OD コスト マトリックスによる起点と終点の間の移動時間の計算

Network Analyst のライセンスで利用可能。

起点と終点の (OD) コスト マトリックス解析」は、複数の起点から複数の終点までのネットワークに沿った最小コスト パスを検出して計測します。 道路網の最適なパスは起点と終点のペアごとに検出され、移動時間と移動距離は出力ラインの属性として格納されます。 このチュートリアルでは、このツールを使用して、10 分以内の走行時間で倉庫から全店舗に商品を配送するための OD コスト マトリックスを作成します。

注意:
ArcGIS Online アカウントにサイン インしていることを確認します。 このチュートリアルを完了するには、ネットワーク データ ソースとして、解析の入力データの地理をカバーするネットワーク データセットを使用して公開された、指定されたチュートリアル ネットワーク データセットである ArcGIS Online、または ArcGIS Enterprise ルート検索サービスを使用します。 ArcGIS Online を使用すると、「クレジット」が消費されます。

サービスを使用したネットワーク解析の詳細」。

データの取得

このチュートリアルのデータは、ダウンロードして使用できます。

  1. データ ダウンロード ページ」に移動します。
  2. [ダウンロード] ボタンをクリックしてファイルをローカルに保存します。
  3. ダウンロードしたファイルを展開します。

マップの作成

次の手順を実行すると、マップを作成できます。

  1. ArcGIS Pro を起動します。
  2. [マップ] テンプレートをクリックして、新しいプロジェクトを作成します。 必要に応じて、プロジェクトの名前と位置を変更します。

    マップを含む新しいプロジェクトが表示されます。

プロジェクトへのチュートリアル データの追加

ネットワーク データセットは、道路システムの高機能なモデルです。 ネットワーク データセットには、道路の位置と属性だけでなく、どの道路が接続されているか、接続されている道路間のどのターンが許可または禁止されているかなどの、道路の相互関係に関する情報や、可能な移動パスや移動時間に影響する他の情報も含まれています。 OD コスト マトリックス解析では、ネットワーク データセットを参照して、近傍のロケーションを決定します。

注意:
ArcGIS Online を使用して解析する場合は、その解析で、ArcGIS Online クラウドに格納されている高品質な世界規模のネットワーク データセットが参照され、「ArcGIS Online クレジット」が使用されます。 また、自分のコンピューターのローカルに保存した独自のネットワーク データセットを使用するか、または ArcGIS Enterprise を使用して、独自のネットワーク データセットを使用する「ルート検索サービスを公開」して Enterprise ポータルでサービスを構成し、ArcGIS Pro で利用することもできます。

次の一連の手順で、ネットワーク データセットをマップに追加します。

  1. [カタログ] ウィンドウ (デフォルトではアプリケーションの右側にあります) で [フォルダー] を右クリックし、[フォルダー接続の追加] フォルダー接続の追加 を選択します。

    [フォルダー接続の追加] ダイアログ ボックスが表示されます。

  2. チュートリアル データを置いたフォルダーを参照して、[Network Analyst] をダブルクリックし、[Tutorial] をクリックしてこのフォルダーを選択します。
  3. [OK] をクリックします。

    Tutorial フォルダーへの接続が作成されます。

  4. 次に、このフォルダーに含まれているネットワーク データセットの 1 つをマップに追加します。

    注意:

    ArcGIS Online または ArcGIS Enterprise ルート検索サービスをネットワーク データ ソースとして使用する場合は、ネットワーク データセットをマップに追加する必要はありません。

  5. [カタログ] ウィンドウで、[フォルダー] > [Tutorial] > [Paris.gdb] > [Transportation] の順に展開します。
  6. [ParisMultimodal_ND] (ネットワーク データセット アイコン ネットワーク データセット が付いています) をマップにドラッグします。

    このネットワーク データセットが [コンテンツ] ウィンドウとマップに追加されます。

  7. [カタログ] ウィンドウで、[Tutorial] > [Paris.gdb] > [Analysis] の順に参照します。
  8. [Warehouses] レイヤーを右クリックして、[現在のマップに追加]データの追加 を選択します。

    [Warehouses] レイヤーが [コンテンツ] ウィンドウとマップに追加されます。

  9. [Stores] レイヤーを右クリックして、[現在のマップに追加]データの追加 を選択します。

    [Stores] レイヤーが [コンテンツ] ウィンドウとマップに追加されます。

OD コスト マトリックス レイヤーの作成

OD コスト マトリックス解析レイヤー」には、OD コスト マトリックス解析のすべての入力、パラメーター、結果が格納されます。

  1. [解析] タブの [ワークフロー] グループで、[ネットワーク解析] > [OD コスト マトリックス] OD コスト マトリックス の順にクリックします。

    OD コスト マトリックス レイヤーが [コンテンツ] ウィンドウに追加されます。 このレイヤーには、解析の入力と出力を格納するいくつかのサブレイヤーが含まれます。

    OD コスト マトリックス レイヤーの作成時にパリのネットワークが [コンテンツ] ウィンドウ内にあったため、OD コスト マトリックス レイヤーはパリのネットワーク データセットを参照しています。

