ディープ ラーニングを使用すると、LAS 形式の点群を分類したり、多くの種類のフィーチャを分類したりできます。 ディープ ラーニングでは、建物や地表のような特定の物を識別するのに定義済みのルールは使用しません。 代わりに、対象フィーチャの例を提供し、それらの例を使用してニューラル ネットワークをトレーニングすることで、他のデータに含まれるそれらのフィーチャを認識して分類できるようにします。
他の場所で作成されたディープ ラーニング モデルを使用することも、独自のモデルを作成することもできます。 モデルの作成は時間と労力を必要とするため、ほとんどのユーザーは、専門的なデータ サイエンティストが作成したモデルを選択する傾向にあります。 ArcGIS Living Atlas で、自分のプロジェクトに適したモデルが利用可能であるか確認してみてください。 利用できない場合は、独自のモデルを作成することを検討してください。 独自のモデルを作成する方法の詳細については、「点群の分類に向けたディープ ラーニング モデルのトレーニング」をご参照ください。 [点群分類モデルの評価 (Evaluate Point Cloud Classification Model)] ツールを使用すると、トレーニング済みモデルが特定データでどの程度適切に実行されるかを、統計的な観点から確認できます。
他の誰かのディープ ラーニング モデルを使用する場合も、独自のモデルを使用する場合も、分類するデータがモデルのトレーニングに使用されるデータと類似していることを確認する必要があります。 できるだけ、同一のデータ収集プロジェクトからこれらのデータを取得することをお勧めします。 そうしない場合は、少なくともデータの品質が共通している必要があります。 たとえば、航空機 LIDAR を使用してトレーニングされたモデルは、写真測量/SfM 点群ではなく、航空機 LIDAR 点群の分類に適しています。 名目ポイント間隔が類似している必要があります。また、強度やリターン番号などの他の属性がモデリングに組み込まれていた場合は、それらの属性も類似している必要があります。
[トレーニング済みモデルを使用して点群を分類 (Classify Point Cloud Using Trained Model)] ツールの使用
[トレーニング済みモデルを使用して点群を分類 (Classify Point Cloud Using Trained Model)] ジオプロセシング ツールは、入力として LAS データセットとディープ ラーニング モデルを受けつけます。 LAS データセットは、1 つ以上の LAS ファイルを参照し、これらのファイルがツールによって編集されます。 モデルは、Esri モデル定義ファイル (*.emd) またはディープ ラーニング パッケージ (*.dlpk) のいずれかです。 どちらのモデルもトレーニング ツールから出力されます。 違いとして、.dlpk ファイルはオンラインでの公開および共有が可能で、自己完結型であることが挙げられます。 これに対して、*.emd ファイルはその他のデータ (具体的には *.pth ファイル) を参照し、モデルが正常に機能するにはこれらのファイルが存在している必要があります。
モデルが入力としてツールに追加されると、モデルが分類するようにトレーニングされたクラスのリストが、ツールのダイアログ ボックスに表示されます。 デフォルトでは、すべてのクラスが選択されています。 分類対象にしないクラスをオフにすることができます。
[既存のクラス コードの処理] という別のパラメーターを使用すると、ターゲット LAS 点群内で変更できるポイントを制御できます。 デフォルトでは、ターゲット点群内のすべてのポイントを編集できます。 代わりに、特定のクラス コードのみを含むポイントを変更できるように指定することもできます。 それ以外のポイントは、それらのポイントに対するディープ ラーニング モデルの予測結果にかかわらず、そのまま残ります。 また、より適切と思われる場合は、特定のコードを含むポイントを変更できないように指定して、反対を選択することもできます。 たとえば、ターゲット点群がすでに地表に分類済みであり、それらの点群をそのまま残す場合は、クラス 2 (地表を表す) であるポイントを維持することを選択します。
[バッチ サイズ] パラメーターは、分類プロセスのパフォーマンスに影響します。 これは GPU に一度に渡されるデータ ブロックの数を表しています。 GPU はデータ ブロックを並列処理するため、この値が大きいほど処理速度が上がります。 メモリにはコストがかかります。 処理できるのは、使用可能な GPU メモリで許容される数のブロックだけです。 バッチ サイズが指定されていない場合、デフォルトでは、ツールが独自に妥当な値の検出を試みます。 使用される値が出力メッセージに書き込まれます。 これより大きい値を使用することも可能であり、値を指定することでデフォルトをオーバーライドできます。 テスト実行中に、GPU のメモリ使用状況を監視できます。 分類中に多くの使用可能な GPU メモリが残っている場合は、バッチ サイズを大きくして、一度に処理できるブロック数を増やすことができます。