回路の操作

ArcGIS Pro[回路の検索][回路の修正]、および [回路の作成] ウィンドウを使用すると、ユーティリティ ネットワーク内の通信回路を操作できます。

[回路の検索] ウィンドウでは、回路をネットワーク内で検索してフィルターし、その回路に対して操作を実行できます。 [回路の修正] ウィンドウでは、選択した回路とそのセクションおよびサブ回路の詳細を変更できます。 [回路の作成] ウィンドウでは、ネットワーク内に回路、回路セクション、およびサブ回路を作成できます。 このトピックでは、これらのウィンドウで、通信ドメイン ネットワーク内に回路を作成して操作する方法を説明します。

要件

これらのウィンドウを使用して回路を操作するには、通信ドメイン ネットワークを含むユーティリティ ネットワークがアクティブなマップ内に存在している必要があります。 回路のショートカット メニューで使用できる回路管理タスクを実行するには、各操作の要件を確認してください。

回路の検索ウィンドウの使用

[回路の検索] ウィンドウでは、回路をネットワーク内で検索してフィルターし、その回路に対してさまざまな操作を実行できます。 デフォルトでは、このウィンドウを開くと、アクティブな通信ドメイン ネットワークに存在するすべての回路のリストが表示されます。 このリストは、回路名を基準にフィルターするか、フィーチャまたはオブジェクトを選択し、ドロップダウン メニューにあらかじめ用意されているいずれかのフィルターを使用してフィルターすることができます。

注意:

ドメイン ネットワークの Circuit テーブルまたはフィルター結果に 2,000 件以上のレコードが含まれている場合は、最初の 2,000 件だけが表示されます。 回路名を Search フィールドに入力すると、結果をさらに絞り込んで回路を表示することができます。

回路リストの Status 列にあるアイコンは、その回路がクリーンであるか、ダーティであるか、無効であるかを示します。

  • 緑色のアイコン は、その回路がクリーンであり、すでに検証済みであることを示します。
  • 黄色の警告アイコン 不整合の可能性 は、その回路がダーティであることを示します。 これは、回路が最後に更新された後で、その回路に変更が加えられたことを意味します。
  • 赤色の感嘆符アイコン 感嘆符ストップ は、その回路が無効であることを示します。 このアイコンは、回路の検証中に無効な始点や無効な停止点などのエラーが特定された場合に表示されるか、回路を定義している始点と停止点の間に複数のパスが検出された場合に表示されます。
回路の検索ウィンドウ

[回路の検索] ウィンドウのグリッド ビューで回路を右クリックしてショートカット メニューにアクセスし、ネットワーク内の回路に対してさまざまな操作 (エクスポート、修正、検証、削除など) を実行できます。

ウィンドウでの回路の検索

[回路の検索] ウィンドウで回路を検索して操作するには、次の手順を実行します。

  1. [ユーティリティ ネットワーク] タブをクリックします。
  2. [通信回路] グループで [回路の検索] をクリックします。

    通信ドメイン ネットワークを含むユーティリティ ネットワークがアクティブなマップ内にある場合、[通信回路] グループが有効になります。 回路を [回路の検索] ウィンドウに表示するには、その回路が回路テーブルで参照されている必要があります。

    [回路の検索] ウィンドウが表示されます。

  3. 複数の通信ドメイン ネットワークがネットワークに含まれている場合は、Search フィールドの右にあるドロップダウン メニューを使用して、目的の通信ドメイン ネットワークを指定します。
  4. 必要に応じて、Search フィールドに回路名を入力するか、フィーチャまたはオブジェクトを選択し、定義済みのいずれかのフィルター (または 2 つのフィルターの組み合わせ) を使用して、グリッド リストに返された回路をフィルターします。 ウィンドウの下部にある [リセット] ボタンをクリックすると、すべてのフィルターと検索語句がウィンドウから消去されます。
    • 検索 - Search フィールドを使用して、回路名を入力し、指定したテキストを含む回路を返します。
    • フィルター - 定義済みフィルターのリストを展開して、グリッド内の回路のリストに次のフィルターのいずれかを適用できます。 このフィルターを単独で使用するか、Search フィールドまたは選択セットと組み合わせて使用して、グリッド内の回路をフィルターすることができます。
      • [すべての回路] - 選択した通信ドメイン ネットワークの回路がすべて返されます。 これはデフォルトであり、ウィンドウを開いた時点で適用されます。
      • [選択したフィーチャ/オブジェクトから開始する回路] - マップ内で選択したフィーチャまたはオブジェクトに対応する始点を含む回路がすべて返されます。 ここでは、単一のフィーチャまたはオブジェクトを選択できます。
      • [選択したフィーチャ/オブジェクトで終了する回路] - マップ内で選択したフィーチャまたはオブジェクトに対応する停止点を含む回路がすべて返されます。 ここでは、単一のフィーチャまたはオブジェクトを選択できます。
      • [選択したフィーチャ/オブジェクトを通過する回路] - マップ内で選択したフィーチャまたはオブジェクトを含む回路がすべて返されます。 ここでは、単一のフィーチャまたはオブジェクトを選択できます。
      • [削除された回路] - ドメイン ネットワーク内で Is deleted 属性値が True の回路がすべて返されます。
  5. 必要に応じて、リスト内の回路を右クリックしてショートカット メニューにアクセスし、回路管理タスクを実行します。