    注意:
    ネットワーク解析レイヤーの作成に使用されるネットワーク データ ソースを表示または変更するには、[解析] タブの [ワークフロー] グループで、[ネットワーク解析] ドロップダウン矢印をクリックして、[ネットワーク データ ソース] の下を確認します。
  2. [コンテンツ] ウィンドウで、[OD コスト マトリックス] をクリックし、グループ レイヤーを選択します。

    [OD コスト マトリックス レイヤー] タブが表示されます。

  3. [OD コスト マトリックス レイヤー] タブをクリックし、タブのコントロールを表示します。
    OD コスト マトリックス レイヤー タブ

    これらのコントロールを使用して、生成する OD コスト マトリックスの結果を定義します。

    ヒント:

    [OD コスト マトリックス レイヤー] タブは、[コンテンツ] ウィンドウで OD コスト マトリックス レイヤーを選択した場合のみ表示されます。 また、複数の OD コスト マトリックス レイヤーが存在する場合は、個別にレイヤーの設定を変更することも、複数のレイヤーを選択して選択したすべてのレイヤーの設定を編集することもできます (それらのレイヤーが同じネットワーク データ ソースを共有している場合)。

起点の追加

[Warehouses] フィーチャクラスを使用して、[起点] サブレイヤー ネットワーク解析クラスを読み込みます。

  1. [OD コスト マトリックス レイヤー] タブの [入力データ] グループで、[起点のインポート] 起点のインポート をクリックします。

    [ロケーションの追加] ウィンドウが表示されます。

  2. [入力ネットワーク解析レイヤー][OD コスト マトリックス] に設定され、[サブ レイヤー][起点] に設定されていることを確認します。
  3. [入力ロケーション] の下にあるドロップダウン メニューをクリックし、[Warehouses] を選択します。
  4. 残りのパラメーターをデフォルト設定のままにして [OK] ボタンをクリックします。
  5. 6 つの倉庫が起点として読み込まれます。

終点の追加

[Stores] フィーチャクラスを使用して、[終点] サブレイヤー ネットワーク解析クラスを読み込みます。

  1. [OD コスト マトリックス レイヤー] タブの [入力データ] グループで、[終点のインポート] 終点のインポート をクリックします。

    [ロケーションの追加] ウィンドウが表示されます。

  2. [入力ネットワーク解析レイヤー][OD コスト マトリックス] に設定され、[サブ レイヤー][終点] に設定されていることを確認します。
  3. [入力ロケーション] の下にあるドロップダウン メニューをクリックし、[Stores] を選択します。
  4. [フィールド名] ドロップダウン リストから、[NOM] を選択します。
  5. 残りのパラメーターをデフォルト設定のままにして [OK] ボタンをクリックします。
  6. 21 の店舗が終点として読み込まれます。

OD コスト マトリックス解析のパラメーターの設定

リボンの [OD コスト マトリックス レイヤー] には、解析のプロパティを指定できる [移動モード] セクションがあります。

  1. [OD コスト マトリックス レイヤー] タブの [移動モード] グループで、[モード] に対して [運転時間] が選択されていることを確認します。
  2. [カットオフ] テキスト ボックスに「10」と入力します。
  3. [運転時間] 移動モードでは、分単位の [TravelTime] コスト属性が使用されます。 その結果、[カットオフ] の値は分単位で解釈されます。

    コスト属性の詳細

  4. [出力ジオメトリ] セクションで、出力が [直線] に設定されていることを確認します。
  5. [移動モード] セクションの右隅にある [移動モード プロパティの起動] ランチャー ボタンをクリックして、レイヤー プロパティ ダイアログ ボックスを開きます。

    [レイヤー プロパティ: OD コスト マトリックス] ダイアログ ボックスが表示されます。

  6. [規制] セクションを展開して、[DrivingAVehicle] および [Oneway] オプションがオンになっていることを確認します。
  7. [U ターン] セクションを展開して、ドロップダウンリストから [すべて] を選択します (まだ選択していない場合)。
  8. [OK] をクリックします。

OD コスト マトリックスを作成するための解析の実行

  1. [OD コスト マトリックス レイヤー] タブで [実行] 実行 をクリックします。

    解析プロセスが完了したら、起点と終点ラインがマップ上に表示されます。 解析後のウィンドウに倉庫 2 の終点が見つからなかったため、部分的な解析が生成されたことを通知する警告メッセージも表示されます。 これは、起点 (倉庫 2) からカットオフ値 (10 分) 以内の終点 (店舗) が 1 つも見つからなかったことが原因です。 [カットオフ] 値を「15」に変更してこの解析を再実行した場合、解析は正常に実行されて警告メッセージは表示されなくなります。

  2. [コンテンツ] ウィンドウで、[OD コスト マトリックス] グループ レイヤーを展開します (まだ展開していない場合)。
  3. [OD コスト マトリックス: ライン] サブレイヤーを右クリックして、[属性テーブル] をクリックします。
  4. 属性テーブルには、各倉庫から店舗までの走行時間が 10 分以内の OD コスト マトリックスが表示されています。 一部の店舗は、複数の倉庫から 10 分以内に到着できるため、任意の倉庫から配送できます。 また、一部の店舗は、倉庫からの走行時間が 10 分以内にないため、任意の倉庫から配送できません。