Location Referencing ライセンスで利用可能です。
以下の情報に従って、ArcGIS Pipeline Referencing エクステンションを使用したリニア リファレンス データのモデリング、読み込み、およびルートの編集を実行します。
LRS データセット
LRS (リニア リファレンス システム) データセットは、LRS に関係するすべてのフィーチャクラスとともに、ジオデータベースのフィーチャ データセットにあるコントローラー データセットです。
注意:
[コンテンツ] ウィンドウまたは [カタログ] ウィンドウのいずれかから、LRS の階層を確認できます。
注意:
LRS データセットは、ArcGIS Pro でのみ表示されます。 LRS データセットを含むジオデータベースを ArcMap で開くと、エラー メッセージが表示されます。
ArcGIS Pro 2.3 で、LRS データセットを作成するツールを以下に示します。
- [LRS の作成 (Create LRS)] - 新たに作成された中心線、キャリブレーション ポイント、およびレッドライン フィーチャクラスは、指定した LRS 名と同じ名前のフィーチャ データセットに配置されます。
- [既存のデータセットから LRS を作成 (Create LRS From Existing Dataset)] - まだ LRS に登録されていない既存の中心線、キャリブレーション ポイント、およびレッドライン フィーチャクラスは、共通のフィーチャ データセットに存在する必要があります。 フィーチャ データセット名は、LRS 名と異なっていてもかまいません。
- [LRS の変更 (Modify LRS)] - LRS に登録されている既存の中心線、キャリブレーション ポイント、およびレッドライン フィーチャクラスは、共通のフィーチャ データセットに存在する必要があります。 フィーチャ データセット名は、LRS 名と異なっていてもかまいません。
次のツールを実行するには、LRS データセットが必要です。
- すべての構成ツールセットのツール
- イベントのアペンド
- ルートのアペンド
- イベントの振舞いを適用
- ルートの削除
- イベント メジャーの取得
- キャリブレーション ポイントの生成
- イベントの生成
- 交点の生成
- ルートの生成
- オーバーラップする中心線を削除
注意:
[Object ID を 64 ビットに移行 (Migrate Object ID To 64 Bit)] ツールを使用して、LRS データセットを 64 ビットの Object ID に移行します。
64 ビットの Object ID へのデータセットへのアップグレードは、Object ID 値が 21 億より大きい場合、あるいはデータがクラウド データ ウェアハウスから取得される場合に便利です。
LRS データセットに含まれる情報の一部は、arcpy.Describe 関数を使用して、確認できます。 LRS コントローラー データセットを含むジオデータベースの LRS メタデータとイベントの振舞いルールを確認するには、次の関数を使用します。
ファイル ジオデータベース:
desc = arcpy.Describe("C:\\Data\\LRData\\LrsSchema.gdb\\Lrs\\Lrs")
lrsXML = desc.lrsMetadata
eventBehaviors = desc.eventBehaviorRules
エンタープライズ ジオデータベース:
desc = arcpy.Describe("C:\\Data\\LRData\\LrsSchema.sde\\GPRefresh.DBO.LRS\\GPRefresh.DBO.LRS")
lrsXML = desc.lrsMetadata
eventBehaviors = desc.eventBehaviorRules
ファイルへの書き込み:
txtFile = open("C:\\Data\\LRData\\lrsXML.xml", "w")
txtFile.write(lrsXML)
txtFile.close()
データ モデリング
パイプラインの専門家は、規制準拠の担保、および市場や建設などのビジネス ニーズのために、代替のルート オプションを検討する任務を常に負っています。 この結果、通常はパイプラインの再配置 (ルートの再検索) が行われます。 再配置では、パイプの経路が変更されるだけでなく、LRS データ モデルに構成されているネットワークおよびイベントも影響を受けます。
Pipeline Referencing を使用するには、データがジオデータベースの Pipeline Referencing 情報モデルに含まれている必要があります。 詳細については、以下をご参照ください。
LRS 構成
LRS (リニア リファレンス システム) のモデル化および作成は、次のツールを使用して実行できます。
- LRS を作成および変更します。
[LRS の作成 (Create LRS)] または [既存のデータセットから LRS を作成 (Create LRS from Existing Dataset)] ツールのいずれかを使用して、LRS を作成できます。
既存の LRS を変更するには (LRS で競合の防止を有効にする機能を含む)、[LRS の変更 (Modify LRS)] を使用します。
- LRS ネットワークを作成します。
[LRS ネットワークの作成 (Create LRS Networks)] または [既存のデータセットから LRS ネットワークを作成 (Create LRS Network from Existing Dataset)] ツールのいずれかを使用できます。
既存の LRS ネットワークを変更するには、[LRS ネットワークの変更 (Modify LRS Network)] ツールを使用します。
- LRS イベントを作成します。
[LRS イベントの作成 (Create LRS Event)] または [既存のデータセットから LRS イベントを作成 (Create LRS Event from Existing Dataset)] ツールのいずれかを使用できます。
