ジオデータベース用語

次に、ArcGIS Pro のジオデータベース トピックのマニュアルで使用されている用語を示します。

ジオデータベース

ジオデータベースは、主に空間データの保存、クエリ、操作に使用されるデータベースまたはファイル構造です。 ジオデータベースには、データのジオメトリ、空間参照系、属性、振舞いのルールが保存されます。 ジオデータベースには、さまざまなタイプの地理データセットを収集できます。たとえば、フィーチャクラス、属性テーブル、ラスター データセット、ネットワーク データセット、トポロジなど、他にも多数あります。 ジオデータベースは、リレーショナル データベース管理システム (エンタープライズ ジオデータベース)、ファイル システム (ファイル ジオデータベース)、または SQLite データベース (モバイル ジオデータベース) に格納できます。

用語説明関連リソース

ファイル ジオデータベース

ファイル ジオデータベースは、.gdb 拡張子を持つフォルダーに複数のファイルとして格納されます。 各データセットは 1 つのファイルに含まれています。 デフォルトでは、ファイルは 1 TB まで拡張できますが、設定キーワードを使用して 4 または 256 TB に変更できます。

ファイル ジオデータベース

ファイル ジオデータベースの作成

ファイル ジオデータベースの圧縮

ファイル ジオデータベースのアップグレード

ファイル ジオデータベースのサイズと名前の制限

モバイル ジオデータベース

モバイル ジオデータベースは、単一のファイルに全体が含まれ、.geodatabase 拡張子を持つ SQLite データベースに格納されます。

モバイル ジオデータベース

モバイル ジオデータベースの作成

SQL アクセスにおけるモバイル ジオデータベースへの ST_Geometry の読み込み

モバイル ジオデータベースのサイズと名前の制限

エンタープライズ ジオデータベース

エンタープライズ ジオデータベースは、マルチユーザー ジオデータベースとも呼ばれ、リレーショナル データベースに格納されます。 エンタープライズ ジオデータベースでは、サイズとユーザー数の制限を実質上無くすことができます。限度は、データベース管理システム (DBMS) ベンダーによって異なります。

ジオデータベースの管理

IBM Db2 のジオデータベース

Oracle のジオデータベース

PostgreSQL のジオデータベース

SAP HANA のジオデータベース

Microsoft SQL Server のジオデータベース

ジオデータベース セータセット タイプ

下の表には、ArcGIS Pro のジオデータベース内に作成可能なデータセットの種類を掲載しています。

用語説明

3D オブジェクト フィーチャ レイヤー

3D オブジェクト フィーチャ レイヤー マルチパッチ フィーチャクラス は、3D ジオメトリ タイプのフィーチャをジオデータベースに格納して管理するために使用されます。 これらの 3D オブジェクトは、PBR (物理ベース レンダリング) やアニメーションなどの高度な視覚化技術を使用して、建物、車両、植物など、三次元空間で不連続な平面や立体を占めるフィーチャの外殻構造と内部空間を表します。

アノテーション

アノテーション アノテーション フィーチャクラス は、個別に選択、配置、変更が可能なテキストまたはグラフィックスです。 アノテーションは、手動で入力するか、ラベルから生成できます。 ジオデータベースのアノテーションには、次の 2 種類があります。

  • 標準 - ジオデータベース内のフィーチャに関連付けられません。 標準アノテーションの例としては、マップ上で山脈に付けるテキストが挙げられます。 山脈を表す特定のフィーチャは存在しませんが、山脈の名前を示す必要があります。
  • フィーチャリンク - ジオデータベースの別のフィーチャクラスに含まれている特定のフィーチャに関連付けられます。 フィーチャリンク アノテーションのテキストは、リンク先フィーチャの 1 つ以上のフィールドの値を反映します。 たとえば、水道ネットワークの水道管の名前をアノテーションにすることができます。これらの名前は水道管フィーチャクラスのフィールドに保存されます。