    タスクには、次のようなものがあります。

    • [回路のエクスポート] - 選択した回路の詳細が事前に入力された状態で回路のエクスポート ツールを開きます。
    • [回路の修正] - 回路、回路セクション、またはサブ回路に修正を加えることができる [回路の修正] ウィンドウを開きます。
    • [回路の確認] - ダーティ回路を検証し、Status 属性値を Clean に更新します。 このオプションは、ジオプロセシング フレームワークを使用していないため、回路のステータスがクリーンまたは無効の場合には使用できません。
    • [回路の削除] - Is deleted 属性値を True に更新して、ネットワークから回路を論理的に削除します。
    • [回路の差異の表示] - 回路がダーティまたは無効になることの原因となっている差異を表示します。
      ベータ版:

      [回路の差異の表示] は今後の作業に対応するためのものであり、現時点では使用できません。

回路の作成ウィンドウと回路の修正ウィンドウの使用

[回路の作成] ウィンドウでは、回路、回路セクション、サブ回路を作成し、[回路の修正] ウィンドウでは、始点の更新やセクションの追加など、既存の回路の詳細を変更することができます。

ウィンドウでセクション化されていない回路を作成

[回路の作成] ウィンドウを使用してセクション化されていない回路を作成するには、次の手順を実行します。

  1. [ユーティリティ ネットワーク] タブをクリックします。
  2. [通信回路] グループで [回路の作成] をクリックします。

    [詳細] タブがアクティブな状態で [回路の作成] ウィンドウが表示されます。

  3. 複数の通信ドメイン ネットワークがネットワークに含まれている場合は、[名前] フィールドの右にあるドロップダウン メニューを使用して、回路が作成される目的の通信ドメイン ネットワークを指定します。
  4. [名前] パラメーターで、回路の名前を指定します。

    回路名は、ユーティリティ ネットワーク内で一意でなければなりません。 名前が 128 文字を超えてはならず、次の特殊文字は無効となります。

    • アクサン グラーブ (`)
    • チルダ (~)
    • アット マーク (@)
    • ドル記号 ($)
    • パーセント記号 (%)
    • キャレット (^)
    • アスタリスク (*)
    • プラス記号 (+) キー
    • 等号 (=)
    • 垂直バー (|)
    • バックスラッシュ (\)
    • 小なり記号 (<)
    • 大なり記号 (>)
    • 疑問符 (?)
    • 左中かっこ ({)
    • 右中かっこ (})
    • ピリオド (.)
    • 感嘆符 (!)
    • 一重引用符 (')
    • 左角かっこ ([)
    • 右角かっこ (])
    • セミコロン (;)
    • キャリッジ リターン (\r)
    • 改行 (\n)
    • 二重コロン (::)

  5. [複数のセクション] パラメーターで、チェックボックスをオフのままにして、セクション化されていない回路を作成します。
    ここでは、1 つの始点と停止点を含むセクション化されていない回路が作成されます。 これがデフォルトです。

    [回路の作成] ウィンドウを使用してセクション化されている回路を作成する方法の詳細

  6. 必要に応じて、[属性] セクションで、Circuit テーブルに追加したユーザー定義フィールドに値を入力します。
  7. [始点] で、[トレース] ウィンドウを使用して、回路の始点になるフィーチャを選択するか、選択済みのフィーチャを読み込みます。
  8. [停止点] で、[トレース] ウィンドウを使用して、回路の停止点になるフィーチャを選択するか、選択済みのフィーチャを読み込みます。
  9. [読み込み] ボタンをクリックして、トレース位置をウィンドウに読み込み、[始点] パラメーターと [停止点] パラメーターに値を入力します。
  10. [トレース] ボタンをクリックして、トレース位置を検証し、1 つのパスが存在することを確認します。

