 使用可能な座標変換のリストには、システムが提供する座標変換と、[カスタム地理座標系変換の作成 (Create Custom Geographic Transformation)] ツールまたは [カスタム鉛直座標系変換の作成 (Create Custom Vertical Transformation)] ツールで作成したカスタム座標変換が含まれます。
座標変換を指定するには、座標変換名を入力するか、選択リストから選択肢を選びます。
あるいは、[選択] ボタン をクリックして [変換] ウィンドウを開きます。 ウィンドウで、[ソース座標系] と [ターゲット座標系] を指定して、[変換パス] オプションを選択します。 [ソース座標系] と [ターゲット座標系] は、入力データセットの地理座標系と出力座標系が自動入力されている場合があります。
ヒント:
座標変換パスは方向のラベルが付いていても、双方向です。 たとえば、WGS 1984 から NAD 1983 (2011) にデータを投影する場合、[WGS 1984 (ITRF08) → NAD 1983 2011] の地理座標系変換が有効であり、適切に適用されます。
ソース座標系とターゲット座標系が鉛直座標系の場合は、地理座標系と鉛直座標系に適した座標変換パスのみを使用できます。 定義と反対方向に適用された座標系変換では、座標変換パス名の前にチルド (~) が表示されます。
2 つの座標系間でデータを正しく変換するには、複数の座標変換パスが必要になる可能性があります。 複数の座標変換パスは、目的のソース座標系からターゲット座標系を得るために必要な連続ステップです。 座標変換パスが複数の中間システムを通過する必要があり、自動的に割り当てるには複雑すぎる場合に必要となります。 たとえば、NAD 1983 から NAD 1983 (2011) など、過去の測地基準系と最新の測地基準系の間の実現値を変換するには、複数の座標変換パスを使用して正しいデータ変換を実行する必要があります。
注意:
より新しくて高精度なデータセット変換を行うには、座標系の補足ファイルが必要になる場合があります。 これらのファイルは、ArcGIS Pro インストールには含まれておらず、別途インストールする必要があります。
複数の座標変換は、以下の手順で指定します。
- [選択] ボタン をクリックして [変換] ウィンドウを開きます。
- [追加] ボタンをクリックして座標変換を追加します。
- [座標系の設定] ボタン をクリックして地理座標系と鉛直座標系のペアを選択し、ソース座標系とターゲット座標系を指定します。
ソース座標系とターゲット座標系は、変換を適用する測地基準系を表す地理座標系でなくてはなりません。
- [地理座標系変換] ドロップダウン リストを使用して、ソース座標系とターゲット座標系の間の変換で使用する座標変換を選択します。 [詳細] ボタンをクリックして、座標変換パスの詳細情報を確認します。
- [追加] ボタンをクリックして別の座標変換を追加するか、[OK] ボタンをクリックして設定を保存し、ウィンドウを閉じます。