カタログ データセット

カタログ データセット カタログ データセット は、カタログ データセット アイテムと呼ばれるアイテム参照のコンテナーです。 アイテム参照は、さまざまなデータ ソース (ローカルまたはネットワーク ファイル共有やポータル) を指します。

ディメンション

ディメンション ディメンション フィーチャクラス は、マップ上で特定の長さや距離を示す、特別なタイプのジオデータベース アノテーションです。 ディメンションは、建物や土地区画の 1 辺の長さや、消火栓や建物の角といった 2 つのフィーチャ間の距離を示すことができます。

フィーチャクラス

フィーチャクラスは、同じジオメトリ タイプ (ポイント、ライン、ポリゴンなど)、同じ属性、同じ空間参照を持つ地理フィーチャの集合です。 フィーチャクラスにより、同種のフィーチャをグループにひとまとめにして保存できます。 たとえば、高速道路、主要道路、および補助道路を road という名前のライン フィーチャクラスにグループ化できます。 最もよく使用されるフィーチャクラスのタイプは、ポイント フィーチャクラス ポイント フィーチャクラス、ライン フィーチャクラス ライン フィーチャクラス、ポリゴン フィーチャクラス ポリゴン フィーチャクラス です。 フィーチャクラスは、3D オブジェクト、アノテーション、ディメンションも格納できます。

フィーチャ データセット

フィーチャ データセット フィーチャ データセット とは、共通の座標系を使用し、主題的に関連するフィーチャクラスのコレクションです。 フィーチャ データセットは、パーセル ファブリックトポロジユーティリティ ネットワークなどのコントローラー データセット (エクステンション データセットと呼ばれることもある) を作成しやすくするために使用されます。

ジオプロセシング ツールボックス

[ジオプロセシング ツールボックス] ツールボックス には、ユーザー定義のジオプロセシング ツール、スクリプト、モデルのコレクションを格納することができます。

注意:

モバイル ジオデータベースでは、ツールボックスはサポートされていません。

モザイク データセット

モザイク データセット モザイク データセット は、画像およびラスター データの管理、表示、解析、提供、および共有に使用されます。

注意:

モバイル ジオデータベースでは、モザイク データセットはサポートされていません。

方向付き画像データセット

方向付き画像データセット 方向付き画像データセット は、各画像が特定の方向またはアングルを持つ画像のコレクションを管理します。これらの画像には、地平線付近を基準にしたカメラ アングルから撮影された画像 (傾斜ビュー、バブル、360 度、道路側、検査などの画像)、および地面が真下になる方向で撮影された画像 (従来の衛星画像など) などがあります。 方向付き画像データセットは、道路レベルのカメラ、ドローン、斜め航空写真などのソースからの画像を管理するのに役立ちます。 さまざまな視点から特定の位置を表示することで、その位置のコンテキストをより深く理解できるようになります。

ラスター データセット

ラスター データセット ラスター グリッド とは、特定の範囲をカバーする 1 つ以上のバンドで構成されるすべての有効なラスター形式の総称です。 各バンドはピクセル (セル) の配列で構成され、ピクセルごとに 1 つの値が設定されています。 ラスター データは基本的なラスター データ格納モデルで、モザイク データセットなどの他のモデルはその上に構築されています。

注意:

モバイル ジオデータベースでは、ラスター データセットはサポートされていません。

リレーションシップ クラス

リレーションシップ クラス リレーションシップ は、2 つのフィーチャクラス間、フィーチャクラスと非空間テーブル間、または 2 つの非空間テーブル間での関連レコードのリレーションシップや関連付けに関する情報が格納されます。

テーブル

テーブル テーブル は、データベースの基本的な格納オブジェクトです。 テーブルは列と行で構成されます。 各行は 1 つのレコードを表します。 各列はレコードのフィールドを表します。 各フィールドには、数字、日付、テキストなど、特定のデータ タイプを格納することができます。

