経験ベイズ クリギング (Empirical Bayesian Kriging) (Geostatistical Analyst)

Geostatistical Analyst のライセンスで利用可能。

サマリー

経験ベイズ クリギングは、繰り返しシミュレーションを行うことで基になるセミバリオグラムの推定誤差を考慮する内挿法です。

経験ベイズ クリギングとは?

使用法

  • このクリギング手法を使用すると、適度に非定常な入力データを処理できます。

  • この内挿方法では、標準円形およびスムージング円形による [検索近傍] のみ実行できます。

  • [検索近傍][スムージング円形] オプションを使用すると、実行時間が大幅に増大します。

  • [各ローカル モデルの最大ポイント数] および [ローカル モデル オーバーラップ ファクター] の値が大きいほど、実行時間が長くなります。 また、[データ変換] を適用すると、実行時間が大幅に増大します。

  • メモリが不足しないように、並列処理に使用できる CPU コア数が制限される場合があります。

  • 入力データが地理座標系を使用している場合、すべての距離は弦距離を使用して計算されます。 詳細については、「経験ベイズ クリギングとは」トピックの「地理座標を使用しているデータの距離計算」をご参照ください。

パラメーター

ラベル説明データ タイプ
入力フィーチャ

内挿する Z 値を含む入力ポイント フィーチャ。

Feature Layer
Z 値フィールド

各ポイントの高さまたは大きさの値を保持するフィールド。 これは数値フィールドまたは、入力フィーチャが Z 値または M 値を含む場合は Shape フィールドです。

Field
出力地球統計レイヤー
(オプション)

地球統計レイヤーが生成されます。 このレイヤーは、出力ラスターが要求されていない場合にのみ必須の出力です。

Geostatistical Layer
出力ラスター
(オプション)

出力ラスター。 このラスターは、出力地球統計レイヤーが要求されていない場合にのみ必須の出力です。

Raster Dataset
出力セル サイズ
(オプション)

作成する出力ラスターのセル サイズ。

この値は、[環境][セル サイズ] パラメーターで明示的に設定できます。

設定されていない場合、入力空間参照において、入力ポイント フィーチャの範囲の幅または高さ (どちらか短い方) を 250 で割った値になります。

Analysis Cell Size
データ変換タイプ
(オプション)

入力データに適用される変換のタイプ。

  • なし変換を適用しません。 これがデフォルトです。
  • 経験経験基底関数を使用した乗法的スキュー変換。
  • 対数経験対数経験基底関数を使用した乗法的スキュー変換。 すべてのデータは正でなければなりません。 このオプションを選択した場合、すべての推定値は正の値になります。
String
各ローカル モデルの最大ポイント数
(オプション)

入力データは、この数を超えるポイントを含まないグループに自動的に分割されます。

Long
ローカル モデル エリア オーバーラップ ファクター
(オプション)

ローカル モデル (サブセット) 間のオーバーラップ度合いを表す係数。 各入力ポイントはいくつかのサブセットに分類できます。このオーバーラップ ファクターは、各ポイントが分類されるサブセットの平均値を指定します。 オーバーラップ ファクターの値を高くすると、出力サーフェスがより滑らかになりますが、処理時間も増加します。 通常、値は 0.01 ~ 5 の範囲で変わります。

Double
セミバリオグラムのシミュレーション数
(オプション)

各ローカル モデルのシミュレート済みセミバリオグラムの数。

Long
検索近傍
(オプション)

出力の制御に使用する周辺のポイントを定義します。 標準円形がデフォルトです。

標準円形

  • [最大近傍数] - 未知の位置の値を推定する際に使用される最大近傍数。
  • [最小近傍数] - 未知の位置の値を推定する際に使用される最小近傍数。
  • [セクター タイプ] - 近傍のジオメトリ。
    • [1 セクター] - 単一の楕円。
    • [4 セクター] - 4 つのセクターに分割された楕円。
    • [4 セクター (回転)] - 4 つのセクターに分割され、45 度回転した楕円。
    • [8 セクター] - 8 つのセクターに分割された楕円。
  • [角度] - 変動ウィンドウの軸 (円) または長軸 (楕円) の回転角度。
  • [半径] - 検索円の半径の長さ。

スムージング円形

  • [スムージング係数] - スムージング内挿オプションを使用すると、外側の楕円と内側の楕円が、長軸にスムージング係数を掛けた距離に作成されます。 最小楕円の外側かつ最大楕円の内側にあるポイントは、シグモイド関数を使用して 0 〜 1 の値で重み付けされます。
  • [半径] - 検索円の半径の長さ。
Geostatistical Search Neighborhood
出力サーフェス タイプ
(オプション)

内挿結果を保存するサーフェス タイプ。

  • 推定内挿された値から推定サーフェスが生成されます。
  • 推定の標準誤差内挿された値の標準誤差から標準誤差サーフェスが生成されます。
  • 確率一定の閾値を超える確率サーフェス、または超えない確率サーフェス。
  • 分位推定分布の指定した分位値を推定する分位サーフェス。
String
分位値
(オプション)

