ダイアグラムの拡張機能を使用すると、一時的なダイアグラムの格納物を、接続性、通過可能性、格納、または付属物で 1 ネットワーク エレメント レベル拡張することができます。 この機能は、ネットワーク データの制御や検証のフェーズで特に役立ちます。
[ネットワーク ダイアグラム] リボンの [変更] グループの [拡張] のコマンドを使用するか、[ダイアグラムの拡張 (Extend Diagram)] ジオプロセシング ツールを実行することで、ネットワーク ダイアグラム格納物を拡張できます。
[接続性でダイアグラムを拡張] および [通過可能性でダイアグラムを拡張] は、ダイアグラムの格納物の隣接性を 1 レベルだけ拡張します。たとえば、単一のバルブが含まれるダイアグラムを拡張します。 接続性または通過可能性でダイアグラムを拡張すると、一時的なダイアグラムには、バルブの両側に 1 つずつ、合計で 2 つのパイプが含まれます。
これら 2 つの機能を使用する際には、次の点に留意してください。
- 接続性でのダイアグラムの拡張の場合、接続性、ジオメトリの一致、または接続性の関連付けに基づいてすべての隣接ネットワーク エレメントが取得されます。 これらのエレメントはダイアグラムに追加されます。
- 通過可能性でのダイアグラムの拡張の場合、フィーチャの Status 属性に関して通過可能であるすべての隣接ネットワーク エレメントが取得されます。
- [有効] は、これらのフィーチャがネットワーク内でアクティブであるため、通過可能であることを示します。 これらのエレメントはダイアグラムに追加されます。
- [無効] は、これらのフィーチャがアクティブではないため、通過できないことを示します。 これらのエレメントはダイアグラムに追加されません。
[格納でダイアグラムを拡張] は、ダイアグラムに表される格納器フィーチャまたは格納器オブジェクトの格納物であるネットワーク エレメントを追加することで、ダイアグラム格納物を拡張します。
[付属物でダイアグラムを拡張] を使用して以下を追加します。
- ダイアグラムに表される構造物エレメントと論理的に関連付けられたすべてのネットワーク エレメント
- ダイアグラムに表されるネットワーク構造物に付属することが予想される、ダイアグラムに表されるすべてのネットワーク エレメント
これら 4 つの機能は、ダイアグラムの格納物全体と、選択したダイアグラム フィーチャのセットに実行されます。
どちらのタイプの拡張を使用しても、拡張プロセスは同じです。 最初に、現在のダイアグラム格納物の構築に使用されたすべての初期ネットワーク エレメント、またはダイアグラム内で現在選択されているダイアグラム フィーチャに関連する初期ネットワーク エレメントのセットを取得します。 次に、まだダイアグラムの一部でなく、次のいずれかであるすべてのネットワーク エレメントを追加します。
- ネットワーク接続性または通過可能性に関して、最初に取得したジャンクションに 1 レベル隣接している
- 格納または付属物の関連付けに関して、最初に取得したジャンクションに 1 レベル関連している
注意:
拡張ダイアグラムは、ダイアグラム テンプレートによってロックされることがあります。つまり、ネットワークの [レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスの「[ネットワーク ダイアグラム] タブ」の [ダイアグラム テンプレート] セクションにあるダイアグラム テンプレートに対して、[ダイアグラムの拡張] プロパティが無効になります。 この場合、[ネットワーク ダイアグラム] タブの [拡張] コマンドが使用できなくなります。
このコマンドは、アクティブなネットワーク ダイアグラム レイヤーに対して [すべてのレイヤー] モードがオフになっている場合も使用できません。 その場合には、[ネットワーク ダイアグラム] タブの [管理] グループにある [すべてのレイヤー] をクリックして、[すべてのレイヤー] モードをオンにします。
格納済みのダイアグラムを誤って拡張するリスクを抑えるために、関連ダイアグラム テンプレートによって承認されていても [拡張] コマンドを使用して保存済みのダイアグラムを拡張することはできません。 この場合は、[ダイアグラムの拡張 (Extend Diagram)] ツールを開く必要があります。 リボンのコマンドからダイアグラムを拡張する操作は、関連テンプレートによって拡張が承認され、ネットワーク ダイアグラム レイヤーに対して [すべてのレイヤー] モードがオンになっている場合に、一時的なダイアグラムでのみ実行できます。
要件と前提条件
ダイアグラムを拡張するための要件と前提条件を次に示します。
- ネットワーク トポロジが、有効化されている必要があります。
- この操作は、トランザクションであるため、実行前に編集内容を保存する必要があります。
- この操作は、ファイル ジオデータベースまたはモバイル ジオデータベース内のユーティリティ ネットワークまたはトレース ネットワークから取得したネットワーク ダイアグラム レイヤーに適用されるか、ネットワーク ダイアグラム サービスから取得したネットワーク ダイアグラム レイヤーに適用されます。 エンタープライズ ジオデータベース内のユーティリティ ネットワークまたはトレース ネットワークを操作する場合、入力ネットワーク ダイアグラム レイヤーは、サービスから取得する必要があります。