軌道データセット

軌道データセット 軌道データセット は、衛星高度センサーを操作および視覚化するための軌道ファイルのコレクションを管理します。 衛星高度データは、衛星のパスに沿った離散点における地表の標高または高さを測定します。これは特に、海洋、氷床地形、および地球規模の気候についての知識を深めるのに役立ちます。

注意:

モバイル ジオデータベースでは、軌道データセットはサポートされていません。

ビュー

ビュー 空のフィーチャクラス はビュー定義で指定したテーブルからデータを選択するストアド クエリです。 ビューには、1 つのテーブル、複数のテーブル、サブクエリを含めることができます。

ジオデータベースのコントローラー データセット タイプ

下の表には、ArcGIS Pro のジオデータベース内に作成可能なコントローラー データセットの種類を掲載しています。

用語説明

ネットワーク データセット

ネットワーク データセット ネットワーク データセット は、交通ネットワークのモデリングに使用されます。 ネットワーク データセットは、シンプル フィーチャ (ラインとポイント) およびターンを含めることができるソース フィーチャから作成され、ソース フィーチャの接続性を格納します。 ネットワークを解析する場合、解析は常にネットワーク データセットで行われます。

パーセル ファブリック

パーセル ファブリック パーセル ファブリック は、マルチユーザー ArcGIS Enterprise およびシングルユーザー環境の両方で、パーセル データの管理、編集、および共有を行う包括的なフレームワークを提供します。 パーセル ファブリックは、土地管理と地籍図作成のニーズをサポートしており、土地所有権の境界、地役権、通行権、その他の土地関連の特徴を正確に表現するためのツールを提供します。

テレイン データセット

テレイン データセット 地形 は、ジオデータベースにフィーチャとして格納された計測値から構築されるマルチ解像度の TIN ベース サーフェスです。 テレイン データセットは一般に、LIDAR、ソナー、および写真測量標高点ソースから作成されます。 テレインは、それらの構築に使用されたフィーチャとともに、ジオデータベースのフィーチャ データセットに格納されます。

トポロジ

トポロジ トポロジ は、ポイント、ライン、およびポリゴン フィーチャによるジオメトリの共有方法を定義します。 トポロジは、データ整合性ルール (たとえば、ポリゴン間に差があってはならない)、およびトポロジカル リレーションシップの検索、ナビゲーション、編集、フィーチャの作図をサポートします。 たとえば、道路の中心線と国勢調査区はジオメトリを共有し、隣接する土壌ポリゴンは境界線を共有します。

トレース ネットワーク

トレース ネットワーク トレース ネットワーク とは、ArcGIS Pro の鉄道や水文など、シンプルな接続性モデルを視覚化、管理、解析するために使用される主要コンポーネントです。

ユーティリティ ネットワーク

ユーティリティ ネットワーク ユーティリティ ネットワーク データセット は、水道、ガス、電気、通信、下水、雨水などの複雑なネットワーク システムのモデル化と解析に使用されます。 これは、ワイヤー、パイプ、バルブ、ゾーン、デバイス、回路など、システムを構成するすべてのアセットをモデル化するように設計されており、モデル化するネットワーク フィーチャ内に実際の動作を構築することができます。

ジオデータベースのデータセット プロパティ

下の表には、ArcGIS Pro のジオデータベース内のデータセットに適用できるさまざまなデータセット プロパティを掲載しています。

用語説明

フィールド

フィールドは、テーブルに構造を提供するコンポーネントです。 表形式の情報は行と列から構成されます。 ArcGIS では、行はレコードと呼ばれ、列はフィールドと呼ばれます。 テーブルの各フィールドには、数字、日付、テキストなど、特定の種類のデータを格納することができます。 フィールドはマップ内の各レイヤーまたはスタンドアロン テーブルの属性情報を形成します。