出力ラスターを生成する分位値。

Double
確率閾値タイプ
(オプション)

指定した閾値を超える確率を計算するか、超えない確率を計算するかを指定します。

  • 超える確率値は閾値を超えます。 これがデフォルトです。
  • 超えない確率値は閾値を超えません。
String
確率閾値
(オプション)

確率閾値。 空のままにした場合、入力データの中央値 (50 番目の分位) が使用されます。

Double
セミバリオグラム モデル タイプ
(オプション)

内挿に使用されるセミバリオグラム モデル。

使用できるオプションは、[データ変換タイプ] パラメーターの値によって異なります。

変換タイプを [なし] に設定した場合、最初の 3 つのセミバリオグラムのみを使用できます。 タイプが [経験] または [対数経験] の場合、最後の 6 つのセミバリオグラムを使用できます。

データに適したセミバリオグラムの選択については、トピック「経験ベイズ クリギングとは」をご参照ください。

  • 累乗累乗セミバリオグラム
  • リニアリニア セミバリオグラム
  • Thin Plate スプラインThin Plate スプライン セミバリオグラム
  • 指数指数セミバリオグラム
  • 指数トレンド除去指数セミバリオグラム (1 次トレンド除去)
  • WhittleWhittle セミバリオグラム
  • Whittle トレンド除去Whittle セミバリオグラム (1 次トレンド除去)
  • K-ベッセルK-ベッセル セミバリオグラム
  • K-ベッセル トレンド除去K-ベッセル セミバリオグラム (1 次トレンド除去)
String

arcpy.ga.EmpiricalBayesianKriging(in_features, z_field, {out_ga_layer}, {out_raster}, {cell_size}, {transformation_type}, {max_local_points}, {overlap_factor}, {number_semivariograms}, {search_neighborhood}, {output_type}, {quantile_value}, {threshold_type}, {probability_threshold}, {semivariogram_model_type})
名前説明データ タイプ
in_features

内挿する Z 値を含む入力ポイント フィーチャ。

Feature Layer
z_field

各ポイントの高さまたは大きさの値を保持するフィールド。 これは数値フィールドまたは、入力フィーチャが Z 値または M 値を含む場合は Shape フィールドです。

Field
out_ga_layer
(オプション)

地球統計レイヤーが生成されます。 このレイヤーは、出力ラスターが要求されていない場合にのみ必須の出力です。

Geostatistical Layer
out_raster
(オプション)

出力ラスター。 このラスターは、出力地球統計レイヤーが要求されていない場合にのみ必須の出力です。

Raster Dataset
cell_size
(オプション)

作成する出力ラスターのセル サイズ。

この値は、[環境][セル サイズ] パラメーターで明示的に設定できます。

設定されていない場合、入力空間参照において、入力ポイント フィーチャの範囲の幅または高さ (どちらか短い方) を 250 で割った値になります。

Analysis Cell Size
transformation_type
(オプション)

入力データに適用される変換のタイプ。

  • NONE変換を適用しません。 これがデフォルトです。
  • EMPIRICAL経験基底関数を使用した乗法的スキュー変換。
  • LOGEMPIRICAL対数経験基底関数を使用した乗法的スキュー変換。 すべてのデータは正でなければなりません。 このオプションを選択した場合、すべての推定値は正の値になります。
String
max_local_points
(オプション)

入力データは、この数を超えるポイントを含まないグループに自動的に分割されます。

Long
overlap_factor
(オプション)

ローカル モデル (サブセット) 間のオーバーラップ度合いを表す係数。 各入力ポイントはいくつかのサブセットに分類できます。このオーバーラップ ファクターは、各ポイントが分類されるサブセットの平均値を指定します。 オーバーラップ ファクターの値を高くすると、出力サーフェスがより滑らかになりますが、処理時間も増加します。 通常、値は 0.01 ~ 5 の範囲で変わります。

Double
number_semivariograms
(オプション)

各ローカル モデルのシミュレート済みセミバリオグラムの数。

Long
search_neighborhood
(オプション)

出力の制御に使用する周辺のポイントを定義します。 標準円形がデフォルトです。

検索近傍クラスには、SearchNeighborhoodStandardCircularSearchNeighborhoodSmoothCircular があります。

標準円形

  • radius - 検索円の半径の長さ。
  • angle - 変動ウィンドウの軸 (円) または長軸 (楕円) の回転角度。
  • nbrMax - 未知の位置の値を推定する際に使用される最大近傍数。
  • nbrMin - 未知の位置の値を推定する際に使用される最小近傍数。
  • sectorType - 近傍のジオメトリ。
    • ONE_SECTOR - 単一の楕円。
    • FOUR_SECTORS - 4 つのセクターに分割された楕円。
    • FOUR_SECTORS_SHIFTED - 4 つのセクターに分割され、45 度回転した楕円。
    • EIGHT_SECTORS - 8 つのセクターに分割された楕円。