    [適用] ボタンが有効になります。

  11. 必要に応じて、[サブ回路] タブをクリックして、サブ回路を作成します。
    1. 追加ボタン をクリックして、[名前] フィールドにサブ回路の名前を入力します。
    2. [使用者] フィールドを右クリックして、そのサブ回路を独自の回路で使用するために予約するかどうかを指定します。
  12. [適用] をクリックします。

回路が作成されました。

ウィンドウでセクション化されている回路を作成

[回路の作成] ウィンドウを使用してセクション化されている回路を作成するには、次の手順を実行します。

  1. [ユーティリティ ネットワーク] タブをクリックします。
  2. [通信回路] グループで [回路の作成] をクリックします。

    [詳細] タブがアクティブな状態で [回路の作成] ウィンドウが表示されます。

  3. 複数の通信ドメイン ネットワークがネットワークに含まれている場合は、[名前] フィールドの右にあるドロップダウン メニューを使用して、回路が作成される目的の通信ドメイン ネットワークを指定します。
  4. [名前] パラメーターで、回路の名前を指定します。

    回路名は、ユーティリティ ネットワーク内で一意でなければなりません。 名前が 128 文字を超えてはならず、次の特殊文字は無効となります。

    • アクサン グラーブ (`)
    • チルダ (~)
    • アット マーク (@)
    • ドル記号 ($)
    • パーセント記号 (%)
    • キャレット (^)
    • アスタリスク (*)
    • プラス記号 (+) キー
    • 等号 (=)
    • 垂直バー (|)
    • バックスラッシュ (\)
    • 小なり記号 (<)
    • 大なり記号 (>)
    • 疑問符 (?)
    • 左中かっこ ({)
    • 右中かっこ (})
    • ピリオド (.)
    • 感嘆符 (!)
    • 一重引用符 (')
    • 左角かっこ ([)
    • 右角かっこ (])
    • セミコロン (;)
    • キャリッジ リターン (\r)
    • 改行 (\n)
    • 二重コロン (::)

  5. [複数のセクション] パラメーターで、チェックボックスをオンにして、セクション化されている回路を作成します。
    これで、セクション化されている回路が作成されます。 [始点] パラメーターと [停止点] パラメーターがウィンドウから削除され、[セクション] タブと [順序] タブが追加されます。

    [セクション] タブでは、各セクションの始点と停止点を指定します。 [順序] タブでは、セクションの順序を定義します。

  6. 必要に応じて、[属性] セクションで、Circuit テーブルに追加したユーザー定義フィールドに値を入力します。
  7. 必要に応じて、[サブ回路] タブをクリックして、サブ回路を作成します。
    1. [サブ回路] タブで、追加ボタン をクリックして、[名前] フィールドにサブ回路の名前を入力します。
    2. [使用者] フィールドを右クリックして、そのサブ回路を独自の回路で使用するために予約するかどうかを指定します。 デフォルト値は未予約です。

      サブ回路を予約したことを指定すると、そのサブ回路の [使用者] フィールドに回路名が入力されます。

  8. [セクション] タブにある最初のセクションで、そのセクションの定義にトレースを使用するか、サブ回路を使用するかを指定します。
    • [トレースの使用] - [トレース] ウィンドウで指定した始点と停止点を使用してセクションが構成されます。
    1. [接続性の推測] パラメーターでは、回路セクションの接続性の確立に接続性の推測を使用するかどうかを指定します (このパラメーターは今後の作業に対応するためのものであり、現時点では使用できません)。
    2. [始点] パラメーターで、[トレース] ウィンドウを使用して、回路セクションの始点の役割を果たすフィーチャを選択するか、選択済みのフィーチャを読み込みます。
    3. [停止点] パラメーターで、[トレース] ウィンドウを使用して、回路セクションの停止点の役割を果たすフィーチャを選択するか、選択済みのフィーチャを読み込みます。
    4. [読み込み] ボタンをクリックして、トレース位置をウィンドウに読み込み、[始点] パラメーターと [停止点] パラメーターに値を入力します。
    5. [トレース] ボタンをクリックして、トレース位置を検証し、1 つのパスが存在することを確認します。
    6. [確定] ボタンをクリックして、回路セクションの定義にトレース結果を使用することを確定します。

      セクションを定義する始点と停止点の詳細が表示されます。

    7. 必要に応じて、その回路の別のセクションを作成するには、追加ボタン をクリックして、セクションを作成する手順を実行します。
    • [サブ回路の使用] - 既存のサブ回路を使用して、回路セクションを定義します。
    1. [回路の選択] パラメーターで、現在の回路を選択して、その回路のサブ回路を表示するか、[読み込み] ボタンをクリックして、通信ドメイン ネットワーク内でサブ回路を含むすべての回路を読み込みます。
    2. [サブ回路の選択] パラメーターで、回路セクションの定義に使用するサブ回路を選択します。
    3. [トレース] ボタンをクリックして、サブ回路を検証し、パスが存在することを確認します。
    4. [確定] ボタンをクリックして、回路セクションの定義にサブ回路のトレース結果を使用することを確定します。