ArcGIS フィールド データ タイプ

各フィーチャクラスと各テーブルは、データ タイプごとに定義されたフィールドで構成されています。 選択したデータ タイプにより、フィールドが格納できるデータのタイプが決まるため、フィールドのデータ タイプは最も重要なプロパティとなります。 ArcGIS Pro においてフィールドに適用可能なデータ タイプの例としては、さまざまな数値型 (integers、float、double)、text、date only、timestamp offset、binary large object (BLOB)、globally unique identifiers (GUID) が挙げられます。 データ タイプの全一覧および各データ タイプの詳細については、ArcGIS データ タイプをご参照ください。

設定可能なその他のフィールド プロパティ (精度、スケール、フィールドの長さなど) は、フィールドのデータ タイプによっても決まります。

属性インデックス

属性インデックスは、属性検索に一致するレコードの特定に使用されます。

属性インデックスを使用すると、テーブル、フィーチャクラス、シェープファイル、または属性リレーションシップ クラスでの結合やその他の属性検索を高速化することができます。 属性インデックスは、ArcGIS がテーブルからレコードを取得するときに使用するもう 1 つの方法です。 ほとんどの種類の属性検索では、テーブル全体のレコードを最初から最後まで検索するよりも、インデックスを使用してレコードを検索するほうが高速です。

空間インデックス

空間インデックスは、フィーチャクラス内のフィーチャをすばやく特定し、ArcGIS Pro で多数の選択タスクや識別タスクを実行するために使用されます。

ArcGIS Pro でのフィーチャの個別属性表示、ポイントまたはボックスのドラッグによるフィーチャの選択、画面移動とズームでは、空間インデックスを使用してフィーチャを特定する必要があります。

空間参照

空間参照とは、各フィーチャクラスとラスター データセットに加えて、XY 座標および必要に応じて Z 座標と M (メジャー) 座標の座標解像度などの座標プロパティを格納するために使用する座標系です。 ジオデータベースでは、座標系と関連する空間プロパティが各データセットの空間参照の一部として定義されます。

コンフィグレーション キーワード

コンフィグレーション キーワードは、各データセット内のデータをどの場所に、またはどのような形式で格納するかを識別するためにファイル ジオデータベースまたはエンタープライズ ジオデータベースで使用される 1 つの設定または一連の設定を表します。 テーブルまたはフィーチャクラスを作成する際に、コンフィグレーション キーワードを使用して、データを格納する方法を指定することができます。

ジオデータベースのデータ設計と機能

下の表には、ArcGIS Pro のジオデータベース内のデータセットに適用できるさまざまなデータ設計ツールとモデリング ツールを掲載しています。

用語説明

履歴管理

履歴管理では、ジオデータベース内のすべてまたは一部のデータに加えられた変更を記録し、その履歴情報にアクセスすることができます。 履歴管理は、経時的なデータ変更を記録、管理、解析するためのメカニズムです。

添付ファイル

添付ファイルは、ドキュメントや画像などのメディア ファイルのコピーをフィーチャクラス内のフィーチャやスタンドアロン テーブル内の行に関連付けるために使用されます。 これにより、たとえば、フィールドの特定のアセットを表すフィーチャクラスに画像を添付したり、建物のリスト内の特定の建物の損害評価レポートを添付したりして、情報やコンテキストを追加することができます。

属性ルール

属性ルールを使用すると、編集の操作性を強化して、ジオデータベース データセットのデータ整合性を向上させることができます。 属性ルールは、属性を自動的に設定し、編集操作中の無効な編集を制限し、既存のフィーチャに対して品質保証チェックを実行するためのユーザー定義のルールです。

属性ルール - 計算属性ルール

計算ルールを使用すると、フィーチャに属性構成が自動的に取り込まれます。 次に示すように、ルールを評価するタイミングに応じて、即時計算ルールまたはバッチ計算ルールとして作成することができます。