スムージング円形

  • radius - 検索円の半径の長さ。
  • smoothFactor - スムージング内挿オプションを使用すると、外側の楕円と内側の楕円が、長軸にスムージング係数を掛けた距離に作成されます。 最小楕円の外側かつ最大楕円の内側にあるポイントは、シグモイド関数を使用して 0 〜 1 の値で重み付けされます。
Geostatistical Search Neighborhood
output_type
(オプション)

内挿結果を保存するサーフェス タイプ。

出力サーフェスのタイプについては、「内挿モデルが生成できる出力サーフェスのタイプ」をご参照ください。

  • PREDICTION内挿された値から推定サーフェスが生成されます。
  • PREDICTION_STANDARD_ERROR内挿された値の標準誤差から標準誤差サーフェスが生成されます。
  • PROBABILITY一定の閾値を超える確率サーフェス、または超えない確率サーフェス。
  • QUANTILE推定分布の指定した分位値を推定する分位サーフェス。
String
quantile_value
(オプション)

出力ラスターを生成する分位値。

Double
threshold_type
(オプション)

指定した閾値を超える確率を計算するか、超えない確率を計算するかを指定します。

  • EXCEED確率値は閾値を超えます。 これがデフォルトです。
  • NOT_EXCEED確率値は閾値を超えません。
String
probability_threshold
(オプション)

確率閾値。 空のままにした場合、入力データの中央値 (50 番目の分位) が使用されます。

Double
semivariogram_model_type
(オプション)

内挿に使用されるセミバリオグラム モデル。

  • POWER累乗セミバリオグラム
  • LINEARリニア セミバリオグラム
  • THIN_PLATE_SPLINEThin Plate スプライン セミバリオグラム
  • EXPONENTIAL指数セミバリオグラム
  • EXPONENTIAL_DETRENDED指数セミバリオグラム (1 次トレンド除去)
  • WHITTLEWhittle セミバリオグラム
  • WHITTLE_DETRENDEDWhittle セミバリオグラム (1 次トレンド除去)
  • K_BESSELK-ベッセル セミバリオグラム
  • K_BESSEL_DETRENDEDK-ベッセル セミバリオグラム (1 次トレンド除去)

使用できるオプションは、transformation_type パラメーターの値によって異なります。 変換タイプを NONE に設定した場合、最初の 3 つのセミバリオグラムのみを使用できます。 タイプが EMPIRICAL または LOGEMPIRICAL の場合、最後の 6 つのセミバリオグラムを使用できます。

データに適したセミバリオグラムの選択については、トピック「経験ベイズ クリギングとは」をご参照ください。

String

コードのサンプル

EmpiricalBayesianKriging の例 1 (Python ウィンドウ)

一連のポイント フィーチャをラスターに内挿します。

import arcpy
arcpy.EmpiricalBayesianKriging_ga("ca_ozone_pts", "OZONE", "outEBK", "C:/gapyexamples/output/ebkout",
                                  10000, "NONE", 50, 0.5, 100,
                                  arcpy.SearchNeighborhoodStandardCircular(300000, 0, 15, 10, "ONE_SECTOR"),
                                  "PREDICTION", "", "", "", "LINEAR")
EmpiricalBayesianKriging の例 2 (スタンドアロン スクリプト)

一連のポイント フィーチャをラスターに内挿します。

# Name: EmpiricalBayesianKriging_Example_02.py
# Description: Bayesian kriging approach whereby many models created around the
#   semivariogram model estimated by the restricted maximum likelihood algorithm is used.
# Requirements: Geostatistical Analyst Extension
# Author: Esri

# Import system modules
import arcpy

# Set environment settings
arcpy.env.workspace = "C:/gapyexamples/data"

# Set local variables
inPointFeatures = "ca_ozone_pts.shp"
zField = "ozone"
outLayer = "outEBK"
outRaster = "C:/gapyexamples/output/ebkout"
cellSize = 10000.0
transformation = "EMPIRICAL"
maxLocalPoints = 50
overlapFactor = 0.5
numberSemivariograms = 100
# Set variables for search neighborhood
radius = 300000
smooth = 0.6
searchNeighbourhood = arcpy.SearchNeighborhoodSmoothCircular(radius, smooth)
outputType = "PREDICTION"
quantileValue = ""
thresholdType = ""
probabilityThreshold = ""
semivariogram = "K_BESSEL"

# Execute EmpiricalBayesianKriging
arcpy.EmpiricalBayesianKriging_ga(inPointFeatures, zField, outLayer, outRaster,
                                  cellSize, transformation, maxLocalPoints, overlapFactor, numberSemivariograms,
                                  searchNeighbourhood, outputType, quantileValue, thresholdType, probabilityThreshold,
                                  semivariogram)

ライセンス情報

  • Basic: 次のものが必要 Geostatistical Analyst
  • Standard: 次のものが必要 Geostatistical Analyst
  • Advanced: 次のものが必要 Geostatistical Analyst

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