      セクションを定義するサブ回路の詳細が表示されます。

  9. [適用] をクリックします。

回路が作成されました。

ウィンドウでセクション化されていない回路を修正

[回路の修正] ウィンドウを使用してセクション化されていない既存の回路を修正するには、次の手順を実行します。

  1. [ユーティリティ ネットワーク] タブをクリックします。
  2. [通信回路] グループで [回路の検索] をクリックします。

    [回路の検索] ウィンドウが表示されます。

  3. グリッド上のリストにある回路を右クリックしてショートカット メニューを表示し、[回路の修正] をクリックします。

    [詳細] タブがアクティブで、選択した回路の詳細が入力された状態で [回路の修正] ウィンドウが表示されます。 セクション化されていない回路では [詳細] タブと [サブ回路] タブが表示されますが、セクション化されている回路では、さらに [セクション] タブと [順序] タブも表示されます。 [名前] を除いて、回路のすべての属性を修正できます。

  4. [複数のセクション] パラメーターで、チェックボックスをオフのままにして、その回路を 1 つの始点と停止点を含むセクション化されていない回路のまま維持します。 これがデフォルトです。
    1. [始点] で、[トレース] ウィンドウを使用して、回路の始点になるフィーチャを選択するか、選択済みのフィーチャを読み込みます。
    2. [停止点] で、[トレース] ウィンドウを使用して、回路の停止点になるフィーチャを選択するか、選択済みのフィーチャを読み込みます。
    3. [読み込み] ボタンをクリックして、始点と停止点をウィンドウに読み込み、[トレース] ボタンをクリックして、位置を検証し、1 つのパスが存在することを確認します。

      [適用] ボタンが有効になります。

  5. 必要に応じて、[属性] パラメーターで、Circuit テーブルに追加したユーザー定義フィールドの値を編集します。
  6. 必要に応じて、[始点] パラメーターで、[トレース] ウィンドウを使用して、回路に使用している始点を置換するフィーチャを選択するか、選択済みのフィーチャを読み込みます。
  7. 必要に応じて、[停止点] パラメーターで、[トレース] ウィンドウを使用して、回路に使用している停止点を置換するフィーチャを選択するか、選択済みのフィーチャを読み込みます。
  8. [読み込み] ボタンをクリックして、トレース位置をウィンドウに読み込み、[始点] パラメーターと [停止点] パラメーターに値を入力します。
  9. [トレース] ボタンをクリックして、トレース位置を検証し、1 つのパスが存在することを確認します。

    [適用] ボタンが有効になります。

  10. 必要に応じて、[サブ回路] タブをクリックして、サブ回路を作成、削除、修正します。
    1. 追加ボタン をクリックして、[名前] フィールドに新しいサブ回路の名前を入力します。
    2. 既存のサブ回路の名前を選択して、その名前を修正します。
    3. 削除ボタン をクリックして、サブ回路を削除します。
    4. [使用者] フィールドを右クリックして、独自の回路で使用するサブ回路を [予約] または [予約解除] します。
  11. [適用] ボタンをクリックします。

回路が修正されました。

ウィンドウでセクション化されている回路を修正

[回路の修正] ウィンドウを使用してセクション化されている既存の回路を修正するには、次の手順を実行します。

  1. [ユーティリティ ネットワーク] タブをクリックします。
  2. [通信回路] グループで [回路の検索] をクリックします。

    [回路の検索] ウィンドウが表示されます。

  3. グリッド上のリストにある回路を右クリックしてショートカット メニューを表示し、[回路の修正] をクリックします。

    [詳細] タブがアクティブで、選択した回路の詳細が入力された状態で [回路の修正] ウィンドウが表示されます。 [名前] を除いて、回路のすべての属性を修正できます。

  4. 必要に応じて、[複数のセクション] パラメーターで、チェックボックスをオンにして、その回路をセクション化されている回路にします。
  5. [セクション] タブをクリックします。
    • セクションを選択し、編集ボタン をクリックして、セクションを修正します。
      • 選択ボタン Select Polygon By Point を使用すると、マップ内のセクションをトレースしたり視覚化したりできます。
    • セクションを選択し、削除ボタン をクリックして、既存のセクションを削除します。
    • ウィンドウの上部にある追加ボタン をクリックして、ウィンドウでセクション化されている回路を作成する手順を実行します。
  6. [適用] ボタンをクリックします。

回路が修正されました。