- 操作しているダイアグラムは、一時的である必要があります。
- 関連するダイアグラム テンプレートによって、ダイアグラムを拡張できます。
- 操作を適用するダイアグラム レイヤーに対して、すべてのレイヤー ダイアグラム モードをオンにして、レイヤーがフィーチャを含んでいるかどうかにかかわらず、すべてのレイヤーが、[コンテンツ] ウィンドウに表示されるようにする必要があります。 オフになっている場合は、[ネットワーク ダイアグラム] タブの [管理] グループで、[すべてのレイヤー] をクリックします。
- 表示可能であるか集約されているかにかかわらず、ダイアグラムの生成に最初に使用されたネットワーク フィーチャにダーティ エリアが存在しません。
- 表示可能であるか集約されているかにかかわらず、ダイアグラムの生成に最初に使用されたネットワーク オブジェクトに関連する格納器フィーチャにダーティ エリアが存在しません。
- ダイアグラムを拡張するために処理されたネットワーク フィーチャにダーティ エリアが存在しません。
- ダイアグラムを拡張するために処理されたネットワーク オブジェクトに関連する格納器フィーチャにダーティ エリアが存在しません。
ダイアグラムの拡張
一時的なダイアグラムを拡張するには、次の手順に従います。
- 拡張する一時的なネットワーク ダイアグラムを参照するダイアグラム マップを有効化します。 次に、ダイアグラムに対応するネットワーク ダイアグラム レイヤーをクリックします。
- ダイアグラムの一部を拡張するか、1 つ以上のダイアグラム フィーチャに特に焦点を当てるには、フィーチャの選択ツールのいずれか (たとえば、[四角形による選択]、[ポリゴンによる選択] など) を使用して、ダイアグラム フィーチャを選択します。
- [ネットワーク ダイアグラム] タブの [変更] グループで、[拡張] の下の矢印をクリックして、次のいずれかをクリックします。
- [接続性でダイアグラムを拡張] - ダイアグラムの格納物をネットワークの接続性に関して 1 レベル拡張します。
- [通過可能性でダイアグラムを拡張] - ダイアグラムの格納物をネットワークの通過可能性に関して 1 レベル拡張します。
- [付属物でダイアグラムを拡張] - ダイアグラムの格納物を付属物の関連付けに関して 1 レベル拡張します。
- [格納でダイアグラムを拡張] - ダイアグラムの格納物を格納の関連付けに関して 1 レベル拡張します。
アクティブなダイアログの格納物が拡張されます。 拡張プロセスでは、ダイアグラムのベースとなるテンプレートで構成できるダイアグラムのルールおよび自動レイアウトが連結されます。 拡張操作の前に存在していたダイアグラム フィーチャの位置は維持され、ダイアグラムに追加された新しいフィーチャが、以下のルールに従って表示されます。
- ネットワーク ポイント フィーチャを表すダイアグラム ポイント ジャンクションは、ポイント フィーチャの地理的位置に表示されます。
- ネットワーク ポリゴン フィーチャを表すダイアグラムのポイント ジャンクションは、フィーチャ境界エンベロープの中央に配置されます。
- ネットワーク ジャンクション オブジェクトを表すダイアグラムのポイント ジャンクションは、一部またはその他のすべての格納物とともに、その空間格納器を表す、ダイアグラム ポリゴン格納器内部の最適な位置に配置されます。
- 格納器ポイント フィーチャを表すダイアグラムのポリゴン格納器は、中心がポイント フィーチャの地理的位置に配置される、格納物の周囲の四角形として表示されます。
- 格納器ポリゴン フィーチャを表すダイアグラムのポリゴン格納器は、中心がフィーチャ境界エンベロープの中央に配置される、格納物の周囲の四角形として表示されます。
- 格納器ジャンクション オブジェクトを表すダイアグラムのポリゴン格納器は、格納物の周囲で、独自のダイアグラムのポリゴン格納器内部の最適な位置に配置される、四角形として表示されます。
- ネットワーク エッジ オブジェクトを表すダイアグラム エッジは、From および To ダイアグラム ジャンクション間の直線として表示されます。
- ネットワーク ライン フィーチャを表すダイアグラム エッジは、ダイアグラム テンプレートがエッジの初期状態の頂点を保持するように構成されている場合は、ライン フィーチャ ジオメトリとともに表示されます。それ以外の場合は、From および To ダイアグラム ジャンクション間の直線として表示されます。
注意:
ダイアグラムのベースとなるテンプレート構成によっては、結果の拡張ダイアグラムについて、元のネットワーク ダイアグラムと違いが見てわからない場合があります。 一般的に、この状況は、追加されたネットワーク エレメントが、単純化された/削減された格納器フィーチャの格納物であり、拡張操作の前にダイアグラム内に存在していた場合などに発生します。 ベスト プラクティスとしては、ジャンクションの削減、格納器の単純化、格納器の展開、またはトレース ルールを使用して構成されたテンプレートに基づくダイアグラムの場合は、ダイアグラムの拡張機能を無効化します。