派生メジャー値フィールドをイベント フィーチャクラスに追加するには、[派生メジャー フィールドの有効化 (Enable Derived Measure Fields)] を実行します。
イベント フィーチャクラスに対象フィールドを追加するには、[対象フィールドの有効化 (Enable Referent Fields)] を使用します。 このツールでは、既存のフィールドを対象フィールドとして登録することで、対象フィールドを有効にします。
既存の LRS ネットワークを変更するには、[LRS イベントの変更 (Modify LRS Event)] ツールを使用します。
- LRS 交点の作成
[LRS 交点の作成 (Create LRS Intersection)] または [既存のデータセットから LRS 交点を作成 (Create LRS Intersection from Existing Dataset)] ツールのいずれかを使用できます。
交点ポイント フィーチャクラスに交点を追加するには、[交点の生成 (Generate Intersections)] を実行します。
既存の LRS 交点フィーチャクラスを変更するには、[LRS 交点の変更 (Modify LRS Intersection)] ツールを使用します。
- LRS ネットワークへのルートの読み込み
LRS が作成されたら、[ルートの追加 (Append Routes)] ツールを使用してルートを読み込むことができます。 ルートの形状は、[ルートの生成 (Generate Routes)] ツールを使用して再生成することができます。
- キャリブレーション ポイントを作成します。
キャリブレーション ポイントを追加するには、[キャリブレーション ポイントの生成 (Generate Calibration Points)] および [ルートの追加 (Append Routes)] ツールを使用します。
注意:
[キャリブレーション ポイントの生成 (Generate Calibration Points)] ツール以外でキャリブレーション ポイントが追加された場合、LRS ネットワークにルートを読み込む前にこのステップを完了する必要があります。
- 中心線を準備します。
データ エラーの原因となるオーバーラップを削除するには、[オーバーラップしている中心線を削除 (Remove Overlapping Centerlines)] を使用します。
- イベント データを読み込みます。
テーブル、レイヤー、またはフィーチャクラスから既存のイベント フィーチャクラスにイベント レコードを読み込むには、[イベントの追加 (Append Events)] ツールを使用します。
- 派生ネットワークを構成します。
[LRS ネットワークの作成 (Create LRS Networks)]、または [ライン ネットワークから生成] チェックボックスをオンにした [既存のデータセットから LRS ネットワークを作成 (Create LRS Network from Existing Dataset)] ツールのいずれかを使用できます。
再配置およびルートの再検索
以下のツールがリニア リファレンス データの再配置 (ルートの再検索) と維持に役立ちます。
- 中心線の作成 - ルートの再配置部分に 1 本以上の中心線が存在するかどうかを判断します。
- [イベントの振舞い] - イベントの振舞いルールがルートの編集にどのように適用されるかを考慮します。
- [イベントの振舞いを適用 (Apply Event Behaviors)] - イベントの振舞いを適用して、イベント メジャーをルートの編集と一致させます。
- LRS ネットワーク - 他の派生していない LRS ネットワークがルート編集の影響を受けるかどうかを判断します。
- [ルートの生成 (Generate Routes)] - 派生ネットワークを含む LRS ネットワークの形状を再生成します。
- [イベント メジャーの作成 (Derive Event Measures)] - 編集されたイベントの派生ネットワーク情報を更新します。
ルート編集ワークフロー
作成、延長、再割り当て、廃止、キャリブレーション、カートグラフィックの再配置などのルート編集アクティビティについても、同様のワークフローを作成することができます。
次の表は、パイプライン データの編集および維持に必要なステップをまとめたものです。
ステップ | ワークフロー | 作成 | キャリブレーション | カートグラフィックの再配置 | 延長 | 再配置 | 再割り当て | 廃止 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 中心線を作成します。 | Y | N | N | Y | N | N | N |
2 | 編集アクティビティを実行します。 | Y | N/A | N/A | Y | Y | Y | Y |
3 | [イベントの振舞いを適用 (Apply Event Behaviors)] ツールを実行します。 | N | Y | Y | Y | Y | Y | Y |
4 | 派生ネットワークが構成されている場合は、[ルートの生成 (Generate Routes)] ツールを実行します。 | Y | Y | N | Y | Y | Y | Y |
5 | 派生ネットワークが構成されている場合は、[イベント メジャーの作成 (Derive Event Measures)] ツールを実行します。 | Y | Y | Y | Y | Y | Y | Y |
追加の LRS ネットワークまたはライン ネットワークが構成された場合は、影響を受けるネットワークごとに編集アクティビティを繰り返します。
次のツールを使用して、影響を受けるネットワークごとにイベントの振舞い、ルートの形状、および派生ネットワーク情報を更新します。
- [イベントの振舞いを適用 (Apply Event Behaviors)] - イベントの振舞いを適用して、イベント メジャーをルートの編集と一致させます。
- [ルートの生成 (Generate Routes)] - 派生ネットワークを含む LRS ネットワークの形状を再生成します。
- [イベント メジャーの作成 (Derive Event Measures)] - 編集されたイベントの派生ネットワーク情報を更新します。