  • 即時計算ルール - 編集操作中にすぐにルールの評価が実行されます。 評価は、トリガー イベントのタイプ (挿入、更新、削除) によってコントロールされます。 更新イベントの場合は、必要に応じてトリガー フィールド リストを指定できます。
  • バッチ計算ルール - ユーザーが指定した日時にルールの評価が実行されます。 エラー インスペクター ビューを使用してルールを評価したり、ルールの評価 (Evaluate Rules) ツールを使用してルールを評価したりすることができます。

属性ルール - 制約属性ルール

制約ルールは、フィーチャで許容される属性構成と一般的なリレーションシップを指定します。 計算ルールとは異なり、制約ルールは属性の設定には使用されません。フィーチャ上で特定の条件が満たされたことを確認するために使用されます。

属性ルール - 検証属性ルール

検証ルールは、フィーチャで許容される属性構成と一般的なリレーションシップを指定します。 これらのルールは、特定の要件や制約に基づいてデータセットのフィーチャをチェックするために使用されます。 ルールの評価はユーザーが指定した時間に既存のフィーチャに対して実施されます。ルール違反が見つかった場合は、エラー フィーチャが作成されます。 このプロセスにより、フィーチャに対して品質評価チェックを行い、反復的なプロセスとして懸念のあるエリアを検証できるようになります。

属性ルール - テンプレート属性ルール

ユーザー定義の属性ルールを作成することに加えて、テンプレートを使用して属性ルールを作成できます。 特定のワークフローの属性ルールを作成する手助けとして使用可能なテンプレートがあります。 属性ルール テンプレートを使用すると、Arcade スクリプト式を作成しなくても、属性ルールの機能を活用できます。

条件値

条件値は条件属性値と呼ばれることもあり、1 つのフィールド内の値をもう 1 つのフィールド内の値に依存させることができるデータ設計機能です。

ドメイン

属性ドメインとは、フィールド タイプの使用可能な値を規定するルールです。 テーブルまたはフィーチャクラスの特定の属性に対する許容値を制約するために使用されます。 フィールドに配置するものを、有効なリストまたは選択肢の範囲に制限することで、データ整合性を維持します。

編集情報の記録

編集情報の記録では、フィーチャクラスおよびテーブルに設定を指定します。これにより、行われた挿入および更新の情報が自動的に記録できます。 データおよび編集が発生したタイム スタンプを作成または変更した編集者の記録が維持されます。

サブタイプ

サブタイプは、同じ属性を共有するフィーチャクラス内のフィーチャ、またはテーブル内のオブジェクトのサブセットです。 サブタイプはデータを分類するための手段として使用されます。

ジオデータベースのデータ編集

下の表には、ArcGIS Pro のジオデータベース内のデータセットに適用できるさまざまなデータ編集オプションとデータ編集メカニズムを掲載しています。

用語説明

ブランチ バージョニング

Web フィーチャ レイヤーの操作中のマルチユーザー編集シナリオとロング トランザクションを可能にすることで Web GIS モデルを容易に処理できます。 詳細については、「ブランチ バージョンの構成のシナリオ」をご参照ください。

トラディショナル バージョニング

エンタープライズ ジオデータベースから直接アクセスした場合はロング トランザクションのバージョン内で柔軟に作業でき、フィーチャ サービスを使用してショート トランザクションに対応する場合は簡単に操作できます。 詳細については、「トラディショナル バージョンの構成のシナリオ」をご参照ください。

トラディショナル バージョニング (ベース テーブルへの移行)

編集者とアプリケーションがベース データに直接アクセスできると同時に、他の編集者が自分専用の個別バージョンで作業できる任意形式のトラディショナル バージョニングです。

バージョン非対応編集

ユーザーが複数のバージョンを操作せずにデータを編集できるようにするデータ管理方針です。 バージョン非対応の編集は、標準のデータベース ショート トランザクションに相当します。 ArcGIS Pro でバージョン非対応データを編集する場合は、各トランザクションが自動的にデータベースにコミットされるため、編集内容を保存する必要がありません。 変更した内容は、トランザクションが完了した時点で、データにアクセスするその他すべてのユーザーとアプリケーションで使用できるようになります。

ジオデータベースのロック

ユーザーがデータを表示および編集すると、ArcGIS Pro でエンタープライズ ジオデータベース内のデータセットに対してロックの適用と解除が実行されます。 これらのロックは、データとバージョンの一貫性を維持するのに必要です。 ジオデータベース内のオブジェクトがロックされると、これらのオブジェクトへのアクセスは、保持されているのが共有ロックであるか排他ロックであるかに応じて変更されます。

バージョニングに関するドキュメントでよく出現する用語については、バージョニングの用語集をご参照ください。

ジオデータベースのデータ分布

下の表には、ArcGIS Pro のジオデータベース内のデータセットに適用できるさまざまなデータ分布オプションを掲載しています。

用語説明

ジオデータベース レプリケーション

ジオデータベース レプリケーションでは、複数のジオデータベースに分散するデータのコピーを作成できます。これにより、ユーザーはそれぞれのジオデータベース内のデータを編集して、そのデータに加えられた変更を同期させることができます。

チェックアウト レプリカ

チェックアウト/チェックイン レプリケーションでは、子レプリカのデータを編集した後、これらの編集内容を親レプリカと同期させることができます。 詳細については、ジオデータベース レプリケーション タイプをご参照ください。

一方向レプリカ

一方向レプリケーションでは、親レプリカから子レプリカまたは子レプリカから親レプリカへの一方向のデータ変更の送信を繰り返し行うことができます。 一方向レプリカは同期の後も存続するので、引き続きデータ変更を送信することができます。

双方向レプリカ

双方向レプリケーションでは、親レプリカから子レプリカへのデータ変更の送信および、子レプリカから親レプリカへのデータ変更の送信の両方の方向の同期処理を繰り返し行うことができます。 両方のレプリカ ジオデータベースで同じ行が編集された場合には、レプリカを同期する際に競合として検出されます。

同期

同期は、あるレプリカがデータ変更を送信し、相対レプリカがデータ変更を受信するという仕組みで実行されます。 データ変更には、レプリカ バージョンで実行された挿入、更新、削除が含まれます。

オフライン ワークフロー

ネットワーク接続に信頼性がない場合またはネットワーク接続の通信速度が遅い場合は、Web レイヤー データをオフラインで取得して ArcGIS Pro で使用することができます。 この操作を実行する場合は、データのローカル コピーを操作します。 これにより、ネットワークに接続する必要なく、編集を加えて、作業を遂行することができます。 もう一度ネットワークが使用可能になったら、ローカルで加えた編集内容をアップロードできます。 このワークフローを構成する方法の詳細については、「オフラインでのマップの利用」をご参照ください。

フィーチャ サービス レプリカ

フィーチャ サービス レプリカは、オフラインのフィーチャ レイヤーと複製元データとの同期を可能にする機能を提供します。 フィーチャ サービス レプリカはオフラインで加えられた編集を受信します。その後、この編集は複製元のフィーチャ レイヤーに同期されます。 同期の過程で、フィーチャ サービス レプリカは複製元のフィーチャ レイヤーに加えられた編集も受信し、オフラインにしたフィーチャ レイヤーでこれを使用可能にします。

レプリカ バージョン

[ダウンロードされたマップごとのバージョンの作成] オプションを有効化して公開された編集可能なフィーチャ サービスが含まれているマップをダウンロードしてオフラインで使用するごとに、レプリカ バージョンが自動的に作成されます。 編集可能なフィーチャ サービスにトラディショナル バージョン対応データが含まれており、[ユーザーごとのバージョンの作成] オプションを有効にした状態で公開すると、マップをオフラインにした各ユーザーに対してレプリカ バージョンが作成されます。 各レプリカ バージョンはフィーチャ サービス レプリカに関連付けられています。

関連トピック